伊藤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成16年11月9日(火) 9時39分~9時48分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

閣議がございまして、私共に関係する案件としてまず法律案、これは一義的には総務省でありますけれども、「日本郵政公社による証券投資信託の受益証券の募集の取扱い等のための日本郵政公社の業務の特例等に関する法律案」これが決定されました。

それから政令については「証券取引法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令」が決定されたところであります。これはもう御承知のとおり、有価証券の定義に関する規定等について所要の整備を行うほか、証券会社等の主要株主の範囲を変更するため、証券取引法施行令等の改正を行うものであります。

以上です。

【質疑応答】

問)

日本テレビが有価証券報告書を訂正しました。これについて金融庁としてどのような対応を考えていらっしゃるかお願いします。

答)

今御指摘がございました当該企業につきましては、先週の金曜日、11月5日でございますけれども、有価証券報告書等の訂正報告書を関東財務局に提出いたしております。個別事案に関わる今後の金融庁の対応につきましての詳細についてコメントは差し控えさせていただきたいと、そのことについては御理解いただきたいと思います。一般論で申し上げれば有価証券報告書の訂正報告書等の提出があった場合には、管轄の財務局において訂正の内容、或いは訂正の経緯等について必要に応じて確認を行うこととなります。なお東証につきましては11月5日、当該企業を監理ポストに割り当てたと承知いたしておりまして、今後東証において自主規制規則に基づいて適切に対処されるものと考えております。いずれにいたしましても証券市場の信頼性を確保するためには適切なディスクロージャーが行われるということは極めて重要なことでありますので、金融庁といたしましてもこうした観点から適切に対応をしてまいりたいと思います。

問)

それに関連して、西武鉄道から日本テレビに至るまでの一連の有価証券報告書の訂正問題で、東証が上場廃止するかどうかというのが注目されています。それについて金融庁は東証に対してどういう姿勢で臨むのか、それについてお願いします。

答)

この点につきましても東証において廃止事由に該当するかどうかということについて検討がされていると承知いたしておりますので、いずれにいたしましても東証におけるルールに基づいて適切な対応がなされるものだと考えております。

問)

西武鉄道の件において株価の下落がずっと続いておりまして、銀行経営に対する影響も懸念が出ているのですが、大臣として銀行経営に対する影響、金融システムへの影響についてどう見ていらっしゃるか、それについてお願いします。

答)

これも個別企業の問題がその融資を行っている金融機関に与える影響についてコメントは差し控えさせていただきたいと思います。一般論で申し上げれば銀行の財務の健全性の観点から大口債務先に対する与信管理について、各銀行において適切に対応することが重要であるということは言うまでもないことだと思います。当局といたしましても検査・監督を通じて適切にしっかりフォローアップしていきたいと思います。

問)

有価証券報告書の件なのですが、大きな企業でこういうふうに訂正するとか、虚偽記載をしていたのではないかとか、こういったものが相次いでいるということについて、これまで分からなかった、こういうことをやっていても全然表に出なかったというこの背景について、どういうふうに見ていらっしゃるのかという点と、これから色々な投資家、まあ一般の方々にどんどん投資をしてもらおうと言っている時に、こういう事案が度重なっていると、いつまで経っても証券市場の信頼性というのは確保できないというか、信用できないというか、そういう事態なのではないかと思うのですが、これについてどういうふうに見ていらっしゃるでしょうか。

答)

まず背景については、これは個々色々な事情があろうかと思いますので、私が適切なコメントができる立場にないと思いますが、いずれにしても企業において信頼ということは極めて重要なことでありますから、企業に対する信頼を確立するためにも正確な財務諸表を自らの責任において作成するということはとても重要なことであると、これは言うまでもないことだと思います。

そして後段の質問でありますけれども、証券市場に対する信頼を確保するということから考えますと、先程もお話をさせていただいたように、適切なディスクロージャーというものをしっかり確保するということは大変重要なことでありますので、私共としてもそうした観点から今後とも金融庁として適切な対応をしていかなければいけないと思います。

問)

適切な対応と言うのは、基本的に金融庁が直接やるということではないと思うのですが、対応と言うのは限られている部分があると思うのですが。例えば、きちんとそこは東証なりが「こういった事案については上場を廃止しますよ」ということをもっときちんと明確に表さないと、このままなあなあでいくとまた同じことを繰り返すというふうな感じがするのですが。若しくは金融庁として何らかのこういった事案についての規制なり、処分なりをきちんと考えていかないと同じことを繰り返すのではないかなと思うのですが、具体的な対応というのはどういうものが考えられるのでしょうか。

答)

証券市場の信頼性というものを確保するために、それぞれの関係機関においてしっかりとした対応をしていくということが基本であろうと思います。信頼性の向上ということは大変重要なことであるというのは各機関も十分に認識いたしているところでございますし、今御質問がありました東証においても「今回の問題を教訓として規則の改正等について早急に検討を行うこととしている」とお伺いをしているところであります。当局といたしましては東証から規則の変更認可申請があれば法令に従って適切に対応をしてまいりたいと考えております。

(以上)

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