柳澤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成13年5月15日(火)8時46分~8時54分)

【閣議案件等】

おはようございます。本日の閣議ですけれども、一つはタウン・ミーティングが行われるので官房長官の下でいろいろ調整して実施されるので協力をというお話がありました。商工組合中央金庫理事長の交替の報告がありました。これは承認案件かと思います。それから平沼大臣と竹中大臣が海外出張されますので、平沼大臣の臨時代理に私(柳澤大臣)、竹中大臣の臨時代理に村井大臣が指名になりました。

閣僚懇に移りまして、防災担当大臣から有珠山の視察の状況の報告がありました。沖縄担当大臣から、本日は沖縄復帰後29年の当日であるという話がありました。

それから三番目に、森前総理と小泉総理との会見について報告を求めるような話がありました。また、各役所の人事の問題についての大臣の関わり方のお話が若干ございました。以上です。

【質疑応答】

問)

先日の国会の中で、大臣が不良債権の最終処理について法的整理が基本だというようなご答弁をされたようで、昨日の金融庁長官の会見でも、やや真意がちょっと伝わっていないような報道が散見されるがということで、改めてどういう真意でしょうか。

答)

あれはですね、結局モラルハザードの問題との関わりで、何か徳政令が広く出るのではないかと、こういうような受け止められ方をしているので、これはかねてのことなのですが、最終処理には方法は三つあって、一つは法的な整理、私的な整理、それから売却と、こういうようにあって、それぞれがそれぞれ然るべくその解決の方法に向いたものが適用されるということなので、まあ話としては私は確かに、頭に構造改革業種の例の3業種等がありましたので、従って説明としては私的整理のことをお話をしたことが多かったわけですが、もちろん公式の文書には全部法的整理、あるいは売却というような方法もバランスよく載せてあるわけで、その辺りについて何と言うか、若干誤解があるとすればそれを早いうちに正しておかないといけないと、こう思ってお話したということでございます。

問)

今のことにちょっと関係してくるのですが、去年のそごうの処理の際には、確か債権放棄と法的整理の関係については、費用最小化の原則というもので再生委員会も確かコストについて検討したかと思いますが、その結果、債権放棄の方が費用が少ないという意味で適しているという判断もあったかと思いますが、これと今の大臣のお考えというのは、これは話が違うということなのでしょうか。

答)

いやいや、そうではなくてですね、ああいう私的な整理というのは、ちょっと失敗をすると必ず法的整理に移っていくわけですね。ですから、私的整理をやるんだったら、やはりやり切るだけのスキームがあらかじめちゃんとなっていないと無理かなという感じがして、この点について今、我々がそういうことをもっとやるべき業種だったらやり切れるような、そういうスキームを作ろうとしていると、こういうことですね。

問)

「痛みがなければ」というのは小泉内閣の考え方だと思うのですが、国民負担が絡む場合でもその発想というのは変わらないということでよろしいのでしょうか。

答)

国民負担は、まあ国民と言ってもですね、何と言うか関係者ということになりますけれども、これはもうこういうことをいつまでも銀行だけの引当金で続けていくということはもう限界に達していると、こういう認識で最終処理に伴う痛みについてはできるだけ別途のセーフティネットというか、そういうことは考えなくてはいけないと、これはよく我々も考えておりますが、このこと自体の痛みというのはやはり耐えていただくということにならざるを得ないのですということですね。

問)

その絡みなのですが、債権放棄のガイドラインを策定する際に、債権放棄をかなり厳格化すると使いにくくなるのではないかという指摘がありますが、この辺についてガイドラインの策定の中ではかなり難しい問題になるのではないかなと思われますが如何でしょうか。

答)

厳格化するというか、自ずとそういう向き不向きの話としてあるのではないかと思うんですね。私はこの前ちょっと企業価値というかそういうものを例に挙げましたが、その後いろいろ考えてみると、例えば業界ぐるみで再編した方がいいようなものも入ってくるのかなあと思ったり、実はまだ法的整理と私的整理との、最初に入っていく時の、こちらの方はこちらのドアから、あちらの方はあちらのドアからというところの整理が完璧につくのかどうかもよく分からないのですけれども、これはあの発言の前からなのですが、私はちょっと今、整理を事務当局に求めているんですね。それがまだちょっといろいろ十分でないということもあります。

それからもう一つの次元としてですね、そういう一般論のほかに、私どもがやった公的資金の注入行については、また別の規律、ディスプリンがあるんですよね、こういうことでやりましょうと。これは地域経済に不可欠なというか、地域経済に大きな影響のある企業というようなことでもう一つの概念が出ているんです。その辺りの整理を一度できるのかどうかと、これを今ちょっと検討してもらっていると、こういうことですね。

(以上)

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