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竹中金融・経済財政担当大臣記者会見録

(平成15年1月7日(火)10時35分~10時49分 於)金融庁会見室)

1.発言要旨

お待たせしました。明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

初閣議がございました。総理の方から年頭に当たっての意見表明がありまして、今年は経済再生に向けて従来以上に努力をしなければいけない年であると。不良債権処理の加速、企業・産業の再生、デフレの克服、そうした問題に向けて政策を強化していきたい、改革路線を着実なものにしていきたいと。補正予算、それと来年度予算について、国会で万全の体制で臨むようにという指示がありました。

外交については、日本としての主体的姿勢を明確に示していく。北朝鮮については拉致問題、核問題等粘り強く交渉していく。ロシアについては、1月9日から訪問をする予定であるけれども、幅広い問題について関係改善を図りたいと。

4月の統一地方選に当たっては、公務員の政治的中立という点について、昨日も総理は次官会議でお話しをされたそうでありますが、大臣も厳しい姿勢で臨んで欲しいというお話がありました。

経済は大変厳しい状況にあるけれども、日本には大きな潜在力がある。この大きな潜在力を発揮させるのは構造改革をおいてほかないと、強い決意で臨みたいというお話がございました。

閣僚懇での意見は特にありません。その後、新年ということで乾杯をいたしましたけれども、その場でも総理の方から、公務員の政治的中立性についてそれを強調されるお話がございました。

閣議については以上でありますけれども、新年に当たって私なりの決意を申し添えたいと思います。

小泉内閣発足から丸2年を今年迎えるわけでありますけれども、今年こそ構造改革の成果を実感できる年にしたいと、構造改革が着実に進行しているということを実感できる年にしたいというふうに思います。そういう決意で経済の運営に臨む所存であります。

経済財政諮問会議では、これはもう既にお話ししましたように、広い意味での財政の構造改革、経済の活性化、更には公的な資金の流れ等々に取り組んでいきたいと思いますが、経済財政諮問会議の機能を強化するという観点から、事務局体制の強化をぜひ図りたいと思います。

今、事務局というのは明示的には存在していないわけでありますけれども、民間議員の一人であります本間正明先生に実質的に事務局長的な仕事を兼ねていただいて、民間議員、内閣府職員一体となって力強くこの経済財政諮問会議の運営に当たっていきたいというふうに思っております。

金融に関しましては、「金融再生プログラム」の迅速かつ着実な実施を通じて、不良債権処理の加速に当たっていきたいというふうに思います。そのために、昨年末に設置されたタスクフォースなども活用しながら金融行政をこれまで以上に強化していきたいというふうに思います。

昨年末から複数の銀行が新しい経営改革を自主的に公表したと、こういう新しい動きが出て来たということについては前向きに受けとめたいと思います。しかし同時に、それぞれが今後具体化されていく中で、その計画の詳細、更にはそれが結果に結び付くようにという観点から、私自身としては3つの視点でそれらを見ていきたいと思います。

たまたま頭文字にSがつくんですけれども、一つはそうした計画がstrategicかどうか、つまり戦略性を持っているかどうかということであります。やはり経営計画には明確な戦略的意味付けが必要だと思います。単なる数字合わせのための組織変革とか合併であるならば、それはやはり評価することは出来ないわけで、本当の意味での戦略性があるかどうかということをきっちりと見ていく必要があると思っております。

2番目が、soundかどうか。つまり、健全かどうか、健全性があるかどうかという視点であります。健全な財務基盤の維持が大変重要であって、貴重な原資をなし崩し的に使ってしまうというような経営計画であってはいけないわけであります。そういう意味での健全性というものにもやはり注目したいと思います。会計面では、その意味では投資家、預金者を保護するための現行の会計基準が厳密に適用されることが大変重要であって、この点では監査法人のパフォーマンスにも大いに注目をしなければいけないと思っております。監査法人の責任において、いわゆる継続性が厳しく審査される必要があるわけで、そういった点についても注目をしたいと思います。

3番目は、sincereかどうかという点。つまり誠実かどうか、という点だと思います。貸し手としての優越的な地位を乱用して増資の引き受けを迫ったり、互いに増資を引き受け合って自己資本をかさ上げするようなことがもしあれば、これはやはりフェアではないわけで、そういうことが起こらないように、やはりしっかりとした視点を持っていきたいというふうに思います。公的資金を受け入れた際に提出した各種の計画は、これは約束であってやはりsincereに実行されなければいけないということにもなろうかと思います。

以上でありますけれども、いずれにしても経済は大変厳しい状況が予想されますけれどもマクロ経済運営及び金融監督双方において、ぜひもっとしっかりと改革路線を貫きたいと思っております。

私からは以上であります。

2.質疑応答

問)

総理が昨日の年頭会見で、デフレの克服に向けて政策を総動員するという趣旨の発言をされていましたけれども、この点に関して改めまして大臣のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。

答)

デフレの克服に向けて、政府・日銀一体となって政策を総動員するというのは諮問会議においても我々自身が非常に強く議論してきたところであります。その意味では、総理も非常に力強くそのことを今お進めになっていると、お取りになろうとしているということだと思います。昨年の秋以降、銀行行政が動く、それと税制改革という形で主税局、財務省も動く、補正予算という形で財政も動く、そうした中でやはり金融政策に期待するところは当然のことながら大きいと。しかしながら、日銀一部に偏った批判があるようでありますけれども、このことは決して日銀だけが全ての責任を負っているというわけでは全くなくて、正しく政府・日銀一体となっていると。我々としてもそのために、改革をさらに加速するために経済の活性化、財政の構造改革というのを諮問会議を中心にぜひ展開していきたいと思いますので、それと表裏一体となった形で金融政策がうまくかみ合ってデフレの抑制、克服に向けて動きたいというふうに思っています。

問)

それと、経済団体のトップが将来的な消費税の上げを容認するという趣旨の発言がありましたが、所管は違うかもしれませんが、この点に関して大臣のお考えはいかがでしょうか。

答)

基本的には財政、マクロ的な財政の問題というのは「改革と展望」において、数字的なものも含めて、間もなくそのシナリオを我々としても示せると思います。そうしたものを受けて、それを実現するための手段としてどういうものがあるのかと、10年程度でプライマリーバランスを回復させたいというのは、これは多くの方々の一致した意見であろうと思いますので、そうした中で中・長期的な観点から議論をしてはどうかというのが多くの方の趣旨であろうかと思います。

我々としてはまず第一に、歳出の無駄をなくすこと、そのことに第一義的なウエートを置きたいと思います。その上で、中・長期的な観点から幅広く、いろんな選択肢を限らず議論をするということは、これは必要になってくることであろうと思っています。

問)

一部報道では、郵貯・簡保の分割検討について竹中大臣の方から進言されたというのがありますが、この点について改めてお考えをお聞かせください。

答)

新聞報道は承知をしております。基本的に進言したという事実はありません。したがって、総理がどのようにお考えかはともかくとして、それを進言したとか諮問会議で方向を決めているとかという事実は全くございません。

問)

国と地域との関係についての工程表の中に盛り込むというようなことも報道されていますけれども、その点はいかがでしょうか。

答)

国と地方の工程表というのは、むしろ三位一体の改革ですから、ちょっとそこはどういう意味なのか良く分かりません。正にこれから幅広くいろんなことを議論していけばよいのではないでしょうか。

問)

分割については、大臣のお考えはいかがなんでしょうか。

答)

これは今の時点でどういうやり方が一番良いかという明示的な考え方は私自身持ってはおりません。幅広い観点からの議論が必要だと思います。まず公的な資金の流れがどのようになっていくべきなのかという議論は、これは必要であって、こうした点は諮問会議ではぜひともする必要があるというふうに思っております。一方で、地域の金融がどうなのかということ、これは議論していかなきゃいけないわけで、それはリレーションシップバンキングの中で議論をしていくということになるかと思います。その時に、民間の金融と公的な金融部門の関係というようなことは、これは議論にはなるでありましょうけれども、そこでの議論を待ちたいと思います。

問)

3つのSということなんですが、それが満たされない場合は例えば認可がされないなど、どういったお考えなんでしょうか。

答)

それぞれ経営計画ですから、それぞれについて認可が必要なものがどれだけあるかというのはよく承知をしておりません。もちろん認可をする場合には、その認可の基準に基づいて粛々とやるわけでありますけれども、私が申し上げたのは日本の銀行部門が健全化を目指してさらに強くなるということを私もそうだし、国民も期待しているわけですから、そうした時に今申し上げたstrategicか、soundか、sincereかという観点からトータルに判断していく必要があるのではないかと、そういうことを申し上げたわけです。

問)

大臣が3つのSを仰る背景に、要は現状の大手銀行の実態がそういう3つのSについて問題があると、とりわけ3番目に提示しているsincereかという点について、貸し手の立場を利用した増資の引き受けだとかそういった実態があると見ているのかどうか。

答)

私が意見を申し上げたのは、一般論として申し上げているわけであります。個別の問題について、これからいろんな計画が具体化されていくわけですから、今申し上げたような視点でぜひ評価をしていきたいと思います。

問)

事務局体制を経済財政諮問会議でご指摘されているということなんですけれども、ここをちょっと詳しく教えていただきたいんですけれども、組織的・機能的に今の体制とどう違ってくるのかを含めて教えてください。

答)

基本的に、事務局の仕事というのは2つ、3つ大きな仕事があると思います。

まず、そもそもどういうスケジュールでどういうことを議論していくのかと、それをどのような形でまとめていくのかと。いわば、これはロジスティックスにかかわる部分かもしれませんが、これはこれでしかし何をイシューにするかという点で大変重要な問題になると思います。それと、政策問題を建設的に議論するに当たっては、一つの試案を作らなければいけない、たたき台をつくらなければいけない、試算を行わなければいけない。これは両方とも大変地味だけれども重要な役割になります。会議のメンバーとしての本来の仕事は、そういう形で出された問題そのものについて専門家として意見を申し述べるということになるかと思いますけれども、今申し上げたような何をイシューにするのか、ロジスティックスをどうするのか、それとたたき台をどうするのか、そういう点についてまで踏み込んで本間先生にはご指導をいただきたいと、そのように考えているわけです。であるものですから、先程申し上げたように諮問会議の議員と事務方、内閣府職員との接点になるようなことも含めてご指導いただきたいと、そのように思っています。

(以上)

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