柳澤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成13年2月2日(金)9時33分~9時48分)

【閣議案件等】

おはようございます。本日の閣議ですけれども、最初、環境物品の政府の調達につきまして、その推進計画というか、基本方針についての話がございました。再生紙、低公害車等のこれまでやってきたものに加えて、何かいろんなものを指定をして、101品目にするというような話がございました。

それから、閣僚懇に移りまして、私から金融再生と産業再生は両輪でありまして、これはよく緊密な連携をとってやりたいので、経済産業省とそれから国土交通省と審議官クラスでの連絡会を設けて、今言ったような目的に資するようにやっていくという話をご報告しておきました。なぜ、2省庁なんだというような話がちょっとありましたのですけれども、これは多くの人がこの業界については構造調整というか、場合によっては再編というようなものが必要だとされる業界を念頭においているので、こういうことになったのだという話をしておきました。特に中小企業者の皆さんに無用な心配というか、そういうことをさせたくないということも触れておきました。

それから、クローン人間のこと、あるいはイノゲノムのこと等について、今日、所管の大臣がおそらく閣議後の会見でいろんな話をされるのだろうということで、関係のところに了解を求める発言がございました。インドの地震に対する自衛隊の救援活動について報告がありました。それから航空機のニアミスのことについて発言がありまして、原因究明を第一に考えて、安全の確保ということをまず図るべきだという話がありました。以上でございます。

【質疑応答】

問)

金融再生と産業再生の連携についてですけれども、今日の閣僚懇で総理の受け止め、あるいは国土交通大臣、あるいは経済産業大臣からはご発言はあったのでしょうか。

答)

総理は非常によく耳を傾けておられまして、そういう表情をなさってましたけれども、格別の発言はありません。国土交通大臣に対しまして、私、閣議前に、平沼経済産業大臣共々に大体同じ位置に並んで座っていらっしゃるので、今日連絡会のことについて、ちょっとご報告するのでよろしくという発言をしておきましたが、よく分かりましたという発言が国土交通大臣からはございました。従って閣僚懇では別段お話はありませんで、むしろ平沼経済産業大臣の方から自分もそのことは大事だと思うので協力していきたいと、こういう旨の発言がありましたということです。

問)

公明党の方が産業構造再生委員会の設置を提案しておりまして、これには国土交通大臣を出してます保守党などは慎重姿勢だと聞いておりますが、大臣としては行政委員会組織が指導して、強力に産業再生を進めるというこのやり方についてはどんな意見を持っておられますでしょうか。

答)

与党の一部の重要な部分の党の提案ですので、私がここでいろいろ申し上げるのはどうかと、こういうように思います。ただ、敢えて言うと、やはり我々も民間主導でやるということと、そうは言いながら、金融庁としてフォローアップにするに当たって、他の所管の役所の話も聞きながらやりたいということとの、かなり微妙なバランスを考えて、今の方式に踏み出しているんだということをちょっと指摘しておきたいと、こういうように思います。

問)

金融再生委員会は公的資金という強力な再編を促すツールがあったわけですけれども、産業再生にはどういう道具立てをして臨むのが適切だとお考えでしょうか。

答)

産業再生については、かねて私が指摘しておりますように産業再生なりのいろんな、何と言うか、法制度が整備されているように私は認識してます。産業再生を推進するような、そういう制度がおかれているというふうに認識しておりますし、また国土交通省の所管、概ね建設業と言っていいと思うのですが、これについては正式な表題は忘れましたけれども、同じく再編に向けて、これは法制ではなかったかと思うのですが、呼びかけみたいな文書がまとめられております。そういうものに基づいて、どういう具体的な権限が役所の側にあるかということを、これは詳しいことは存じておりませんけれども、あっても税だとか金融の誘導措置だろうと思うのですね、当然のことながら。そういうことですので、かつてのような設備投資の認可だとか、そういう権限はないという法制度に移行していることは確実だというふうに思いますので、そちら側で何か権限に基づいて業界の再編なり、構造調整を進めるという手法というか、そういう権限、そういう手法はなかなか採りにくい法制度になっているのではないかというふうに認識してます。

問)

話は変わりまして、保険会社の監督基準、ソルベンシー・マージン比率ですが、この見直しを金融庁の方で表明されておりましたが、この進捗状況について教えてください。

答)

この3月の、平成13年3月の決算、これは5月、6月に作業がとりまとめられていくのでしょうけれども、そういうことにタイミングを合わせてソルベンシー・マージン制度等についての見直し作業を行うということを、かねて明らかにしているかと思うのですけれども、それに向けての作業を今事務当局が進めているという現状だというふうに認識しております。

問)

生保・生保間、あるいは損保・損保間の基金、資本の持ち合いというのは制限されておりまして、昨年からは生損保間もダブルギアリングで規制されておりますが、保険会社と銀行の間の、あるいは証券会社の間の基金、資本の出し合いについては、どういうふうにお考えでしょうか。最近も相対的に自己資本比率が低い銀行が、相対的にソルベンシーの低いところに基金を出すというようなこともございましたけれども、この辺りはどのようにお考えでしょうか。

答)

これは今、一刀両断に私申し上げるだけの準備というか、そういう用意をしていませんが、これはなかなか悩ましい問題で、私もちょっと考えてはいるのですが、例えば、生保会社というのは機関投資家の一つでもあるわけですね、それがいろいろなところの株を持つということについても機関投資家であれば、これから資本の持ち主というものを、機関投資家と個人投資家というようなものに向けていくわけで、機関投資家についてはむしろちょっと頑張ってもらわなければいけないというようなこともあるわけで、それとの今ご指摘のダブルギアリングというか、そういうようなことをどういうふうに考えていったらいいのかというようなことを問いつつ、私の頭の中でも考えているのですが、今、まだ事務当局からそうしたことについて確たる話も強いて上げるように指示をしていないので、今、個人的に私が頭の中で浮かんで考えていることについてだけ申し上げました。

問)

連絡会なのですけれども、個別の企業名は別にして、それぞれの業界の再生のビジョンというものを出されるとか、どういう感じで進めていかれるのですか。

答)

我々の方は個別問題なのですね、どこまで行っても。ところが相手の役所の方は、なかなか個別問題について立ち入った話ができる立場にいるかというとなかなかそうでもないという、その辺がややぴったりとミートしていないということは当然予想しています。

しかし、この個別問題を処理する時にも、いろいろと他の役所の全体的な構想を聞くというようなこともかなり重要なファクターになるし、そこは阿吽の呼吸でいろいろ情報のやりとりをしてやっていくというというのが、この仕事をうまくやっていく所以だろうと、このように考えていると、こういうことであります。

問)

連絡会の正式な名前というのは何と言うふうに呼んだらいいのでしょうか。

答)

まだ、鍵カッコ(「 」)で名前は付いていないと承知しておりまして…。

問)

関係省庁連絡会とか、そういうような…。

答)

名前を付けさせましょう、いい名前を。

問)

金融庁は審議官クラスでどの部局の方が。

答)

これは今、藤原審議官が担当しております。

問)

連絡会はもう既に開いていらっしゃるのでしょうか。

答)

はい、今週のいつだったか、経済産業省とは第一回を開いております。

問)

国土交通省とはまだ…。

答)

国土交通省とは準備会を開きました。

(以上)

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