柳澤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成13年3月9日(金)9時17分~9時32分)

【閣議案件等】

おはようございます。本日の閣議ですが、私が破綻金融機関の処理等に関する国会報告につきまして、閣議決定をお願いする旨の発言を致しました。閣僚懇を通じて報告すべきことはそのぐらいでございます。

【質疑応答】

問)

はじめに政局なんですけれども、緊迫しておりまして、極めて近い時期に森総理が退陣を何らかの形で方向性を示すのではないのかという報道もありますが、その点について、閣僚としてどのようにお考えでしょうか。

答)

私どもはまだ何も内閣の一員として知る立場にもないし、知らされていないのですね。ですから、斉々と与えられた仕事に全力を挙げて努力しているということです。

問)

与党3党で取りまとめ作業をしている緊急経済対策なのですが、昨夜までの調整で、民間の株式買取機構を設立するなどといったような内容がかなり浮上してきているのですが、これについて今日報告が総理にありますけれども、実現可能性も含めてどのようにお考えでしょうか。

答)

まだ、内容を全く私は知らないので、コメントを差し控えた方が良いのではないかと思います。ただ、民間設立ということであれば、民間がおやりになるだろうし、それぞれに民間が経営判断でなさることだと思います。まあお聞きをして、今そんな感じになっているということです。

問)

資本注入なのですが、昨日、新たに近畿大阪銀行と東日本銀行に資本注入が内定し、更にその前に関西さわやか銀行がありましたけれども、この3月末で銀行からの資本注入(の申請)が期限切れとなりますが、蓋を開けて見ますと、現段階では、破綻処理関連の銀行のみの資本注入となっているわけなんですが、その点について、地銀、第二地銀の危機感がないのではないかという見方もあるのですが、この辺はどうなんでしょうか。

答)

我々の立場は国会でもそのことを聞かれて、私が答弁させて頂いていますが、これは制度ができる時からそうなのですが、強制注入の議論もあった中で申請主義が採られたわけですよね。ですから、どこまでもこれは申請主義なので、3月の末まで我々は窓口を開けているわけなので、それぞれに金融機関が、あまり直前までにということもないのでしょうけれども、経営の見通し等、あるいは資本の状況等の見通しの上に立って、それぞれ判断をされるということもあろうかと思いますが、我々としては常に窓口を開けておりますと、こういうことであります。

問)

資本注入とも関連するのですが、九州の福岡シティ銀行、九州銀行、長崎銀行の3行の統合が、資本注入も絡めた形で統合が浮上してきていましたが、ここに来てややその統合が難しくなってきたのではないかという報道がありますが、それについては大臣どのようにお考えでしょうか。

答)

そういう報道もあるし、いやそうではないという、その当事者が否定したという報道もあったので、これは私はそういう報道に接したということに止まりますね。

問)

金融庁が主導的な役割だったというような見方もありますが。

答)

主導的ということはないのでしょうね。それぞれ最終的には経営のご判断なんですね。それは資本注入のことについて、いろいろ手続き等のご相談に来られるというような時に、いろんな感想を言うことはひょっとしてあるかもしれないと、まあその程度のお話ではないでしょうか。

問)

九州の3行の件は、もちろん大臣とか、長官とかお会いになっているということもないわけですね。

答)

ありません。

問)

全くないということですね。

答)

そうです。

問)

直接償却なんですけれども、政局に絡んで少し進め具合、進め方をちょっと遅らせているというか、様子見の状況があるんじゃないかという見方もあるんですけれども、そこら辺は如何ですか。

答)

そんなコメントをする報道機関もあったやに側聞してますけれども、初めからこれは我々としては3月末に向けた話ではないということでしたね。従ってむしろ3月末までにそういうフレームワークというか、スキームみたいなものが概成できれば、それを目指したいと、こういうことをかねて皆さんには申し上げておりましたので、そのスケジュールで斉々と進んでいるということです。

問)

先の経済財政諮問会議で奥田さんの方から、なかなか反対と言いますか、特に雇用問題を重視して、難しいといったような話があったように思うんですけれども、そこはどういうような感じなんでしょうか。

答)

春闘を控えて、いろいろタクティックスも日経連会長としてあるものだから、そういう立場での発言だと私は受け止めてますけれども、必要なことは皆分かっているわけだけど、あちら様では雇用の確保ということが大きなテーマでしょうから、だから、そういう発言があったというふうに、立場からの発言だというふうに受け止めています。

問)

問題になっているゼネコンが増資をしたり、問題になっているクレジット会社の救済する方向に動いたりですね、大臣の思惑とは反対に、流れがどちらと言えば問題先送りという方向に進んでいるような感じもしないのでもないのですが、その世の中の動きについてはどのように考えていらっしゃいますか。

答)

そういうところもあるかもしれませんね。ですけれども、私はそんなにたくさん例を知っているわけではないのですけれども、逆に借入先の方でよく言ってくれたと、自分たちもやはり過剰債務というか、そういうものを何とか清算して、元気のいい企業になりたいというようなことも考えているので、いい具合に作ってくれないかとか、そういう話も片方で聞いていますから、中には今ご指摘のような動きもあるけれども、やはり我々の政策というものが大いに期待されているというか、そういう面もあると思います。

それから世論的にはどちらかというと期待する向きの方が断然多いということでございます。

問)

その期待なんですけれども、期待の方が高まり過ぎているということもあるかと思うのですけれども、それこそ世論が期待し過ぎると、実際それが形になった時に、落胆と言いますか、失望も大きいようなことも考えられないこともないように思うのですけれども。

答)

全くその点はそうですね。私は前に、ローキーでローギアでということを申し上げましたね。あまり声高にいろいろ挙げつらうことばかりをやるのではなくて、事柄の実質を本当に解決をして、本当に経済、あるいは金融機関の経営にいい影響が出るということが狙いで、本来、政治的問題ではないように、私としては考えたのですが、意外な反響が出てしまって、ちょっとそれはそれで応援団ならばありがたいことだという受け止め方をしてますが、私の本来の狙い目というか、そういうものとはやや違ったことに、展開になっているということは否定しないです。

問)

現在、再建のために民事再生法を弾力的に活用できるような見直しといった動きもあると思うのですけれども、法律改正事項ということで出てくると思うのですが、その際に、この通常国会でできないと、あるとしたら臨時国会で大臣が考えていらっしゃるタイミングでの処理に間に合うのかという点がありますが、こういった意味でその民事再生法絡みがあるとして、法律改正の内容というのはどのようにお考えでしょうか。

答)

今、何とも言えないんですね、その中身を詰めているところですから。何とも言えないのですが、我々としては法律を直すのか、法律は法律で、何と言うか、片方に準任意的というか、私的なそういう処理というのがある。今言った法律のまあ中間ですね。そういうところというのは法律改正をしてやるのか、一種の、何と言うか、私的、任意的なもののバリエーションとしてやれるのか、その辺を見極めと言うのは、まだ率直に言って全くついてないんですよ。だから、今のご質問にもちょっと答えがたいですね。

税の関係なんかでもそうなのですが、前にもちょっと申したと思うのですが、税制と税の執行に関わりがあるのは、両面あるのか、執行の方だけで良いのか、その辺り、まだ見極めがついていません。

問)

本日、閣議決定された国会報告の件なのですが、一応国民に返ってこない金額が確定したということで、改めてこの金額に対する感想と、この処理方法自体についての今の大臣の感想をお聞かせ下さい。

答)

前もちょっと言ったかもしれませんけれども、再生法はお金がかかるということですね。ある種、清算をしてしまうということの反映ですけれども、非常にお金がかかるということで、こういうことを繰り返してはいけないという気持ちが非常に強いですね。

(以上)

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