柳澤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成13年2月13日(火)8時57分~9時06分)

【閣議案件等】

閣議は、地財計画の報告がありました。規模は89.3兆円、対前年0.4%増ということでした。それからその後、ハワイ・オアフ島沖の宇和島水産高校と米潜水艦の衝突事故について関係の大臣からのご発言がありました。それからインドの地震救援に行った自衛隊が帰還した話がありました。以上でございました。

【質疑応答】

問)

日銀が決定した公定歩合の引き下げなのですけれども、これとセットとして行われるロンバート型の貸出の金融機関の経営への影響を含めて大臣のご見解をお願いします。

答)

年度末を控えて、金融機関の資金繰りというのも重要なことだということでございますから、こういう形でですね、その疎通が確保されるということは、金融機関にとっても、いいことだというように評価できると思っております。

問)

逆に金融機関のモラルハザードを招くのではないかという見方もありますけれども、安易な貸出しというのは、モラルハザードを招くということについては如何でしょうか。

答)

どういう意味かちょっとよく分からないのですけれども、これはやはり担保を提供しますのでモラルハザードといってもですね、一つの金融機関と中央銀行の取引ということで、基本的にオーバーナイトであるし、ちょっと言わんとすることが必ずしも当たっていないんじゃないかという気がします。

問)

今回のですね、公定歩合引き下げ等々の政策は広い意味で、金融機関の経営の安定に期するという意味では、株価対策という観点では、大臣は有効な施策だとお考えでしょうか。

答)

金融機関の株価という意味ですか、株価全体ですか。

問)

株価全体にも影響があるという意味で。

答)

まあ悪い影響があるということでは毛頭ないわけですけれども、これも因果関係が良く分からないのですよね、ゼロ金利の時に株が上がったということもあるという、結果においてはそうなっているのだけれども、それが本当にゼロ金利の下であったから株が上がったのかということは良く分からないということだろうと思うのですよね。それとの対比でご質問があったのでしょうけれども、何と言うか、金利も要するに無担保のオーバーナイトの金利よりは、まあ皆様ご承知の通りの0.1%ですか、0.25%に対する0.35%ですからね、そういうことなので、そういうこととの関連で考えればいいんじゃないかというふうに思っているんですけれども。

問)

流動性については、確保されたということですか。

答)

もう確実に、金融機関の資金繰りに対しては、言わば頼り甲斐のあるチャンネルが開かれて、その疎通が図られた確保できたと、こういうことでいいと思いますね。

問)

年度末にかけて、0.35%を短期金利が超えるような状態というのは、十分想定していかなければいけないのでしょうか。

答)

それは私の立場からすると、もちろん資金繰りについて全く視野に無かったわけではないのですけれども、私の従前からのお話で皆様にご理解頂いていることですけれども、やはり一番は、損益なのですよね、私の関心事はですね。よく言われた自己資本比率というバランスシートの問題というのは、そんな大きな関心事というか心配している話ではないという、そういう順番の話だったと、こういうことです。

問)

先週自民党が株価対策の中間報告をまとめましたけれども、あの内容について大臣は、どのようにご評価されていらっしゃいますか。

答)

非常に精力的に検討してくださったという話を聞いておりまして、その点については敬意を持って受け止めたわけです。加えまして今お話にありますように、内容的にもですね非常に広い範囲の問題を採り上げて、議論していただいたという感じが強いわけで、その意味でも大変評価をさせていただいているわけですね。ただ、これをこれからどうやって具体化していくかということだと思うのですけれども、我々の方も党のご検討には、もちろん協力をしていくという立場ですね。

問)

市場のインフラ整備という意味では、いろんな前進が見られたかと思うのですけれども、期末に向けた短期的な株価への影響という点では、どのように評価されてらっしゃるのでしょうか。

答)

期末に具体的な何か効果が上がるということでは、必ずしもないと思うのですけれども、期末であれ、今日からの話であれ、やはり将来に本当に資本市場の育成のために動きがあるのだなという、そういう将来展望が出ているということでは、やはりそれなりに、皆受け止めてくれるんじゃないかというふうに思っております。

(以上)

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