柳澤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成13年2月6日(火)9時19分~9時30分)

【閣議案件等】

閣議ですけれども、特殊法人の1、2の業務内容の法律改正があることに関連して、こういうことをやっても今後の改革の制約にはならないんだという発言がございました。それから暴走族対策の強化の問題、それからインドのヴァジパイ首相の訪日延期の話、更にインドの地震の災害緊急援助の話がございました。

閣僚懇では、907便事故の中間報告、それからインドへの自衛隊の派遣の状況、それから緊急災害援助に加えて、今後復興支援も見込まれるといったような話がございました。以上です。

【質疑応答】

問)

株価なんですけれども、先日、大幅に下げまして、今朝も下げて始まっているようなんですが、株価対策で中身について、これだけ出てきている中で株価が下がってしまっていると、実効的な株価対策というのは打ち止めと言うか、玉がないのではないかという声も出ているのですけれども、実際に株価を上げる実効的な対策というのはどういったものがありますか。

答)

株価を上げるのは、まず基本的に経済の実体が良くなるというか、良くなる見通しができるということになると思うのですね。そういった実体経済の面の信頼と言うか、そういうものが最も大事なことだというように思います。それからかねて私どもが言っているように、これは株価対策ということでは必ずしもないわけですが、資本市場の育成ですね、そういうことがしっかり打ち出されるということが大事だろうというふうに思っておりまして、インフラ整備というふうな言葉を使わせて頂いているのですが、これがきちっとパッケージで打ち出されるということが大事ではないかと、こういうように考えています。

問)

大臣が提唱されている産業再生のことなんですけれども、再編という言葉を大臣は使われていらっしゃいますが、銀行の再編の場合は一番最初に再生委員長をされた時に、やはりオーバーバンキング、数が多いということを指摘されたかと思いますけれども、大臣が今問題意識されている業界の方でも、数の問題ですけれども、例えば大手なんかでも数が多いとお考えでしょうか。

答)

これは何を念頭に置いてご質問になっているか、ちょっと推し量れなくて、あるいはすれ違いになるのかもしれませんけれども、概して言うと、私どもと言うか、多くの人が業界の構造調整、あるいは再編というものが必要なんじゃないかと言われているところについては、やはり私どもが取り組んだ銀行、金融機関の業界と似たような問題があるというのが私の認識でもあるし、また現に既に役所の方はそういうラインでの対策を打ち出しております。そういうことを指摘しておきたいと思います。

問)

株価の下落で有価証券の含み損が金融機関の中では出てくると思うのですけれども、そういった中で、例えば配当原資の部分が苦しくなってくるところもあるかと思うのですが、そういったところの銀行が今予定している経営健全化計画をそのまま達成しようとしていくとすると、相当苦しい経営になると思うのですけれども、当局として、今回の株価の下落を少し見込んで経営健全化計画の判断上、ある程度考慮するといった政策スタンスというのは有り得るのでしょうか。

答)

かねて申している通り、株価の含み損が現実にバランスシートの上に載って、評価損という形で計上されて、そしてそうなればまず第一に影響を与えるのは任意に積み立てられた剰余金というところですね。そこに影響が出てくるわけで、それが当期の利益と剰余金というものが基本的に配当原資なものですから、そういう意味で配当原資に制約が出てくるということは、もしそういう事態になれば当然見込まれるわけですが、これはかねて申しているようにタイミングとしては時価会計の導入となる9月期からそれが現実なものになるということですから、今ここで私がどうこう言う段階ではないというか、そういうことを言う必要もないというふうに考えます。

経済自体の進展というか、そういうものが当然我々としては、1.7%成長ということを目指していくわけですから、その成長が期待がされるわけだし、そういうようなこと、それからまた金融機関がいろいろとそういう事態を避けるためにこれから努力をしていく、そういう時間的な余裕も私はあると思ってますので、現段階で私がここでそういうことについて何か申し上げなければならない状況だというふうには考えておりません。

問)

株価対策で金庫株の解禁についてインサイダー取引規制の関係があると思うのですが、それに関する金融庁としてのお考えは如何ですか。

答)

これは今事務的に研究してくれているのですが、今の我々が受けている印象ですと、インサイダー取引の明確化というか、セーフハーバーというか、そういうことで言うと、現状でもかなり日本の制度というのは踏み込んで明確にしているということが一般的な印象ですね。しかしなお、そこに何か工夫があるのかというようなこと、これは須らく実務的なことでありますので、その辺りの実務的ないろいろなケースを周到に細かいところまで調べて、そうしてそれを一般的な規範に持っていけるかということですが、私はそれは目一杯やったらどうかというように思っています。

問)

昨日、森長官の記者会見の発言で産業再生の安定と、ある程度、状況によっては3省庁が話しながら企業の財務内容といいますか、支援といいますか、逆に言えば償却を促す、そういったような局面も来るのかなあと想像できるような感じがあったのですが、時間的な問題もあるので、その辺について大臣はどのように感じますか。

答)

これは、何と言うか、金融機関の側、確かに言い出しっぺは私のような形になっているのですが、それぞれが言い出したかったことぐらいの感じなんですよ。現に昨日の経団連会長の発言なんかを見てもですね、経済界だってそういうことを考えているという状況なんですね。ですから、これだけ、何と言うか、関係方面の意欲というか、気持ちが揃っていると、揃ってきたというのはやはり何と言うか、非常に良い条件だというふうに思ってまして、是非このタイミングを失わないように進めたいなというふうに考えてます。

(以上)

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