竹中金融・経済財政担当大臣記者会見要旨

(平成15年5月6日(火) 9時45分~10時00分 於)金融庁会見室)

1.発言要旨

おはようございます。

閣議がございました。今日の閣議は、私に直接関連する案件はございませんでしたが、連休中に多くの閣僚が出張されましたので、その報告がたくさんありました。

私から、次のような出張に関する報告を行いました。

私は、4月28日から30日にかけて、パリで開催されたOECDフォーラム2003及び第42回OECD閣僚理事会に出席し、世界及び日本経済の現状と見通しとともに、小泉内閣が進める構造改革について説明をしました。

閣僚理事会の経済見通しのセッションでは、議論をリードするための冒頭スピーチを行い、世界経済を順調な成長経路に回復させるためには、各国が短期的な問題のみならず、長期的な構造問題に取り組む必要があることを指摘いたしました。また、日本経済については、4本柱の構造改革を中心に改革を進めていくことが持続可能な経済成長を達成する上で重要である旨強調しました。さらに、米国のクロスナーCEA委員、フランスのメール経済財政産業大臣とは個別に意見交換を行いました。

これらの会合においては、我が国の構造改革に対する各国の理解が着実に進んでいることを実感いたしました。今後とも、こうした機会を通じて日本の政策について各国の理解を深めていくことが重要であると考えます。

閣僚懇は今日は特に意見はございませんでした。

私の方からは以上です。

2.質疑応答

問)

明後日8日に経済財政諮問会議で、民間議員の報告を基に株価対策について論議が行われると思います。具体案もいろいろ出て来ているようですが、現時点での大臣の株価対策に対しての基本的なお考えをお聞かせください。

答)

まず、株価対策という表現そのものが適切であるとは思っておりません。株価は言うまでもありませんけれども、マーケットにおいて市場の需要と供給を反映して価格形成がなされているわけですから、それに対して直接介入するというような考えは持っておりません。ただ重要なのは、前回も申し上げましたように、やはり市場そのものが構造的な幾つかの問題を抱えているのではないだろうかと。従いまして、証券市場の活性化という観点から、貯蓄から投資への流れを作るための、いわば市場整備、マーケット・メイク、そういう観点から根本的な幾つかの議論をしていただきたいと思っております。民間議員からは様々なリスクマネーをいかに作り出していくのか、証券市場を魅力あるものにするためには、どのようなことを考えていかなければいけないのか、貯蓄から投資へという、こういう流れの問題というのは、もう10年以上日本でずっと議論されている問題ではありますけれども、やはり今回かなり踏み込んだ議論をぜひいろいろとしてもらいたいと思っているところであります。

問)

OECDに出席されて、バイ会談も含めて、今回どのような成果があったとお考えか、改めてお聞かせいただけますでしょうか。

答)

今回、OECDの閣僚理事会の、例えば1カ月ぐらい前に予想していた主要なテーマというのは、いわゆる地政学的なリスク、不確実性、といった問題が非常に大きなテーマになろうかというふうに思っておりましたのですが、現実にはイラクの戦争が終結に向かいつつあるということで、地政学的なリスクが低下する中で、むしろ各国が抱える固有の構造問題の解決こそが浮かび上がってきていると、そういう状況になっていたと思います。その意味では、各国がそれぞれの構造問題にしっかり取り組んでいく必要があるんだということを、非常に強く確認できたというのが重要な成果であったと思っております。

それとの関連で、予想よりも非常に強いなと思いましたのは、財政の長期的な観点からの健全化に対して、非常に強い意見が出された。これは日本のみならず、各国も財政赤字の拡大に危機感を持っていると思いますけれども、目の前のことにかまけて財政の健全化を怠るということは、子供達の未来を奪うことであると、そういった発言を複数の閣僚の方がされて、財政の健全化に向けて非常に強いモメンタムがOECD各国で働いていると、これも予想を非常に強く上回ったところでありました。最後に、あえて言えば、構造改革の重要性が強調されたと、第1点に申し上げましたけれども、それとの関連では、やはり日本の構造改革を本当にしっかり進めてほしいと、非常に強いエールがあったというふうに、これは特にバイ会談でありますけれども、認識した次第であります。

問)

生保の予定利率の引き下げの問題について伺いたいんですが、これまでずっと勉強しているということを繰り返し仰っているわけですが、最近の株安でまた改めてこの引き下げの議論が台頭しつつあるようなんですが、大臣に改めてこの問題についてのスタンスを伺いたいんですが。

答)

株安との直接の関連があるとは必ずしも思っておりませんですけれども、これも生保が抱える構造問題ですね、逆ざやという構造問題を解決しなければいけない、これはもう引き続き、極めて重大な関心事だと思っております。いろいろな状況下でこれまでも我々としても検討していることを申し上げてまいりましたけれども、我々としては可及的速やかに論点の整理のようなものを行って、その論点の整理に基づいて、我々の今までの勉強の成果を踏まえてということになりますけれども、少し広く議論をしていただく段階に入っていきたいというふうに思っております。

問)

今国会中に法案を提出させ成立させるという考えはあるんでしょうか。

答)

そこまで具体的にまだ視野に入れられる段階ではないと思っています。私達は今まで、とにかくいろんな可能性、非常に複雑な、微妙な問題を抱えていますから、そうした点を踏まえて、慎重に勉強をしてまいりました。勉強の成果を論点整理という形で今後広く議論をしていただく段階に入ってきつつあると思っておりますので、ここでの議論の成果を踏まえて、これも出来るだけ早く我々としてどうすべきかということを、皆さんの意見を聞きながら態度を明確にしていきたいと思います。

問)

先程の株価対策についてなんですけれども、今現在の市場で、マーケットで言われている需給関係を大きく崩しているのは厚生年金の代行返上ではないかと言われているんですが、それについて大臣はどのように思われますでしょうか。

答)

需給と言う場合、需要と供給と当然あるわけですけれども、売りという観点からは代行返上の売りというのが強いと、その影響が大きいというのは専門家が多く指摘しているところだと思っております。これ自体にはそれなりの背景といいますか、そうせざるを得ないような要因があるわけでありますから、これは昨日のテレビの討論会でも本間議員がご自身の考えを表明しておられますけれども、そうした問題も含めて検討をしていく必要があるんだろうというふうに思っております。ただ、より重要なのは、供給の要因もあれば需要の要因もあるわけで、そうした意味でリスクマネー全体の流れがなくなっていると、構造問題の根底はやはりそういうところにあろうかと思っておりますから、そうした点、より根本的な問題を諮問会議ではぜひ議論したいと思っております。

問)

不良債権問題なんですけれども、OECDの方でもいろいろ日本の不良債権を言われていたと思うんですけれども、大臣がヨーロッパにいらっしゃる直前に不良債権、特別検査の結果が発表されたわけですけれども、検査によって増える額は1兆3,000億円と。数字上はこの額では銀行の自己資本を大きく毀損する額ではないと思うんですけれども、改めて、これで当面は公的資金を投入する必要がなくなったのかどうなのか、その辺のご認識をお伺いしたいんですが。

答)

ご承知のように、今の法律の枠組みというのは金融危機、危機的な状況が起きて、かつ当事者から申請があった場合に公的資金を注入するという、そういう枠組みになっているわけです。その意味で言いますと、今の状況で例えば8%とか必要な自己資本を大きく割り込んで、更にはそれがシステミックなリスクを起こして危機的な状況が予想される、懸念されるというような状況では全くないと、そこはもうはっきりしているのだと思います。しかし同時に、自己資本の充実というのは、今の法律の枠組みの中だけで考えてよいのかという基本的な問題意識は就任以来ずっと持っているわけです。その点を踏まえて、「金融再生プログラム」では新たな公的資金の枠組みが必要かどうかも含めて、金融審で検討するということであって、それがもう来月中にも結論を出す状況になっていると思っておりますので、我々としては今の行政の枠組みの中で、まず資産の査定をきっちりとやっていきます。それと、2年・3年ルール、5割・8割ルールの下で、しっかりとオフバランス化を進めていきます。そこはもう非常に厳しくやっていきます。

そういう状況の中で、しかし先程申し上げたような危機的な状況であるかと、それは全く違うと。そうした事実を踏まえた上で、新たな枠組みが必要かどうかについて、来月には金融審のワーキンググループで答えが出ますので、それは自己資本の充実の問題としてしっかりと揺らぐことなく検討をしていきたいと思っているところです。

問)

特別検査の結果の発表の席で、04年度末の不良債権問題解決に向けて、今後銀行の3月期決算が終わったらそのシナリオを明確にしていきたいというお話あったと思うんですが、例えば今年度末、03年度末の目標を決めるとか、もう少し細かい目標を立てるということですか。

答)

年次ごとの目標、単年度の目標を立てるということに、それほど大きな意味があるとは思いません。ただ、私たちは去年の9月の段階で8.1%不良債権比率があるのを半分程度にすると、これはもうぜひとも守らなければいけない数字だと思っていますので、それを実現するために現実的に今の数字が、今の状況が動いていっているということは確認していかなければいけないと思うんですね。それがその年次によって、0.何%上に行ったり下に行ったりすると、そのことを別に気にする必要はありませんですけれども、着実にその方向感が、方向が定まっているということはしっかりと確認をしていきたいというふうに思っています。今週、産業再生機構の開所式もあると聞いておりますけれども、産業再生機構の活用というのも、これまた不良債権比率の低下なり要管理先の債権の処理をどれだけ増やしていけるかということに非常に重要な意味を持っているわけでありますので、決算の結果、それと産業再生機構の活用、それを絡めて、我々としては不良債権比率を着実に半減する方向で動いているんだということをぜひ示していきたいと思っています。

問)

今の発言なんですけれども、やはり具体的な目標を行政として銀行に求めていくということですか。

答)

いえ、これは行政としての目標です。銀行に対して、例えば我々が求めているのは、2年・3年、5割・8割のオフバランスルールの適用ですね、これを求めているわけですし、これからも厳しく求めていくわけです。今、私たちが個別に求めている2年・3年、5割・8割ルールの適用によって、私達がマクロ的に目指している目標が達成可能であるということを我々としてはしっかりと確認していきたいということです。

問)

イメージがわかないんですけれども、要するにマクロ経済にどれだけ影響を与えるかという、そういうイメージですか。

答)

2年・3年ルール、5割・8割ルールはご承知だと思いますけれども、それはしっかりとやってもらいます。これをしっかりやっていけば、それで資産査定の厳格化を我々はしっかりと行っていきます。その上で、今申し上げたオフバランス化のルールを適用していけば、結果的に不良債権比率は今の半分程度になっていくと、そういうシナリオを私達は描いているわけで、そういったシナリオ通りに現実が動いているんだということを今回の決算の数字で一つ確認していきたいということです。

問)

その決算の数字で、2年・3年、5割・8割でやった場合に、要するにこうなると、先のことは分かりませんけれども、こんな状態を改めて大臣の方からお話いただけることは。

答)

基本的にはこれが毎年どのぐらい、マクロで見てどのくらい不良債権比率が低下していくであろうと、新たに発生する不良債権も当然ある程度見込まなければいけないわけですけれども、そうしたことを勘案してもこの不良債権比率は半分程度にするという目標は達成可能であるし、私達は今そのパスの上に乗っているということをぜひ明確に示していきたいということです。

問)

生保の予定利率の話なんですが、論点を整理すると仰ったのは、金融審とかで整理をするという意味なのか、それともどういう形で論点整理を出されるというふうなお考えなんでしょうか。

答)

今、それも含めて連休明け急いで我々の態度をはっきり決めたいと思っています。

(以上)

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