柳澤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成13年2月9日(金)8時45分~8時50分)

【閣議案件等】

おはようございます。今日はNHKの決算報告がありました。それから公益法人の監督について通則が決まりまして、各省庁官房長から通達するということですが、非常に厳格になりましたね、私の感想でも。指導監督官を置く、立入検査は3年に1回、研修を行う、それから一定規模以上は外部監査を行うと、大体1,200件で国所管の公益法人のうち18%に当たると、こういうことですから、かなりしっかりした体制ができたと、こういうことでしょう。以上です。

【質疑応答】

問)

昨日、株価が大幅に下落いたしまして、銀行の有価証券の含み益という意味では大手銀行でもかなり辛い水準だと思うのですが、この状況をどうご覧になっているかということと、それから銀行がこの時期にこういう水準なので、不良債権の処理の決定とかが迷っていまして、大臣の仰っている構造改革というものが遅れてしまうのではないかという懸念が出ていますが、このことをどうお考えでしょうか。

答)

私の申している構造改革も、正直言ってまず第一ステージとしてはやはり9月末を睨んでいるというようなことで、今すぐこれがどうこう影響があるというふうには思いませんが、それにしてもこの株価水準が決してそういう銀行のこれからのいろいろな、我々もこれは銀行も同様に考えているわけですけれども、収益改善のために不稼動資産というか、そういうものを圧縮していくというような努力にとって、かなり負担になるということは、これはもう算術的な意味では皆に明らかだと思っております。

問)

株価対策の方でも重要視されていると思うのですが、いわゆる金融政策上の量的な緩和について、折しも今日、日銀の方で金融政策決定会合が開かれますが、大臣ご自身は量的な緩和ということについてどのようなお考えをお持ちでしょうか。

答)

これは、私は以前から申しているように、この仕事に就く直前にマクロ経済政策の勉強をかなり集中的に行ったわけですが、そこから出てきた話は、景気対策に対しては、やはり財政政策よりも金融政策が有効だし、主たる役割を演じてもらわなければいけないと、これはもう新しい経済体制、ブレトンウッズが崩れ、金利が大幅に自由化されているこういう経済環境の下では、もう常識化しているというのが、我々が受け止めた今の世界の実態だったということでして、やはり大いに頑張ってもらわないといけないんじゃないかというように思いますね。

問)

金融政策についてなのですが、金利面よりも量的な対策の方が有効だというふうに思われているのでしょうか。

答)

いや、そういうこと…要するに、マクロ金融政策ですね、マクロ金融政策という意味で金利と、もちろんこの量的緩和というのは、これは必然的に両方同じですよね、どっちをターゲットにするかということだけだと私は認識していますけれどもね。いずれにしても、なかなかその余地も少ないかなあということで、日本銀行にはある意味で同情していますけれど、ここ一番また頑張ってもらいたいというのが私の気持ちです。

(以上)

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