英語版はこちら新しいウィンドウで開きます

竹中金融・経済財政担当大臣記者会見要旨

(平成15年3月18日(火)8時57分~9時07分 於)院内)

1.発言要旨

おはようございます。

閣議がございました。閣議に関しまして、特に私の方からご報告することはありません。

閣僚懇で、総理から発言がございました。官房長官から、詳細なご報告があろうかと思いますが、要は、我が国としても、武力行使が現実となる場合を視野に入れて対応に万全を期す必要があると、そういう趣旨であります。

特に、「本件がイラクを巡る新しい情勢が内外の経済に混乱を引き起こして、国民に不安を生じさせるようなことがあってはならない。財務大臣、経済産業大臣、金融・経済財政政策担当大臣は、引き続き為替、原油、株式などの経済・金融市場の動向を十分注視しつつ、不測の事態が生じないように、日本銀行など関係当局との緊密な連携のもと万全を期すように」と、そういうご指示が総理からございました。

株式市場については、最近のイラク情勢等々の緊迫化によって不安定な状況になっていることも踏まえて、ご承知のように先般、先週の木曜日でありますけれども、株式市場の適正な運営確保のため厳格な市場監視、適正な価格形成の確保など6項目の市場対策を取りまとめ公表したところでございますけれども、これはこれまでご説明してきました通り、当面、迅速に行うべき対応策として打ち出したものであります。

金融庁としては、本日の総理のご指示も踏まえまして、引き続き市場の動向を注視しながら、日本銀行や証券取引所等と連携して、時々刻々と変化する状況に応じて適切に対応して参るという所存であります。

また、世界的に株価が下落しているという状況に鑑み、事態に即して各国の金融市場当局と緊密に連絡を取りながら、金融システムやマーケットに混乱が生じないよう、各国と協調して万全の対応をとって参りたいと思っております。

私の方からは以上でございます。

2.質疑応答

問)

イラク情勢について、米国の攻撃が避けられない情勢になったわけですが、改めて日本経済、あるいは市場に対する影響について、大臣としてどうお考えになっているのかということが1点と、総理の指示で万全の対応策をという指示だということですが、現在、何か考えてらっしゃることがあるのかどうか、2点伺いたいと思います。

答)

まずは、やはり冷静に対応を見極めたいと思います。日本時間の10時にブッシュ大統領が演説をすると聞いておりますので、その中身をしっかりと確認したいと思っています。

日本経済に対する影響でありますけれども、これも何度か申し上げている通り、90年の湾岸危機の経験も踏まえて、先程から問題になっている株式市場の動向に加えて、原油の価格、それと消費者心理、国民の心理、それについてしっかりとウォッチをしていかなければいけないと思っております。

内外の多くの専門家は、戦争が始まったとしても、それが短期間で終息すれば、マクロ的な影響は決して大きいものではないというふうに言っております。それが基本線だと思います。そういった基本線を踏まえながら、しかし、これは不測の事態が起こらないようにしっかりと見ていきたいということであります。

当面、総理の指示を受けてということでありますが、やはり先程の繰り返しになりますが、まず10時のブッシュ大統領の演説等々を踏まえて、しっかりと情報を収集すること。その中で、我々としては特に市場の動向に対して、従来以上にやはりしっかりと日本銀行と連絡を取りながら、また証券取引所等々とも連絡を取りながら、その対応を考えていく必要があると思っております。

問)

市場関係なんですけれども、緊迫化しているということで実際に開戦ということになった場合に取り得る対応として、例えば市場閉鎖とか値幅制限とかがあると思うんですけれども、その辺り、現時点ではどのようにお考えになっているかお願いします。

答)

これは、その現状を見てしっかりと判断していくということに尽きると思います。

しかし、市場というのは基本的にやはりいつでも取引できるということが市場の大前提でありますので、それの原則を守りながら、しっかりと見ていきたいというふうに思います。

問)

値幅制限については検討されるという方向ではあるんでしょうか。

答)

これもやはり事態を見ながら、やるべきときは当然柔軟に対応しなければいけませんですけれども、これまた価格形成は自由であるというのが市場の大前提でありますから、市場の大前提と言いますか、本質を損なわないように、しかし緊急の場合については柔軟に、正に事態に即応してやっていくことが我々の務めだと思います。

問)

逆にアメリカの市場は高騰しているようなのですけれど、これはどういうふうに分析されますでしょうか。

答)

マーケットはいろいろな要因で動きますから、それになかなかコメントをするのは、特に私の立場では難しいんでありますけれども、一般の見方は、やはり不確実要因がなくなるということを言う専門家はいるようであります。

いずれにしても、いつも言っていますけれども、地政学的な不確実性、これがやはり日本のみならず世界のマーケットに対する重しになっているということでありますので、これからどういう展開になるかということは、まだ不確実な要因もありますので、しっかりと見ていきたいと思います。

問)

明日、日銀の速水総裁が退任されるんですけれども、速水総裁の5年間の日銀の施策を振り返ってご感想をお願いします。

答)

昨日の月例経済報告の場でも、山崎幹事長が仰いましたけれども、やはり本当に難しい時期に5年間、特に新日銀法になってからすぐの総裁ご就任であったというふうに思いますけれども、大変ご苦労の多い仕事だったと思います。デフレはまだ続いておりますから、中央銀行に課せられた役割は引き続き大きいわけでありますけれども、この速水総裁が残された、特に非常に果敢な金融緩和とかゼロ金利政策、そういった実績の上に立って、日本銀行が引き続きしっかりとこの金融面でのコントロールをしていっていただきたいなというふうに思っています。

問)

昨日の月例の場で、公明党の冬柴幹事長の方から、銀行等保有株式取得機構等の8%の拠出金について、少し考えた方がいいんじゃないかというような意見が出たようですが、これについてどういったお考えをお持ちでしょうか。

答)

これは大所高所から与党の方等々でもいろいろご議論をいただいているというふうに認識をしております。そうした与党の議論等々を注視しながらやって参りたいというふうに思います。

問)

戦争に絡んで何らかの経済対策本部等を設けるような考えはございますでしょうか。

答)

繰り返しますけれども、10時にブッシュ大統領がいろいろ話されますし、そうした動向を見ながらしっかりと判断をしていきたいと思います。

(以上)

サイトマップ

ページの先頭に戻る