竹中金融・経済財政担当大臣記者会見要旨

(平成15年4月4日(金) 10時04分~10時24分 於)金融庁会見室)

1.発言要旨

閣議がございました。閣議に関して、私の方から特にご報告することはありません。

閣僚懇では、SARSの話について、各省の対応と意見交換がございましたが、私の方から特にご報告することはございません。

閣議、閣僚懇に関しては、以上でございます。

それで、ちょっと私の方から1点、「金融再生プログラム」のうち、残された項目につきましては、年度内を目途に鋭意作業を進めて来たところでありますが、その残された問題について、できれば本日の夕刻にも公表できるように準備をしております。

なお、これによって、「金融再生プログラム」については、全ての項目について対応が図れることとなります。もちろん、金融審で議論しているもの等、そういうものがあるわけでありますけれども、一応の対応が整うということになると思っております。夕刻にも発表したいと思っておりますので、その節はまたよろしくお願いします。

以上です。

2.質疑応答

問)

1日の経済財政諮問会議について、いわゆる三位一体改革に関し、「小泉総理の方から税源移譲を突破口にやってくれとご指示があった」と竹中大臣がブリーフされたんですが、これに対して塩川財務大臣が、「うそっぱち」、「でたらめ」と激しく批判されているんですけれども、まず「うそっぱち」だったかどうかということと、あと、閣僚が別の閣僚に対して「でたらめ」とか「うそっぱち」というのは、なかなか穏当さを欠くように思えるんですけれども、それ自体をどういうふうに受け止めていらっしゃるかお願いします。

答)

今日、これは議事要旨が出ますので、議事要旨でご確認いただきたいと思います。基本的には、これは三位一体でやるというのは、もう当然のことながら合意事項です。三位一体でやるに当たって、補助金、助成金を削減する。補助金、助成金を削減するということは、権限を移譲するということと同義でありますけれども、これからやっていこうということは、もう去年からずっと合意をしていることです。この合意に基づいて、いわゆる芽出しの作業というものも行われた。しかし、それ以降なかなか進まないと。それをどうするかということに関して、総理が税源移譲をやると。それによって出て来たいろいろな問題点みたいなものを、交付税の話とか、それに結び付けていったらどうかと、これは議事要旨でご確認いただきたいのですが、そういう発言をしておられます。

それを引き取る形で、毎回そうですけれども、議論の一番最後に総括を進行役としてしなければいけません。その時に、三位一体でやるということを確認して、助成金、補助金の削減をやると、これは去年からの合意事項だけれども、今日、総理が税源の移譲ということを仰ったので、この税源移譲を突破口にして更に具体案を詰めるということで、今日の議論はいかがか、締めくくりはどうかというふうに議事の総括を私はしております。それに関して異論はありませんでした。それに基づいて、そのような趣旨のことを記者会見で申し上げております。経緯は、そういうことです。

問)

今日、閣僚懇で、塩川さんとそういった話というのはされたのでしょうか。

答)

何もありません。

問)

あと、自民党の方から、いわゆる補正について10兆円規模とかいろいろな要望が出始めていますけれども、今の段階で補正予算編成すること自体が、構造改革と整合性が保てるのかどうかという見方もあるんですけれども、そこはどうお考えですか。

答)

総理は、政策転換はない、これは構造改革をしっかりと進めて、中・長期的な観点から財政の健全化も図っていく、正に4本柱の改革を一体として進めていくと。その意味では、現状において、総理が仰るように政策を転換するというような状況には全くないと思っております。

問)

今日の「再生プログラム」に関する発表なんですけれども、一部報道にもありますように、例えば優先株への転換に関しても、2003年3月期から数えても2期連続で無配とか、若干、大臣が当初念頭に置かれていたよりは甘い展開になるのではないかというような見方もあるかと思うんですけれども、その辺り、取りまとめられた上でのご認識をお願いします。

答)

これは、まだプログラムをご承知の通り発表しておりませんので、発表に向けて、今、鋭意詰めているところでございます。これは、いつも申し上げる一般論なんですが、今日の社説にもございましたけれども、私の性急過ぎる「金融再生プログラム」云々という言葉が一方であって、一方で、ご指摘のように改革が遅いのではないかというご指摘があって、常に両方からのご批判があるということは承知しています。

しかし、我々としては、今回のプログラムを非常に現実的な中で、しかし、着実に改革が進むようにしっかりと取りまとめているつもりでありますので、夕刻発表いたしますので、ぜひ様々な観点からご評価をいただきたいと思います。

問)

銀行株なんですけれども、一部下落しておりまして、資金繰り等問題はないというふうに伺っているんですが、その点を含めて、大臣の現在のご認識をお願いします。

答)

銀行株の下落については、我々も当然のことながら注視して見ております。これは、株のことですからいろいろな要因が働いているわけで、私がどうこう申し上げるということではございませんけれども、一般論としては、ないしは方向としては、やはり増資を行って、その集めた資金を有効に使って収益力を上げる。その収益力を上げるための経営の強化計画、ガバナンスの強化が正に求められているということだと思います。そうした収益力強化に向けてしっかりと努力していただいて、かつそれをマーケットにも評価してもらえるように、銀行各行におかれては本当にしっかりと頑張っていただきたいというふうに思っています。株価の下落によって、今すぐ金融システムがどうこうなるという状況では全くありませんが、引き続き各行のガバナンス強化、収益力強化に向けた努力を、やはりしっかりと期待したいと思います。

問)

時価会計なんですけれども、与党の方で、議員立法で法案を出すというような動きがあるんですが、金融庁の検討状況と、これに対しての対応というのはどのようにお考えでしょうか。

答)

与党には、いろいろなお考えがあるというふうに伺っております。今ご指摘のような意見もあると聞いておりますし、そういうものに反対だというようなご意見もあると。様々なご意見があるというふうに思っております。

我々としては、先般の3幹3政を受けて、与党からの要望をいただいて、それに基づいて例の会計機構の方に、この一般に公正・妥当と認められる会計慣行とは何たるかということを専門家の立場で審議して欲しいというふうにお願いしておりますので、そこでの審議をしっかりと見守りたいというふうに思っております。

問)

総理は、奇策とか、変える必要はないというようなご趣旨の発言をなさっているんですが、その辺り、大臣との間でちょっと差があるのかなという感じがするんですけれども、いかがお考えでしょうか。

答)

いや、これは王道を行く、奇策はとらない。そのために、一般に公正・妥当と認められる――この問題に関して言うならば、王道というのは一般に公正・妥当と認められる会計慣行に従ってやっていくことである。その一般に公正・妥当と認められる会計慣行については、かつては企業会計審議会でそういうものをご審議いただいたわけだけれども、今はそれを新しい機構でやっていただいているわけで、これが王道であるというふうに思います。

問)

総理の発言のご趣旨は、変えるべきではないと、かなりはっきりとされていると思うんですけれども、今の大臣のご説明だと若干違うような気がするんですけれども、いかがでしょうか。

答)

これは、それぞれの会計の一部一部について個人のいろいろな考えがありますし、私も当然持っておりますけれども、私はその会計の基準をちゃんとする役所の担当大臣でありますので、今いろいろ審議しているに当たって予断を与えないという意味で、個別の意見は申し上げておりませんけれども、いずれにしても王道というのは、一般に公正・妥当と認められる会計基準は何なのか、それをしっかりと審議してもらって、それを粛々と社会の中で定着させていくことだと思っております。

問)

今の件に絡んでなんですが、もともと機構の方で、民間に任せたいというふうになったら、自民党の方の議論の中で企業会計審議会に移ったわけですが、結局その公正・妥当だというものはその機構の方で検討していくということになったのにもかかわらず、もう一度頭越しに政治の方から、前に戻すような形で変えてしまえというふうなことになることについては、政策がやはり論理的とか合理的ではないような気がするんですけれども、その辺、大臣のご意見はないのでしょうか。

答)

ですから、これは会計基準を決して政治が作るということではないわけですね。これは、商法の大原則で、一般に公正・妥当と認められる会計慣行、それが何かについては、これは様々な意見があります。それに関して、企業の立場から、投資家の立場から、消費者の立場から、ないしは政治の立場から、それぞれにやはり活発に意見を言っていただくということは、これは自然なことだというふうに思います。

問)

ただ、時価会計、もう既にやっていることを凍結することが公正・妥当かどうかということに関して、大臣のお考えというのはないのでしょうか。

答)

ですから、これに関して、正にそのことも含めて今検討してもらっているわけですから、その委員会に金融庁の方から検討してくださいとお願いしている立場の者が、自身のことを申し上げるのは適切ではないと思います。

ご承知だと思いますけれども、この間の与党の申し入れでも、「こういった長期保有の有価証券の時価評価及び強制評価減の見直しを財務会計基準機構に強く要請する」、与党の方もこの検討を要請しているわけですから、そこは矛盾がないと思います。

問)

来週の月曜、火曜日に、日銀の政策決定会合があるんですが、大臣もスケジュールが合えばそれに出られると思うんですけれども、今回出られるのかどうかというのと、そういった時に、どういうふうなスタンス、態度で臨まれるのかお伺いします。

答)

火曜日の2日目に関しましては、予定が許す限り極力出席したいと思っております。それに当たってのスタンスということでありますけれども、基本的に我々としては、政府が構造改革に向けて努力しているという立場を改めて表明させていただいて、その上でデフレ克服に向けて、政府・日銀が一体となって取り組んでいただきたいということを改めて申し上げたい。政府の意見としては、そのように申し上げたいというふうに思います。

問)

その時に、政府が頑張っている、日銀にももう一歩頑張ってほしいということは仰られるんですか。

答)

これは、今までもそう申し上げてきましたし、今回もそう申し上げたいと思います。政府ももっと頑張るということも、申し上げたいと思います。

問)

「金融再生プログラム」が打ち出して半年経って、ほぼ全項目について対応が完了するわけですが、その間、銀行株はこういうふうに下落して、マーケットとしてはそのプログラムの進捗状況についてやはり懸念を持っている、あるいは今後の銀行の収益が上がるかどうかということについて疑念をまだ持っているという見方があるんですが、今後、例えばポストプログラム的な、そういう収益強化に向けて何か考え方を打ち出すとか、そういうようなお考えはありますか。

答)

基本的には、まず引き続き銀行は、株価で見る限り厳しい状況になりますけれども、もし「金融再生プログラム」を作成していなくて、資産査定を強化していなくて、自己資本を強化していなかったらどういうことになっていただろうかと、やはりこういう考え方をすべきなのだと思います。その意味では、「金融再生プログラム」に則って、今、銀行が努力しているということは、これは方向としてはやはり正しい方向であろうかと思っております。

しかし、問題は、先程収益力の向上というふうに申し上げましたけれども、そういった点に関してやはり結果を出す、ないしはしっかりとしたプランを作って、それをマーケットに認めてもらう、そのためにはやはり生みの苦しみが続いているということであろうかと思います。我々としては、この「金融再生プログラム」をやはり着実に実施していくと。この枠組みの中でしっかりと検査・監督をしていって、そこに民間企業、そして銀行の収益力向上に向けた自助努力が相まって、結果としてシステムを再生させていく、そういう道をぜひ実現したいというふうに思っております。

問)

新型肺炎なんですけれども、一部でマスク株が上がったりという動きがあるみたいですけれども、マクロ経済全体として見た影響というのは、どういうふうに考えておられるでしょうか。

答)

正直言いまして、マクロ的にどのような広がりがあるかということに関して、ちょっと把握しかねております。今日の閣僚懇でも、それぞれの産業分野で、例えば航空便の減便とか、そういう影響が出始めているということのご報告を受けております。これは、もう少し時間がかかるかもしれませんけれども、各省のご協力も得まして、一体どのように事態を見ていったらいいか。もちろん、これはまず局所局所で影響が出て来るのだと思いますが、それがマクロ的にはどういうことになるのかということについても、ぜひ注視して行きたいと思います。

問)

先程の質問と多少重なるかもしれないんですが、大臣が金融担当大臣を兼務されて半年が経ったわけですけれども、この半年間の金融情勢を振り返って、どういう成果があったのか、あるいはどういう点でまだ課題を残しているのか。それと、金融担当大臣就任当時思い描いていたこの3月期の姿というのは、当初と比べて実態がどういうふうに違うのか、あるいは違わないのか、その辺を教えていただけますか。

答)

半年で自分自身の評価というのも、なかなか出来ないというふうに思っています。ある意味で、最初の1カ月で、総理の指示に基づいて急いで「金融再生プログラム」を作って、それを少しずつ、しかし着実に実行に移しているという段階ですので、これが一通り整うと。

しかし、公的資金の新しい枠組みをどうするのかとか、繰延税金資産をどうするのかという大枠の問題が残されておりますから、今後、これについてはやはりしっかりと枠組みを議論していくということが、当面、我々にとっては重要なことだと思います。

それで、当初思い描いていたこととどうだということでありますけれども、やはり民間の銀行部門が収益力の強化、問題の解決に向けて動き始めているというのは、これは当初、我々が想定して、そのような動きが出てきて欲しいと思っていましたけれども、そのような流れになりつつあると思います。それは、ポジティブな面だと思いますが、ネガティブな面としては、やはり今回のイラクの問題、世界的な株安に象徴されるように、世界の環境が予想以上に厳しい。そういう中で、銀行は動き始めたけれども、結果を出すのに苦労をしているし、これからも苦労を重ねなければいけないだろう、そういう点が、半年前と比べてやはり合致している点、それと予想より厳しい点、そういうことではなかろうかと思っています。

しかし、行政もシステムも、方向としては良い方向に向かっているというふうに思っています。しかし、問題はその速度であり、確実性でありましょうから、その点について、我々は決して現状に満足しているわけではなくて、より一層力を込めてやって行きたいというふうに思っているところです。

問)

1点、国と地方の話をまた伺いたいんですが、塩川財務大臣が昨日、官邸に行かれて、権限の移譲を前提に財源を移すということをお話しになっているんですけれども、そうすると、例えば片山大臣が仰っているような消費税とか所得税とか、その大枠の基幹税の移管というところになかなか話が繋がらないのではないかというような印象を持つんですけれども、大臣はその塩川大臣の提案というのは十分だというふうにお考えですか。

答)

その昨日のご提案について、直接私は伺っておりません。ただ、繰り返し言いますように、基本的には補助金、助成金を削減すると。それについては、その裏で権限の移譲というのは当然付いてくるわけですね。これは、もう前から決まっていることなんです。これは、もう以前から合意していることなわけですね。

では、それを今度具体的に論として形にしていくためにどのようにするかということが、正に今、案を作るわけでありますから、ご質問の件というのは、そういうことも含めて次官ベースで話し合われるプランの中で、いろいろな可能性としてやはり検討されていくべき問題だと思います。

(以上)

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