柳澤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成13年3月30日(金)9時34分~9時49分)

【閣議案件等】

本日は、閣議の前に規制改革の関係の本部会合があったことは、ご承知のとおりでございます。規制改革推進3か年計画が本部として決定されました。

その後、閣議が開かれて直ちに規制改革推進3か年計画が閣議におきましても決定を見たわけでございます。4月1日から総合規制改革本部というのが内閣に置かれ、これは前にもお話しましたが、本部長に橋本行革担当大臣が就任されるということでございました。

三宅島の中小企業対策について、経済産業省それから総務省からそれぞれ中小企業の利子補給の関係の施策が実施されるという話がありました。科学技術基本計画が正式に閣議決定されました。2002年にオランダでちょっと難しい名前のところですが、国際園芸博が開かれて日本も参加するという話でございました。2月の失業率は4.7%、対前月比▲0.2ポイントということで改善を見ました。そういうことですが、消費者物価等はあまり良くない、有効求人倍率もちょっと良くないというようなことでございました。

高村大臣が海外出張されるので、臨時代理に片山総務大臣が指名をされました。以上が閣議でございます。

閣僚懇に移りまして、C型肝炎等の問題に関して、血液について実はまだ法律がなくて、日赤の自主的な活動等で賄っているのですが、これについてやはり法律を見直す、規定する必要があるのではないかという意味で発言がありました。

COP3の関係でアメリカの大統領があのようなことを仰った、なかなか大統領発言ということになると難しいかも知れませんが、これで温暖化の問題が非常に遅れるということでありますので、皆で閣僚が協力してアメリカサイドに働きかけていきたいという話がございました。以上でございます。

【質疑応答】

問)

政府・与党の緊急経済対策に盛り込まれる予定の不良債権処理策なのですが、現在の進捗状況はどのようになっているのでしょうか。

答)

進捗状況は、金融庁内部での仕事は順調に進んでいるというように思っています。今日の晩方、私のところにも上がってきますので、まあ若干の手直しがあろうかと思うのですけれども、基本的なところは今日中に金融庁としての案というか考え方というのがまとまるのではないかと、細部は別としてですね、そういうふうに思ってます。その後、来月になって党とか、あるいは政府のこの関係の本部で、いろいろご検討をいただくということになろうかと、このように思っています。

問)

その柱となるような部分はありますか。

答)

柱は、たくさん柱があるということですけれども、前から申し上げているとおり、大体どういう考え方で進めていくかということ、それからそれぞれ企業の再生ということとの関係でどういうことが必要かということ、それから債権者の立場からどういうことが必要かというような、昔、私が使っていた言葉で言えば、トリガーと再生計画と損失の負担というようなことが柱になろうかと思います。

問)

今日で3月も事実上終わるのですが、「3月危機」というものが叫ばれていたわけですが、今日は終わっていませんが、大臣としてどのようにお考えですか。

答)

予て申しておりますように、昨年の年末近くというか、秋深くから株価がかなり低下しまして、それとの関連で、まず3月危機というものが言われたかと思います。もう一つは、私が提起した不良債権の処理ということが、このオフバランス化ということが進むと、かなり大幅なものになるのでというようなことの絡みも若干あったかと思います。いずれにしましても、私は、日本の金融機関、あるいは少なくとも金融システムの危機にはならないということを言ってきたわけですが、まあその理解は進んだのではないかと、こういうように考えてます。

正念場は、実は13年度以降ということでありまして、私どもそういう意味もあって、不良債権の処理というようなこと、それからまた株式市場を活性化するというようなこと、それらは全てそういう中長期的な問題というふうに位置付けて取り組んでいるわけですが、それをしっかりやっていくことが大事だと、このように思っております。

問)

この3月末でですね、同じくペイオフ解禁まであと1年ということになったわけなのですが、それに対する1年を前に控えての達成状況はどうでしょうか。つまり金融機関の安定化ということについてですが。

答)

これはですね、なお金融機関におかれては一生懸命これに取り組まなければいけないと、このように思います。我々の方としては、そういう金融機関の健全性への努力と相まってですね、預金者の皆さんをはじめとする関係の人達に対するピーアールというものも、徐々に本格化させていかなければいけないと。そして皆で市場原理、それから自己責任というようなことに乗っかったですね、そういうものに沿った経済社会というものに的確に対処するような、力を付けていくということが大事だと、このように思っております。

問)

それとも関係するのですが、銀行に対する公的資金の資本注入がこの3月末で終わることになりますが、もちろんまだ終わってはいませんが、ほぼ終わると言いますか終わってみて率直にどうだったでしょうか。

答)

これは、元々金融システムの動揺というものを克服するための本当に臨時異例措置としてですね、政府それから国会の協力の下でこういう措置が創られたわけでありますけれども、それがそれぞれ実施をされて金融システムの安定化というようなことの成果というか、そういうものはまずまず勝ち得られたのではないかと、このように思います。ただ、そういう守りの方はそういうことなのですが、もっと本当に信頼されるということになると、もっと活力のある収益力の強い金融機関を作っていくということが大事だというように思います。守りばっかりで専守防衛では、やはりなかなか本当の意味の信頼というのは勝ち得られないと思います。防衛は専守防衛ですけれども、ビジネスの世界で防衛ばかりしてというのではこれはキリがないということで、もっと打って出て、本当に収益力が強いビジネスを、なかなか侮り難くやっているなと世界で見られるような状況が出て来ないと、本当の意味の信頼というのが出て来ないと、こういうように思っております。

問)

同じくこの3月末までにと進められてきた信用組合に対する一斉検査が立入りが終わったと思いますが、当初予想されていたよりも現段階では破綻するところが少ないというイメージもあるのですが、それは何というか実情に応じたと仰るのか、それとも弾力的というのか分かりませんが、検査が緩かったということではないのですか。その辺はどうでしょうか、検査を終えて。

答)

まだ、立入検査が終わったばかりの段階で、この一斉検査の結果について総括的な評価をするのは時期尚早だと思います。皆さんご承知のとおり検査が終わってですね、まとめをして、そしてそのまとめに基づいて相手方にいろいろとまた考え方を聞くとかというようなところが済んでいないのではないかと思いますね。そういうような意味で全体の総括をするには時期尚早だと、このように思ってます。

検査については、もちろん前から言っているように画一的、機械的なことではなくて良く相手の言い分も聞くということは、これは気をつけてやっておりますけれども、だからと言って基準を歪めてしまうというようなことはないわけですね。基準に当てはまっているかどうかということを、とことん聞いた上で了解ができるものは了解をしていくと、そういう検査だったと、こういうふうに理解をしています。

問)

不良債権の処理策についての金融庁としての案が今日まとまるということですが、3省庁の議論というのはどのような形になるのでしょうか。

答)

その中に3省庁の議論も埋め込まれるというか、ビルトインされているということかと思います。ですからその限りでは、いい調整を踏まえてのものになろうかと思うのですが、若干その辺りの考え方をもうちょっと具体化するというような時に、各省庁がそれに完全に歩調を合わせて出来たのかどうか、その辺りはまだちょっと私、確たる情報を持っていません。というのは、いろいろな考え方が、大臣はじめ事務当局にもひょっとするとあるかも知れないので、その辺りのことまで今私この場でかくかくしかじかになってますというだけの、まだ情報を受けておりませんから。どういうふうになるか、まあ大体、考え方の概成には十分協力していただいておると、こういうように言わせて頂いていいと思います。

問)

今、日経平均株価が250円余り上がってきてますけれども、市場原理で動いている状態だと思いますが、年度末終値に向けてですね一言お願いします。

答)

それは、私は別にマーケットのことについてですね、何か私が希望したって、それはマーケットは別でしょう。希望しなくてもやるべきことはやってくれるだろしということで、何時でもそうですけれども、静かにマーケットの動きを見ていると、それから我々としては、マーケットの送ってくるシグナルというのを出来るだけ的確に見究めるように努めているということです。

(以上)

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