竹中内閣府特命担当大臣(金融、経済財政政策)記者会見要旨

(平成16年8月31日(火) 10時43分~10時53分 金融庁会見室)

1.発言要旨

おはようございます。

閣議がございました。閣議について、特に御報告することはございません。

閣僚懇では、先週の一連の郵政に関するタウンミーティングに関して、私と麻生大臣の方から簡単に報告をさせていただきました。

私の報告は3点であります。まず、郵政民営化に関して、国民の関心は、私自身の予想以上に高かった。これは上田市の場合、特にですけれども7倍の応募率ということで、今までのタウンミーティングでは最大の応募倍率となった。議論も活発であったし、関心は極めて高い。第2点は、質問の内容は原則論、「なぜ民営化が必要なんですか」というようなことから、個別の分野における競争条件、イコールフッティングの問題、具体的な提案まで、多様な意見が見られたことです。第3の点は、従って今後の我々の説明責任においても、非常に多様な仕組みが必要なのではないだろうか。一般の方々によりわかりやすく説明するという努力、更には関係者等々により掘り下げて説明するという努力、そういう努力を続けていく必要があると思うと、そのような報告をさせていただきました。

総理から発言がございまして、「郵政の民営化に関しては予定どおり、9月上旬までに政府案をまとめるように、与党としっかりすり合わせをするようによろしく努力をしてほしい」と、そのような発言がありました。

私の方からは以上です。

2.質疑応答

問)

郵政民営化の関連なのですが、今日は諮問会議がありますが、ここではフリートーキングという形になるのか、或いは積み残しの論点をある程度示す形になるのか、或いは基本方針のペーパーを示すのか、その辺のスケジュールについてお伺いしたいのですが。

答)

今日の諮問会議では、郵政民営化の基本方針に関する素案を示す予定にしております。ただし論点がたくさんまだ残されておりますので、素案においては、そういう論点、まだ詰まっていないところについてはペンディング、空白にしております。ただ、概ね方向として合意しているところにつきましては、若干今までの骨子よりは文章を加えたものを素案として提出して議論をするということにしております。

問)

それから、今日は概算要求の締め切りなんですが、これまで経済財政諮問会議の議論でも、歳出改革を進めた方が、むしろマクロ経済にはプラスになるというような議論があったと思うのですが、予算の全体像の中でこういった方向が含まれていますが、改めて大臣に歳出改革のマクロ経済への影響についてお伺いしたいのですが。

答)

財政とマクロ経済との整合性をしっかりととると、しっかりとその矛盾がないように見ていくというのが、経済財政諮問会議の最も重要な役割の一つであると思っております。マクロ的な意味としては、従ってまず予算の大枠、歳出をどのぐらいにするのか、そのときに基礎的財政収支がどのようになっていくかというようなことのチェックも含めて、これはこれからやっていかなければいけない、そういうことを前提に予算の全体像というのを決めているわけですが、同時に予算の歳出の中身のメリハリをつけるということが経済を活性化させて、その成長を最大化させるという意味では大変重要である。そのメリハリをつけるための仕組みとして、今回は毎年毎年少しずつ改良を加えていっているわけですけれども、幾つかの工夫がある。特に、今回はニュー・パブリック・マネジメント型の成果目標を掲げて予算を提出してもらうというものの枠を大幅に増やしております。特別会計の改革等々も行うということを明示しておりますので、その意味では今年のメリハリ、歳出改革というのは、やはり従来にも増して重要だと考えています。ぜひ、今まで議論してきた骨太方針そして予算の全体像で示された形で、粛々と予算が編成されていくということを期待しています。

問)

昨日、最高裁で住友信託からの抗告が棄却されましたけれども、この棄却によって今までの混乱状態が収拾に向かうと期待されるかと思うのですが、大臣の御所見をお聞かせください。

答)

これはもう、今まで申し上げてきたとおりなのですけれども、個別の銀行の経営判断、経営の問題について申し上げる立場にありませんし、ましてや司法の判断に対してものを申し上げる立場にはありません。関係者におかれては、更に努力を続けられて経営がしっかりとしていくように、結果的に金融システムと日本経済全体がよくなるように努力を続けていただくということだと思います。

問)

もう一点、ダイエーの再建計画なのですが、銀行は機構活用を促しているようですけれども、ダイエーの経営陣との協議で、かたくなに「何で民間じゃだめなんだ」と、まだ平行線が続いているようですが、大臣の御所見をお伺いします。

答)

これも銀行と債務者の問題ですから、金融監督当局がものを申し上げる問題ではないというふうに思っております。いずれにしても、しかし金融システムを安定化させていくために、日本経済を健全にしていくために、バランスシートをしっかりと調整していかなければいけない、そのプロセスにおいてはさまざまな合意が透明なプロセスでなされるということと、それと何よりも結果が市場に信頼感を持たれるということが必要ですから、それはしっかりとぜひ満たすように努力をしてほしいと思います。

問)

明日9月1日、北海道銀行と北陸銀行が経営統合しますが、主な活動地域の異なる地域銀行同士の統合のメリットはどの辺にあると見ておられるでしょうか。

答)

これは27日先般、北銀フィナンシャルグループに対して、北海道銀行を子会社とすることについて、認可をしたところであります。こういった、この場合の経営統合は、経営の効率化、そして営業力の強化、経営基盤の安定化を経営統合の目的としているわけですから、広域地域銀行グループとして、新しいビジネスモデルの確立を行おうとしているというふうに聞いております。

御質問の主たるポイントは、広域の問題をどのように評価するかということですけれども、このビジネスモデルそのものについて良い、悪いということを私は申し上げる立場にはございませんが、今回の場合はそういう「広域地域金融グループ」という新しいビジネスモデルをお立てになっているというふうに聞いておりますので、それがしっかりと実現するように、やはり努力をしていただきたいと、成果を出していただきたいというふうに思います。グループ一体となって総合的な金融サービスを提供して、地域経済の活性化に貢献してもらいたいというのが我々の期待です。

問)

今朝方の鉱工業生産指数の発表で、やや市場予測より低い数値が出て、ややネガティブな動きと見る見方もあるようですし、あるいはデバイス関係で内部調整が手間取っているという見方もあるようですが、その辺、数字を受けての認識をお願いします。

答)

鉱工業生産が横ばいというのは、期待が1%程度のプラスであったと、予測がプラスであったと思いますから、それより低い結果になったというのは御指摘のとおりだと思います。

同時に、来月、来々月の予測指数については、これはそれはそれでプラスの指標が出されています。単月の指標ではなかなか見づらいところでもあろうかと思いますので、注意をしながら見ていくということに尽きると思います。同じ問題は、失業率についても言えるわけで、先般発表された失業率等について、今日総務大臣と厚労大臣から閣議での御報告がありましたけれども、単月の指標というのは色々な要因で動きますので、トレンドとして見極めたいというふうに思います。

問)

郵政民営化のスケジュールについて、今日素案を示されるということなのですが、与党調整をどういう形で行うのかということと、基本方針は閣議決定をするのか否かについてお願いします。

答)

まず今日、我々としては残された問題について、しっかりと諮問会議で議論をしたいと思います。その上で、また今日も党の方で特命委等々開かれると聞いておりますので、そういう様子も伺いながら、また政調会長、村井委員長とも御連絡をとりながら、しっかりとお話し合いができるように努力をしたいと思います。

問)

基本方針は閣議決定或いは閣議了解という形はとられるのでしょうか。

答)

我々としては、基本的には骨太の方針でこれをやるということを決めて、政府としての意思を持ってやっておりますので、どの時点でどういう決定をするかというのは、まだこれは全くわかりませんけれども、時期的にはわかりませんけれども、内閣として決めるという方向に、やっぱり持っていかないといけない問題だと、そういう重要問題だと思っております。

(以上)

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