柳澤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成13年6月19日(火)8時47分~9時00分)

【閣議案件等】

本日の閣議は、平成12年度科学技術白書の提出がありました。それから中谷防衛庁長官が海外出張ということで臨時代理に村井国家公安委員長が指名されました。

閣僚懇に移りまして、タウンミーティングについてお一方からご報告がありました。私は報告はしませんでした。

日韓漁業協定に基づいて、操業許可が求められたのですが、他方、北方四島周辺において韓ロ漁業の取り決めが行われたということ。これは、日本の主権のあるところで第三国が勝手な操業についての協定・取り決めをするのは容認できないということで、韓ロ両国に抗議をしているのだけれども、ロシアは主権がないと、韓国は実行支配がないということで、それぞれ日本の主張を認めない旨通告してきたので、韓国の漁業の操業についても留保をするという措置をとる旨の発言がありました。

科学技術立国の理念をこれからも高めるので、21世紀の国家立国の理念にし、また実行にも努力をしていくという旨の発言がありました。以上です。

【質疑応答】

問)

昨日、国際証券に対する行政処分の発表がありましたが、それに対する大臣のご感想をお願いします。あと業務改善命令の中で人事の刷新というくだりがあるのですが、大臣は国際証券に対してどういうことをお望みになるのかということと、昨今、直接金融中心の議論をいろいろされていますが、そうした中でこういった事件が起きたことについて大臣のお考えをお願いします。

答)

これは、今日の各紙が報道している通り、全本支店を通じての全業務についての営業停止というのは異例の処分だと言っていいと思うのですが、この件については、そうせざるを得ないような、あまり質の良くない事案であると、こういう認識の下に、こういう処分になった、いわば断固とした処分をしたと、こういうことでございます。

その中に人事の刷新もあるのですが、これは私の口からかくかくしかじかのということではなくて、これはこういうことに基づいて再発防止ということのためにはどういう人事の刷新がいいかということを考えて、まさに刷新をしてくれることを求めているということですね。

それから、個人株主というか、要するに厚みのある証券市場ということを言っているわけで、それには株・債券等もそうですが発行会社、それから仲立ちをする証券会社、それから投資家というような、それぞれがやはり我々というか国民経済に必要なことを担ってやってもらわなくてはいけないので、こういうことというのは全くそれに逆行する言語道断のことだということですね。一体何を考えているのだと、あれだけ私も言うし、塩川大臣も所管ではないのですけれども、しばしばそういうことについて触れているわけですよね。そういう時にこういうことをやるというのは、もうどこを向いて仕事をしているんだという感じが、憤りの気持ちがいたします。こういうことは断固再び起こることのないようにしてもらいたいということです。

問)

昨日、官房長官の方からも発表がありまして、経済財政諮問会議の骨太の方針を21日にまとめたいということなのですが、草案は示されているのですけれども金融庁絡みと言いますか、そこで大臣として新たに修正するなり加えるところというのはお考えなのでしょうか。

答)

それはですね、もともとが言わば各省ともに、いろいろまだ21日という目処であればその目処に向けてこれを修正してもらいたい、まあ修正の中にはこれは付け加えてもらいたいというようなことをやっているんではないかと思いますね。私のところもそういうことを考えて、今、部内で検討していると、こういう段階ですね。

問)

もう少し詳しくお願いできませんか。

答)

詳しくと言われても、私のところは不良債権の問題ですよね。ですから、それについて何かちょっと誤解を与えるようなところはないかとか、あるいはここはもうちょっと踏み込んで書けないかとか、こういうことを今検討しているということです。

問)

最近、破綻金融機関でトップの会見を省略されているところが続いているわけなのですか、これは公的資金の投入金額も長銀や日債銀に比べたら3桁ほど小さいのでいいのかというようなことかもしれませんが、こういうことが続いてもいいというお考えでしょうか。

答)

今日、記事を読ませて頂いてそういうことだということを改めて知りましたが、いいとは思いませんね。やはり、公的資金によって損失の穴埋めが行われるということについて、等しく国民の皆さんに迷惑をかけるわけですから頭の一つぐらい下げたらどうだというのは、全く素朴な、しかも正当な最低限の作法というか、そういうことになると思いますね。

問)

不良債権の問題なのですが、リスク管理債権の全貸出に占める比率というものを目安にするという考え方があると思うのですけれども、それは分子に着目すれば当然そうなんですけれども、分母に着目した場合ですね、信用収縮を防ぐ効果もあるのではないかと思うわけですけれども、それについて大臣はどういうふうにお考えですか。

答)

それはかねて、そういう、何と言うか公式の指標にしますよということをどの文書でも、謳ったことはこれまでにありません。ないのですけれども、何と言うか特に皆さんとの間では共通の認識として、あるいは国会でも度々私はそのメルクマールを使ってご答弁しているのではないかと思いますが、そういう意味合いではこれを一つの不良債権を測る指標にし、かつこれの、アメリカのレベルを、日本が過去に逆上ってのレベルというものがないわけですから、というのはリスク管理債権というものがなかったものですからね、アメリカとの比較ということで考えざるを得ないのですが、そういう意味でアメリカとの比較をして、我々の現状というものの認識のための便宜にしてきたということです。

だから、そういう意味であるというふうに思っていますが、ただ、ちょっと気になるのが、アメリカの場合はそこのところが判然としないのですけれども、引当金を積んだ時に、その引当金相当分はリスク管理債権の方からも控除してあるのではないかと、ネットアウトというか、そういうふうにしているのではないかというようなこともあって、ではドンピシャに我が方の両立てになっているものと比較してどういう比較ができるんだという面もあるものですから、ややちょっと留保を置きながらの話にならざるを得ないので、もうちょっと留保なしの指標も、できればあった方がいいというのが、この間の私の国会答弁だったかで、まあ、言わんとしたところです。だから、もしそういうことが見つかってもですね、先程言った不良債権比率は、それなりの機能は今後とも果たしていくのではないかと、こういうふうに思っています。

(以上)

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