竹中内閣府特命担当大臣(金融、経済財政政策)記者会見要旨

(平成15年11月11日(火) 11時26分~11時37分 金融庁会見室)

1.発言要旨

おはようございます。

大変お待たせして、今日は申しわけありませんでした。

閣議がございました。閣議につきまして、私の方から特にご報告することはありません。

閣僚懇で総理がご発言をされました。「今回の選挙は、大変お疲れさまでした。結果はご承知のとおり、国民の改革に対する信任を得るものであった」と。「しかし、課題は山積をしている。年末にかけて公約の実現、改革の実現に向けてご協力、ご努力を一層お願いしたい」、そのようなお話が総理からございました。

閣議、閣僚懇に関しまして、私の方からは以上であります。

2.質疑応答

問)

時間が1時間位会見の時間が遅れたんですけれども、多分総理とお会いになってお話をされていたと思うんですが、具体的にどういったことをお話になったのか、総理の方から何か指示があったのであれば、具体的にお聞かせください。

答)

お待たせした理由は、官邸で総理とお目にかかりまして、選挙を終えまして、今後年末にかけて、特に経済財政諮問会議の運営に万全を期さなければいけませんので、色々ご相談をしてまいりました。少し待たされたことがありまして、お目にかかったのは2、30分であったというふうに思いますけれども、基本的には11月から12月にかけて、多分7回、8回位の諮問会議をやらなければいけない、大変密度の濃い会議をやらなければいけないと思っております。しかし、その7、8回が多いか少ないかというと、こなさなければならない問題を考えますと、これでもまだ少ないかなという位の問題が残されていると。特に、前半につきましては、各大臣をお招きして、大臣イニシアチブ、集中審議をやると。その中で、特に年金の問題と「三位一体」の問題については、具体的な姿をいよいよ見せていかなければいけません。今日のご相談の基本的な内容は、その進め方、手順、そういったことについて、各回をどのようにしていくかのご相談を申し上げてまいりました。総理からは、それぞれについては、「こういう順番でやってはどうか」と、そういうようなお話もございましたし、いろいろなご指示ももちろんいただきました。基本的には、「しっかりとした姿を描き出せ」と、「それはもう待ったなしである」と、「これは各民間議員も担当大臣もしっかりやるように、取りまとめを、諮問会議での議事運営を行うように」と、そういうご指示をいただきました。

問)

選挙結果について伺いたいのですけれども、確かに総理の発言にあるように、小泉連立政権が信任されたという結果になったと思うんですけれども、ただよく見ますと、自民党が議席を減らしています。これについては、経済界の中から、もっと改革のスピードを進めるべきだとか、年金の改革について、もっと具体的なビジョンを出さなかったから、そこを国民が不満に思ったのではないのか、そういう指摘も出ているようですけれども、大臣はその点も含めて、今回の選挙結果というのをどう受け止めていらっしゃいますでしょうか。

答)

新聞を拝見しても、新聞社によってかなりスタンスが違っているなというふうに思いますが、何と比べるかですね。前回の選挙の233議席に比べれば増えているわけですから、増えているという評価もできるんだと思います。

今回の選挙で一番変わったことは何かというと、野党の構成が変わったと。野党の中での組み換えが大きく変わったと、それが一番大きな変化なのだろうと思っております。野党対与党の構図ということに関しては、数も含めて、実は驚くほど変わっていないということなのではないかなと思います。もちろん、与党の中も変わりました。しかし、一番大く変ったのは、野党の中身が変わったと。その意味で、二大政党制に近づいているというご指摘は、私は正しいのだろうと思います。ただ、いずれにしても、大きな位置付けとしての政権選択選挙であったと、それに関して与党が絶対安定多数を与えられたというのは、これは信任を得たと、それ以外の解釈はないと思います。

問)

集中審議のテーマの一つになる年金改革ですけれども、公明党の神崎代表は、公明党の案を軸に政府案をまとめてほしいということを選挙後に仰っています。公明党案を見ますと、国庫負担の引き上げの財源として、所得税の定率減税の見直しを当てるということが書かれていますけれども、その景気に対する影響を考えると、では果たして所得税の定率減税を見直していくのは可能なのかどうか、その辺はどうでしょうか。

答)

そういう内容について、諮問会議でしっかりと各議員の意見を出していただかなければいけないと思います。それぞれ給付は多い方がいいと、負担は少ない方がいいと、景気に対する影響は低い方がいいと、制度は安定的な方がいいと、色々なバランス取りながら議論しなければいけないと思いますので、これは、どの案を軸にしてということではなくて、様々なご意見がある、それぞれの立場で非常に幅広い意見がありますので、その幅広い意見をしっかりと諮問会議という場で集約をしていくということなのだと思います。坂口試案、それと各省庁のコメント、それぞれにやはり偏ることなくウェイトを置いて、しっかりと議論をしていきたいと思います。

問)

今回の選挙で小泉内閣は信任を得たとお考えということですが、これまでの金融政策を含めて、国民の信任を得て、これまでどおり進めていけばいいというお考えなのか、それとも何か別の新たな決意みたいなものがございましたら教えてください。

答)

改革全体はもちろん、今のままでいいということではなくて、それぞれの分野について、更にもっと加速をさせたいと、これは私たち自身が強く思っています。そうした中にあって、金融の分野というのは、少なくともこの半年、1年に関しては、相対的に見ると多くの分野の中では改革が進んだ分野であるというご評価はいただいているのではないかと思います。我々としては、この「金融再生プログラム」を、その集中調整期間はあと1年半、この期間は目一杯、「再生プログラム」を実行していくと。これが、やはり何よりも重要なことであると思っております。

一方で、リレーションシップ・バンキングのアクションプログラム、これは各報告をとって、ある意味で始まったばかりでありますから、これはしっかりと定着をさせていきたい、この分野でもいろいろな試みがあるということを我々も把握しておりますし、まさに保証人、担保に頼らない融資の拡大など、芽が出ておりますので、これをしっかりと拡大していく、今のままでいいということではなくて、今の改革路線をよりしっかりと進めていくということだと思います。

問)

今の課題の一つに、公的資金の予防的注入の議論があるかと思うんですが、この問題については、いろいろなところで異論がまだあるようだと聞いているのですけれども、その目処というか決着の見通しはどういうふうに考えていらっしゃいますか。

答)

今回の自民党の公約の中に、新たな公的資金の枠組みの検討というのが入っております。これはまさに政府・与党一体となって取り組まなければいけない問題だと思います。与党の体制もこれから決まっていくと思いますので、ぜひ意思疎通を密にしながら、克服すべき問題点は何なのか、どういう利点と問題点があるのか、更にしっかり、具体的な政策論の観点から詰めていきたいと思います。

問)

具体的にその実現に向けて、例えば次期通常国会に法案を出したりとか、そのようなスケジュール的なアイデアか何かはございますか。

答)

これは申し上げましたように、まさにこれは政府・与党一体となって取り組まなければ、法律の問題は解決いたしませんから、与党ともしっかりと議論をして、今ご指摘のような問題について、しっかりと目処をつけていきたいと思います。

問)

選挙の結果、結局、公的資金を積極的に導入すると言われた大物議員が落選して、大幅に変わったという認識はお持ちでしょうか。

答)

与党の政策立案体制が今後どうなっていくのかというご質問だと思いますけれども、与党にはしっかりとした人材がおられるわけで、そういう方々の間で党としてのしっかりとした体制をお組みになるんだろうというふうに思います。我々としては、常に政府・与党一体となって、更に改革を加速できるように頑張って努力をしたいと思います。

問)

税制改正ですが、今回、自民党税調で落選された方や引退された方がいて、大幅なメンバーの若返りがされるのではないかという見通しがありますが、昨年認められなかった不良債権処理の促進税制、3点セットを要望している現実として、新しい税調にどういうことを期待するか、どういう影響があるか、今回のメンバーチェンジで、これについてのご見解をお聞きしたいのですが。

答)

まず、新しい体制に何を期待するかということですが、期待するものは別に変わるわけではありません。今まで、我々としては党にお願いしてきたことを、党の構成が変わったから我々の主張が変わるという性格のものでは基本的にはないと思います。

それで、その先の話になりますと、これは先程のお答えと結局は一緒になりますけれども、党にはやはりそれなりの人材がしっかりといらっしゃると思います。しっかりとした体制をお組みになるんだと思います。我々としては、まさに我々が情報提供できるところは情報提供して、しっかりとご相談をしていくつもりです。

(以上)

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