竹中内閣府特命担当大臣(金融、経済財政政策)記者会見要旨

(平成15年12月5日(金) 9時45分~9時51分 於)院内)

1.発言要旨

おはようございます。

閣議がございました。閣議、閣僚懇を通して、特に私の方からご報告申し上げることはございません。

2.質疑応答

問)

年金改革について伺いたいのですが、先に開かれた政府・与党の協議機関の中で、現役世代に50%給付水準を保つということが合意されたということだと思いますが、大臣はかねてから年金改革というのは、負担と給付のバランスが大事であるということを仰っていたと思うんですけれども、給付だけ先に決めるというこのやり方自体はまずどう評価されるかということをお伺いします。

答)

政府と与党での協議で、与党でどういうことが協議がされているのかと、政府では経済財政諮問会議でどういうことが協議されているのかと、そのような最初の意見交換を行ったと承知しています。先般ですね、政府・与党の会議では。そういう意味では、これは引続き諮問会議では、給付と負担の枠組みがしっかりと見えていないと国民に安心感を与えられないと思いますので、こうした点については、まだ議論の途上でありますから、今申し上げたような点はしっかりと諮問会議として議論をして、また申し上げていきたいと思います。

問)

そうしますと、50%というのはまだ合意されていないという認識をお持ちなのですか。

答)

何を合意したか、何を合意していないかということに関しては、先般の政府・与党の会議は現状について経過報告して、意見を交換したと、そういう位置付けであります。

問)

それに関連するのですけれども、国庫負担の引上げについては、与党の方は5年間で2分の1に引き上げるということで概ね合意していますけれども、財源についてはまだ決まっていません。これについても、バランスを欠くのではないかという指摘は与党の中からも出ているわけですが、大臣としてはどうお考えですか。

答)

これも諮問会議でも随分議論されておりますけれども、2分の1に引き上げる場合は4、5年かけてやると。かつ、その場合は安定した財源を確保すると、そういうことが必要だということは多数諮問会議の中では出ておりますので、そういうことを実現すべく、今しっかりと各方面と話し合いをしているということです。

問)

年末までに安定的な財源とは何かということも確定すべきだということですか。

答)

基本的には、どの時点までにどのぐらいのことが決められるかというのは、まだ判りません。それも重要なポイントの1つです。いつまでに何を決めるかということも重要なポイントの1つですから、それも含めて今まだ調整をしているということです。

問)

一時国有化された足利銀行の状況の変化及び新しく決定された事項などがあれば、お教えください。

答)

経営監視チームを送って、混乱なくこの1週間弱ですけれども営業を続けてきていると認識をしております。県の経済に与える影響を最小化するためにも、政府としても関係省庁の連絡会議を立ち上げて、準備会合、正式会合、それぞれ持ち帰るべきことを各省庁持ち帰って、今しっかりと検討しているところだと思っております。

従って、この1週間に何が変化したかということに関しましては、我々なりの予定されたプログラムに沿って、今粛々と動き始めたという段階だと思います。

問)

新経営陣の選任作業ですけれども、当初の会見で2週間ぐらいかかるというお話でしたが、その目処は今のところどういう状況でしょうか。変わっていませんでしょうか。

答)

これはやはり1カ月放っておくわけにはいかないだろうと。しかし、3、4日で決まるような話ではとてもないと。その意味で、2週間ぐらいを目処にということを申し上げたのでありますけれども、現時点でどのぐらいでこれが決着できるか、まだ私にもよく見えておりません。各方面のご意見を聞きながら、これはしかし、最終的には総理、官房長官としっかりとご相談をして決めていかなければいけないと思っています。

問)

そうしますと、当初の見通しから計算しますと、あと1週間ぐらいが今の大体の目処という理解でいいですか。

答)

2週間というのは、すごく厳密な2週間ジャストということではありませんけれども、先程言いましたように1カ月では長過ぎると。しかし、3、4日では無理だということになりますので、できるだけ早く、しかし早いに越したことはありません。そういう意味での経営の空白を生むのは大変好ましくないことでありますから、そこは急ぎたいと思います。

問)

昨日のお話で、足利銀行を日本を代表するリレーションシップバンキングにしたいと仰られましたが、これまでの足利銀行は、リレーションシップバンキングの尺度から見れば合格だったのか、不合格だったのか。資本の充実という面では不合格だったという状況は承知しているのですけれども、リレーションシップバンキングという尺度ではどうなのでしょうか。

答)

リレーションシップバンキングというのは、定性的な情報の非対称性、情報には非対称性があると。そうした意味で、地域に根差した金融機関には独自の情報があると。そういうものを活かして、まず中小企業を再生をさせる。その上で自らも強くなっていく、それがリレーションシップバンキングですから、リレーションシップバンキングの中にも資本の充実というのは重要な一部として入っているわけですね。それができなかったわけですから、やはりリレーションシップバンキングという観点から見ても、大変残念な結果であったという評価になると思います。

そうしたことを克服して、しっかりと地域に貢献し、かつ自らの収益力も高めるというような銀行に生まれ変わってほしいと、これは切実にそう思います。

問)

8月に出したこの銀行の行動計画があるわけですね。そのフォローアップ作業をしてらっしゃると思うんですけれども、これは中止ですか、足銀につきましては。

答)

足利銀行にはいずれ新しい経営者が着任をいたします。その新しい経営者の判断で自らのリレーションシップバンキングをどのようにしていくか、これは経営判断の問題だと思います。今はその意味ではその橋渡しをしていらっしゃっているわけですから、その今の経営者には、今の枠組みの中で混乱を生じさせないようにしっかりとやっていただきたいと思います。

問)

そうしますと、計画を作り直すかどうかというのは、新しい経営者が判断するという意味ですね。

答)

これは経営の中身そのものですから、新しい経営者によってご判断をいただきたいと思います。

問)

「三位一体」ですけれども、全然先が見えないということで、少し混沌としかけていると思うんですけれども、目処はつくのでしょうか。具体的に政府の中において各省庁間を、どう調整をしていくのでしょうか。

答)

大変難しい問題で、各省庁も大変苦労しているというのは、これは全くそのとおりだと思います。目処が中々つかないではないかというご指摘かもしれませんが、これはつくかつかないかじゃなくて、目処をつけなければならないという、マストの問題だと思います。総理の指示が出ているわけですから、各省非常に生みの苦しみでもがいている中で、この期日までにはしっかりとした答えが得られるように我々も引き続き努力をしたいと思います。

問)

そうしたら、税の問題が絡んできますから、税制改革、税率の問題とかが出てくるまで、税制改革大綱が出てくるまでが目処というのが、一つの考え方でしょうか。

答)

予算編成の基本方針を今まとめつつある段階で、そうしたものを踏まえて税の具体的な作業に入っていくというふうに思います。そうした中で、これは答えを出していかなければいけない問題ですから、それぞれの部署で相当汗をかいていただかなければいけないと思いますが、それをやらないと「三位一体」が実現しませんから、これはしっかりとやっていただくというふうに申し上げる以外にないと思います。

問)

「三位一体」なんですけれども、補助金削減について、中身については色々な批判があると思うんですけれども、中身の評価はいかがでしょうか。

答)

様々なご意見を聞いて、ご批判の部分で改善しなければいけないものは改善するという方向で今調整をしているわけです。最終的にどのような姿になるか、これはまだ担当の大臣、それぞれの省庁の大臣もまだ姿が見えていないと思いますけれども、何せ総理の指示が出ているということでありますし、予算編成には時間的な制約もありますから、そこはしっかりと今対応が進んでいると認識しています。

(以上)

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