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伊藤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成16年11月5日(金)9時34分~9時47分 金融庁会見室)

【大臣より発言】

閣議がございまして、閣僚懇も含めて私共に関係する案件はございませんでした。

以上です。

【質疑応答】

問)

今実施中と思いますけれども、9月中間期の特別検査の進捗状況と、一部大手行は不良債権の半減目標、前倒しで達成される見込みのところと、あと3月にはかなり確実に達成されるのではないかという見方も出てきていますが、今後の特別検査の取扱はどうなっていくのかについて教えてください。

答)

特別検査についてでありますけれども、16年9月期を対象とした特別検査は主要行11行に対して8月中旬、これは8月18日からでありますけれども、実施しているところでございまして、現在まだ継続中であります。特別検査の結果につきましては、これまでも集計ベースで公表をさせていただいておりますけれども、今回も同様の扱いとさせていただきたいと思います。現在、公表に向け各行の検査結果の集計作業を進めているところであります。

また不良債権問題に対する取り組みでありますけれども、主要行各行、今一生懸命取り組んでいただいて、そして16年3月期には主要行の不良債権比率は5.2%まで低下をしてきたところでありますけれども、17年3月期の半減目標に向かって、順調にその目標に向かって低下をしてきているところにあると考えております。こうした中で来年の目標達成を確実にしていくために、今9月期においては今までフォローアップ検査に留めていたところでありますけれども、そのフォローアップ検査に留めず特別検査を実施させていただいて、そして目標を確実に達成するというための必要な施策を講じさせていただいているところでございます。

御質問は今後の特別検査のあり方についてでありますけれども、今後の特別検査の必要性につきましては、これはその時々の金融、或いは経済に関わる客観的な情勢や政策対応の優先度合いを勘案して総合的に判断していく必要があるのではないかと思っております。いずれにいたしましてもまだ不良債権問題は正常化しているわけではありませんので、「金融再生プログラム」の諸施策というものをしっかり展開して、手綱を緩めることなく目標達成に向けて努力を一層しっかりやっていきたいと、金融システムの安定強化に向けての改革をしっかり推進していきたいと考えております。

問)

西武鉄道の虚偽記載に関連いたしまして、親会社のコクドは非公開企業のために、実際の財務状況等々、会社の実態が良く分からないという指摘も出てきているというような中で、金融行政、メインバンクを監督するお立場としてこういう問題をどう捉えていくかというのが一点。あと非公開企業が上場企業の親会社であるときの情報開示の実効性と言うかあり方について、この点についても御見解をお伺いしたいのですが。

答)

情報開示のあり方については、これは東証においても、「情報開示をできるだけ適切に行うように関係会社の方々に要請を行っている」とお伺いをしておりますし、情報開示のあり方については「更にそれをしっかりしたものにしてゆくために、必要な検討を行っていく」とお伺いをしているところでございます。私共金融行政の立場からという御質問がございましたが、個別の債務者先企業の融資を抱えている部分での金融機関に対する影響、この点についてはコメントができないということについては御理解をいただきたいと思いますが、一般論として申し上げれば大口債務者先というのは銀行の経営の健全性に大きな影響を与えます。そうした観点から大口与信に対してはしっかりとした対応をしていくと、その必要性は言うまでもないことではないかと思います。そうした観点から私共としてしっかりとフォローアップをしていきたいと思っております。

問)

昨日の懇談会の骨太の1つ目の柱と2つ目の柱について色々な意見が委員の方から出されたと伺っておりますけれども、大臣としてポイント、昨日のお話しの総括と言うか、どういうところが重要と言うか、今後の政策の取りまとめに反映されていくかというところをお伺いしたいのですが。

答)

昨日はアドバイザリー・チームの先生方から「金融重点強化プログラム」仮称でありますけれども、新しいプログラムを作るにあたっての基本的な視点のお話と、それから今御指摘がございましたように「基本方針2004」の中に5つの柱が明示をされておりますので、それを踏まえて1番目の柱と2番目の柱を中心に意見交換をさせていただいたというところであります。この5つの柱について、この柱でまとめるかどうかというのはちょっと別にして、基本方針でそれが示されておりますから、議論を進めて行く進め方としてこの5つの柱に沿った形で議論をしていきたいと思っているところでありますけれども、昨日の御議論の中でその基本的な視点として出ておりましたのは、やはり日本の金融を巡るフェーズが変ってきているのではないかと。今まで不良債権問題に対する取組み、ここに重点を置いてきた金融の環境から、もっと国際競争力というものをしっかり付けていくと、競争力強化の観点のやはりフェーズに入りつつあるのではないかと。そうしたことを基本的な視点に持っていくことは大切なことではないかという御指摘がございました。

更にこの金融というものがこれからの日本経済にとってやはり非常に戦略的な分野であると、戦略的な産業であると、そうしたメッセージが伝わるようなプログラムにすべきではないかと、こうした意見も出ていたところであります。

それから1番目の柱、2番目の柱を踏まえて、基本方針に示されている点についての御議論でありますけれども、やはりITの戦略的な活用ということが今後の金融行政にとっても、或いは金融機関の方々の経営にとっても双方にとって重要なことではないかと、こうした御指摘がございました。

更に、信頼される金融行政というものを確立していくことが大切であると、そうしたことを目指していくのであれば、金融庁のこれは十分な説明責任が大切ではないかと、こうした御指摘がございました。

そして更に行政として、これから金融機能というものを強化していく、これを民の力によって強化をしていくのであれば、不必要な規制というものが残っていないかどうか、その点について再検討をする必要があるのではないかと、こうした御意見をいただいたところであります。

問)

アメリカの大統領選挙はブッシュ大統領の再選という形で決着しましたけれども、金融行政において影響があるのかないのか、それで米国の当局との関係においてこの再選の意味するところ、大臣の御所見をお願いします。

答)

アメリカとの関係というのは日本にとって非常に重要であるということは言うまでもないと思っております。そうした意味からも今まで以上に一層日米の関係というものを緊密にして、そしてお互いに協力をしながら世界経済の発展のために金融面も含めた連携を強化していくということがとても大切なことだと思っております。

今、世界経済を巡る環境というのは激しく変化をしておりますから、そうした変化に対応して、アメリカと日本がお互いにしっかりとした政策運営をしていくということはとても大切なことでありますから、そうした認識の中でアメリカの担当者の方々とも今まで以上に連携を取りながら、私共としても政策運営というものをやっていきたいと思っております。

問)

1点確認になるのですが、今後の特別検査の必要性について大臣は「金融経済情勢や政策対応の優先度合いにおいてまず判断する」と仰いましたけれども、今まさに不良債権問題というものが解決に向かっている中で、その不良債権問題の終結に狙いを定めた特別検査というものがあると思うのですけれども、それは「不良債権半減という目標が達成されればもう1回考え直します」という主旨を仰っているというふうに考えてよろしいのでしょうか。

答)

今の御質問というのはかなり前に踏み込んで3月期の状況というものを想定されていると思うのですけれども、私達が今非常に重要なことは、来年の3月期にこの不良債権比率を半減させるという目標を持って「金融再生プログラム」を展開してきているわけでありますから、その目標を確実に達成していくと、そのために必要な施策というものをしっかり推進していくことが重要だと、そうした認識を持っておりますから、先程来お話をさせていただいているように、今現在で不良債権問題が正常化された状況ではないと、まだ改革の手綱を緩めずにこの問題にしっかり取組んでいかなければいけないという認識を持っておりますので、その特別検査の問題について今判断する時期ではないと、今後の経済金融情勢や、或いはその時の状況に応じて、どうした政策が効果的なのか、そういうことも含めて総合的に判断をしていく必要があるのではないかと、そういう考え方をお話させていただいたつもりです。

問)

あえて仮定のお話を聞きますが、3月末に不良債権比率半減目標が達成された場合は、特別検査の実施を控えるという主旨の発言ではございませんか。

答)

仮定のお話についてはお答えができないということを御理解いただきたいと思うのですけれども、繰り返しになりますけれども、今私共は目標達成に向けて「金融再生プログラム」の諸施策を全力で推進していくということであります。

(以上)

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