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竹中金融・経済財政担当大臣記者会見要旨

(平成15年3月28日(金) 20時09分~20時37分)

【大臣より発言】

リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムを作成し、公表することといたしましたのでご報告をさせていただきます。

中小・地域金融機関の不良債権処理につきましては、例の「金融再生プログラム」において、「金融再生プログラム」というのは主要行を対象としたものでありますが、異なる特性を有する「リレーションシップバンキング」のあり方については金融審議会において多面的な尺度から検討して、年度内に「アクションプログラム」を策定するというふうにしておりました。

これを受けまして、金融審議会の報告書が昨日発表されました。「リレーションシップバンキングの機能強化に向けて」という報告書でありますけれども、この中では、「今後、16年度までの2年間を地域金融に関する集中改善期間と位置付けた上で、リレーションシップバンキングの機能を強化して、中小企業の再生と地域経済の活性化を図るための取組みを進めることによって、不良債権問題も同時に解決して行くことが適当である」というふうにされております。

この提言等を踏まえまして、金融庁としては本日、「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」を発表したところでございます。詳細については事務方から詳しく後でご説明させていただきますけれども、私の方から簡単に概要を申し上げたいと思います。

このアクションプログラムは、2つの大きな柱からなっております。1つは中小企業金融の再生に向けた取組み。もう1つは健全性の確保、収益性の向上等に向けた取組み。この2つであります。

第1の柱であります「中小企業金融の再生に向けた取組み」に関しましては、先の金融審の報告書のおきまして、リレーションシップバンキングとして中小・地域金融機関が果たす役割に対する期待は大きいとしても、中小・地域金融機関の実態は、リレーションシップバンキング本来のあり方から乖離している面があるという旨の指摘をこの報告書の中で受けております。この指摘を受けまして、アクションプログラムでは大きく4点、第1に産業クラスター計画への支援など、各金融機関が地域において創業・新事業を支援して行く機能の強化を図ること。第2に中小企業再生支援協議会の活用など、早期の事業再生に向けた積極的な取組みを行うこと。第3に地域の中小企業向けデット・エクイティ・スワップや財務制限条項を活用した担保・保証に過度に依存しない新たな中小金融に向けた取組みを行うこと。第4に借り手への説明態勢の整備状況に関する監督のあり方を明確化する。こういった対応を盛り込みまして、中小・地域の金融機関が真にリレーションシップバンキングとして機能を果たせるよう促すというふうにしています。

第2の柱であります「健全性の確保、収益性の向上等に向けた取組み」についてでございますけれども、これについても報告書において厳しい指摘をいただいております。即ち、審査能力、モニタリング能力といった金融機関の経営力の不足、借り手企業の弱体化等を背景に、中小・地域金融機関における取引先や地域へのコミットメントコストの顕在化が著しくなっており、結果として、中小・地域金融機関の収益力や財務体力の低下をもたらしていると。このように指摘をされています。こうしたことを受けて、リレーションシップバンキングのサステナビリティを保持するという観点から、様々な監督上の対応を織り込んでおります。

具体的には4点大きく申し上げますけれども、第1に資産査定の面で大口与信などの信用リスクに関する早期警戒制度を整備すること。第2にガバナンス強化の面では株式を公開しない銀行に対しても、株式公開銀行並みのディスクロージャーを求めるとともに、協同組織金融機関についてはガバナンスの向上を図るという観点から様々な対応を行うということであります。第3として、地域貢献に関して、各金融機関に対してその実績のディスクロージャーを行うように要請をしております。また、地域・中小金融機関の利用者に対する情報提供の充実を図るために金融庁が各金融機関の主な財務上の指標を取りまとめ、一覧性のある形で公表して行きたいというふうに考えております。

最後に不良債権については、この報告書において、地域の場合、中小の場合、実態に即した不良債権処理を進めるという必要があることから、主要行と同一の数値目標を課すことは必ずしも適当ではないとされております。その一方で、こうした取り扱いが問題の先送りとならないようにする必要性も指摘されております。

今回のアクションプログラムでは、「中小企業金融の再生に向けた取組み」に関しては、各金融機関に半年毎のディスクロージャーを求めるということ。更に、「健全性の確保、収益性の向上等に向けた取組み」につきましては、中小・地域金融機関向け、総合的な監督指針を策定するということ。加えて、金融機関に対して銀行法24条に基づいて、今後2年間の集中改善期間に関するリレーションシップバンキングの機能強化計画についての報告を求めるとともに、半期毎にフォローアップの上、必要に応じて監督上の対応を行うこととしております。

こうしたディスクロージャーによるパブリックプレッシャーと監督態勢の強化によって、中小・地域金融機関の取組みを促して行きたいというふうに考えております。

今回、このような形で金融審の報告を受けまして、中小・地域金融機関のリレーションシップバンキングの機能強化による不良債権問題の解決に向けた2年間のアクションプログラムを策定させていただきました。より重要なことは、今回の報告書やプログラムの内容を金融機関も含め、全国各地の関係者にご理解いただき、早急に実施していただくことであるというふうに思っております。

こうした観点から、これらの措置につきましては年度内、年度内と言っても後は月曜日でありますけれども、各金融機関に対して正式に要請を行うこととし、また、早急に財務局や業界団体を通じて報告書やアクションプログラムの内容を各金融機関にご説明したいと考えております。また、今後、各地においてワークショップ等を開催して、こうした論点について各地の皆様にもご理解を深めていただく機会を持ちたいというふうに考えております。私の方からは以上でございます。

【質疑応答】

問)

不良債権の処理の件ですが、数値目標を設けないということで、半年毎のディスクロージャーとかフォローアップということですけれども、大手行に比べて遅れるということはないのでしょうか。2年後にはペイオフの解禁もありまして、みんな自由化の波に晒される状況になると思うわけですが、その時に立ち遅れというふうにはならないのでしょうか。

答)

大手と言いますか主要行の場合は、後2年間で不良債権比率を半分にすると、半分にすることが、ある意味で不良債権問題の終結に繋がるというふうに考えているわけですけれども、この地域・中小の金融機関につきましては、地域・中小のリレーションシップバンキングの機能を強化して、地域に貢献する、それでいて地域に根差して収益力を持つ金融機関になっていただくことが実は問題の解決になって行くのだと、そういうふうに理解をしているわけです。その意味では不良債権の額等々が、その時に大手の場合と同じ様な形にはならないにしても、その機能を通じて、即ち社会に貢献出来るリレーションシップバンキングを担う機関としてその存在感を高めて、十分な機能を果たしていけるようになっていると、その様なイメージで考えております。

問)

大手行の場合でも数値目標を設けないで、こういった様々な取組みを掲げて行けば改善されるというふうな理解にはならないのでしょうか。

答)

大手の場合は正にグローバルな競争の中に晒されていて、グローバルな金融のネットワークに直結していて、そういった資金移動も直接に影響を受けるというような状況でありますから、ここはやはり数値目標を掲げて、厳しい不良債権処理を進めなければいけない。金融再生プログラムを作成する際のプロジェクトチームでの一致した意見であったわけです。そこは地域の場合は、より特殊な事情を持ちながら地域に貢献している銀行であるということで、このリレーションシップバンキングの検討に入ったわけでありますので、そこは当初からそれぞれの性格の違いを十分に認識した上で、適切な措置をとって行こうというふうに考えて来たわけです。

問)

そうすると、2年後にはペイオフなんかにも対応出来るように力強くなるという理解でよろしいのでしょうか。

答)

基本的にはそういうことです。リレーションシップバンキングというのは、正にどういうことかと言いますと、これは金融審の報告に詳しく書かれておりますけれども、情報の非対称性が非常に大きいような地域に根差した金融の中では、それこそ経営者がどういう方であるかとか、非常に強い定性的な情報に基づいてリレーションシップバンキングの機能を発揮出来る素地があるわけで、そういった機能を生かしながら地域金融機関としての強い営業基盤を持っていける、その様な形を目指したいということです。

問)

2年の改善期間が終わった段階で、地域金融機関の不良債権は増えているのでしょうか減っているのでしょうか。

答)

基本的にはこれはしっかりとした収益力、地域に根差してしっかりとした営業基盤を持って、収益力もそれなりに持っているということですから、これは不良債権の額そのものを明示的に問題にしているわけではありませんけれども、一層収益力を高めて、一層健全になっているという姿を想定しております。

問)

不良債権が今よりも増えているという姿は想定はしていないわけですね。

答)

それは金融機関が良くなるための施策をこの中に織り込んでいるわけですので、そういう点からは増えているということは全く想定はしておりません。

問)

リレーションシップバンキングという言葉の定義でそもそも論になってしまうのですが、バンキングということは、要するにこういった取引をするということを指しているわけですよね。つまり、中小金融機関のことを指しているわけではなくて、こういった銀行業務のやり方を指しているという理解でよろしいのでしょうか。

答)

機関か、つまり主体か行為かということでしたら、それは行為であるというふうにご理解いただいて良いと思います。

問)

そうすると大手行もこういった行為というのはあって、例えば大手行で言ったら6割から7割というのは中小企業向け融資なわけですから、大手行に対しても同じ様な取組みを求めるということになるのでしょうか。

答)

基本的にはそういうことではないと思います、なぜならば、先程言いましたように、非常に情報の非対称性が非常に強い分野ですね。大手行の場合も中小企業を対象にするわけでありますけれども、その場合やはりいわゆるリレーションシップバンキングの対象になるような地域の中小企業と違って、それなりに情報が開示されていて、情報の非対称性がそんなに強いということは想定されないのではないかというふうに思っております。情報の非対称性があるからこそ、地域に根差した金融機関が定性的情報を活用しながら地域に根差した金融行為を行っていく素地があるわけでありますので、非常に厳密にこれは行為でありますから、100%排除するということを言うつもりはありませんが、ここはやはりメガバンクについてこういうものは基本的には想定されていないというふうにご理解をいただいて良いのではないでしょうか。

問)

メガバンクも経営健全化計画で、中小企業向け融資を増やすように要請されていますから、かなりそういった中小企業に対する融資というのは増えているということが想定されるわけですが。

答)

そこは一言で中小企業と言っても想定されている中小企業の世界が違うというふうに、これは一種の概念ですので、厳密にここから線を引くという厳密なものではありませんけれども、常識的には想定されていないというふうに考えていただいて良いと思います。

問)

規模が違うということですか。

答)

規模とか活動の範囲とか、活動の性格とか、先程も言いましたようにそれを区切るのは情報の非対称性がどのぐらい強いかということだと思います。

問)

金融審議会の昨日の報告書の中で、経営力の不足だとかコストの上昇について非常に厳しい意見が出されているのですけれども、これについて大臣は同意なさるのかどうか。それと、昨日から地域金融機関の経営者に聞いていますと、不良債権処理は着実に進めている。貸し渋りのようなことはないというふうに地域金融機関側は主張しているようですけれども、これについてはいかがお考えでしょうか。

答)

まず地域金融機関においてコミットメントコストが非常に高くなっているというのは、これは事実であろうかと思います。現実問題としてリレーションシップバンキングに対して、非常に一つの情報の非対称性が高い分野におけるビジネスモデルとして期待が高いのですけれども、必ずしも現状ではそういった役割を果たせていないのではないだろうかと。これは金融審の中で指摘されている通りだと私も思います。そこをしかし期待があるということは、潜在的ニーズがあるということですから、それに向けてしっかりと事業の基盤を確立して行って欲しいというのが我々の期待なわけです。

それと、2番目の質問の趣旨はちょっと良く分からなかった面もありますが、地域の金融機関にもいろいろあります。そこは地域の皆さんからやはり信頼されなければいけない。それの一つの基準はもちろん自己資本比率でありますけれども、地域への貢献と、今回は非常に多面的な情報についても情報の開示をしていただいて、地域の皆さんから多面的に評価をしていただけるようにする。もちろんその中に財務の健全性というのは、それはそれで大変必要なことであるし、財務の健全性を確保しながら地域への貢献をしていっていただきたい。現実にご質問は貸し渋りがあるかどうかということなのかもしれませんけれども、そういうことについては財務を健全化して地域に貢献する中で本来の機能を果たして行っていただく。そうした中で今いろいろ懸念されている問題についても改善をしていっていただきたいというふうに思っています。

問)

ペイオフの延期と同時に地域金融機関の合併促進策というのが発表されたのですけれども、それとのリレーションシップバンキングのアクションプログラムの進め方との関係というのはどういうものでしょうか。

答)

関係と言いますか、我々はリレーションシップバンキング、情報の非対称性がある世界でそういったことをむしろ活用した新しいビジネスモデルを作って行っていただきたい、一方で合併の促進特措法というのは、財務基盤をしっかりとまずしていただきたいということでありますから、これは矛盾するものではない、両立するものであるというふうに思っています。先般成立した例の特措法はその財務基盤の面に焦点を当てているわけですので、これはしっかりと活用できるものは活用していただいて、リレーションシップバンキングの機能をしっかりと発揮していただきたいと思っています。

問)

今日のタスクフォースではこの議論はあったのでしょうか。

答)

今日のタスクフォースは非常に幅広い議論を行いました。リレーションシップバンキングの話も少し出ましたけれども、ほとんどこれはむしろ「こういう報告書を出します」というご報告でありました。

問)

与党の部会がこれを一応了承されたのですけれども、その中で検査マニュアルの別冊の所なのですけれども、改訂ということが今回入っているわけですけれども、果たして監督・検査の中でこれから指針作りをされるとなっていますけれども、実態を反映するという所も出ているのですけれども、その実態とは何ぞやというのが良く分からないというか、そこはこれからどういうふうに改訂を進めて行こうとされているのですか。

答)

ご承知のようにこれは私が就任する三ヶ月位前でありますけれども、例の金融検査マニュアルの別冊、中小企業融資編が作られています。これはもう皆さんにも良く読んでいただいていると思いますけれども、中小企業の実態に即した検査を行うのだということで、しっかりと書かれているというふうに私は思っています。ただ、これがなかなか周知徹底していないという所で、我々として今、最大の仕事はこれを周知徹底させることである。今後検査現場での定着状況についてモニタリングをした上で、どういう所に課題があるのかというようなことを詰めた上で、我々として15年度中にその今般アクションプログラムが策定されておりますし、中小企業金融機関向けの総合的な監督指針等々も議論されて行きますから、それを踏まえて15年度中に改訂を検討して行きたいというふうに思っている所です。

問)

それですと改訂がないということもあり得るというわけですか。

答)

そこは状況をチェックしてみて、それで「何もありません、完璧であります」ということでありましたらそういうことになるでしょうけれども、いろいろご議論いただいているということは、やはりいろいろ我々としても改善すべき問題はあるのだろうと思います。そこは謙虚に、虚心坦懐にいろいろチェックをして検討した上で対応して行きたいと思っています。

問)

随分細かいことまで指摘をされていると思うのですけれども、規制とは違うと思うのですが、規制緩和等の流れの中でこれだけいろいろなことを中小金融機関に課すということは、その流れに逆行することになるのではないかというのが一点と、これだけたくさんのことをいきなり小さい信用組合とかにやれということについて、それは可能なのか、その辺はどのようにお考えかお願いします。

答)

今回求めているのは基本的には経営方針をしっかり作ってくださいということと、必要な情報を開示して下さいということですから、規制緩和の方針に逆行するかということになりますけれども、規制を求めているということは基本的にはないというふうに思うのですね。これは正に、これだけ中小の機関で対応出来るかということですけれども、これはやはり対応してもらわなければ困るのだと思います。これが正にガバナンスの強化なのだと思っています。一つの、いろいろな形でリレーションシップの機能を果たすためにチェックしていただきたい項目を我々としては挙げているわけで、こうしたことに応えることによって地域の金融機関それぞれのガバナンスが強化されて行くということを我々は期待しているわけです。これは規制強化では全くないというふうに思っています。

問)

主要行の場合は不良債権問題の解決と言った時に、不良債権比率が半分程度になるという分かり易い到達点があったのですが、この表題に掲げられている中小・地域金融機関の不良債権問題の解決というのは、これはどういった状態なのでしょうか。

答)

そこはメガバンク、グローバルなバンキングと、リレーションシップバンキングは同じ不良債権問題と言ってもその解決の意味がかなり違うということだと思います。そのように考えているからこそ、我々は金融再生プログラムは主要行向けのものである、リレーションシップバンキングについては別に考えるということを当初から言ってきたわけです。

その解決の姿というのはどういうことかと、それは正しくリレーションシップバンキングという人々から期待されている機能を果たせるような状況になることだというふうに思っております。

そのためにどうしたらいいかということについて、いろいろな観点から今回、金融審におとりまとめをいただいて、我々として必要なアクションプログラムを作成したわけです。

問)

その関連ですけれども、つまり2年後には不良債権残高、これは置くにして、地域金融機関の不良債権問題は解決しているという理解でよろしいのでしょうか。

答)

リレーションシップバンキングの機能を強化し発揮させることによって、この不良債権問題といいますか、この業界が直面している問題も解決していると、そのように考えるわけです。

問)

今日はタスクフォースはどのような中身だったのか、お聞きできますか。

答)

今日は基本的には私自身が司会進行役を務めて、全くのフリートーキングを行いました。今、正に年度末を間近に迎えて、またイラクの情勢等々で、今後我々はどういった観点に注目していく必要があるかというマクロの議論を行いました。その上で銀行の検査・監督行政全体を今後どのようにして行ったら良いかという、非常に大きな幅の広いテーマについて自由に今日は議論を出していただきました。

今日は非常に幅広い議論をしたわけですから、今日の時点で新たに何かを決めたということではありませんですけれども、今日の議論を受けて、次回同じような幅広いフリートーキングをしようということになりました。

一つは我々として今、金融を良くするためにいろいろな施策をその場で打って、その場で最善と思われる政策を行っているわけですけれども、もう少し現実を中期的に見てどういうような成果を求めて行くのかという、政策のアウトカムをどのように求めるのかということについて少し中期的な観点から議論をした方が良いのではないか、そのアウトカムを達成するために今後どのような手段なり体制が必要なのかという、非常に大きな所で捕らえますと今申し上げたような観点について今日は問題提起をしていただいて、次回更に議論を深めようということになりました。

問)

普通株転換のガイドラインについて話はあったのでしょうか。

答)

今日はその話は特にしておりません。今日の時点ではしておりません。

問)

また少しリレーションシップバンキングに戻ってしまうのですけれども、ここに書かれているこのプログラムを実施することによって、確かに中小企業が続々と倒産するということは免れるかもしれませんが、一方で日本の不良政権問題の半分は中小企業向けの債権であるということを考えると、中小企業における供給過多のようなものが日本の景気の悪化を促しているのではないかということを考えれば、この中小企業をそうやって温存することによって、結局日本の構造改革のようなものが進まないで止まってしまうのではないかという見方もあるかと思うのですが、その辺は経済財政政策担当大臣のお立場になるかもしれませんが、どうお考えですか。

答)

これは元になっている「リレーションシップバンキングの機能強化に向けて」という昨日の報告を読んでいただきましたら、これは非効率なものをそのまま温存するということでは全くないということが、かなりはっきりと書かれているというふうに思っております。その点はむしろしっかりと情報の開示も求めているし、財務基盤の強化をしなければリレーションシップバンキングの機能は果たせないのだというような趣旨のことも書かれておりますし、そこは今ご指摘になったような点は、私は少し違うのではないかというふうに思っております。

逆にそういうことをしているとリレーションシップバンキングの機能を果たせなくなるという面が、私はむしろ強いと思っておりまして、そのための報告の仕組み、情報開示の仕組み等も今回のアクションプログラムの中ではかなりはっきりと謳わせていただいたつもりです。

(以上)


「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」

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