柳澤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成13年5月1日(火)14時33分~14時43分)

【閣議案件等】

本日の閣議でございますけれども、塩川財務大臣の方から、今度のワシントンのご出張の報告がございました。これはかねての、既に塩川大臣ご自身から諸々発表されていることと同じであろうと、このように思います。

それから6日(日)に臨時閣議が午後0時30分から官邸であるというお話がありました。

3つ目は総理の方から竹中経済財政担当大臣が5月3日~5日まで米国にお出でになるということで、期間中、村井大臣を臨時代理にご指名になりました。

そこで閣議が終わりまして、閣僚懇になりまして、財務大臣のワシントンご出張の中で、IMF・世銀の総会の話がありましたことに関連しまして、ご質疑がありまして、それに対して財務大臣の応答が行われました。また、米国経済について、どういう見方が当局者から発言があったかというご質問がありまして、これについても応答がございました。以上でございます。

【質疑応答】

問)

今仰られたG7の関係なのですが、共同声明の中に構造改革の実施が不可欠だという中身が盛り込まれたのですけれども、G7の内容あるいは議論について大臣はどのように受け止められていますでしょうか。

答)

そうですね、これは私どもの今度の小泉内閣として、まさにやろうとしていることについて、ちょっと早かったかもしれませんが、適切な時期にこれを国際社会に向けて発信をすると、こういう機会が今回のG7等であったというふうに私は感じておりまして、その構造改革の推進ということが国際社会でも理解されかつ共感されたということで、これを受けて我々は、この路線をしっかりと実施に移していくということが責務だというふうに思っている次第です。

問)

それに関連する中身になるかとも思うのですが、その構造改革の点で、各社マスコミの世論調査の結果が大分出てきまして、概ね7割以上の支持が小泉内閣に寄せられていると。これは構造改革をこれから進める上での追い風になるかとは思うのですけれども、高い小泉内閣の支持率について大臣のお考えをお聞かせ下さい。

答)

何と言うか、やや国民がフラストレーテッドな状態であったというふうに思います。経済も低迷をしているし、政治指導の状況も不祥事と言うか言わないかはともかくとして、むしろそういう消極的な要因が作用してですね、前向きの指導力というものが十分発揮されていないというような、そういう感じを国民が強く持っておられたのだと思います。そこに小泉総理という構造改革で経済の低迷を打破しようというメッセージが非常に強い方、しかも身辺の清潔さというか、そういったことについては、これは非常に際立った方だというようなものがエピソード等から伺われる、そういう方が最高指導者になられたということで、嫌が上にも期待が高まっているということを反映した結果だというように思います。

従って、私どもはこの期待というものを十分に受け止めて、これから期待に対応した実行ということで、この期待に応えていかないといけないというように思っております。

問)

日銀の速水総裁が辞意を表明されたという報道がありましたが、大臣は何か事前に経緯とかをお聞きになったりしていますか。また、これについて、どういった受け止め方をされていますか。

答)

私も、ちょっとどなたかに聞かれたわけですが、全く聞いておりません。聞いていなかったことでございます。従って、受け止め方も何も全く存在しなかったということでございます。

問)

日米財務大臣会談で、確かグリーンスパンさんが不良債権処理に絡んで、RTCの処理を手本にして欲しいといったようなことを言われたかと思うのですが、この真意というのがどういった点なのか、日本にもRCCがありますが、大臣はどういうふうに受け止めていらっしゃるかお聞かせ下さい。

答)

これは、予て私もグリーンスパンさんに会った時にですね、グリーンスパンさんが自らというか米国の経験ということでお話されたことと軌を一にしていることであろうと、こういうように思っております。

そのポイントは要するにS&Lの不良債権問題を処理するに当たって、RTCを受け皿にしてオフバランス化を進めたということですね。それと予て特にS&Lの不良債権というのは、土地担保融資、やや日本とその点は似ているのですが、土地担保融資が主だったものですから、要するに担保不動産の、あるいは不動産担保融資とちょっと言い換えましょう。不動産の売買市場というか売買の環境整備というか、そういうものを随分やってですね、皆さんご承知のとおり注ぎ込んだお金より余計に回収が出来たというようなことで、それが非常に巧くいったというご経験を話されて、これはそういうご自分の経験を言われると同時に、特に私がお会いした時には、オフバランス化というのが巧くいくのだと、その方が不良債権処理というのは巧くいくのだというご経験を、かなりこと細かに説明なさっておりました。だからそれと同じことを塩川大臣にも仰ったのだろうと、このように思っております。

私どももRCCを使うということ、これは各金融機関共にオフバランス化の中で、いよいよ困ればというか自分達の処理が滞るというか巧くいかないというようなことの中で、そういう選択肢は十分これから意識されるだろうと思っておりますので、そういう意味では別にそのアドバイスがあるからというのではないのですが、結果においては、そのアドバイスと対応するような格好になるだろうと、このように見ております。

(以上)

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