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竹中内閣府特命担当大臣(金融、経済財政政策)記者会見要旨

(平成15年11月18日(火) 10時55分~11時15分 金融庁会見室)

1.発言要旨

おはようございます。

閣議がございました。閣議について特にご報告することはございません。

閣僚懇では、最近の6カ国協議の状況でありますとか、株式市場の動向でありますとか、地方経済の状況でありますとか、雑談的に意見交換が行われました。

特にご報告することはありません。

私の方から以上であります。

2.質疑応答

問)

まず、株価ですが、昨日、日経平均が3カ月ぶりに1万円台を割ったと。短期的な動きではないかという見方がある一方で、デフレ傾向が続いていることとか、不良債権処理が遅れていることとか、そういったことが売り材料になったのではないかという見方もあるようです。大臣としては、どう見ていらっしゃるかということと、今ご紹介のあった閣僚懇でのやりとりも含めて、ご紹介いただければと思いますけれども。

答)

閣僚懇の詳細の議論は、特にご報告をしないことになっていると思いますが、株のことに関しては、昨日の株価の下落の要因としてはどういうことがあるのでしょうかという一般的な質問がありましたので、私の方からは、幾つもの要因がマーケットでは指摘されているというふうにご説明をいたしました。特にそれ以上の話はありません。

それで、私自身がどう見ているかということでありますが、これは正に市場の需給で決まる話でありますから、非常に多くの要因が作用していると。かつ、1日の動きでなかなかそのように説明できるものでもないと思っております。

ただ、経済の持ち直しに向けた動きは続いていると思っておりますし、不良債権の処理も、これは色々なご意見があるかもしれませんが、主要行の不良債権処理は予定に則って極めて順調に進んでいると思っています。むしろ、短期的に市場を動かしているのは、短期的な需給の要因であろうかと現時点では思っております。これは色々なことが市場で言われているようでありますが、市場で言われている中には、例えばヘッジファンドの決算期が来るとか、個人の信用との関係で、担保を差し入れなければいけないとか、色々言われているようでありますけれども、そういった要因が幾つかが重なっているのであろうと思っています。

いずれにしても、我々としては構造改革を通して、経済をしっかりと活性化させていくということが大原則でありますから、その線に沿って政策を進めていくということ、同時に、短期の動向に関しては、引続き注意深く市場の動向を見ていくという、その姿勢を持っていきたいと思います。

問)

年金改革についても伺いたいのですが、昨日、厚生労働省案が発表されました。最大の焦点である保険料負担については20%で、2022年までにそこまで上げるということが示されていますが、これについては財界などから、非常に経済活力を削ぐのではないかというご指摘がなされています。竹中大臣はどういうふうに受け止めていらっしゃるかということを伺いたいと思います。

答)

正に給付と負担のバランスをどのように考えるかということが、年金改革論議の基本であると思います。その給付と負担のバランスに焦点を当てて、本日の諮問会議で是非活発な議論をしてもらいたいというふうに思っております。厚生労働省の案、更には財務省の見方、民間議員の見方、多様な見方がまだ依然としてあるのだと思っておりますので、そういう観点から諮問会議で正にしっかりと議論をしなければいけないと思います。

問)

多様な見方がある中で、大臣自身はどうお考えなのかというのを伺いたいと思いますが。

答)

私は会議の進行役でありますので、私自身の考えをこういう場で申し上げるのは適切ではないと思います。ただ、いずれにしても、給付と負担をバランスさせる、それと国民の安心と経済の活性化と制度の持続可能性、これをやはり全てバランスさせることが重要であろうと思います。

問)

あと、昨日、内閣府の方で行政のアウトソーシングの調査の結果が発表されましたけれども、3割位の自治体から法制度を見直して欲しいという要望が出されたようです。これを受けて、今後どういう対応をとられるのか。諮問会議の中では、地域再生法みたいなものを検討して欲しいという提案も出されているようですが、今後の対応について伺いたいと思います。

答)

基本的にはその対応策を検討する際の基礎資料として、この内閣府の調査が行われているわけです。だから、この調査はアンケートによるものであるとか、ヒアリングによるものであるとか、ウェブサイトを利用した意見聴取であるとか、事例の調査であるとか、色々なことをやっているわけですけれども、その中から出てきた政策の要請というのは、幾つかご指摘の通りあります。これは諮問会議でも議論をして、更には地域再生の本部でも議論をして、その方向を決めていくということになります。

いずれにしても、必要な法的な政策上のアクションは何であるのかということを議論するために、この材料集めをしているわけでありますから、これをしっかりと政策に活かしていきたいと思います。

問)

昨日、保険協議が開かれまして、外務省、金融庁、総務省の課長級の方が日本側から出席されました。そこで、1つ目の質問ですが、そこで意見対立が日米でありまして、今回の郵政公社の定期付終身保険という新商品についてのやりとりですが、アメリカの主張は、「民間生保の主力商品と競合する。更に、民間と同一の競争条件が確保されるまで、新商品の導入を遅らせるべきだ」という主張をアメリカはしました。

これに対し、日本側は、「民間生保の主力商品と直接的な競合は生じない。また、導入を遅らせるのは困難である」という主張をしました。この両者について、大臣はどちらの主張が妥当であるとお考えかお聞かせ願います。

2つ目は、その席上、今、言った主張は総務省の見解であるわけですが、特に金融庁からの見解の説明はなかったと聞いております。総務大臣所管のことでありますから、それもやむを得ないのかなという気もしますけれども、金融庁としての見解をそこで付言しなかったということについて妥当であったかどうかについてお聞かせ願えますでしょうか。

答)

まず、日米の主張の隔たり、これは当然隔たりがある。隔たりがあるからこそ協議をする意味があるわけであります。それについて、基本的にこの問題は、正に今ご指摘ありましたように総務省の所管でありますので、これは総務省としての意見を述べられたというのは当然のことであろうかと思います。

その隔たりについてどう思うかということに関しては、これは日米双方の意見の相違を踏まえて、今後、日米両国政府間でこの問題について意見交換を行うということでありますから、引続き意見交換を行う中で、更に議論を深めていくと、これに尽きるのだと思います。

その中で、金融庁の立場如何ということでありますが、これについては、金融庁の立場というのは金曜日の記者会見でも、当方から出席した国際課長が答えておりますけれども、当庁の見解については、11月14日の大臣会見で示されている通りであると、これに尽きます。ここで14日に申し上げたのは、基本的にはこれは総務大臣の権限であり、コメントする立場にはない。しかし、一般論としては、政府の信用を背景として民間商品と競合するような商品を出すことについては、民間生保会社等への経営の影響とか、保険市場の健全な発展等の観点から考えて慎重に対応すべきものであると考えていると。一般論としてそのように考えているというのは、これが金融庁の基本的な立場です。

問)

そうしますと、日米どちらの主張が妥当であるかということについての大臣のお考えは、結局隔たりをなくしていくための議論をすべきだということなのですか。

答)

引続き検討してもらうと。引続き意見交換を行っていく、昨日はそのように申し上げているわけですね。引き続き議論しましょうということです。

問)

かねてから会見でも、郵政の民営化の議論を急ぐべきであるというふうにご説明ですが、来年1月にこの新商品は発売する予定ですが、民営化までの間に、金融庁として民業圧迫につながらないような施策として何か講じることはないのでしょうか。

最後の質問ですが、この問題につきまして、これまで閣僚間でどういった議論、やりとりがあったのか教えてください。

答)

まず、こういう問題が生じるというのは、正しく今、公社という立場にあるわけで、したがって民営化をすることによって、問題の本質的な解決が図られる、これは大変重要なポイントだと思います。だからこそ民営化を急ぐ。我々としては、民営化の議論の中で、移行期の問題をどのようにするかということについても、当然議論をしなければいけない。その民営化の中での移行期の議論の中で、包括的に様々な問題を議論していくということになるのだと思っております。

閣僚間では議論をしておりません。総務省から金融庁に対して色々なお話があって、その過程で金融庁としての意見は申し述べております。

問)

経営不振企業の再建計画が問題先送りにつながってはいけないということを、かねて強調しておられますが、先日、特別検査のフォローアップの発表がございまして、160ぐらいの中で24格下げ、ほとんどが破綻懸念先以下、ほとんどが4業種ということでしたが、これについて所感をいただけますか。

答)

特別検査そのものにつきましては、その場でもペーパーの中で記されていたというふうに、説明資料の中にあったというふうに思いますが、基本的には、ご指摘のあった特に大口債務者については、事業再生に向けた取り組みが進捗しているものと、事業の実態の悪化が進んでいるものと二極化が進行しているということだと思います。数字については申し上げませんけれども、銀行の対応としても、こうした企業実態の変化を受けて、銀行の経営方針として自らその再生に向けた取り組みを実施する事例も見られていると。銀行の対応にしても変化が見られているということであろうかと思います。

それについては、基本的には再建計画検証チームで様々な評価を行っておりますので、これを今後、監督にどのように反映していくかということを我々としても前向きに、積極的に検討をしている段階にあります。

一方で、先般のフォローアップに関して言うならば、下位遷移がそれなりの数があったにもかかわらず、集計ベースで不良債権の処分損はかなり減少しているということが見られる。これは主要行の一般的な傾向として、今年の3月期までに引当ての水準がある程度高くなっているということの現れだというふうにも思っておりますので、再建をしっかりとやっていくと、先送り型の再建は見逃さないようにしていく。一方で、今、申し上げたように、ある程度の引当ての水準が高くなっているということを踏まえて、更に財務の健全性を目指していただく、その2点が今後特に重要だと思っています。

問)

関連して1点ですけれども、特別検査を2年続けて行われましたが、今年度末といいますか、来年3月期に向けても再びやるお考えがあるかどうかについて、お伺いいたします。

答)

今、検査が終わった段階でありますから、今の段階で何かを決めているということではありません。しかし、今、特別検査、ここ何回か行ってきたことによって、非常に良い流れができてきているというように思いますので、この流れを定着していくための努力は引続きしなければいけないというように思っています。

問)

「三位一体」改革について、先週の末、谷垣財務大臣が税源移譲は来年度はなかなか難しいという趣旨の発言をされましたけれども、一方で、首相は「三位一体」で来年度からやるというふうに仰っています。税源移譲について大臣はどういうふうにお考えでしょうか。

答)

基本的には「三位一体」でやるということがやはり重要だと私も思っております。1つのことだけをやって、後のことをやらないということになると、「三位一体」にはなりません。しかし、同時に技術的な問題も幾つかやはり考えなければいけない問題は残っていると思います。

例えば、私の理解では、谷垣大臣のご趣旨は、税源というのはある程度まとまらないと、度々税制を変えるということの混乱もあるだろうと。それはやはり技術的な問題があるだろうというご指摘なのだろうと思っておりますので、そこは技術論もしっかりと踏まえて、「三位一体」という原則が貫けるように、どういうことが求められているのか、これも本日の諮問会議の重要な課題になると思っております。

問)

閣僚懇でも、地方経済のことが話題になったそうですけれども、今、マクロベースでは景気の回復が数字的にはっきりしているわけですけれども、地方経済への波及、中小企業とか地方経済への波及が鈍いということはよく指摘されていますね。この点について、大臣のご所見と、どうすればこの問題というのは、道筋を伺いたいのですが。

答)

地方経済への波及が遅れるというのは、実は今に始まったことではありません。バブルの時にも正にそういうことでした。東京や大阪の地価が上がっている段階で、地方都市ではそういうことがないというようなご指摘があった。つまり、地方への波及が遅れるということ自体が実は構造問題なわけです。これはやはりそういった構造そのものを変えていく、つまり仕組みを変えていくということを通して、地域の再生を図らなければいけない。そのために地域再生本部を作ったわけです。

それへの対処としては、正にこの地域再生本部でこれからしっかりと議論していくことになると思いますが、要はやはり3つのことをやらなければいけないというふうに思っています。

1つは、当面の有効な政策として、国が、官が取り組んでいる分野を民間開放する、アウトソーシングというのは絶対に必要であると。そのための障壁は何かというリサーチも今進んできたところです。

2番目は、やはり地方を支えている農業、建設業というのは、いわばこれは地方の基幹産業でずっとあったわけで、これをしっかりとさせるということが重要だと思います。そのために今回の大臣イニシアチブでも、この地域再生、特に主要産業についての再生・活性化については、大きなテーマにするということは諮問会議でも申し上げてきたつもりであります。

3番目は、地域を支える新しい分野を作っていかなければいけない。その新しい産業分野として、1つ、割と分かり易い事例として期待されるのは、観光ですけれども、これについては、今年の1月に会議を作って、着々と今戦略を積み上げている。しかし、これは地域によって多様だと思います。その多様性を活かす。

その今申し上げた3つの視点から、その地域再生本部での戦略強化を図りたいというふうに思っています。

問)

だけど、観光は課題が多そうですね。過剰債務問題とか、色々な二極化が進んで。何とかなりますか。

答)

基本的には、これも前から申し上げていますけれども、今、日本全体で観光関連で従事している雇用者というのは、全体の5%から6%だというふうに考えられます。アメリカは多分その倍ぐらいあり、ヨーロッパも軒並み10%を超えています。そうした観点から言うと、日本の観光業というのは、非常に大きな潜在力を持っているということなのだと思います。

では、日本人は観光が嫌いかというと、そんなことはないわけで、特に高齢化社会に向けて、リタイアして何をしたいですかというアンケート調査をやると、必ず1位は旅行なわけですから、大変重要なポテンシャルを今持っているということだと思いますから、そのポテンシャルがなかなか今まで引き出せてない理由というのはあるんだと思います。その理由を一つ一つやはり丁寧に克服していくということが、まさに構造改革なんだと思います。

個人的には、理由はたくさんあります。構造要因はたくさんありますけれども、例えば大学に観光学科や観光学部がほとんどないわけですね、この国は。1,680ぐらいある大学のうち、観光学部や観光学科があるのは20~30じゃないですか。国立では1つもありません。

オーストラリアの大学では、大学の3分の2に観光学科があるというふうに言われています。これを一つとっても、多分やらなければいけないこと、やれることというのは少なからずある、そういうことを一つずつ、この地域再生本部で議論をしていきたいと思っています。

(以上)

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