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竹中金融・経済財政担当大臣記者会見要旨

(平成15年4月18日(金) 8時41分~8時54分 於)院内)

1.発言要旨

おはようございます。

閣議がございましたが、短い閣議で私の関連で特にご報告申し上げることはありません。

閣僚懇についても同様です。

どうぞ。

2.質疑応答

問)

毎回で恐縮なんですが、特別検査の現在の状況と公表の見通しをお願いします。

答)

まだ実施中であると認識をしております。これは途中で特に私が報告を受けるという性格のものでもありませんし、しっかりとやっていただいているというふうに思ってます。

問)

時価会計なんですが、昨日の企業会計基準委員会でも議論がございまして、03年3月期決算には時価会計の一部凍結を行うことは難しいと、与党の方もそういうふうな認識ではあると思うんですけれども、その点について大臣がどう考えているのかというのが1点と、昨日、財務会計基準機構の方で検討するということに関して、与党の方から、やはり国で検討した方がいいんではないかというような意見が相次いだんですが、それについてどうお考えでしょうか。

答)

まず、機構の委員会の方でありますけれども、今ご指摘のように、平成15年度3月期決算を対象に含めて検討することは、決算日を過ぎた後に会計基準を変更し、遡って適用すること自体の妥当性の問題は別としても、審議に相応の時間が必要であることを考えると現実的に難しいと、そういう方針を確認したというふうに承知をしております。

決算、実質的な作業のベースではほぼ終了していると、状況を踏まえてこういう方針を確認したというふうに思いますけれども、こういう方針の下でしっかりと議論を進めていただきたいと思います。

後半の議論ですけれども、これは我々としては何度も申し上げてますけれども、一般に公正妥当な会計基準を斟酌する、そこがやはり大変重要な立場であります。一般に公正妥当な基準というのは、これは数年前からこの機構の委員会で議論をしていただくというのが1つのルールとして定着しつつあるところであるというふうに思っておりますので、そういうような方針に沿って、しっかりと我々としては検討をお願いしているところであります。

問)

今の点については、議員立法で例えば機構の方から国の方へ移すことができないかというような議論も出ているんですけれど、しかし、今のお話ですと、ちょっとそういう議員立法でやるということに関しては大臣としては慎重なお立場であると。

答)

立法について云々するという、特別にどうこうという立場ではありませんけれども、我々としては今のやり方というのは基本的に定着しつつある方法だと。ただ、一般に公正妥当と認められるものは、では一体何なのかと。こういうのは常にいろいろな形で進化をしていった方がいいんじゃないか、そういう一般論としてはあり得るんだと思いますね。だから、それはそれで非常に短期の議論ではなくて、一般に公正妥当なものを、これは非常に幅広くいろいろな意見を聞きながら、しっかりと社会に定着していくものを作っていくシステムそのものをどうしたらいいかと。これはこれで時間をかけてしっかりと常にこれは進化する問題ですから、やっていただければよろしいのではないかなと思います。

問)

国会の方で、本人確認の関係でですね、236件ですか、数字の報告があったと思うんですけれども、数字自体は大臣はどのように見てらっしゃいますか。

答)

ご承知のように、これは予算委員会でのご指摘を受けて、例の全銀協のQ&Aに不適切な記述があったと。それをチェックする立場にあった金融庁としても、対応が不適切な部分があったということでありますので、我々もご指摘の後すぐに調査を行いました。ちょっとその数字が、今236と仰ったの、ちょっと今手元では確認ができませんけれども、これについては調査の結果をそのまま非常に正確に我々としてはご報告したつもりであります。これらについては、一応全てそうした住民票コード通知票を廃棄する等々、適切な対応がその後のしっかりとした対応がとられるというふうに思っておりますけれども、今後こういうことがないように、改めて我々肝に銘じてしっかりと対応していく必要があると思います。

問)

236件と確認できたところで、その数字としては大臣としては多いか少ないかということについては。

答)

全銀協の会員行の店舗数は全部で1万4,500店舗であると。これでいわゆる本人確認が義務付けられる新規の顧客による口座開設は1カ月間で70万件。70万件のうちの236件というのであります。これは多い少ないというのはいろいろなご評価があろうかと思いますが、236件のそういうケースがあったということは事実でありますから、ここはしっかりと受け止めて、今後の反省材料にしたいと思います。

問)

その関連で、個人情報保護法案を受けた個別法での対応も考えた方がいいんじゃないかというご趣旨のご発言があったと思いますが、その狙いと言いますか、どういうお考えなのかということをお願いします。

答)

これは昨日の答弁で申し上げたわけですけれども、今回の個人情報保護法というのは基本法であって、いわば一般的に全ての取扱事業者が守るべきアンブレラのようなものであると。しかし、そのアンブレラの下でそれぞれ非常な様々な事業の実態、取引の状況があると思います。例えば、非常に微妙なところでは遺伝子の情報というのもそうだし、我々が扱う個人の金融情報というのもそういうものになるだろうし、その他様々な情報があると。カルテというのも情報であります。

例えば、そういうものについては、その実態に相応しいやり方を別途整備していきましょう。これは別に私の個人の考えというよりは、今回の法体系そのものの考え方であると。一般法、基本法をアンブレラのように整備して、その下で各業態でしっかりやっていきましょう。金融に関しても、当然そういうことをしっかりとやっていかなければいけないというふうに思っております。

ただ、それが法の形式としてどういうものになるのか、今の業法の中で対応していくのが適切であるのか、また別の形があり得るのかと、これは技術論としてしっかりと何が適切なのかというのは検討をしなければいけないと思います。

いずれにしましても、金融審の特別部会でしたですか、ちょっと正確ではありませんですけれども、中の部署でしっかりと今議論を詰める体制がありますので、そこでお願いしたいと思っています。

問)

株安について、昨日厚労省の次官が、いわゆる厚生年金基金の代行部分の返上というのが株安の原因ではないか。坂口厚生労働大臣は、代行返上に関して、現物返上の基準を緩めたり、あるいは前倒したりするということも難色を示したんですけれども、それについて代行部分の返上というのは現在の株安に影響を与えているのか、厚労省が言っているように、代行部分の返上についての前倒しは現実的にはないというご意見について、どのようにお考えなのか伺いたいんですけれども。

答)

記者会見の内容を正確に今把握をしておりませんので、一般的に申し上げますけれども、そもそも株安の原因、上がったり下がったりしますが、その要因を特定するのは大変難しいですから、特に金融担当大臣の立場でその要因を特定するということはできないし、差し控えなければいけないと思っております。

ただ、専門家のご意見の中でやはり出てくるのは、短期の需給関係というのがやはり少なからず影響しているのではないかということは、皆さんも耳にしておられると思います。そうした中で、需給の問題というものについても目配りはしなければいけないのだろうなというふうに思っています。しかし、今ご指摘の代行返上そのものが需給の中の1つの要因ではありますけれども、それがどの程度かというのはこれはなかなか簡単には特定が難しいかなと思います。

先般の諮問会議で牛尾議員の方から、少しそういうことも含めていろいろなことを考えて、また諮問会議で議論したいというふうに仰ってますので、そうした場でしっかりと議論を深めたいと思います。

問)

先程の会計の話ですけれども、要するに与党が言っているのは民間団体にそういった方針を任せてしまう、基準をですね。じゃなくて、やはり金融審なり金融庁がやるべきじゃないかという議論があるんですが、これについてはどうですか。

答)

まず、民間団体に審議を任せているという点については、これは誤解を招かないようにしなければいけないと思います。ここは機構の委員会でご審議をいただくと。しかし、そこでの機構の審議については、例えばこれは経団連等々非常に多くの業界団体がここでの議論は非常に社会全体から見て公正妥当なものだというふうに一種のオーソライズを行っているわけですから、一民間機関が行っているという性格のものではないわけですね。非常にパブリックな社会的な議論であるということだと思っております。

そもそも、それ以前はご承知のように企業会計審議会で議論が行われてましたわけですけれども、これは正にマーケットの声として一関係者である政府による議論にすぎないと。こういったものというのは、正に政府からも独立して、特定の民間企業からも独立した、そういうところで議論されるべきだという、当時の非常に強い社会的な認識があったんだと思っております。その結果として、この機構が作られ、基準委員会が設けられておりますので、我々としてはそのシステムは大事にしなければいけないと思います。

ただ、具体的に言いましたように、こういう仕組みをより一般的に公正妥当なものとして強化していくためにはどうしたらよいのか。これは常に進化が必要でありましょうから、そうした議論は中長期的な観点から継続してしっかりと行っていただければ良いというふうに思います。

問)

今の絡みで、減損会計の導入時期については、与党の方から金融庁が担当するべき話ではないかという意見が出て、違う委員会の場であったわけですけれども、要するに時価会計の一般公正妥当とかですね、それに関しては委員会の方にお願いする。減損会計の導入時期等については、担当する金融庁が国益とかそういうものを考えてやるべきではないかと、これについては。

答)

減損というのは固定資産の減損ですか。これもいつから何をやるかというのは、正に一般に公正妥当な会計基準の一部なのではないのでしょうか。ちょっと質問のご趣旨が、今聞いた限りでは良く分からないんでありますけれども、これは一般に正に公正妥当な会計基準は何かという議論の一部なのではないかなというふうに思います。

(以上)

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