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竹中内閣府特命担当大臣(金融、経済財政政策)記者会見要旨

(平成15年10月31日(金) 10時40分~10時58分 於)金融庁会見室)

1.発言要旨

おはようございます。

閣議がございました。閣議に関して、私の方から特にご報告を申し上げることはございません。

閣僚懇で、総理から、今日発表された失業率等々について、求職者と失業者、就業者、それぞれどういう関係で動いているのかというようなご質問がありまして、総務大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣、私等々が少しずつ発言をいたしまして、現状の説明をさせていただきました。

閣議、閣僚懇に関しては以上でありますが、私の方から1点ご報告をさせていただきます。

今年の7月28日に発表されました金融審第二部会自己資本比率規制に関するワーキンググループの経過報告でありますけれども、その中で繰延税金資産の算入根拠と計算手続に関して、繰延税金資産の計上額に対する信頼性を高めるための情報開示の拡充について、この有効な方策を実施することを求めたいと、そのような記述がございます。この経過報告を受けて、我々は検討を進めてきたのでありますけれども、本日、主要行に対して15年9月期の中間決算短信の公表時から繰延税金資産の情報開示の拡充を行っていただきたいということを要請する予定であります。また、今般の措置は、繰延税金資産の信頼性を高めることを目的としていることから、開示する係数等を基に計算手続等に即した分かり易い説明を併せてしていただきたいということも要請したいと考えております。この開示項目等の詳細につきましては、主要行に要請を行った後、夕刻に公表する予定にしておりますので、それをご覧いただきたいと思います。

私の方からは、以上であります。

2.質疑応答

問)

りそなの個人保証不要のローンなど幾つか戦略が発表されましたけれども、例えば公的金融とかライバル行が多い中で、若干金利が高目のローンで競争力が保てるのかという疑問もあるんですが、その辺はいかがでしょうか。

答)

基本的な考え方としては、我々もその担保、個人保証に頼らない融資という、新しい金融の手段の開発をしていただきたいと。中小企業の金融の円滑化のためにしていただきたいということを申し上げてきました。私たち以上にメディアの皆さん方も、日本の銀行は担保、保証人に頼り過ぎるのではないかというようなご批判があったのだと思います。そうしたことを受けて、1つの努力の成果として、そういう新しい金融のスキームの開発に、りそなが今度挑んでいるということであります。

もちろん、それに当たっては、当然のことながらきちっとしたリスク管理を行っていただかなければいけないわけであります。ご指摘の点、そのようなリスク管理を行うのが、プロフェッショナルとしての銀行の役割でありましょうから、その点を踏まえて是非きちっとした管理、それでいて市場から歓迎される金融商品にしていってもらいたいと思います。

問)

もう1点、りそななんですが、公的資金の返済の見通しについて、当面なかなか明らかにできないというような報道があるのですけれども、その見通しを明らかにすべきかどうかということについて、どうお考えでしょうか。

答)

報道は承知しておりますけれども、そういうことを正式に決定したということはまだないと思っております。当然のことながら、我々としても色々な考え方が皆さんにおありであると思いますので、その内容については十分にお話を伺っていきたいと思います。予見を持って、こういうのは良い悪いというのは、今の段階で申し上げるべきではないと思います。

問)

アメリカの実質成長率が、7-9月で7.2%と19年ぶりに高い数字が出ていますけれども、減税によるその特殊的な要因による一時的なものだという見方と、安定的な成長軌道に乗ったのではないかという見方に分かれているのですけれども、大臣はどうご覧になっているかということ、日本経済に与える影響についてもコメントをいただければと思います。

答)

事前のブルーチップスのコンセンサスでは4.9%ぐらいの成長が見込まれた。これでも相当高い成長であるという見方もあったわけですが、直前になって、大方の予測は6%位なのかなというふうな声が出た。ふたを開けてみると7.2%ということで、これは本当に予想を更に上回る高い成長率であったと思っております。

アメリカの経済は、やはり2点あると思います。1つは、生産性の抜本的な向上を実現していて、その意味でファンダメンタルズが大変しっかりしているということ。そのことを証明しているという点。それと循環的に考えても、イラクの問題、世界的な地政学的不確実性の減少等を反映して、循環的に見ても良い局面に来ているということ。そういったことが相互に重なって、今回の高い数値になっているのだと思っております。

しかし、もちろんこれは、潜在成長力を上回っている成長であることは間違いありませんでしょうから、こういうものが未来永劫に続くということは、もちろんあり得ないわけでありますから、我々としては、アメリカの経済の基調の堅さと循環的な良好さが確認されたという点はしっかりと踏まえて、更に今後の動向を注意して見ていきたいと思います。

問)

今朝、発表された東京都区部の消費者物価指数を見ますと0.1%マイナスと。反転はしなかったものの、前月に続いてゼロという形になっているんですけれども、デフレの傾向に歯止めがかかりつつあるということと見られますでしょうか。その辺、どう認識されているのかお伺いします。

答)

ここ数カ月間の私たちの認識を変えるような状況ではないと思っております。これまでも、月例経済報告等でも、消費者物価はかなり安定してきています。しかし、GDPデフレーター等、要素価格を含むものについて見ると、まだなかなかしつこいデフレが続いているとの認識は変えておりません。これは、為替レートの問題、国債市況の問題、色々なことが反映されて消費者物価は成り立っておりますから、そういったことも踏まえてしっかりと見ていかなければいけない。我々としては、日本銀行も先の金融政策決定会合で、これは過去の実績だけではなくて、フォワード・ルッキングで物価が安定していなければいけない、更にはそれが一時的なものではなくて、継続的なものでなければいけないという見方を示しておりますが、その点では私達も同じ見方をしております。

問)

最後に、年金の問題でちょっとお話を伺いたいのですけれども、先日、総理がテレビの中で、保険料負担の上限は10%が限度だろうという言い方をされたのですが、今、正に「検討の場」等で具体的な数字を調整している段階だと思うんですけれども、その10%が限度だということについては、大臣も同じ認識でしょうか。

答)

これは、数字の問題でありますから、負担と給付、双方を同時に議論しなければいけない問題だと思います。その議論を、11月になってから経済財政諮問会議で焦点を絞りながら、負担と給付を示しながらどのような国民的な選択をするのかということを議論していきたいと思います。

しかし、常識的に考えて、その10%を超える負担というのは、個人も企業もこれは耐えられないだろうと。そういうものは、割と広く受け入れられる考え方なのではないかと思います。総理は、そのような点を踏まえてご発言されているのだと思います。

問)

企業の中には、労使折半を合わせると20%でも重過ぎる、経済成長に影響を与えるのではないかという主張があるわけですけれども、その点はどうでしょうか。

答)

これは、企業の主張としては大変理解できるところで、だからこそ限度というのは、これを超えることはあり得ないということなわけですね。その範囲で、負担は出来るだけ軽い方がいい、負担を出来るだけ軽くしなければいけない。しかし、同時に、給付はある程度欲しいという国民の声もあろうと。その辺で、正に給付と負担のバランスを、これはバランスしないと制度としてはサステナブルではありませんから、最後は国民の選択、国民の意志を踏まえた政治の決断ということになるのだと思います。

問)

繰延税金資産のことについてお聞きしたいんですけれども、このりそなの問題でも確実性というものは問われたわけですが、今回の情報開示の拡充で不信感というのはどこまで解消できるのか。それと、今後更に取り組みが必要な点についての現時点でのコメントをいただけますでしょうか。

答)

繰延税金資産に関しては、今回の趣旨は皆さんご承知のように、これに関する情報開示をしようと。繰延税金資産に関しては、その予見可能性を高めようというのが1つの非常に大きなポイントになります。それともう1つは、その回収可能性についての市場の評価をしっかりとしていただけるようにしようということでありますから、今回の情報開示というのは、その意味では今までになかった大きな一歩になるだろうと思っています。

しかし、これで全ての問題が片付くかというと、それはそんなことはあり得ないわけで、繰延税金資産等々の問題、自己資本の充実の問題は、引続き金融審のワーキンググループで、これはBISの動向等々も睨みながら、これもこの秋色々な展開があると考えられますので、しっかりと引き続き議論していかなければいけない重要課題だと思います。

問)

先程のアメリカの7.2%の成長について、日本経済へのインパクトとか、そういったものは回答をいただいていなかったもので……。

答)

世界の経済全体が、やはりウェートの一番高いアメリカ経済の動向にどうしても影響を受けるという体質を持っている。その意味では、アメリカの経済が予想を下回るような成長であるということになると、各国の経済運営にも、そのシナリオにも当然影響が出て来るわけですが、その点から言いますと、予想をかなり上回る成長であったということは、グッド・ニュースであるということは間違いないと思います。

しかし、これはこれで実績ですから大変良いことなのでありますが、次に今後どのように展開するかということは、同じように重要になってくると思いますので、我々としてはグッド・ニュースはグッド・ニュースとして受け止めながら、今後の動向は更にしっかりと見ていきたいと思います。日本に関しても、当然のことながら、日本のこれからの持ち直しに向けた基本シナリオを支える、そういう数字になっていると思います。

問)

大臣、1つ確認でお伺いしたいのですけれども、先程出たりそなの剰余金の積み上げの計画の件で、現時点で大臣がメインシナリオだと考えられるのは、回収ですけれども、いわゆる剰余金を積み上げて、将来償却してもらうということではなくて、将来、市場あるいは第三者に政府が売却する形で回収する、こちらがメインシナリオであると、そういうお考えということでよろしいのでしょうか。

答)

預金保険法施行令の第25条に、その株式等の引き受け等に係る株式等及び借入金につき利益をもって償却または返済に対応することが出来る財源を確保するための方策を定めるとなっているわけですね。

ただ、現実問題として、どのような形でこれを公的資金、公的な負担を減らすようにやってもらうのか、これは多様な方法を、私達としてはリザーブしておかなければいけないと思います。その意味では、我々としてはそういうふうな利益、返済に財源を確保していただきたいと。確保することが、それで償還するかどうかはともかくとして、結局、株価を上げることにもつながるわけでありますから、そこはやはり公的資金を投入している以上は、しっかりと収益力を高めていただきたい。この基本はもちろん変わらないわけでありますが、現実にそれがどのような形で償還されるかということに関しては、多様な道を考えなければいけないと思います。どれがメインシナリオかということを、今の時点で申し上げるべきではないと思います。

問)

別のテーマなんですけれども、昨日あるいは一昨日と、スーパーマーケットとか、住宅メーカー等の金融支援を含む再建計画、そういう話が出て来ているのですけれども、かねてより大臣は問題先送り型の企業再建というのはチェックしていきますよと仰っておりました。それで、大手行については特別検査のフォローアップと再建計画の検証チームというのが活動していたわけですけれども、それを踏まえて最近になって色々発表されているのかなという気もするんですが、この動きというのは、問題先送り型でない計画が相次いで表面化しているというふうに歓迎されておられるのか、あるいはそこの見極めはまだこれからなのか、いかがでしょうか。

答)

基本的には個々の会社の話でありますので、個々の会社のことを担当大臣がコメントする立場にはないと思います。

しかし、我々としては、色々な報道がなされている。それに対しては、これはまず検査でしっかりと見るというのが基本になります。今、正にまだその検査のプロセスでありますので、報告を私はまだ聞いているわけではありません。検査はしっかりとやってもらっていると思っております。かつ、その再建については、再建計画検証チームがありますから、そこで非常に厳格に見てもらっていると思っております。検査は検査で、まず事実の把握をしっかりとしてもらいたい。金融庁全体としては、その事実の把握を受けて、今度は監督の方でも、それをしっかりと監督の立場からフォローして、我々が目指すバランスシートの調整を実現していけるように、非常に強い決意で金融庁全体で取り組んでいるつもりです。

問)

諮問会議の件なのですが、公営サービスの民営化の障害の報告というのは、一応、今月末ということで仰っておられたのですが、どういうふうになっていますか。

答)

これは、かなりしっかりと、今、内閣府を中心にやっております。今月中に取りまとめるということを、諮問会議で私自身の方から申し上げていますけれども、主に4つの観点からやっています。これは、関係各省が把握しているアウトソーシングの事例等をきっちりと整理していくということ。第2番目は、各地方自治体、地方公共団体に対してメール等を活用して、アウトソーシングの取り組みの実態を調べる、それと要望についても調査をするということ。国民一般からの意見等の募集、これはウェブサイトで行っております。先進的取り組みを行っている地方公共団体のヒアリング。私自身も愛知県の高浜市には参りましたけれども、内閣府の職員が手分けして、そのヒアリングも行っております。この4つの観点から、幾つかの問題点をしっかりと洗い出したいと思っております。11月に開かれる経済財政諮問会議で、これは事務局からの報告としてしっかりと報告させるつもりです。

問)

郵政の民営化の連絡協議会については、報告を聞いておられるのですか。

答)

第1回の顔合わせと問題意識のすり合わせを行ったというふうに聞いております。これは、諮問会議で議論する重要なある意味での基礎固めの部分でありますから、引続き関係者には意欲を持って取り組んでいただきたいと思います。

(以上)

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