柳澤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成13年2月23日(金)8時51分~9時04分)

【閣議案件等】

閣議がございました。NHKの予算が提出されるということで総務大臣のコメントについてもご報告がありました。

閣僚懇に移りまして、村上議員の参議院議員の辞職願いの提出に関連しまして、予算及び関連法案の成立に向けて、この難局を乗り越えて、閣内一致して努力をしましょうという話がございました。以上でございます。

【質疑応答】

問)

今、閣僚懇でも話題になっていることですけれども、村上議員の辞職願いの話ですが、村上議員は森政権の成立にかなり深く関わられたと言われている人なのですけれども、その村上議員の辞職願いについて、政権への影響を大臣はどうお考えでしょうか。

答)

もともと参議院の幹事長、議員会長というような要職にあって、参議院自民党を指導されてきた、そういう立場の方でございますから、やはりその方が議員の辞職をされるということは大きな影響があろうというふうに考えます。そういう方ですから、当然いろんなことを党の枢機に関わるようなことをなさっているというのは当然なのですが、森内閣、とりわけ森総理のことについては確かにそういう経過で党内の取りまとめが行われましたが、その後議会で首班指名が行われてます。それからまた、総選挙も行われて第二次政権を組織されたというようなこと、全体で考えれば、そのことについてはウエイトはずっと下がってきているのではないか、そういうふうに思います。

問)

株価なんですけれども、また昨日も下がりまして、今の株価の状況について、アメリカの株価のナスダックの影響もありますし、日本の政治の状況もあると思いますし、また今の日本の政治状況に対する不安というか、不透明感を反映しているという声もあるのですけれども、大臣としては、現在の株式市場の動きをどのように読んでいらっしゃいますでしょうか。

答)

そうですね、今、仰られたようないろんな要素がたまたま同じような方向を向いているということから、こうした事態が生まれてきているのではないかというように思います。ただ、株式市況を見る時にはそうやっていろんな考えられる要因を挙げるのでしょうけれども、それはそれで間違ってはいないのでしょうけれども、しかし基本的には日本経済の力強さ不足ということでいろんなそういうものが影響しやすい市場になっているということではないかなというように思ってまして、我々としては日本経済そのものの強さというものを復活させるために努力をしていかなければいけないと、こういう感じです。

問)

今、仰った日本経済そのものの強さを復活させるということに大臣が仰っている不良債権の処理の問題もあると思うのですが、それに関連して、昨日、日銀の政策委員会の田谷審議委員ですか、「不良債権の処理を進めればデフレ要因になるので、それに対応する日銀の金融政策というものを考えていかなければいけない」という趣旨のご発言をされておりますけれども、大臣はその不良債権の処理を進めた場合のデフレというか、そういったデフレへの影響、それからそういったことに配慮して日銀サイドから、そういう金融政策についての声が出はじめたことについてどう思われていますか。

答)

私自身としてはまだ、3月末までに一つのスキームを作ろうということの、非常にまだスキームといえるかどうかはともかくとして、そうしたものを作ろうという、今、出発点ですからですね、そのことでどのくらいどういう影響が出てくるかということもまだ十分、まあ方向としてはそう楽なことはないと思うのですけれども、そんなにまあどのくらいの影響が出るかということまではまだ推測をする段階に、正直言ってなっていないわけですね。

そういうことですけれども、我々が、日本銀行がそういうふうに今、考えてくれるということであれば、私どものやれる範囲というのもそれだけ広がるというか、そういうことにはなろうかと、そういう意味ではありがたいというか、そういうふうに思います。

問)

今朝、S&Pが、日本の国債を格下げしたというニュースがあったようなのですけれども、それについての感想と、金融機関や保険会社への影響があるのかもしれないのですが、その辺りはどう見ていらっしゃいますか。

答)

まあ何と言うか、一定の彼らなりに持っているフォーミュラに当てはめると、そういうようなことが出てくるということもあり得ることは、そこまでは否定はしませんけれども、日本の経済の底力、それから何と言うか、今かなり大量の国債を発行していることは確かなのですが、そういうものが別に異常に消化に難儀をしているとかということは全くないわけでありまして、ちょっと敢えての言葉を使えば、要らぬお節介だなと、こういう感じですね。

十分これは消化をされているわけですから、円滑にですね、そういう感じがします。ただ、彼らには彼らのフォーミュラの立場もあるんだろうということまでは否定しません。

問)

大臣がこれから進めようとする不良債権を処理するスキームなんですけれども、最近のいろいろな政治情勢とか、選挙も控えているということで、昨日も辞職がありましたし、問題もあるし、こういうことを本当に最終的にするにはかなり高度な政治的な判断が必要だと思うのですけれども、こういう状況でこれから半年先でもやはり難しいという感じはしないんですか。

答)

これは最終の貸出先にとっては、昨日も国会答弁でお話したように、そうも皆ニコニコ大歓迎という話ばかりではないということは、これはこの問題を取り上げる時から十分覚悟をしていたことですね。

しかし、我々が考えていることは別にそうやって貸出先を苦しめるということが目的なのではなくて、やはりそういう人たちを含めて、もう1回日本の経済を活性化するということにあるわけでして、そういうことは必ず国民からもプラスの評価を、積極的な評価を頂けるのではないかというふうに考えております。何と言うか、ネガティブな面だけで受け止められるというふうには考えていません。

問)

例えば、国民から支持が得られていて、やはりいろいろ政治的な面ではバックアップするというか、そういうのは得られる感触かなと、何か昨日森首相と1時間ぐらい話されたようですけれども、それもやはり今の内容なんでしょうか。

答)

不良債権の処理問題というのは、これは前回話をして、昨日は続編だったんですね。続編と言うか、あらかじめ予定した項目が前回だけでは済まなかったので、昨日その続きをやらせて頂いたということでして、不良債権問題というのは前回済ませていると、こういう状況で、昨日はそういう話はございませんでした。

問)

昨日は具体的にどういう話だったのですか。

答)

昨日は健全化法の問題、再生法の問題、それぞれ期限が到来するというようなことで、例えばペイオフはどういうふうに我々が考えているか、あるいは資本注入の法律の期限到来をどういう考え方で迎えているか等を、そういう言わばベーシックなポイントというか、そういったものについて現況をご報告しておきました。

問)

資本注入の法律の延長をすべきだとか、そういう話とかは出たんですか。

答)

いや、そういう必要はないと考えていますと、こういうことですね。現在の法律を延長するという必要はないと。皆さんにお話をしている通りです。

(以上)

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