竹中金融・経済財政担当大臣記者会見要旨

(平成15年7月11日(金)9時19分~9時38分 於)院内)

1.発言要旨

おはようございます。

閣議がございました。私の関連で、特にご報告することはありません。

閣僚懇では、先般の長崎での問題等に関連しまして、何人かの大臣から、これは教育とか犯罪とか、そういうことが基本ではあるけれども、やはり社会全体の安全・安心の問題として、内閣全体で取り組む必要があるだろうというお話が出まして、総理も、政府としてもそういう姿勢が大事であるというお話をされました。この問題については、内閣として引き続きしっかりと対応していく、社会全体の安全・安心を確保していく、そのような話になりました。

私の方からは、以上です。

2.質疑応答

問)

まず、昨日の参議院の財政金融委員会で、東京海上への圧力の問題で、高木長官、森前長官への質疑がありましたけれども、この中で民主党側の方も、個社の名前を挙げたということについて問題視されていたようですけれど、改めて大臣は、個社の名前をやりとりの中で挙げたということについて、どのように受けとめられているのか、お考えをお願いできますでしょうか。

答)

まず、書類そのものが、非常に不確かな記憶のもとで書かれているという面もありますので、その詳細について正確な議論をするのはそもそも難しいという制約があると思っております。

その上で、我々も聞き取りをいたしましたけれども、個社のような議論をしているとしても、それは極めて一般論的な話であって、守秘義務に抵触するような話があるはずがないと、私もそのように思っております。そうした意味では、昨日の答弁でも申し上げましたけれども、それに関して特段の問題があったという状況ではないというふうに思っております。

問)

それと、高木長官の答弁で、業法に基づく処分の問題だとかについては議論をしたということですから、業法の133条に基づいた議論については、お話をされたと。一方、報告書の中では、これは限界の事例の1つだと書かれていましたけれども、改めて裁量行政と言いますか、金融行政のあり方について、大臣はどのようにお考えになっておられますか。

答)

基本的に、そうした議論はされたと。行政指導を行うに当たって、本来できないようなこと、ないしはやる気もないようなことを、ブラフをかけるような形で相手に迫るようなことは行政指導として行ってはならない、そういうふうな論点があるわけですが、それに関しては、当時の長官、当時の局長は、上の方の指示も受けながらしっかりと検討していたと。だから、ブラフではない。かつ、これはできないことではない、法律上あり得る政策であるというふうにコンプライアンスの専門家も言っておられる。その意味では、その論点はクリアをしているということだと思います。

今、限界事例というお言葉がありましたけれども、それは我々としてはあくまでも事後的なチェックを行うという行政を基本的なスタイルとする。しかし、事を未然に防ぐような場合には、やはり裁量的にやらなきゃいけない場合もある。それの限界的な事例だという意味で弁護士の方々は使っていたというふうに思います。

昨日も申し上げましたけれども、そのような意味では、我々はあくまで透明で事後的なチェックをやらなきゃいけない。しかし、どうしても金融当局として見過ごせなくて、裁量的にやはり判断をしてやらなきゃいけない場合も、これはあり得るわけですから、そうした問題については、これやはりできるだけルール化していくというか、いろいろな事例を積み上げて、それをマニュアル化していく、ルール化していく、そういう努力は大変重要であるというふうに思っております。昨日も答弁しましたように、そういった努力は、これは私としてもぜひしっかりとやっていきたいと思います。

問)

あと、昨日の金融審議会の方で、繰延税金資産のワーキンググループがあって、たたき台が示されたと聞いていますけれども、両論併記ということで、3年の上限をかけないという方向だというお話が出ていますけれども、改めてこの繰延税金資産の資産性について、大臣は就任当初からいろいろこれについては問題提起をされていたと思うんですが、以前の資産性の部分について、ワーキンググループの方向とあわせてご意見を伺えればと思います。

答)

ワーキンググループでは、この大変難しい問題について、精力的に議論をしてきてくださったと思っています。しかし、問題は非常に大きいですから、今回、別に中間的な報告とかをするのではなくて、経過報告していただいくということは、もう半年前、最初からそういう位置付けにしております。

したがって、その中で当然のことながらいろいろな議論があって、いろいろな議論が紹介されてくるのではないかと思っています。なかなか難しい問題ですから、その資産性についてもぜひ忌憚なく、各方面からの議論がこれは可能だと私は思っておりますので、とにかくこの経過報告の段階ではしっかりとして、議論すべき点、問題点を出していただきたいと思っております。

問)

17日に、諮問会議が予定されていますけれども、特に予算については公共事業を3%削減というのも塩川大臣の方から出ていますけれども、ちょっと予算の話を含めて、17日はどういう議論をしたいのかお聞かせください。

答)

先般の「骨太第3弾」で、基本方針を示した上で、来年度の予算編成に向かっていくに当たって「予算の全体像」をまず示して、それに基づいてしっかり議論していこうということ、これが骨太の方針の中に明記されております。

したがって、まずは来年度予算の全体像を、マクロ経済的な観点も踏まえてどのように考えていくか、その議論をしなければいけないと思います。そうした意味での議論の第一歩を、ぜひ次回の諮問会議でしたいと思います。

問)

マクロ経済的観点というのは、今の景気状況その他についてのことになりますか。

答)

これは、昨年も同じでありますけれども、予算そのものは、もちろん目的を持って編成していきます。政策を行うに当たって目標を定めて、それで「実行」して「評価」していくという予算独自の問題がありますが、同時にそれはマクロ経済的インパクトを持つわけでありまして、そうした観点からしっかりとチェックを行うのが、経済財政諮問会議の1つの重要な機能である。昨年も、そうした観点から「予算の全体像」を議論しました。中・長期的に予算を健全化していく。しかし、足元の経済にも十分な目配りをしながら、整合的な予算を組んでいくということが求められているわけで、そうした諮問会議に求められた役割をしっかりと果たしたいと思います。

問)

東京海上の関係ですけれども、行政手続上、問題がなかったというご結論はよく理解したんですが、一般世論に対して何らかの疑念を与えかねないという行為と言えることもあろうと。つまり、社会通念上とか道義上の問題というのはまた別にあると思うんですけれども、それについてどう考えるかということと、国家公務員法上の処分ということはないということを昨日答弁された感じだったのですけれども、何らかの助言とか指導というものを、長官に対して大臣からなさるお考えはあるのか、既になさったのか、その2点をお聞かせください。

答)

基本的に、我々はルールに基づいて行政をしているわけですから、社会通念とか、そういったものもそのルールから独立してあるものではないと思っています。我々としては、そのルールに基づいてしっかりとやっていくかということが重要なのであって、そうした点に基づいてやはり判断をしていくというのが、私は筋であろうというふうに思っております。

我々として課されているのは、先程もご質問にありましたように、今、金融行政は独立して、金融行政というのは透明で事後的なチェックもやっていかなければいけない。しかし、正にこれは政策のあり方そのものも、今、過渡期にあると思っていますので、そのルール化をしっかりやっていくと。可能な事例を集めてルール化する、マニュアル化するというのが、我々としてやはり今やるべき重要な仕事であると思っています。

問)

そうしますと、例えば、これからの行政、今回の例がお咎めなしだとすれば、個別の金融機関に指導しているときに、あそこも危ないとか、ここも危ないとか、そういうことを職員が言ってもいいということになってしまうんですけれども、その辺はどうなんですか。

答)

まず、そういうことを言ったかどうかが非常に不確かであると。個別にそういうことを言ったかどうかというのは、記憶の不正確さもあって、今回は確認されないというのが基本的なポイントです。それと、もしそういった議論がなされていたとしても、それはいわば一種の法律的な解釈をどのようにするかという法律論の中で出てきた問題であって、事例としても一般的な問題であって、個別の問題を、特に守秘義務の観点から言ったということは、今回は認められていないわけですから、その個別のことを言っていいかどうかとか、そういう問題の設定は、私は不適切ではないかと思います。

問)

それから、マニフェストと言いますか、総理が3年間、3年以内に郵貯の民営化をするということを明言なさっていますけれども、これは金融大臣、経済財政担当大臣、これは骨太の方にも少し公的金融のことに触れられていたわけですけれど、この郵政民営化の問題を政権の構想として持っていくことについて、どういうふうに考えるのか。

答)

これは、もちろん総理の考え方であります。私は、総理の考え方というのは前から承知しているつもりでありますけれども、非常に総理らしい問題意識であり、政策の打ち出し方をしていらっしゃると思いますし、その方向で総理はやっていらっしゃるのだろう、やっていかれるのだろうというふうに思います。

問)

金融行政上、経済政策上も望ましいということですか。

答)

これは、私自身も国会で申し上げておりますけれども、日本の金融市場全体を考えて、総理が仰るような方向に持って行かれるのは、私は非常に理解できるよい方向であると思っております。

問)

ここまで株価が上がりますと、新たな公的資金の枠組みが必要ないのではないかということを言う投資家もいるんですけれども、どのようにお考えでしょうか。

答)

株価と金融監督のあり方というのを、直接結びつけて云々するというのは、私は適切ではないと思っております。株価は、もちろん変動いたします。上がるときもあれば下がるときもある、それが株にとって自然なことであるというふうに思います。そうしたこととはむしろ独立して、さまざまな場合を想定して、銀行の健全化のためにどのような枠組みを整備しておくかというのは、これはこれで政策論としてはきっちりとやっておかなければいけないと思います。

問)

去年の9月の時点と比べまして、現時点での金融の状態と言うか、金融全体のシステムの状態と言うのは、どのような状態だというふうにお考えでしょうか。

答)

株価によって、銀行の財務がもちろん影響を受けるわけでありますから、株価が上昇するということは、これは銀行の財務にとってもちろんよい影響を与えるということである、これは間違いないと思います。

しかし、我々として重要なのは、資産査定をきっちりとして、自己資本を充実して、ガバナンスを強化する、その3つの観点から銀行システムがどのように進化しているかということを見ることが重要だと思います。りそなの公的資金注入というのは、自己資本の充実とガバナンスの強化という点では、私はプラスに作用するということを期待しておりますし、さらにはことし3月期の決算から、DCFを初め資産査定の厳格化というのがより着実に進んだというふうに思っておりますので、この3つの視点に沿って、やはり着実に事態をよくしていくことが我々の努めだと思います。

問)

ちょっと早いんですけれども、15日に小林内閣府審議官が退任ということですけれども。

答)

役所の定例の人事として、発表、内示が出ているというふうに聞いておりますけれども、小林府審には、私と次官の間に立っていただいて、いろいろご努力をいただいたと思っています。諮問会議のあり方等を含めて、この間にも特命事務局を作るとか、いろいろな工夫をしてきたつもりです。内閣府の職員とは、やはり引き続き一丸となって諮問会議をしっかりと運営していく──これは私のテリトリーに関して言えばですね。国民生活局の仕事を通して国民生活の問題を改善していく、引き続きともに努力したいと思います。

問)

自己資本ワーキンググループなんですが、経過報告では問題点を出して欲しいということですが、その次にどうすべきか、どう対応すべきかという点は、引き続き議論してもらうということでよろしいのでしょうか。

答)

引き続き、議論していただきます。

(以上)

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