竹中内閣府特命担当大臣(金融、経済財政政策)記者会見要旨

(平成15年11月28日(金) 11時19分~11時26分 金融庁会見室)

1.発言要旨

それでは、閣議がございました。

閣議、閣僚懇を通じて、特に私の方から申し上げることはございません。

2.質疑応答

問)

足利銀行に関して、27日に金融検査の結果が通知されたわけですけれども、報道で3月末時点で債務超過であり、政府は公的資金の再投入を検討していると報道がありましたが、これについて。

答)

報道は承知しておりますけれども、憶測に基づくものであるというふうに認識しています。いずれにせよ、この同行においては、15年3月期に係る検査結果通知を受けて、それを適切に反映した中間決算作業を今行っているところであると承知しております。憶測に基づく報道等々、どうぞ慎んでいただきたいと思います。

問)

その報道の影響もあるかと思うんですが、足利銀行株が売買停止になりまして、ある程度、地域へも波紋が広がっているかと思うんですが、銀行や県知事であるとか、何らかの連絡とか、この午前中にでもされたのでしょうか。

答)

ご承知のように、ずっと今まで私自身は会議をしてきております。各事実関係は極めて明快でありまして、まだ決算作業を行っている途中であるということに尽きております。然るべくそれぞれの部署で、しっかりと対応してくださっているものと考えております。

問)

昨日から、新しい公的資金の法案作りの与党との調整が始まったかと思うんですが、予算措置を伴うのでここ2、3週間の決着を図るわけですが、その見通しをお願いします。

答)

昨日も与党で御挨拶をさせていただきましたけれども、私自身は今の状況を踏まえて、より強固な金融システムを作るために、そういう制度の必要性を感じております。そういう観点から、金融審での報告を踏まえて、金融庁の中でもプロジェクトチームで引き続き検討をしております。今後の問題については、その内容及び進め方ともに、与党としっかりと相談しながら進めていきたいと思います。時期的なこと、中身的なこと、正に今ご相談をしているところでありますので、今の時点で申し上げられることはありません。

問)

預金保険機構に対する保証枠の大きさなどについては、何かお考えは今の時点でございますか。

答)

それは、いわば内容に関することでありますので、先程申し上げましたように、内容、進め方、双方含めて与党としっかりと相談していきたいと思います。

問)

今朝発表になった10月の全国の消費者物価指数が、5年半ぶりにプラスになったわけですけれども、長く続いてきたデフレの下落傾向に見通しが出てきたと大臣はお考えですか。

答)

基本的には、月例の経済報告で、緩やかなデフレが続いているというふうな認識を申し上げていますけれども、今月の統計によってその認識を変えたということはありません。いつも申し上げておりますように、統計というのは月次の触れが重要な場合ももちろんありますけれども、基本的には中期的なトレンドとして、他の指標とバランスをとりながらしっかりと見ていかなければいけないというふうに思っていますので、この緩やかなデフレが続く中で、引き続きしっかりと構造改革を加速して、持続的な民需主導の成長に持っていきたいというふうに思っています。

問)

今のCPIに関連してですけれども、結局、ただ全体的な傾向としてはデフレが緩やかになりつつあるというのは、かつてほど激しい下がり方ではないという、それを象徴したような動きだと思うんですけれども、その辺の認識はいかがでしょうか。

答)

これも、月例で複数回報告をさせていただいておりますけれども、消費者物価に関しては、そういうことがある程度、短期的な状況としては言えるわけですけれども、これがトレンドとしてどうなったかということは、これはまた別にしっかりと見なければいけないと思います。かつ、物価の指標というのは、企業物価でありますとかGDPデフレーターでありますとか、そういった点も総合的にやはり見ていかなければいけない。こうした点を踏まえて、やはり緩やかなデフレが続いていて、そうした中で構造改革によってしっかりとした持続的な成長の経路に是非持っていって、是非とも克服していきたいというふうに思います。

問)

足利銀行の件ですが、報道等によって、預金流出や取り付け騒ぎといったような通常とは違う事象が栃木県や周囲の県で起きているかどうか、把握されていますでしょうか。

答)

もちろん、我々としては、常にそういうことは見ておりますけれども、特に特段問題があるという報告は受けておりません。各部署において、その憶測の報道によって、そういった風評に惑わされないように、冷静に対応していただいていると認識をしています。

問)

足利銀行ですが、中間決算作業をしているということですけれども、これがまとまる時期はいつ頃だとお考えでしょうか。今、売買停止措置になっていますから、これは早急に何らかの発表をしないと、その間ずっと続くというふうになると思いますけれども。

答)

売買停止そのものに関しては、これは政府ではなくて、東証でもちろんお決めになっていることでありますので、詳細は東証に聞いていただくべきだと思いますが、基本的には確認できない情報が流れているからということで停止を今されているものというふうに伺っております。詳細は、ぜひ東証の方に聞いていただきたいと思います。

基本的には、我々としては速やかに決算を出していただきたいというふうに思っております。ただ、これは、今まさに作業中でありますから、しっかりとした内容の中間決算を、できるだけ速やかに出していただきたいというのが私たちの立場であります。

問)

足利銀行の件ですが、総理からこの件について、何か指示を受けたというようなことはございませんか。

答)

事実関係を繰り返し申し上げますけれども、検査通知を出しました。それに基づいて、決算を作っている段階です。決算を作っている段階で、我々として、当局として、ないしは官邸として、何かアクションを起こすとかということはあり得ません。

従って、繰り返し言いますけれども、今、中間決算作業を行っていると承知をしておりますので、あくまでも先方の方でしっかりと作業して、速やかに決算作業を終えていただきたいと思っております。

問)

総理大臣から、指示は何かありましたでしょうか。

答)

そういうことに関して、まだ決算を行っている段階でありますから、そういうことを政府として何か考える段階にはないということです。

(以上)

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