竹中金融・経済財政担当大臣記者会見要旨

(平成15年6月24日(火) 9時42分~9時54分  於)院内)

1.発言要旨

おはようございます。

閣議がございましたが、特に私の方から報告することはございません。

以上です。

2.質疑応答

問)

「骨太の方針」ですけれども、自民党から色々と修正の要求が出たりして、潜在的国民負担率の目標も若干修正されるなど、年々自民党からのプレッシャーが強まっているという印象を受けるのですが、諮問会議と自民党との関係についてどうお考えですか。

答)

「骨太の方針」も3回目になるわけですが、最初、2年前に「骨太の方針」を出した時は、これは一体何だという観点からのご指摘が非常に多かったと思います。去年、今年と回を重ねる中で、非常に具体的に、「これはこういうふうにした方が良いのではないか」という建設的なご提案をたくさんいただけるようになったと思っています。これはやはり、「骨太の方針」が非常に重要なものであり、政策を考える上で基本になるものであるという認識を幅広く先生方にも持っていただけるようになったということだと思っています。

そういう意味では、議院内閣制の下で、その細部について建設的な提案をいただいて修正するというのは、私はいいことだと思っています。総理の基本的な方針に従って、骨格部分をしっかりと維持しながら、出来るだけ多くの方々の意見を伺って、建設的な良い「基本方針」にしていきたいと思います。

問)

昨日の国会などを通じても、「三位一体の改革」や規制改革などについて、具体論に乏しいとか、先送りであるという批判もあったかと思いますが、これらの実のある改革に向けて、具体化にどう取り組むのでしょうか。

答)

昨日、総理の答弁にもありましたが、枠組みを決めたことが非常に大きな前進であったと思います。枠組みを決めたからこそ、具体的にそれをどうするのかという議論になっているわけで、これは政策論議そのものの非常に大きな前進であると思います。

もちろん、これは毎年の予算編成を通じて実現していく部分が大きいと思います。しかし、更に総理が示された大枠の支えるような制度設計そのものについては、これからやっていかなければいけないと思います。これについても、引き続き諮問会議では当然しっかりとした議論をしていかなければいけないと思っています。

いずれにしても、これは本当に難しいことだと思いますが、総理の決断で大枠が決まりましたので、今度正にその次の段階の政策論議を積極的に進めていきたいと思います。

問)

りそなの件ですが、細谷新会長以下、新経営陣が正式に国会で承認されるということで、資産の再査定にも乗り出す方針を打ち出されていますが、改めてその健全化計画の練り直しの中身、スピード感等々、大臣はどのようにお考えかお願いします。

答)

細谷会長を中心に新しい経営陣で、本当にしっかりとしたガバナンスを発揮していただきたいと思っています。その中で、これも昨日も国会で答弁をいたしましたけれども、ちょうど日産でゴーンさんが就任した時に、自分の経営の責任の範囲をより明確にするという意味で資産の評価を行ったり、更にそれに基づいて、より独自のビジネスモデルを構築したり、これから色々大変な作業が新経営陣にとっても続くのだと思っています。

色々なご発言をお伺いしている限り、会長ご自身、非常に強い改革に向けた意欲と、それと現実感覚、スピード感覚を持っておやりになるようですので、我々は大変期待をしています。

問)

先週、森前顧問が金融庁顧問を免除されたんですけれども、その2年間、色々と意見がかなり違っているというお話が出ていましたが、大臣はどのように思っておられますか。

答)

意見が違っていると書いている新聞がありましたけれども、私が半年、7カ月、8カ月、今の仕事をやらせていただいて、少なくとも政策問題について顧問とお話ししたことはありません。顧問として対外的な活動、国際会議に出席していただいたり、そういった観点で非常にご貢献をいただいたと思っております。顧問ですから、政策の責任者としての立場ではなかったわけで、そういう意味では、顧問としてご活躍をいただいたと思っています。

問)

3月期決算で、優先株が無配となった3地銀なんですけれども、株主総会が今週末にありますが、当然議決権が発生していますが、政府として議案に対してどのような方針で臨まれるのかをお願いします。

答)

基本的には、無配になったという事態を受けて、どの様に経営の建て直しするかという、その将来の収益力回復に向けた計画が、どの様に現実的でしっかりしたものであるかということだと思います。そうした計画に基づいて、議決権の行使に当たってはしっかりと判断をしていくということだと思っています。

問)

「骨太の方針」ですけれども、例えば給付を抑制するとか、潜在的国民負担率の修正をされるとかという話ですけれども、これは中身が後退したとはお考えになっていないのでしょうか。

答)

基本的な考え方というのはいろいろな形で示されています。これは全体を読んでいただければ、基本的な考え方というのは示されていると思います。例えば、政府全体の歳出を抑制していかなければいけない。そうしないと、プライマリーバランスも回復できないのだと、そういう当初から我々が主張しようとしていたことは、正にそのまま残っていることで、1つのフレーズの表現によって、その趣旨が変わったとは全く思っていません。

問)

少し早いかもしれませんが、色々大きな課題の先が見えてきて、大臣としては何か次に取り組みたいテーマだとか何かお考えになってらっしゃいますか。

答)

一つ一つ、毎日毎日、すごく大変なことが積み重なっていますから、その意味では、先が見えると仰いましたけれども、やらなければいけないことというのはかなり今までもリストアップされてきていると思います。金融に関しては、「金融再生プログラム」で全体の目標も示しています。また、今回の「骨太の方針」の中で、更なる課題を示したつもりです。

そういう意味では、今まで全く聞いたこともないような政策が出て来るという状況ではないと思っています。むしろ、今はまだ「骨太」の調整の段階ですけれども、以前から強化しなければいけないと思っているのは、一種のパフォーマンスレビューだと思います。色々な政策目標を掲げて、それがどのように実行されているか。実行されていない場合は、どこかに問題があるわけで、それをこういうふうに直すべきではないかと。

内閣府は、本来そういう機能を委ねられていると思います。今まで、目の前にある問題を解決するためにどういう政策をとるかということが議論の中心でした。今まで掲げた政策のやらなければいけないこと、政策のパフォーマンスレビューを強化していくということ、これからはこれらを内閣府としてもしっかりとやらなければいけないことだと思っています。

問)

先週末、文化庁が国語に関する世論調査の結果を発表しまして、カタカナ語について非常に国民の認識率が低いということが指摘されました。例えば、タスクフォースとか、ガバナンスとか、金融庁がよくお使いになっている言葉がなかなか理解されていないということがありました。国民に分かり易い金融行政という視点で、その辺りを日本語で置き換えるとか、その辺のお考えはどうでしょうか。

答)

その点は、実は総理からも以前から言われていることで、ずっと我々も心がけていることです。ご承知かと思いますけれども、総理もそのことで諮問会議で発言されたことがありました。

私もよく考えるのですけれども、明治時代にはものすごく考えて、その概念そのものを一生懸命日本語に翻訳していました。でも少し考えていただいたらよいのですが、インターネットはカタカナですけれども、これは日本語には訳せないですよね。中国語で書いたら、電脳網と書くのかもしれませんが、そういう意味では、概念そのものが新しくなっているのだと思います。特に金融に関しては、概念そのものが非常に新しい世界であると思います。そうした事実を踏まえながら、しかしご指摘のように、我々としてもできるだけしっかりと分かっていただけるような表現を使い、その基本的な概念そのものを我々が一生懸命理解して消化するということだと思います。そういうことは是非努力してやっていかなければいけないと思っています。

(以上)

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