竹中内閣府特命担当大臣(金融、経済財政政策)記者会見要旨

(平成16年5月21日(金) 9時30分~9時37分 院内)

1.発言要旨

閣議がございました。

閣議で私の方から国民生活白書についての報告をいたしました。

「本年の国民生活白書は、『人のつながりが変える暮らしと地域-新しい公共への道』という副題のもと、地域における住民の活動に焦点を当て、その意義や活動を支えるものについての考察をしております。

本白書においては、NPO法人を初めとする地域におけるユニークな草の根の事例を数多く取り上げております。そして、特定の問題に関心を持つ人々が自発的に活動し、対等な形で横のつながりを築くことにより、新しい形の公共が創り出され、ひいては地域の魅力を高めることにつながることを示しています。

本白書が、国民一人一人が地域とどう関わっていくか、また活動を促進するために何が必要か考える際の参考になれば幸いです。」

以上のような発言をさせていただきました。

閣僚懇につきましては、特に報告することはございません。

私の方からは以上です。

2.質疑応答

問)

今日、日銀福井総裁と政府の久々の意見交換会があると聞いているのですが、政府としては何を日銀の方に要望なさるのか、一般論としては色々出口論として取りざたされているのですが、こういう局面、GDPでは景気回復が着実に軌道に乗っているという局面で、金融政策としてどういうことが必要なのかということをまずお聞かせください。

答)

昼食の懇談会が予定されておりますが、これは政府として何かを要望するという場所ではありません。常に問題意識を共有して、風通しを良くしようという場でありますので、特定のテーマを決めているわけではなく、自由に色々な情報を交換したいと思います。

特に、日銀としての経済現状の見方、特に我々の方も今日、月例経済報告を控えておりますので、現状認識について、更には経済の今後の見通し等々について、自由に意見交換をするつもりでおります。

問)

大臣としては、金融政策では特にどういうポイントが必要なのか、御認識をお願いします。

答)

金融政策、経済全体は回復が続いておりますから、その点について、やはりその先の道筋というのをしっかりと見極めていくということが、これは政府にとっても日銀にとっても重要なことだと思います。そういう観点から、是非意見交換をしたいということです。

同時に、実物経済とデフレの問題について、実物経済は回復しているけれども、緩やかなデフレは続いているという認識でありますから、そうした点について、これも政府と日銀が協力しなければいけないことですから、それぞれの立場での意見を出し合って、是非風通しの良い議論はしたいと思います。

問)

昨日、額賀政調会長がいらっしゃって、地域再生資金ということを御提案なさったと思うのですけれども、これについて政府としての取り組み、ポイントとか関わり、来年度予算編成での取り組みなど具体的にどういうふうに取り組まれているかをお聞かせください。

答)

地域再生が現状で、つまり全体として良い経済の方向を如何に浸透させていくか、地域に、中小企業に浸透させていくか、地域再生が大変重要な課題であるというのは政府等も共通した認識であるということだと思います。

そうした観点から、先般の経済財政諮問会議でも、この地域再生にお金をどのようにつけるのかということが、御承知のように話題になりました。その構造改革特区そのものにはお金をつけないということははっきりしていますけれども、それ以外のより広い地域再生のプログラム、枠組みについて、やはり何らかのお金が求められるのではないかという点については、多くの議論が諮問会議の中でもあります。

そうした点も踏まえて、額賀政調会長から大変貴重な御提言をいただいておりますので、それをどのように具体化させるかということについては、政府の中でも額賀政調会長の御意見をしっかりと重く受け止めて、我々の方としても、制度設計についての議論を深めたいと思います。

問)

UFJグループですけれども、信託部門を住友信託に売却するという方針を決めたようですが、様々な理由があるようですけれども、大臣としてどのように評価されていらっしゃるのでしょうか。

答)

基本的に報道は承知をしておりますし、今色々検討しているということは当事者も発表しておられるようですが、正式にまだ決定したとは聞いておりません。これはそれぞれの企業において、それぞれの業態において、力をつけるためにどのようなことが必要か、色々な立場から御検討をしておられると思いますし、そのような立場での御検討はぜひしっかりとやっていただきたいと思っております。

我々としては、「金融再生プログラム」に則って、不良債権問題を終結させて、日本の金融システムを強くしていくということが我々の狙いでありますので、その場合の色々な再編等々は、これは大変重要な経営判断になります。経営判断は経営判断としてしっかりとしていただいて、我々が目指す「金融再生プログラム」の実現に向けて、当事者としてしっかりとやっていただきたいということに尽きます。

問)

同じUFJグループなのですが、いわゆる3割ルール、これを先取りするような形でトップの辞任というのを決めたようなのですけれども、仮に3割ルールに抵触してそれぞれのトップの辞任を求めるということになった場合に、何らかの形でこの後任人事、UFJ自身が決めているわけですけれども、点検するようなことがありうるのか、あるいは基本的に当該銀行の決定を尊重されるのか、その辺はどのようにお考えでしょうか。

答)

基本的には、人事とか個々の経営判断について我々が口を出すということはあり得ないことであります。しかし、同時に我々としては常に、信用リスクの管理という観点から態勢は十分なのか、コンプライアンスという観点から態勢は十分なのか、それらを包括するガバナンスの態勢としてその態勢は十分なのか、そういうことは、これは個社、個別の会社に限らず、全体についてしっかりと見ていかなければいけない課題であるということになります。

問)

先程の金融政策の関係ですけれども、骨太の「素案」に日銀に対して透明性の向上を求めるというくだりが入っていたと思うのですが、あれはルールなりターゲティングなり新しい枠組みを求める意味合いなのでしょうか。

答)

前から申し上げておりますけれども、金融政策の行い方、手段等々について、我々が何かを求めるということは、これは日銀の独立性から考えてあり得ないことだと思います。重要なのは、問題意識を共有して、お互いのそれぞれの政策目標をしっかりと確認し合いながらそれぞれ努力するわけですから、これはやはりそういう広い協力関係の枠組みの中で、透明性を高めるというのは、これは福井総裁御自身が就任以来仰っていたことでもあると思いますし、引続きそういうことをしっかりとやっていただくと、そのような趣旨だと理解しております。

(以上)

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