与謝野内閣府特命担当大臣(金融・経済財政政策) 記者会見要旨

(平成17年11月11日(金) 10時40分~10時55分 於 金融庁会見室)

1.発言要旨

本日の閣議は10時から開催されまして、私からは閣僚懇において本日発表されました7-9月期のGDP一次速報値について発言をさせていただきました。その発言を御紹介いたします。

本日、内閣府から、平成17年7-9月期のGDP一次速報値を公表いたしましたので、その概要を御説明いたします。

実質GDPは前期比で0.4%、年率にいたしますと1.7%と4四半期連続プラス成長となりました。名目GDPも0.2%、年率にしまして0.7%と4四半期連続プラス成長となっております。今回のQEの結果は個人消費や設備投資が増加するなど、企業部門と家計部門がともに改善し、景気は緩やかに回復していることを裏付ける結果となったものと認識しております。景気の先行きについては、原油価格の動向が内外経済に与える影響等に留意する必要があるものの、企業部門の好調さが家計部門へ波及しており、我が国経済は引き続き民間需要中心の緩やかな回復を続けると見込まれます。

このような発言をしましたところ、総理から、「そのことは政府の見通しを上回るということか」という御質問がありましたので、よほど悪い条件が重ならない限り、政府の目標は達成できるというふうに考えておりますし、多分、政府見通しを若干上回るのではないかと自分は考えておりますというお答えをしておきました。

以上です。

2.質疑応答

問)

今のGDPなのですが、4四半期連続プラスということですけれども、伸び率としては鈍化しております、この件についてまず所見をお願いします。

答)

0.8%だったものが少しずつ減っていって0.4%になっているということは事実だと思いますが、この原因についてはもう少し分析をする必要がありますが、多分、原油価格の高騰等も若干これに影響を与えているのではないかと思っております。これについては、更なる分析、解析が必要であると思っております。

問)

それと、一方でGDPデフレーターなのですけれども、これは30期連続で対前年同期比マイナス、それで対前期でもマイナス幅が拡大しております。この件についてはどのようにお考えでしょうか。

答)

この要因もきちんとこれから分析をしていかなければなりませんけれども、これは従来のトレンドから大幅に外れたものというふうには考えておりません。

問)

それと個別項目で個人消費なのですが、プラスを保ったということですけれども、これも伸び率は前々期、前期から比べると徐々に落ちております。将来に向けた懸念材料、考えられるものとしてはどういうものがあるのでしょうか。

答)

個人が消費する前提というのは、1つは所得が伸びるということ、それから個人個人が将来の経済の先行きに対して期待感を持てるか、不安を持つか、ということでも決まりますし、また需要が一巡しているかどうかということでも決まってくることだろうと思っております。

しかしながら、企業部門の好調さが家計部門に所得の増大ということで反映しております。また、伸び率は低いとは言え、マイナスにはなっていないということで、個人消費は明らかに伸びたわけですから、あとは個人が欲しいものがあるかどうかという、そういう需要の面で決まってくるのだろうと思っております。

問)

金融庁関係で、東京証券取引所が昨日、システム障害に伴う売買停止の件について、社長、役員らの減俸やバックアップシステムの増強など再発防止策などを打ち出しましたが、この件についての評価をお聞かせください。

答)

社長以下、かなり自ら重い処分を科していると私は思っておりますけれども、いずれにしましても、これに対する評価は、改めて15日、正式な報告が東証から上がってきた段階で金融庁全体として判断すべきことだと思っております。

問)

今朝、国と地方の会議がありましたが、大臣からはどのような御発言をされたのでしょうか。

答)

地方団体から色々な発言があり、各大臣からも色々発言がございましたが、最後に私から申し上げたことは次のとおりでございます。

私は、昨年は党にあって三位一体改革をやってまいりました。今回の三位一体については、地方団体色々御意見がありますが、文部科学省と厚生労働省の辛い立場をまず御理解をいただきたいと、こういうことを申し上げました。

その上で、国も行財政改革を一生懸命やり、また先般は国家公務員の5%削減という案も作ったところです。平成18年度までは交付税総額を確保するということを前提に三位一体改革をやってきましたけれども、三位一体改革の前提というのは、地方においてもやはり行財政改革が進展するという当然の期待があってのことでございますし、また、平成19年には交付税の大幅な改革をやらなければならない、これは当然のことであって、是非各地方においてはそれについて御協力をいただきたいと。

また、先般、経済財政諮問会義で決めました国家公務員の5%削減についても、やはりそれに是非倣うような地方公務員の削減ということに御努力いただきたいということを地方にお願いをしておきました。

問)

地方交付税改革、具体的に大臣はどのようにお考えですか。

答)

これは、かねてからの持論でございますけれども、地方交付税の基準財政需要の中身というものをやはりもう一度点検する必要があるということ。

それから、もう一つは地方財政計画というのが発表されますけれども、地財計画と実際の各地方団体の予算の作り方との間に大幅な乖離があるということ、このことにつきましては、かねてから財務大臣も指摘をされておりますけれども、私は党の政調会長にあってもやはりそういう問題は国・地方との関係、あるいは地方財政の健全化という観点からは、やはり是正すべき極めて重要な問題であると思いますし、またどうしても注目をしなければならないのは、地方財政は既にプライマリーバランスを回復をしておりまして、そういう点では国と地方を比べますと地方の方が余裕があるというふうに判断をせざるを得ないと、私は思っております。

問)

まだまだ無駄が削減できるということですか。

答)

それは、地方団体自体がお決めになることなので、無駄があるかどうかということは断定できませんけれども、まだまだ努力の余地は大幅にあるのではないかと私は考えております。

問)

消費税に関連してなのですけれども、党の財政研の方で、社会保障目的税化について中間報告をまとめられましたけれども、それについて中川政調会長などは否定的な意見を述べていらっしゃいますが、それについてどういうふうに思われていらっしゃるのか、お聞かせください。

答)

中間報告は党の政審・総務会で中間報告として御了承をいただいているものです。

それから、あの中では歳出削減につきましては、非常に大きな部分を割いて言及している話でして、あの中間報告をきちんと1ページから最後のページまで読んでいただくと、歳出削減が中心に物事が書かれているということをおわかりいただけるのではないかと思っております。

時間があったときに全部目を通していただければ、そういう誤解は多分解けるのではないかと私は思っています。

問)

中川政調会長がNHKのインタビューに対して政府系金融機関、総理の意向に基づいてできるだけ一つにしたいと。

答)

できるだけというのは、英語で言うと「イフ・ポッシブル」というふうに訳せるわけでして、これは党においても機能論を中心にまとめておりますし、また経済財政諮問会議でも機能論についての色々な所見を述べております。そういうものから総合して、まず機能のところをきちんと整理をして、その機能を担うためには、最も合理的、効率的な組織というものはどういうものかということを判断していくというのが道筋としてはいいのではないかと私は思っております。

(以上)

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