伊藤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成16年12月3日(金)9時48分~9時56分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

閣議がございました。私共に関係する案件が1件ございました。それは、FRC報告でございます。

私の方から1件発言させていただきたいと思いますが、それは、ジャスダックの証券取引所化についてであります。

9月29日付でジャスダックから証券取引所としての市場開設に係る免許申請が出されておりましたが、これまで証券取引法に基づき、当該免許申請につき厳正に審査を行ってきたところでありますが、申請の内容が法令の定める基準に適合していると認められたため、本日(12月3日)付で免許を交付することといたしました。

ジャスダックが取引所化することについては、市場間競争を促進するものとして、昨年12月の金融審議会金融分科会第一部会報告においても評価されているところであり、金融庁としてはジャスダックが証券取引所に移行した後、その機能を適切に発揮し、証券取引所としての責務を十分に果たすとともに、ジャスダック市場の特性を最大限活用することを通じて国内経済が活力あるものとなることを期待しているところでございます。

【質疑応答】

問)

先日UFJ銀行の元幹部の方々が3人逮捕されることになりました。金融庁が告発された方と違う方も一人いらっしゃいます。この事件が逮捕者を出したということと、告発者と違う方も含まれていたことについて御所見をお願いします。

答)

今御質問にありましたように、12月1日に東京地検がUFJ銀行の元役員3人の方を逮捕したわけであります。私共といたしましては、今後の捜査の進展を見守っていきたいと考えているところであります。

いずれにしましても当行については、既に新しい経営陣の下で業務改善命令を受けてその改善計画が提出され、それに即してガバナンス体制の充実・強化に取り組んでいるものと承知をいたしておりますので、金融庁といたしましては新しい経営陣には、これらを着実に推進し信頼を回復していただくことを期待いたしたいと思います。

また、被告発者の問題について御指摘がございました。被告発人については、告発に当って検査忌避等の悪質性、今後の検査一般の実効性に与える影響、金融行政の目的遂行の確保、一般国民に処罰を求めることの重大性等を総合的に勘案して被告発人を決定したものであります。今回の告発に当っては、検査の過程で私共が把握した証拠に照らして検査忌避等を行ったと認定できる範囲の中で被告発人を決定したものであります。

問)

足利銀行が中間決算と計画の進捗状況について発表されました。それについての評価をお願いします。

答)

足利銀行から16年9月期中間決算が公表されたわけでありますが、この9月決算について実質業務純益を見てみますと、過去の9月期の水準と遜色のないものでありまして、安定的に推移しているものと考えます。

問)

一部報道で三菱自動車への金融支援を含めた再建計画の内容が出ていましたが、前回の多額の金融支援を含めた計画から半年位で再びこうした計画の見直しを行う状況を不良債権の抜本的処理という観点から見て、どう捉えていらっしゃるかお伺いします。

答)

今の御質問は個別金融機関の個別の取引先に関わる問題でございますので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。一般論として申し上げれば、金融と産業の一体的再生という観点からいたしますと、事業再生については、債務者たる企業において透明性が高く、市場からも評価される再建計画をしっかり作って、その下でその計画を着実に実施していくことが重要であると思っております。従って、事業再生の実がしっかりあがっていくということを私共として期待をしたいと思います。

問)

冒頭にもお話がありましたが、金融庁として今まさに「貯蓄から投資へ」という大きなテーマに取り組もうとしている中で、今回のジャスダックの取引所化にかける期待を改めて伺いたいのですが。

答)

先程もお話をさせていただきましたように、やはり取引所それぞれが良い意味で競争しながら市場としての魅力というものを発揮していくということが、投資家にとっても、非常に新たな選択肢が広がっていくことにもつながっていくわけでありますので、とても大切なことではないかと思っております。市場が活性化をすることによって、やはりエネルギーが日本経済全体に対しても良い影響を与えると思いますので、それぞれの市場の魅力というものを十分に発揮していくためには、やはり信頼というものが非常に重要でありますので、投資家からの信頼というものを確保しながら、それぞれの市場の機能というものを遺憾なく発揮をしていただきたいと思います。

問)

ジャスダックなのですが、東証の上場廃止になりました西武鉄道がジャスダックへの上場を目指すことを表明していますが、あのような問題で上場廃止になったところが、別の取引所にまた再上場するというのは、市場の信頼性という点では如何なものかという面もあると思うのですが、これについてどのように見ていらっしゃいますか。

答)

それぞれの市場開設者は、それぞれが個別株式の上場の取扱についての規則を持っているわけであります。従って、その規則に従って判断をすべきものであると考えておりますので、その規則に基づき適切に対処されていくものだと考えます。

(以上)

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