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竹中金融・経済財政担当大臣記者会見要旨

(平成15年10月7日(火) 9時24分~9時35分 於)金融庁会見室)

1.発言要旨

おはようございます。

閣議がございました。ご承知のように、総理はご出張中でありまして、閣議も大変短いものでございました。私の方から、閣議、閣僚懇を通して、特にご報告することはありません。

1点発言させていただきますが、リレーションシップバンキングの機能強化計画につきましては、全国で626の中小地域金融機関から8月末までに当局に提出をいただいたところであります。その後、当局において提出された機能強化計画について、ヒアリング等を通じて具体的内容の確認等を行うとともに、取りまとめに向けた作業を進めてまいりました。

その結果を踏まえまして、今日開催されます財務局長会議において、各金融機関から提出された機能強化計画について報告及び検討を行うこととしております。取りまとめ結果については、本日夕刻公表させていただくことにしたいと思っております。この詳細については、公表の際に事務方からレクをさせていただきます。

私の方からは以上であります。

2.質疑応答

問)

先程の機能強化策の傾向についてなんですけれども、まず中小企業の再生と地域活性化等を通じた不良債権処理を集中改善期間の間に行うということなのですけれども、大臣がご覧になって、その計画の傾向を見て、達成できるような状況なのかどうかという評価についてコメントいただけますか。

答)

626件あり、個別のことに渡っておりますので、総括の評価も難しいと思っておりますが、私としては、各地域、各金融機関で頑張って地元との共生を目指した活動を強化しているというような印象を持っております。

それに対して、我々もしっかりと、このリレーションシップバンキングの枠組みを推進していかなければいけないと思っておりますので、そういう点も含めて、財務局長会議で是非活発に議論をしたいと思っています。

問)

昨日ですが、みずほが上方修正をしたということで、これから大手行でそういった上方修正の動きが相次ぐのではないかと思われますが、これに関しての評価をお願いできますでしょうか。

答)

個別の銀行の問題であり、個別の問題に対するコメントは控えさせていただきますが、一般論としては、もう何回も申し上げていますけれども、今、収益力の強化に向けて計画を見直して、正に各行取り組んでいるところだと思います。その方向で是非しっかりとやっていただきたい。決算については、まだ各行今取りまとめを色々やっておられると思いますので、それを見守りたいと思っております。

問)

今週末に東アジア経済サミットがシンガポールで行われると思うのですが、昨年、大臣が出席されていると思いますが、今年出席されるご予定はあるのでしょうか。もし出席される場合は、東アジア、アジアの方々にどういったメッセージをお伝えしたいのかというのがもしあればお願いします。

答)

予定はまだ調整中でありますが、これはアジア版ダボス会議であり、大変重要な会議であると思っておりますので、事情が許せば出たいという希望を持っております。

そのことに限らず、今対外的に発信しなければいけないことは、日本の経済のこの半年位の間の変化が非常に大きかったということです。この方向で改革を強化していくのだという、この点は是非色々な機会を通じて対外的には発信をしなければいけないと思っております。

例えば、この半期について見ますと、半期の間での株価の上昇というのは、これまで昭和47年に次いで2番目に高い半期の株価の上昇だそうであります。今年度の上半期についてみますと、取引高も、これはバブルの時を上回って、半期としては最高になっているのだそうであります。これはあくまで一つの現象ではありますけれども、改革の芽がこういう形で現れているということであろうと思いますので、正に改革の芽が今現れつつあって、それを強化していくという大変重要な節目であるといった点が発信しなければいけない重要な点だと思います。

問)

諮問会議に関連して、政府内、与野党でも年金制度改革の議論が高まってきていると思いますが、改めて年金制度改革における諮問会議の役割と、今後の諮問会議としてどういった点を議論していくかというのを改めてお願いします。

答)

諮問会議は、マクロ経済政策と予算編成の枠組み作りという通常の仕事に加えて、大きな制度上の問題として3つ抱えていると思っています。年金の問題と、それと「三位一体」改革の問題、それと郵政の改革の問題です。その中で、一番時間的に急がれるのがこの年金の問題です。今年中に大きな方向を決めなければいけないということであります。その方向で諮問会議は是非積極的に運営したいと思っています。

その際の進め方というご質問だと思いますが、前回の諮問会議で、議論しなければいけないことは沢山あるけれども、とりわけ重要なのは、給付と負担と、それと国庫負担、国庫の補助の問題、この3つがやはり制度の枠組みを決めるということだと思います。それにバリエーションがもちろん色々ついてくるわけですが、この3つの問題について、この枠組みについてやはり複数の選択肢の中で、最後は政治的に決断をしなければいけないということだと思いますので、この3つの点を中心に複数の選択肢を絞り込んでいくというのが当面の諮問会議の重要な役割である、そういう方向で進めていきたいと思っています。

問)

昨日、政府の税調が再スタートしましたが、その時に石会長に会見で三位一体の促進税制、不良債権処理税制についてお伺いしましたが、その満額回答、今後どうやって検討していくんですかと聞いたら、もう要求が大き過ぎると言うのですね。もう1回考え直して修正案を持ってくるのだったら、話し合ってもいいけれども、このままでは話にならないというようなニュアンスのお話だったんですが、今後、ネゴシエーションの過程で税制改正要望を見直すお考えはありますでしょうか。

答)

石会長の発言は詳細に存じ上げておりませんが、お立場上、当然そういうご発言はあり得る発言なのだと思います。

しかし、この問題の本質というのは、これを半分にしたら上手くいくとかという問題ではなくて、いわゆるバナナの叩き売りのようなことはやはりできない、その本質論が大事だと思っております。これは与党の方でも引き続き検討していくという重要な課題になっておりますので、我々も与党ともご相談をしながら、要するに繰延税金資産に関連するものですよね。その話は、私の先程の、国と地方の「三位一体」というのは別のもので、それも三位一体ですね。繰延税金資産も三位一体ですから、そこは三位一体で、本質論に沿って我々も引き続き検討を進めていきたいと思います。

問)

グレードアップしましたね、3点セットから。

答)

3点セットと言っていましたでしょうか。

問)

分かりました。それにもう一つ。リレーションシップバンキングの枠組みですけれども、もう少し踏み込んだご所見をいただきたいなと。これは竹中大臣の政策の中で、これから地域の雇用も大事だとか、そういうことと裏表じゃないかなとも思うのですけれども、もう少し踏み込んだご所見を、あるいはこのリレーションシップバンキングの政策に込めた大臣の気持ちみたいなものをもう少し。

答)

この問題、大変重要だというふうに位置付けております。それで、このリレーションシップバンキングの考え方を実践していくために、我々もやらなければいけないことがあるのではないかということでずっと検討を進めております。

この点については、財務局長会議の挨拶等々でも少し触れさせていただこうと思っております。その点、財務局長会議はオープンであると思いますので、少しその中で述べさせていただきたいと思います。

問)

せっかくそういうプレゼンテーションをしたって、大臣もPRしたいのだったら、もう少し発表時間を、何時になるか分かりませんけれども、早めに、その内向きの会議が終わった後とかそういうのではなくて、もう少しオープンをもっと早くしたらどうですか。

答)

早くというのは、1日の時間帯を早くということですか。

問)

その通りです。

答)

そこは、皆さんが記事をお書きになるのにやり易い時間とか、紙面を取る時間とか、そういうご趣旨があるのだと思います。この点は広報と相談して、是非皆さんの出来るだけお役に立てるように、これはもう我々もきっちりと書いていただくことは大変大事だと思っておりますので、相談をしたいと思います。

(以上)

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