竹中金融・経済財政担当大臣記者会見要旨

(平成15年9月22日(月) 20時16分~20時49分 於)金融庁会見室)

1.発言要旨

先程、改造後の初閣議を終えたところであります。特に申し上げることはございません。

2.質疑応答

問)

基本的に財政出動に頼らない構造改革路線という中で、これに対しては批判もまだ根強いということが総裁選の過程でもあったかと思うのですけれども、そのような構造改革路線を進めていく中で、今後どのように経済を活性化させていくのか、改造に当たり、改めて抱負をお聞かせください。

答)

構造改革路線に対する批判が根強いとは思いません。構造改革を進めていかなければいけないというのは、恐らく皆さんお考えだろうと思いますし、現実問題としまして、それ以外に日本の経済を活性化していく方法はない。これは繰り返し申し上げているところであります。

官邸での記者会見でも申し上げましたけれども、そうした意味では、小泉構造改革は第2段階というか、第2ステージに今入ってきつつあると思います。構造改革をより加速する。その中で、地域と雇用の問題については、従来以上にきめ細かく配慮する。その上で郵政の問題、それと三位一体の改革等々、この制度改革を具体的な形にしていく、この点で経済財政諮問会議を中心に、是非強力に改革を進めていきたいと思います。

問)

今お話のあった地域と雇用については、具体的にどのように進めていかれるのか、お考えはございますでしょうか。

答)

この問題については、諮問会議の中で今後是非話し合っていきたいと思います。地域と雇用の問題は、これまでもやってきたわけでありますし、例えば雇用に関しては、サービス業を中心に530万人の新たな雇用を生み出す。これについては、これまでのところ、約200万人位の雇用が既に生み出されたと我々は試算をしております。それを、更に強化していくということだと思いますし、今、マクロ的に良い芽が出ているこの経済の動向を、ぜひ地域に浸透させる、各部門に浸透させる、そういうことを諮問会議で話し合っていきたいと思います。

問)

もう1点、「改革と展望」に明記しておられるといいますか、特に内閣府の試算の方で出しておられる2006年度の名目成長率を2%超にするという見通しについて、現時点で、途中の段階ではあるかと思いますけれども、今の日本経済の状況を見て達成が可能なのかどうか、改めてお伺いしたいと思います。

答)

これは、今年1月に閣議決定した「改革と展望―2002年度改定」の補足資料で、その際の試算、シナリオとして示されているものでありまして、もちろん我々はそれを、構造改革をきちんと実現していけば、その時には十分そういった姿が想定されるというふうに考えています。そうした点も含めて、今年は、これから年末に向けて、その「改革と展望」を更に見直していくという作業に取りかかっていかなければいけないと思います。その中で、こうしたシナリオを更に確認していきたいと思いますし、それを実現するためのより具体的な施策についても議論を深めていきたいと思います。

問)

留任されたということで、改めてではありますが、「金融再生プログラム」の中で宿題というか、継続案件として積み残っている公的資金の予防注入制度と、繰延税金資産の規制問題について、現時点での大臣のご意欲と今後の進め方についてお話しください。

答)

両問題とも、意欲を持って進めたいというふうに思います。まず、公的資金の新たな枠組みが必要かどうかも含めて検討するということについては、これは庁内でPTを立ち上げておりますので、そのPTでの議論をしっかりと進める、そういうことに尽きると思います。繰延税金資産の問題に関しては、これは例のワーキンググループを再開させて、そこでの議論を積み重ねていく。これは、もう段取りもそのように決めておりますので、その後のプロセスとしては、出来るだけ加速してやっていきたいと思います。その意味では、1週間ぐらい前に申し上げたことと中身的には変わりません。決めたことをしっかりとやっていくつもりです。

問)

今回留任されて、1年半後に、もちろん「金融再生プログラム」の目標である2004年の末、不良債権比率半減というのもそれですが、ちょうど同じ時期に、今のところペイオフの決済性預金を除く全面解禁というのが予定されています。金融関係者の間の話では、ペイオフを解禁するのに大手行の不良債権の減少はともかくとして、やはり地域金融機関の健全化というのが欠かせないと。この問題については、金融庁がリレーションシップバンキングということで、大手行とは別であるということで取り組んでおられる。しかし、一応その数値目標としては、地域金融機関は対象外になっていますので、健全化の問題は残るのではないか、本当にペイオフは解禁できるのだろうか、そんな声もありますが、大臣もそういうご懸念があるのかどうか、あるいはその懸念は杞憂なのか、その点についてお考えをお聞かせください。

答)

そういう声があると仰いましたが、実は色々な声があるわけです。これまでも、不良債権比率を下げるというふうに申し上げた時には、そういうことを地域でやるべきではない、地域に関してはそれとは別のことをやるべきだという非常に強い声があった。私たちは、やはり確かに地域金融は、コミュニティーに根ざしたリレーションシップバンキングは違うということで、その新しいリレーションシップバンキングの枠組みの中でこの問題は解決していこうとしているわけです。

これに関しては、8月の末にその強化計画が出されて、この新しい取組を今進行中でありますから、これをもう本当にしっかりとやっていくということだと思います。現時点で、この取組を通して、予定どおり大手行の不良債権問題を終結させて、それでペイオフを解禁する、そういう方向に持っていけるように、我々は引き続き努力するつもりでありますし、大手行、主要行についても、また地域金融機関においても、そうした前提の下で、しっかりと経営改革に取り組んでいただきたいと思っています。

問)

先日、郵政公社が終身保険の新商品で、民間でいうところの定期付終身保険のようなものを発売するというようなことを表明されて、民間の生保業界はいわゆる民業圧迫だということで、非常に反発が強まっています。官から民へというような政権のスローガンからすると、若干それに逆行するのではないかというような見立てもありますけれども、大臣は郵政公社の今回の新商品についてどうお考えですか。

答)

この問題は、皆さんよくご承知のように、これは総務省の方で、総務省の責任と権限において政策を進めていく、そういう立場になっております。我々は、当然のことながら、そうした場合に民業とのイコール・フッティングというのが当然の前提になってくるわけでありますから、そうした観点からきちっとした行政的な対応がなされるものというふうに期待しております。

問)

先程、郵政事業の民営化というのがこれから大きな課題になるというお話があったのですが、諮問会議でこれからどう進めていくか、これだけのことですから、最終的には法案提出まで含めて事務方というのが大きな役割を果たすと思うのですが、その事務方を総務省が担うのか、あるいは別のところが担うのか、その辺の進め方についてお考えがあれば教えてください。

答)

この点については、非常に大きな方針でありますから、しかもこれは1カ月、2カ月の話ではなくて、2年位のタームでどうするかという話でありましょうから、そこは総理、官房長官としっかりと相談したいと思います。今の時点で私が総理から言われておりますのは、「郵政民営化に向けての基本方針を諮問会議で議論しろ」ということであります。これをしっかりとやっていくということだと思います。その先の法制化の問題、その時の枠組みの問題、これは正に総理、官房長官の方で内閣全体としてどうするのがベストであるかという観点から決定されていることになると思います。

問)

いろいろ手を打たれていると思うのですけれども、依然として中小企業の資金繰りが厳しい実態というものがあって、竹中大臣の再任でますます厳しくなるのではないかという声、それから銀行業界においても、竹中さんの下ではなかなか積極的な融資は難しいという声は依然としてくすぶっているようなのですが、ここで改めて分かり易い言葉で、きっちりとした反論をお伺いしたいと思うのですが。

答)

今仰ったような声があるとは私は思っておりません。基本的に、もちろん中小企業、ないしはそれを取り巻く金融環境は、依然として日本全体として厳しい状況にはありますけれども、日銀の短観の数字なんかでも見る限り、金融機関の貸し出し態度等々は、実は改善しているわけです。従って、厳しくなっているということではないわけです。不良債権の処理全体に向けても、私はやはりこの半年間で不良債権比率が明示的に下がってきたということに関して、これは大手行から見ても、自らの出口がこの先にあるということが確認されたわけですから、これはもちろん我々が枠組みを決めたということもありますが、何よりも金融機関自身がしっかりと対応してきたということでありますから、私はこの延長線上で問題を解決できるのだという問題意識が、今、共有されつつあるというふうに思っています。

もう一つ見方を変えていえば、では他に何か方法があるかということになるわけでありますから、ここら辺は我々も、自信を持ってしっかりと検査・監督の行政を進めていきたいと思いますし、銀行においても自信を持って、この延長線上で出口を目指して頑張っていただきたいと思っています。

問)

「再生プログラム」関連で、課題として残っていることとしてガバナンスの問題を今日は仰ったと思うのですけれども、なかなか明示的に分かりにくい分野だと思うのですが、そのガバナンスの改善という部分で、どういう部分を問題視されて、どういう方向で変えていこうとお考えでしょうか。

答)

実は、この問題というのはかなりトートロジカルな問題なのだと思います。ガバナンスが改善されたかどうかというのを何で測るかというと、実は結果で測ると。結果を出してくださいということと、ある意味で同義だと思います。ガバナンスの話は、今ご指摘があったように本当に幅広い範囲の問題なのだと思うのです。かつ、それはなかなか目に行為として見える問題ばかりでもない。結局のところ、収益力を高める。それに向けて、これは周囲が見ても本当に努力しているなと、そういうことがはっきりと見える形で結果を出していただく。そういうことに尽きているのだと思います。

細かいことでは、我々はいろいろなガイドラインを作っておりますし、そのガイドラインに則って粛々とやっていただくということになるわけでありますけれども、結果としてそうした努力を積み重ねて、やはり収益力を高める姿を見せていただきたいというふうに思っています。

問)

もう一つ、産業再生との連関についてもおっしゃったのですけれども、今の銀行の貸倒引当金の引当ての不足が、産業再生機構への債権の持ち込みの壁になっているのではないか、もう少し銀行は引当金を積むべきではないかという意見があるのですが、これについてはどう思われますか。

答)

ここは、私は少なくとも検査等々は、今非常にしっかりとしたものを持ってきていると思っておりますし、その限りにおいて、各決算期においての引当というのは充実してきているというふうに思います。非常に難しいのは、その再生のやり方とか、それを決めた段階では前提条件が変わりますから、その瞬間に更に引当てなければいけないものが増えるという、やはりそういう技術的な問題も中にはあると思うんですね。その意味では、我々としてはとにかくマーク・トゥー・マーケット、市場価値に基づいてしっかりと引当てていく、それを企業、銀行には徹底してもらいたいし、そうした観点からしっかりと検査で見ていきたい。そういうことに尽きると思っております。

今日、記者会見で申し上げたのは、再生はしっかりしなければいけないと。しかし、先送り型の再生があっては、これは本来の趣旨とは違ってくるわけでありますから、その点は先送り型の再生などがないように、ここはしっかりとぜひ見ていかなければいけないと思っています。

問)

今日も円が急激に上がり111円台になりましたが、どう思われますか。

答)

為替の問題は、私の所管外であります。所管の財務省の方でも、いろいろと詳細な情報に基づいてご検討しておられると思います。

ただ、いずれにしても、短期的な動向に一喜一憂すべきではないとうのがマーケットの前提だと思いますが、同時に、あまりに急激な変化が続くということでありますと、これに対してはやはり注視していかなければいけないということになろうかと思います。いずれにしても、こうした点については、所管の官庁においてしっかりとした対応がなされていくものと思います。

問)

今回の円高は、急激とは思われないのですか。

答)

これは、マーケットの変化に対して、高いとか低いとかどうこうということのコメントは差し控えたいと思います。いずれにしても、そうした実体面への影響も踏まえて、しっかりと見ていきたい。我々としては、実体面で経済に何が起こっていくかということをしっかりと把握していきたいと思います。

問)

郵政事業の民営化ですけれども、基本方針についてはどれくらいの期間で定めることを目指すのでしょうか。

答)

基本的には、来年の秋ぐらいまでにその姿が割とはっきりしているというような状況にしていかなければいけないのだと思っております。問題が非常に大きいですから、どのぐらいの日程で出来るか、我々も急いでこれから財政の問題も含めて検討したいというふうに思いますが、総理は17年に法案を提出というふうに言っておられますので、それに間に合うように基本方針を決めていく。そういった日程を大まかに頭に置きながら、少し細部を詰めていきたいと思います。

問)

円高の関係なのですけれども、輸出主導の景気持ち直しのシナリオが基軸ですよね。今の程度の水準自体のコメントは求めませんけれども、今のレベルであれば、その基本シナリオに影響はまだないレンジなのかどうか、その辺はいかがですか。

答)

今朝も言いましたけれども、為替レートが今の状況で例えばどのぐらいの期間続くのかとか、それはやはり期間の問題がありますから、これもなかなか簡単にはコメント出来ないのだと思います。それと、為替レートが変化してから、それが実体面に影響が表れるまで半年とか、それより短いという説もあれば、それよりも長いという説もあります。そういう時間の経過についても、見ていかなければいけない面があると思います。

それと、輸出が原動力になるということは、引き続き大変重要だと思っておりますが、ご承知のように今年の第2・四半期の高い成長というのは、これは外需ではなくて内需でほぼ100%実現されている。そういった意味での内需と外需の微妙なバランスの問題もありますから、そこはなかなか一概には言えない。やはりしっかりと見ていくということだと思います。

問)

大臣からご覧になった今回の新内閣のラインナップと言いますか、特に大臣は諮問会議をリードしていく立場にあるわけで、例えば総務大臣には今度、政調会長から麻生さんが来たとか、特に緊密にやっていく先を含めて、今度のラインナップをどうご覧になるか、あるいは党も含めて、どう新しいラインナップとやっていきたいかという部分はどうですか。

答)

私は、この大臣を命ぜられた立場でありますから、命ぜられたことをしっかりやっていくということです。全体のバランスがどうであるかどうかということを、コメントする立場にはないと思っております。

しかしながら、いずれにしても、2年4カ月この仕事をしてくる中で、党の皆さん、それと内閣の皆さんとはそれなりに対話ができる基盤ができつつあると思っておりますので、新しい方々とも十分に対話を尊重しながらやっていけるというふうに思っています。

問)

より諮問会議をリードしやすい環境になったというふうにお感じになりますか。

答)

今までも、諮問会議の皆さんにはご協力をいただいておりましたし、新しいメンバーの皆さんからも、十分にご協力をいただけると思います。

問)

これは、先程のガバナンスの強化の件なのですけれども、これまでの大臣の考え方としては、まずガバナンスの強化があって、それに見合った業務執行体制があって、その結果としての収益力というようなお考えをしているのではないかなと受け止めていたのですけれども、先程のお話を伺いますと、収益力さえしっかり出してくれば、それはそれでガバナンスが良くなってきた結果としてではないかというふうに聞こえたんですね。各大手行が、いわばなりふり構わないような増資をして、中には配当原資を確保するがための機構改革をしたわけで、その結果として、引当できたら、それはそれでよかろうというお考えなのでしょうか。

答)

いえ、これは、sincereかstrategicか、soundかとそういう観点から当然見ていくわけですから、今仰ったように、その途中のプロセスはどうでもいい、結果が重要だ、そういうことを申し上げるつもりはもちろんありません。プロセスが不十分であれば結果は、見かけは一見良くても、やはり良くないのだと思うんですね。そこは、トータルできちんと判断していきます。

問)

公的資金の注入について少しお伺いしたいのですが、その期限、年内とか何かそういう目途はあるのでしょうか。

答)

新しい枠組みについてですか。これは、プロジェクトチームでやり始めたところでありますので、あまり期限を区切ってやるということでもないと思っています。我々としては、可及的速やかに出来るだけ早くという気持ちはありますのですけれども、現実の行政の判断としては、少し時間がかかるかなという思いもあります。出来るだけ早くという方針で、もちろん望みますけれども、ちょっと期限を切るのはなかなか難しいかなと思います。済みません。

問)

2006年度に名目経済成長2%という目標なのですけれども、2006年度にはデフレを完全に脱却するということなのですが、もう2、3年のかなり短い間でやらないといけないということなのですけれども、その間に改革を行うということですが、一方で、今、この小泉内閣の掲げている改革というのは、非常に改革に時間がかかるし、成果が出てくるのも時間がかかるものなのです。例えば郵政の問題、改革自体、小泉内閣のスケジュールだと3年後とか、しかもその結果が経済活性化という形で出てくるのはもっと先だと。「三位一体」もそうだと思うんですよね。「骨太の改革」というのは、長期的なことで小泉内閣というのは考えていると思うのですけれども、だから本当に2006年度に2%の名目成長率を達成出来るのかという、その道筋がちょっとやはりはっきりしないところがあるのですけれども、その辺りはどういうふうに道筋を考えておられるのですか。

答)

まずちょっと技術的な問題ですが、2006年というのは、内閣府の試算として示されている2%というのは、これは目標でありません。きちっとした構造改革を推進していった場合に、想定される1つのシナリオだと。そういう意味での試算を内閣府として示しているわけです。だから、目標という位置付けではないと、これは正式な位置付けであります。その上で、しかし我々としては当然それを実現したいと。そのための努力はしなきゃいけないというふうに思っているわけです。

それで、お尋ねの問題は、構造改革というのは相当幅広いわけですよね。規制改革、これですぐ効果が出るものもあります。しかし、例えば4年後に郵政を民営化すると。民営化するのに4年かかるし、その効果が出てくるのにもっとかかると。だから、非常に息長く見なければいけないというものもあります。従って、そこは構造改革の性格上、その中身は非常に違う、まちまちだということだと思います。

ただ、2006年という点について考えると、当面我々としては、あと2年弱ぐらいで不良債権比率の半減というものを目指している。不良債権の存在がそこまで下がってくると、これは当然のことながら貨幣乗数が上がるということが期待されて、その意味ではマネーサプライの増加が、日銀のベースマネーの増加に呼応する形でのマネーサプライの増加が実現出来るような環境が近づくと、これは申し上げていいと思うんですね。やはりデフレ、インフレというのは、究極的には貨幣減少というところがありますから、その部分では当面の2年ぐらいの改革がデフレの克服に資するという面は、私は非常にあるのだと思います。

同時に、規制改革等々での需要の拡大、構造改革と色々あるというふうに申し上げましたが、自助努力、自助・自立の原則を徹底することによって、企業が自己責任に基づいてリストラを進めて、企業収益が上がって、それによって設備投資が出てきているというのがこの1年、2年ぐらいの変化なわけですから、そういうことの効果を組み合わせて、日本経済が持続的にデフレを克服して、解消できるようなシナリオに持っていきたい。「改革と展望」は、基本に今申し上げたようなシナリオの上に成り立っている。

問)

今回の留任人事は、いつ、どのタイミングで打診を受けていらっしゃったか。今日、官邸で言われる前に、どちらか一方の留任だけ先に打診されていたというようなことはありませんか。

答)

今日、呼び込みがあるまで何も聞いておりません。

問)

どういう文言で総理からは言われたんでしょうか。

答)

基本的には、呼び込みというのは私のところに電話が、これは秘書官から電話がありまして、「総理がお呼びだからすぐ官邸に来い」ということです。それで官邸に駆けつけて、それで一人一人総理の部屋に呼ばれて、総理から「これこれの大臣をやれ」というふうに言われる。非常にシンプルなものだと思います。

問)

先程内閣府の幹部の挨拶の中で、「内閣府というのはそれぞればらばらのところが多いので、意見交換の場があったらいい」というような話をされていましたけれども、何か具体的なイメージなどはあるんでしょうか。

答)

これは内閣府の中で、内閣府の幹部の皆さんも以前からいろいろなお話をしているというふうに聞いています。内閣府というのは総理を支える場、総理、官房長官を支える場であります。ところが、実際の内閣府の中というのは、経済財政があれば、男女共同参画があって、賞勲局があって、ある意味で非常に異質なものが寄り集まって、我々も内閣府所属の他の特命大臣が何をしておられるか、そこで働いている部下の方にどういう方がおられるか、実は、私2年4カ月仕事をしておりますが、未だによく分からないところがあります。官房長官にも、1回そういう意味ではやはり総理を支える、官房長官を支える、そういう人がやはり定期的に集まって、月例の会議を開いて問題意識を共有するとか、そういうことをやってもよいのではないかと、そういうことは以前からも申し上げています。

これは総論としては、なるほどその通りだというご意見もあるんですが、実際問題、異質な人が集まって意見交換しても、一体どういうことが出来るのかという問題もあるし、それから引き続き我々も考えるし、事務方のトップの方々にも考えていただきたいなというふうに思っています。

問)

今日、再任の挨拶のタイミングで、地域の経済・雇用の再生というテーマを掲げられたわけですけれども、ともすると再任まで、一部かもしれませんけれども、改革路線は地方に厳しいのではないかというような声が一部あったという見方もあるわけですが、あと総選挙も近いというタイミングですけれども、そういったことへの一つのお答え、再任に当たっての一つのお答えなのかどうか、その意味合いですよね、このタイミングという、その辺はいかがですか。

答)

特別にそのタイミングということではないと思っています。地域の問題、雇用の問題が重要だというのは、これはチェックしていただければ分かりますが、諮問会議で随分と何度も何度も議論をされております。その中で、やはり民でできることは民で、つまり官から民へ、中央から地方へと言っております。そうすると、地方の民というのが活性化をするに当たって、やはり最も重要なポイントになってくる。これは構造改革のシナリオとしては容易に想像されると思います。そうした観点から、諮問会議でも以前から公的な、特に自治体のいろいろなサービスのアウトソーシングのようなことをもっと活発に出来ないだろうかと、これはずっと議論をされてきているわけですが、必ずしも具体的な広がりになっていない。

そういった問題意識を私自身ずっと持っているのですが、先般からも地方にいろいろ行って、今ご指摘のようなことを仰る方もいらっしゃいます。しかし、そうではないでしょうと考えます。諮問会議での議論の紹介とか、正に「三位一体」というのは地方の活性化につながる話なわけですから、そういう話をすると、極めてきちっとご理解、ご賛同いただけるんですね。そういう点も踏まえて、政策としてより分かり易く示していくことも必要だと思っていますし、先程言ったようにとにかく中央から地方へ、官から民へと、その象徴としてはやはり地方の民間経済、これを活性化するということは構造改革の本来の趣旨でもありますので、その原点を本当にしっかりとやっていきたいというふうに思っています。

問)

1点だけおさらいさせてください。

金融機関のガバナンスの強化という政策目標を達成する経路が私よく分からないんです。というのは、「りそな」みたいに国が筆頭株主であれば、ガバナンスの強化の仕方というのがある程度イメージできるんでけれども、他の銀行に対しては監督権は行使できても、株主権は行使できないわけですよね。そういった中で、さっき仰ったように、今あるガイドラインに沿って粛々とやっていくということだったら、今とあまり変わらないのであって、更なるガバナンスの強化のために一体何をどうするんでしょうか。

答)

いやいや、それは少し違うのではないでしょうか。

今、我々が持っている監督の体系というのは、正にアーリー・ウォーニングから早期是正の措置からあって、それでしっかりと収益もこれを守っていただく。必要に応じて業務改善命令を打つ。その先に、必要があれば優先株から普通株への転換をする。これは株主権も含めて一体化して、そのガバナンスを強化するための私共は体系を持っているわけですね。だから、その体系そのものを別に変えるということは、私もちろん申し上げているつもりはなくて、この体系があるんだから、それをやはりしっかりと我々としては監督をしていきたいと思うし、そうした体系の中で、企業には改めてガバナンスを強化するための努力をしていただきたい。そういうことを申し上げましたのであって、その意味では、仰ったように今のある体系、我々持っているわけですから、それをしっかりと本来の趣旨に則って実行に移していきたいと思います。

問)

年内にも解散総選挙が行われるということで、今回の内閣は短命であるんじゃないかと見られていますが、仕事を進める上での影響というのは。

答)

政治プロセスに関して、私はコメントを差し控えたいと思いますが、これは総理がよく仰るように、いろいろな政治の出来事が続く中でも「行政に休止なし」、行政に休みはないわけであります。私は経済財政と金融の行政を託されているわけでありますので、ここはもう「行政に休止なし」という前提の下で粛々としっかりとやっていきたいと思います。

(以上)

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