柳澤金融担当大臣・村井副大臣記者会見の概要

(平成13年1月6日(土)13時40分~時14分:16)

【質疑応答】

  • 問) それでは大臣の方からよろしくお願いします。

  • 大臣) 本日、中央省庁の再編に伴いまして、私、森総理大臣から金融担当大臣という補職辞令を頂きました。お隣は村井副大臣でございまして、皆さんはかねてよりご承知の通りでございますが、先程同じく森総理から金融に関することを担当するようにということのご指示を頂いた旨、ご報告を頂きました。実は、私偶然だったんですけれども、今回森内閣の改造に伴って、閣僚を拝命したわけですけれども、その前に実は党の方で経済新生シナリオ研究会というのを足掛け5カ月ぐらいやっておりましたが、そのメンバーの中に加わって頂いて、かつ私が座長、進行役を務めるという中で、その座長の代理をして頂いたのが村井副大臣でございました。そういうことで党にいる時から、実は偶然のことなんですが、また幸いなことなんですが、コンビを組ませて頂いて仕事をさせて頂いた、こういう間柄でございます。

    私、今度村井さんと二人で日本の金融行政に当たることができるということを大変喜んでおるし、また力強く感じておるところでございます。そういうことで村井副大臣をご紹介しながら、二人で全力を挙げて、我々の所掌の問題に取り組んでいくことを、まず決意の程を披瀝致しておきたいと、このように思います。

  • 副大臣) ただ今柳澤大臣からご懇篤なお言葉を頂戴致しました、ご紹介頂きました村井仁でございます。

    柳澤大臣は初代の金融再生委員長として、お見事なお仕事をなさり、そしてまた、昨日金融再生委員会がその幕を閉じたわけでありますけれども、その締め括りのまた金融再生委員長として重職に当たられたわけでございますが、まだまだ課題はたくさん残っているわけでございまして、私、本日総括政務次官から改めて内閣府副大臣という職に補され、先程森総理から内閣府の事務のうち、金融関係事項を担当し、柳澤大臣をお支えして、市場等から信頼される金融システムの再構築に向けて努力して欲しいと、こういうご懇篤なお言葉を頂戴して参りました。非常に難しい仕事でございますが、日野長官の後を継がれました森新金融庁長官以下、多くのスタッフの皆さんと力を合わせまして、しっかりこの職責を全うして参りたいと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

  • 大臣) それではお手元に今回の新しい体制での金融行政の出発に当たっての私の談話を発表させて頂きます。これに尽きるわけですけれども、この機会に若干、この文面(「金融担当大臣談話-中央省庁再編に当たって-」)に従って話をしておきたいと、このように存じます。

    金融庁の仕事ですけれども、これはもうご承知の通り、昨年の7月1日に大蔵省の金融企画の部門を統合致しまして、金融庁として発足をしておったわけでございますけれども、今回、今、村井副大臣の方からご紹介ありましたように昨日廃止をされました金融再生委員会の仕事も統合致しまして、新しい金融庁ということで出発をする次第でございます。仕事の内容は大臣談話にありますように金融制度の企画・立案から個別の金融機関の検査・監督に至る、そういう縦の系列で全てを担うということと同時に、業態的に言いますと、銀行・保険・証券等のあらゆる分野を統括して、この我々の仕事とするということでございます。そして大臣談話にあるように預金者・保険契約者・有価証券の投資者等の保護を図るとともに金融の円滑化、生活のための資金、あるいは産業のための資金、こういうものを最も効率的な形で供給していくと、こういうことの使命を果たすことができるような、そういう金融制度及び金融の運営というものをしっかり実現していくというのが任務であろうと、このように考えている次第でございます。

    また、当面私ども、今、村井副大臣の話にもありましたように、金融の安定化ということを完成した姿にまで持っていくという揺るぎない、内外ともにどの面から見ても揺るぎない金融システムを構築するということが第一の課題だと、このように考えております。即ち、この金融の安定化という、やや後向きのと言うか、我々の経済が被ったバブルの後遺症、それの反映としての日本の金融機関のバランスシートの問題、こういうようなものを解決した上に立って、もっと活力のある金融システムというものを構築していくというのが我々の課題だと、このように認識をしているわけでございます。更に金融技術だとか、情報通信が発達する中で世界の金融のマーケットというものもいろいろ競争が激しくなっているわけですけれども、我が国の金融のマーケットも本当に金融の需要と供給が出会う、そういう場にしていかなければいけないと考えておりまして、そういうことを早く実現して、日本の国民の持っている金融資産というものが、日本の今言った、この金融の出会いの場、需要と供給の出会いの場にとっても大きな力になるように、私どもは努めていく必要があるというようには考えております。

    そして、私どもの目的とするところは、そういった目的、理念に向けて、これまでとは違った形、つまり事前的な統制をするということよりも、事後的なチェックをしていく、それには明確なルールというものを予め作ってこれを示すと、そしてその運営について透明かつ公正な運営をしていくと、こういうことであろうと思いまして、こういうことのために全力を挙げていきたいと、我々二人力合わせて、事務当局を指揮して、事務当局の力も十二分に発揮されるような、そういう体制でもって運営していきたいと、このように考えております。

    以上が談話で記させて頂いた事柄の要旨であるということでお話を申し上げさせて頂きました。よろしく皆様方の理解と協力、または場合によってはご鞭撻をお願いしたいと、このことを最後に付け加えまして、就任に当たっての挨拶ということにさせて頂きます。

  • 問) 大臣の出発点に当たっての金融の現状認識を伺いたいのですが、本来なら再生委員会が終了して金融庁に移管されると、先程大臣が仰ったバブルの後遺症から完全に脱出して、次のステップにいくということで、来ていたかと思うんですが、不良債権の額の状況を見ますと、株価の低迷もありまして、大臣は緊急問題だという認識があると思いますけれども、不良債権は相変わらず、なかなかシビアで進まない状況にあると。先程仰ったスケジュールの金融の立ち直りの機運が鈍化しているのかなあという声もあるんですが、大臣、今、これに関して金融界の立ち直りはどの地点に立っていると思われますか。

  • 大臣) まあ、これはなかなか登山か何かに例えて数量的に言えれば、皆さんのイメージもはっきりするかと思うんですけれども、私は敢えてそういうことを避けたいと、こういうふうに思うわけであります。これは金融機関のシステムの安定化というか、金融機関の健全化については主体的にいろいろ働きかけていく面と、やはり客観情勢の影響を受ける面とどうしても二つあるということでございます。

    今ご指摘のように本当に不良債権というものがごくごく平常時に発生する程度に、既に抑え込まれて、この新体制に移るというのが確かに理想であったし、あるいは当時国会で金融2法を制定した人達、立法者の思い描いた理想の姿だったかと思うんですけれども、なかなかそういうことになっていません。それは不良債権の残高というものが、例えばリスク管理債権というもので見ましても、このところ大手行が微減、その他の銀行が微増ということで、総体的には微増というような姿を、あるいは横這いという姿を示しているといるかと思うわけでありますが、これをどういうふうに認識しているかということが、今の問いに対する答えということになろうかと思うわけです。不良債権のオフ・バランス化というか、そういうものがぐっと進みますと、今冒頭申したような理想の姿ということになろうかと思うんですが、日本の場合は不良債権の処理というものを個別引当という形で処理するということが非常に大きなウェイトを持っているわけです。つまりオフ・バランス化ではなくて、実質の価値に簿価を鞘寄せていくためのテクニックとして引当金というものを積んで、そういう形を実現しているわけですけれども、これがあるがためになかなか引当金の残高が減らない、オフ・バランス化しないと、こういうことでございます。

    これを一体、これをどう評価するかということは大変難しいことなんですが、当面私はこの引当金を積むことによって備えができていると、ある程度の損がそこから生じても、十分それを予め備えたものでもって消化できるというような形になっているという意味では、バランスシートの上で不良債権というか、そうした問題債権が積み上がっているほどには、実は悪くないんだと、日本の金融機関の健全性にそんなに大きな問題があるわけじゃないんだ、これを先般来申し上げているわけでございます。他面、それではなぜオフ・バランス化ができないのかというと、これは二つあって、一つはテクニカルに不良債権を売るマーケットというものがまだ日本の金融インフラの中には欠けているという面もあるし、また貸出先の言わば整理、これは法的整理、私的整理、いろいろあるわけですが、そういうものがなかなか進んでいないということが起因しているわけです。そこで我々としては、これをもっともっと進めていく必要があるだろうと、こういうように思うわけです。ただ、そこで進めていくという場合に本当にこの貸出先の企業を潰してしまう、個人の場合には解散をして、清算をしてしまうというようなことでいいのか、あるいはそこに企業的な価値がある、その価値はできるだけ、これを維持していくという形で整理をしていくのがいいのかということですが、私どもが立っている国民負担最小の原則というものを頭に置く時には、むやみに先程言った二つのうちの一つ、前に言った一つ、つまりどんどん解散、清算をしていくということは採るべきでないと思うんですね。不健全なところまで温存するなんてことは、現にこれは避けなければいけないけれども、健全で価値があるものまで壊してしまうというようなことは、これは避けなければいけない。

    そういうことを考えると、ややこれは時間がかかると、これは決して先延ばしという言葉は私は当たらないと思うんですね、そういうふうに思います。私はこれから我々がやらなければならないのは、そういう言わば、何と申しますか、金融機関の側からすれば、オフ・バランス化できるような実体経済の側の整理をもっと早める必要があると、こういうように思います。そのためには、言わば金融の再生と、この実体経済の側の産業の再生というものが両輪になって進んでいかないといけないんじゃないかと、このように考えてまして、そういうことに注力をしていきたいということを考えてます。従って、オフ・バランス化というものが理想の姿だということになると、かなりちょっと手当てが…手当てと言うか、対処が時間がかかっているという面はありますけれども、もう金融機関の側からして、その備えが出来ているという意味では、一般に皆さんが見ている程には実は日本の金融機関というのは、健全性において問題があるという状況にはなってないということを申し上げたいわけです。そういう両面あるものですから、私はここで一義的に登山に例えての何合目までいったというような表現を避けたいというふうに申した次第であります。

  • 問) 政策の意思決定についてお伺いしたいのですが、大臣の方で提案された顧問会議についてですが、これは金融再生委員会の頃は合議制による行政決定の評価の表れではないかと思うんですが、それでは実際に顧問会議ができた後、実質的に了承機関なのか、それとも意思決定をやるのか、では実際に意思決定機関の役割を果たすとしたら、どう反映するのかというところなんですが、昨日の再生委員会の最後の挨拶の中で特別な案件については諮るようにと仰っていましたが、どのようなものを具体的に諮られるかということと、あとどのくらい諮らないのかと、週2回ぐらいやっていた再生委員会と違って、これから頻度が落るかもしれませんが、ではそれで重要案件に対応していけるのかと、意思決定していけるのかという側面があると思いますが、この2点についてお伺いできますでしょうか。

  • 大臣) これは顧問会議を全く再生委員会のメンバーと同じ形で設置をして、運営をしていこうということは、既に発表した通りであります。顧問会議の仕事は一体何々だということで申しますと、これは今までの仕事の範囲と同じだと、まず範囲についてはご理解頂きたいと思うんですね。つまり緊急の金融2法絡みで、それを処理するために金融再生委員会というものが置かれたわけですが、それと同じ性質の問題、言わば問題を処理するというか、それが論議の対象になる機関だということで、まずご理解を頂きたいと思います。

    それ以上に外へ出て、今まで金融庁が独自に処理していたことまで範囲になるかと言えば、そうではないということですね。これはそもそも顧問会議を置いたというのはペイオフが1年延びたという形で、再生法、あるいは健全化法そのままの形ではないものもあるわけですけれども、気持ちの上で、精神の上ではそれを延長した制度が残っている。その制度を運用する、運営するに当たっては今までと大体同じような体制でもって臨みたいということが趣旨であるということから、ご理解を頂けるだろうと思うんです。但し、非常に金融再生委員会と今度の顧問会議は違う。それは言うまでもなく、金融再生委員会はいわゆる国家行政組織法の3条機関と、行政委員会ということでまさに意思決定の機関であったわけでありますけれども、今度の顧問会議はどこまでいっても顧問の会議でありまして、そういうふうな意思決定をする場所ではないということであります。従って、何と申しますか、今から議決をしますとか、ご異議ございませんかというような、そういうくだりというか、そういうやりとりというものは、顧問会議の審議の中では当然ないということであります。従って私どもとしては、しかし、気持ちの上では金融2法を運用した時にあったようないろんなアドバイス、いろんなご見識、ご経験に基づいたご意見を、そこで同じように頂戴できたら、それを参考にして私がいろんな決定させて頂くと、そういうものであると。それから回数ですけれども、これは隔週1回ということに、大体基本的に考えておりますが、仕事があれば臨時会議をお願いするということでございますから、十分これからの問題に対応できる体制にあると、このように考えております。

  • 問) 村井副大臣の方にお伺いします。初代の副大臣として森総理からも個別の指示があったとお伺いしておりますが、指示の内容及びそれを受けての副大臣のお気持ちと、それから政治主導という一方で金融行政を政治から独立させておくかという問題もあると思います。確か、そごう問題の際には、金融再生委員長の談話として重要案件については、自民党・与党と事前に相談するというような意思も示されていたと思います。そういうことで、自民党など与党との事前の調整につきまして副大臣としてどのようにお考えなのでしょうか。

  • 副大臣) 最初の私の副大臣としての抱負でございますけれども、これは申し上げるまでもなく、柳澤大臣のご方針を拝しながら、また折に触れて私なりの意見もお許し頂き申し上げながらやって参りたいと思っております。基本的な認識は、柳澤大臣が先程お話になられたところと、私の見解と違いがあるわけではございません。

    今、政治のリーダーシップというお話がございました。これは、私は非常に大事なことだと思います。そして、また何か臨機、機に応じた決断というものが求めれらる場合も大いにあると思います。ただ同時に政党政治であり、そして、また内閣がその政治の責任を、行政の責任を担っている、そのうちの一部でありますから、私どもは与党との調整というのは、これは十分にして参らなければいけないと思っておりまして、その役割は、もちろん第一義的には大臣がお果たしになることでありますけれども、私も当然のことながら党の関係の部会でございますとか、あるいは金融問題調査会、こういったところとの連携を密にしながらやって参らなければいけないと思っておりまして、フットワーク宜しくやっていきたいと思っております。

  • 問) 事前に調整をしていく案件等につきましては如何でしょうか。

  • 副大臣) ここは非常に難しいところがあるわけでございまして、やはり多くの方々の財産的利益に関わる話でありますから、個別具体的な話を一々事前にお話することができない場合も当然あるわけでありまして、しかし金融の持つ特殊性というもの、そういう意味での特殊性というものを、やはり関係者の方にご理解頂き、そして先程大臣が強調されましたように、明確なルールに基づいて透明な処理をいろいろな形で行っていくということが、やはり根幹になるのではないかと思っております。

    要するに説明がきちんと出来る形で、私どもは行政を執行していかなければいけないと、そこがポイントだろうと思います。そういう意味で与党の中でも、その辺りの過去の裁量行政とは異なるやり方というものにつきましては、十分にご理解を得られると思っているところであります。

  • 問) 顧問会議のあり方なのですけれども、早期健全化法と再生法の2法に関わる問題について顧問会議に諮るという、そういう理解でよろしいのでしょうか。それ以外の業法とか…若干交わっているところもあるんですけれども、銀行法とかは金融庁で担当するということで、そういう理解でよろしいのでしょうか。

  • 大臣) 先程言ったように、その通りです。

  • 問) 顧問会議なのですけれども、実質的な決定権限がないということで、かつて存在した佐々波委員会の二の舞をどう避けるかというようなことを考えらていらっしゃると思いますけれども、具体的にどういうふうに問題点を回避するお考えなのでしょうか。

  • 大臣) これは正直言って、何と言うか3条委員会の時の委員の方々の心構えと、今度の顧問会議になった時の顧問の方々の心構えというのでしょうか、心の問題に対する姿勢というのでしょうか、そういうものを同じにしろというのもなかなか難しいのかなと、本当に具体的状況を思い浮かべると、ちょっと考えないでもないのです、率直に言って。しかし、私はここまで2年間216回やり、議論を積み重ねてきた、しかもその1回の時間というのは、非常に長い時間だったということを考えれば、やはり議決の機関ではないということで、急に顧問の方々の気持ちが変わってしまうというふうには、思わないし、思いたくもないと、こういうことです。ですから今までと本当に同じ様な気持ちで問題に対面してもらって、問題をどういうふうにここで解決していくということがベストかということについては、同じ様な気持ちでご協力が頂けるというように思っておりまして、これはすべからく会の運営に当たる新長官の会の運び方にも関わってくると、ちょっと荷物を向こうに受け渡すようで恐縮ですが、かなりそういう面もあると、実は私は思っております。

    その意味では森新長官は、前に事務局長でもあったということで、ほとんど雰囲気を変えないで運営できるというメリットもあるかなと、こんなふうに思っておりまして、できる限り今までと同じ様な気持ちで顧問各位に取り組んで頂けるように会も運んでいきたいし、それからまた現実に、そこでいい結論が出るように私どもを助けてもらえる会にしたいと、こういうふうに思っております。

  • 問) 日野前長官が、同じく顧問に就任されることになるわけですけれども、日野さんにはどういう点をご期待されるのでしょうか。

  • 大臣) 日野長官のお仕事というのは、皆さんも何というか非常に高い評価を与えて頂いていると思いますけれども、私もほぼ並行して、同じような仕事をさせて頂いた、そういう立場からも全く敬服するお仕事振りであったと、こういうふうに考えております。司法のバックグラウンドをお持ちの方でありますから、そうした専門的な知識もお持ちで、そういう立場からも非常に金融行政に慣れ親しんできた、その他のスタッフとの関係で非常に良い間合いというか、そういう対象を違う要素をうまく融合させて、いい仕事をしてきて頂いたということで、そういう認識を、まず日野前長官のお仕事について私持っているわけですね。そうしたことは今後の我々の行政にも、なおできるだけ活かさせて頂きたいと、こういうように思っておりまして、今までの金融庁の仕事については、特に、そうした面からのアドバイスをお願いしたいと、こういうように思って、今回顧問をお願いしたという次第でございます。

  • 問) 村井副大臣にお尋ねしたいのですけれども、これまで総括政務次官として関わってこられたわけですが、今回副大臣というポストに変わりまして、村井副大臣の今後の関わり方が、どう変わるのか、あるいはどういうふうに変えていきたいとお考えなのか、そこら辺のところをお伺い致します。

  • 副大臣) 新しい制度でございますから、どういうふうに実際やってみないと分からない点が多々あると思いますけれども、一つは国会答弁でございますね。これは、私は過去よりも、もっと積極的に発言することをお認め頂ければ、有り難いなと。但しこれはあくまで相手がある国会の側でどのようにお受け止めになられるかということでございますから、私だけいきがってみても始まらないと、副大臣全員がどんなふうに国会の場で活動の場を広げさせて頂けるか、そういう問題ではないかと思っております。

    それからもう一つ、私は副大臣でございますが、あくまで金融の責任者は柳澤大臣ですから、柳澤大臣のお手伝いを意を体してしていく、この心構えは私は政務次官の時と同様に、常に忘れてはならないことだと思っております。そういう意味で大臣との連携を、幸い同じフロアになったことでもございますし、是非密にさせて頂きながら頑張って参りたいと思っております。

  • 問) 柳澤大臣にお伺い致しますが、株価の水準が懸念される状態にありますけれども、新しい金融担当大臣として市場との対話というのを、どのようにお考えになって、具体的に、もしどの様な対話の仕方を今考えていかれるのかということについてどうお考えでしょう。

  • 大臣) 株価ということを念頭に必ずしも置くわけではないのですが、市場経済ですし、我々の行政の姿勢というのは、やはり市場原理をできるだけ尊重して我々の行政というのは、その事後的なチェックに出来るだけ徹していこうと、こういうことでございます。従って、市場については、何と言うか基本的には市場原理に委ねるということでなければいけないというように考えているわけです。ただ対話というようなことを、何をどう意味しているかちょっと判然としないのですが、私のこれまで心掛けてきた金融行政というのは、できる限り我々のいろんな金融行政上の措置について、どういう考え方でどういう現状認識に立って、どういう考え方でこういう措置を採るのだということを、できるだけメッセージとして発信していく、こういうことを心掛けて参りました。

    本当は金融行政というは、昔の大蔵大臣などの例を、歴史的ないろんな例を知らないわけではなくて、金融については、あまりものを言わない方がいいんじゃないかというようなのがどちらかというと慣例というようなこともあったかとも思うのですけれども、私はこの仕事にタッチし始めて、これではこの場面はなかなか切り抜けていけないんじゃないかというような考え方の下で、通常の金融行政に取り組む者としては、非常に言葉が多かった、意識してやってました。これは私はこれでなければ今回この場面はなかなか上手く裁いていけないのではないかという認識からそういうことをして参りましたが、私自身が今後考えていくことですけれども、本当はあまり行政がいろんなことを言わなくても済むような、マーケットが自分でいろいろ市場原理に基づいてうまく回っていくような事態が一番望ましいというように思いますけれども、必要な限りにおいては、これまでの考え方と同様な考え方で、できるだけこちらの考えというものを表現していきたいと、こういうように考えております。

(以上)

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