柳澤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成13年6月15日(金)10時02分~10時15分)

【閣議案件等】

今朝の閣議は、司法制度改革審議会から答申が出て、これを尊重し、法案化し、3年以内に実施するということが報告をされました。関係の閣僚からでございます。次に防災白書の発表がありますということでございます。それから地方分権推進委員会が5年の活動を終えて、最終報告を出しましたということでございます。それから田中外務大臣が米国出張されますが、その臨時代理に福田官房長官が総理から指名されました。

閣僚懇に移りまして、警護官のあり方というのが先般の閣僚懇で田中外相から少し問題提起があったことについて、村井国家公安委員長の方から報告がありました。それから、役所の幹部職員の人事について防衛庁の方から、言わば出向組のことですね、そのことに関連して話がありました。以上です。

【質疑応答】

問)

閣議の後に大臣をはじめ経済関係閣僚の方々が残っていたということなのですが、どんな話があったのでしょうか。

答)

総理、財務大臣、官房長官、経済財政政策担当大臣、そして私が話をしました。まあ経済の話ですけれども、私の関連するところでは不良債権問題の解決への取り組み、特に銀行の取り組みというものが満足すべき状態でないのではないかということが話の俎上に乗りまして、これからどういうことを考えていくべきかという対策について話が行われたわけです。私からは現状と、いろいろ庁内における検討の状況を中間的に申し上げたのですけれども、まあいずれ総理の訪米を控えて、特に私から、また関係の今言ったような方も、閣僚も入って、これは全体をアメリカに説明する経済政策の一環ですから、そういうことになるわけですが、引き続いて話そうと、話す機会があるだろうと、こういう話でした。

問)

今の「満足すべき状態ではないのではないのか」というのは総理からの発言なのでしょうか。

答)

そうではないですね。ではなくて、これはあまり誰の発言ということは申し上げないことにしましょう。

問)

昨日、月例の発表がありまして、日本の景気が悪化しつつあるという表現がありまして、竹中経済財政政策担当大臣の方からは後退局面に入ったのではないかというような発言もあったのですけれども、大臣ご自身はどのように分析されているのでしょうか。

答)

指標を見ますと、ほとんど全部悪いということ。一、二希望というか、少しまだまだ頑張っているところもありますが、基本的にはほとんど指標が下向きになっているということであります。従って、経済の実体において、そういう下降、下向きになっているということは当然認識をしているわけです。

私の立場から言いますと、特にその中で、年度の成長ですけれども、0.9%、平成12年度成長しましたと、こういうふうに言うのですが、これは実質なんですね、実質。私はかねて言ったかと思うのですけれども、要するにインフレの時には実質でディスカウントをして、実際の経済活動の水準、生活の水準というのを計るためにそういうことをするのは当然だと思うのですが、デフレの時に実質でものを言うというのは、どういう意味があるんだということはかねて問題なのですが、特に私の立場、つまりお金の貸し借りという立場からすると、これはもう名目値こそが大事なので、名目値ということになると3年度間連続でマイナスということは、これは私の仕事の面から考えると大変困難になると、困難が増すと、こういうことを意味するということです。

従って、私としては名目でプラスの成長をするような経済運営を是非お願いしたいということは、かねて担当の閣僚には申し上げている点であります。

問)

先程出ました日米首脳会談の関係なのですが、日本のマスコミのインタビューでリンゼー大統領補佐官が、ブッシュ大統領が不良債権に関心を持っていて、最大のテーマになるのではないかというような発言をどうもしているようなのですけれども、その辺について大臣はどうお考えでしょうか。

答)

発言がそうなっているということはあり得べきことだというふうに思います。まあ思いますが、私はかねて日本の国内でも言っているのですけれども、不良債権の問題が、まあ問題ではないとは言わないのですが、最大の問題、日本経済が抱える最大の問題、そんな馬鹿なことがあるわけがないのではないかと思うのですね。例えば皆さん、デフレの経済をどうやって立て直すか、なんでデフレになったか、それでは不良債権が原因になっているのか、到底そんなことは考えられないですね。ですから、私はそれが重要な問題であるということの認識は全く共有しているわけですけれども、何か今の日本経済の状況を作り出している最大の原因である、あるいはこれさえ取り除けば、日本経済は立ち所に、これは回復、発展をしていくんだという、そういう位置付けというのは、やはりもうちょっと冷静な分析が必要ではないのではないかと、こういうふうに思っています。

問)

「満足すべき状態ではない」ということなのですけれども、これはやはり出席者の総意ということでよろしいのでしょうか。

答)

まあ共通というか、そういうことですね。ですから、私自身も不良債権の処理の仕方というものをもう少し工夫をしようということで、緊急経済対策に載った対策を、まさに言い出したわけでして、そこに表れているように、今の不良債権の処理について、なお対策が必要だということですから、そういう表現でいいのだろうと、こう思っています。それで、そのことはそこにいらっしゃる方、大体共通の認識と言ってよろしいかと思います。

問)

閣議後に残られた方々で日銀の金融政策についてのお話があったのかどうかということと、不良債権の問題よりも、もしデフレの方が重要な問題だとしたら、どのような金融政策が望まれると、大臣はお考えでしょうか。

答)

日銀の金融政策についての話も若干もちろん出ました。前段のご質問に対する答えはそういうことですね。

私自身がどう考えるかということでございますけれども、質問を逃げようとかということではないのですけれども、私自身はミクロの金融行政をやっている立場でございますから、敢えて自分自身が個人的な意見を言うということは差し控えたいと、こう申し上げているところです。

問)

今のところで一つだけ質問したいのですが、金融の方はともかく、財政の方の出動が必要というふうに今受け止めていらっしゃいますか、ここに来て。つまり、補正予算ということですが。

答)

誰がですか。

問)

大臣として。

答)

私ですか。

問)

ええ、そうです。

答)

私はマクロ経済政策についてはものを言わないと。需要追加の話ですね。私が申し上げているのは、そういう経済運営の掌に当たっている、特にマクロ経済政策の運営に当たっている人達に、私の立場からの、「こうあってもらいたい」ということを申し上げているということを申し上げたのです。その具体的なことについてまで、私は誰かに「こうしろ」という立場にはないのだろうと、こういうことを言っているんですね。

(以上)

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