伊藤金融担当副大臣記者会見の概要

(平成15年5月28日(水)16時35分~16時59分)

【質疑応答】

問)

副大臣の方から何かございますか。

答)

私の方から特にございません。

問)

今週、大手銀行グループの2002年度決算の結果が発表されたのですけれども、不良債権処理の加速などで、全行赤字となりましたけれども、まずこの結果をどう評価されますか。

答)

これはもう大臣も記者会見でもお話をされていると思いますが、主要行各行は金融再生プログラムに基づいて、不良債権処理を加速させるということで、様々な努力をされて来て、その結果が決算の中に現れているというふうに考えております。

これからは、ある意味では私共としましては不良債権処理を加速して行く一つの目安として、16年度中に今ある不良債権比率を半分にして行くということを一つの目標として掲げているわけでありますが、その目標に向かっての一つの道筋の上には乗っているというふうに思いますが、これから各行のトップの方々が記者会見でもお話をされているように、それぞれの経営努力によってしっかりとした成果を出して行くというお話をされているというふうに思います。

不良債権問題については、ある種の取組みについての姿が出ているわけでありますけれども、これから不良債権問題から不良債権以外の債権に対してどのような形で取組み、そして収益を向上させ、お客様や市場から喜ばれる、評価をされる銀行としての成果を出して行くかと、そのことが大きく問われて行くのではないかというふうに思っております。

問)

決算の結果、繰延税金資産の「Tier1」の5割以上を占めている銀行もあるということが明らかになったのですけれども、この状況についてはどう思われているのでしょうか。

答)

そうした状況も踏まえて、この新しい年度がスタートしたわけでありますけれども、資本の質を充実させて行く。そして各行は経常についても、当期利益についても黒字を目指してということでありますので、しっかり収益を出して行くということで健全性を確保し、そして銀行としての、繰り返しになりますけれども、お客様から評価を得た結果としての収益性の向上というものを図って行って、その資本の質の問題について応えて行かれるというふうに思っております。

問)

りそなの経営再建計画なのですけれども、今週金曜日に提出されると思いますが、既にいろんな報道が出ていますが、具体的な内容については今の段階で何かお話できますか。特に公的資金の注入額とか、りそなの新しい会長などについて。

答)

今の段階でお話ができる状況ではございませんで、これは30日の日に経営健全化計画が提出されることになると思いますので、それを受けて、私共として、今の資本増強については商品性の問題も含めてのご質問だと思いますけれども、精査をし、様々な問題について対応をして行きたいというふうに思っております。

また、会長等の人選についても、今いろんな形で人選がされていると思いますが、この段階で私共として何かお話をさせていただくという状況には至っておりません。

問)

公的資金注入の引き金として、監査法人の存在が大きかったと思いますけれども、今後、金融再生のプロセスの中での監査法人はどのような役割を期待されますか。

答)

監査法人は真実性、そして誠実性に従って適正な監査をして行くということが求められているわけでございまして、第一義的には銀行がしっかりと決算を作り、その適正性について監査法人がしっかり監査をして評価をして行く。その議論の中で最終的な決算の姿が出来上がって行くわけでありますので、その中で監査法人の役割はもう言うまでもなく、非常に重要であります。投資家を守り、利用者を守るための監査法人としての使命をしっかり果たしていただくというのは言うまでもないことだというふうに思っております。

問)

そうなると監査法人の責任が大き過ぎるという声もあるのですけれども、もっと金融庁として積極的に、そして中心的な役割を果たせば良いという声もあちこちで聞いているのですけれども、それについてはどうお答えされますか。

答)

財務諸表について、しっかりとした監査をして行くというのが監査法人の使命だというふうに思います。そこから得られる結果について、それに対してどう対応して行くのかというのは、これは金融行政の大きな使命でございますので、それぞれの立場の中でそれぞれの使命を果たして、しっかりやって行くことが日本の金融システムの信頼を強化して行くことに繋がって行くというふうに思っておりますので、それぞれの立場の中でしっかりとした対応をして行くということに私は尽きるのではないかというふうに思います。

問)

今日のニューヨーク・タイムズの報道によると、竹中大臣が9月にも辞任する準備として、アメリカの大学の関係者と接触しているようですけれども、何か聞いていますか。

答)

大臣とは毎日お会いをしておりますし、今日もお話をさせていただいておりますけれども、そのようなお話は出て来ておりませんので。

問)

今日も何回か国会の方で、りそなに関してなのですけれども、債務超過だったのではないですかという質問が出ていましたが、もしも債務超過だった場合に、法律上合致しないというのは分かるのですけれども、実態としてもしこれが債務超過だったとしたら、実態的に何が都合が悪いかというのをちょっとご説明いただけますか。

答)

ちょっと質問の意図が、都合が悪いというのがよく分からないのですが、少なくても監査法人は債務超過だという認定をこの決算の中でしているわけではありませんし、監査法人の決算に対する適正意見というものを付して、これから株主総会においてこの決算内容が審査され、その中でそれが確定して行くという流れになって行くのだろうというふうに思います。

私共とすれば、金融行政はその後の事後チェックということでございますから、3月期の決算に基づいて、これは全ての銀行について主要行の通年専担検査でしっかりと事後チェックをして、そして検査・監督としての私共の金融行政の役割を果たして行くということでございますので、私共とすれば、今まで通年専担検査の中でりそな銀行を見る限りにおいて、債務超過というような認識は持っておりませんので、今回、3月期の決算に当たって自己資本比率が健全性の指標を割り込んだということが明らかになったと。そのことに対応して、今回のような処置をして、1日も早くこのりそな銀行の再生ということを実現して行きたいというふうに思っております。

問)

基本的なことになってしまうと思うのですが、国民から見て、国会でも債務超過だったのではないかどうかということを何回も問われる質問が出て、実際に公的資金を投入するのに国民から見たら、では債務超過だったのとそうではなかったのと、投入するので何でそこにこだわるのかと理解できない部分もあるかと思うのですが。

答)

繰り返しになりますが、今回の対応というのは過小資本銀行に対してこのまま放置をして置けば信用秩序の維持に当たって重大な支障が起きる可能性が極めて高いと、その危機を未然に防止するための対応をしたわけであります。長銀に見られるような破綻した金融機関の対応をしているわけではございませんので、破綻をしていないにも拘わらず破綻した前提でご質問をいただいても、ちょっと私の方としては答えようがありませんので、これはもう破綻処理とは全く違うということでございます。

問)

与党の方で銀行等保有株式取得機構の拠出金の撤廃の法案を提出するということで、昨日、金融政策PTの方で合意したと思うのですけれども、これについてのお考えをお願いいたします。

答)

与党の方々は、いろいろな議論の中で今の経済状況に対して深い問題意識を持ち、そしてそれに対する対策というものを具体的に打ち出されるということでございますので、今後のそうした与党の皆様方の対応を私達としてはしっかり注視して行きたいというふうに思っております。

問)

ちょっと確認なのですけれども、先程まで大臣と一緒におられたと思うのですけれども、ニューヨーク・タイムズの報道というのは大臣のお耳には届いているのですか。

答)

私はちょっと分からないですけれども。

問)

そうすると分からない段階でのお感じですね。

答)

そうですね。少なくともお昼に大臣とお話をしておりますけれども、そのような感じは全くなかったというふうに思いますし、もしそういうことが多少でもあれば私にお話があるとは思いますけれども。

問)

りそなと監査法人とのやり取りについて、今日、竹中大臣は連休明けに報告を受けたと仰っていましたけれども、副大臣がご存知になったのはいつ、どういう形でそれをお知りになったのですか。

答)

私も大臣と同じ7日でありました。事務方から監査法人と、それからりそなの間でいろいろな議論がなされているということで報告を受けたということでございます。

問)

その後、14日に総理官邸で小泉総理に竹中大臣がいろんな可能性を含めて考えるというようなお話をなさっていたようなのですけれども、その際には副大臣は同席なさっていたのでしょうか。

答)

私も同席しておりました。

問)

今日、国会の議論でも出ていたのですけれども、もう1度資産査定をやり直すべきではないかと。やはり通年検査をしても発見できない過少資本状態が、監査法人の監査でしか分からない状況はおかしいのではないかという理屈だと思うのですが、改めてお聞きしますけれども、りそなに対する資産の再査定についてはどうお考えですか。

答)

これは繰り返しになりますけれども、りそなは破綻をしたわけではありませんし、現在も営業が続けられている生きた銀行であります。ただ、健全性についての問題があり、そのまま放置をして置けば、これは先程から申し上げているように、信頼ということに対して、やはり重大な支障が生じてしまし、そのことによって我が国経済に大変大きな影響を与えてはいけないということで今回の対応をしたということでございます。

私共といたしましては通年専担検査、そして特別検査が入って、そしてりそなに対して検査・監督をしっかりやって来たところでございますので、3月期の決算を基に今後の対応を適切にして行きたいというふうに思っております。

それと今回、健全性の指標を割り込む原因になったのは、これは繰延税金資産についてでございますので、ここについてはもう皆様方の方がご承知だと思いますけれども、監査法人がこれはもう専門家の立場として将来の収益可能性が確実にあるのかどうか、そうしたことを様々の視点から検証して行くわけであります。また、有税から無税に変わるタックス・プランニングの計画、そうしたものが妥当なのかどうかと、繰延税金資産を巡るチェックポイントというのは、これはかなり専門的に多岐に渡っておりますので、そうしたことを踏まえての結果、今回のような決算の内容が出来て来たということでありますので、そういう意味では監査法人としてもしっかりとした対応がなされて来たのだろうというふうに思いますし、また私共としましては、金融再生プログラムに書かれているように、りそなも含めて全ての主要行に対して繰延税金資産の合理性について、これは検査の中で検証するということを謳っているわけでありますから、そこで適切に対応して行きたいというふうに思っております。

問)

ただ、繰延資産の検証は副大臣が仰ったように事後チェック型の流れの中で、先程から理由に上げられている特別検査は事前と言うかリアルタイムのチェックで性格が違って、しかも自己資本ではないと、その部分でやはり監督のツールが繰延税金資産及び自己資本にちゃんと至っていないのではないかという印象を持たれませんでしょうか。

答)

今の金融行政の仕組みが事後チェック型ということになっているわけでありますし、またそうした仕組みの中でそれぞれが今のルールに基づいて信頼というものを確保するために適切に対応するということが求められているわけでありますから、その基本を大切にしながらしっかり対応していくべきだというふうに思っております。

問)

関連するのですが、投資家が株式を買うとか、会社を買うとかいう時に、デューデリジェンスをやるというのは常識ですが、今回は国がりそなの株式を買って、りそなという会社を買うという手続きに入るわけで、常識的にはデューデリをしないとですね、特に公的資金を使うわけですから非常に説得力に乏しいことになってですね、かと言ってだらだらデューデリをやっていると迅速な投入が出来ないというのが金融庁の言い分でもありますから、そもそも今の法制度を見てですね、公的資金を投入する時にですねデューデリジェンスをある程度するように制度を変更する必要があるのかないのかと、この辺についてはいかがですか。

答)

恐らくイメージが破綻した金融機関を前提にお話になっているところがあって、それでグッドバンク、バッドバンクに分けてというところが前提としてあるのではないかと思うのですが、今回の公的な支援というのは、健全性が傷ついた銀行に対して102条の第1号の規定に基づいて、危機管理として対応したものでありまして、これから新しい経営陣が出来てその中で新旧の経営陣の責任というものを明確にし、そして各債権の適切な管理をしていくために管理会計上の分離というものを設けて、そして早期に健全化していくためにしっかりとした対応をして行くという道筋を明らかにしているわけでありますから、私共とすれば新しい経営者の下で早くそうした対応がなされて、健全化に向けての具体的な道筋というものをしっかりと歩いていただきたいというふうに思っております。

問)

当局として投入時点において、これが1号案件なのか3号案件なのかという確証が十分手元にないなという感触はないのですか。

答)

私共とすれば、私共が今まで得ている情報に基づいて、今までの検査・監督上から得られている情報に基づいて、今回の対応をしているわけでありますので、適切に対応がなされているというふうに思っております。

問)

国会等でも出ている債務超過の議論の一因となっているのが、今回りそなの監査に携わった監査法人とは別の監査法人が、一切繰延を認めないと言ったとか、言ったとされる内部文書が流出するとか、そういったことを受けてのことだと思うのですが、もしもこれが事実無根だとしたらとんでもないことだと思いますし、事実だったとしたらこれも大変なことだと思うのですが、その件については金融庁としては、その観点でりそな銀行等からお話を聞かれたことはあるのでしょうか。

答)

少なくとも私が承知をしているのは、今言われている別の監査法人がりそな銀行と監査人として正式に契約をされてそれに基づいて監査に当ったという事は聞いておりませんので、多分にいろんな噂の話ではないかというふうに思います。その事実を確認できませんから、それに基づいて今ここでコメントはできない、その点はお許しをいただきたいと思います。

問)

本日の国会で、大臣が危機対応会議の議事録を公表するという話をされていたのですが、これはイメージとして、通常の諮問会議のように数週間後に出すのか、あるいは数年後に情報公開の手続きを取って個別にそれに応じるのか。どういったイメージで公表されるのでしょうか。

答)

そこについては今適切にお答えができないのですが、後ほどお答えをさせていただければと思います。

問)

りそなの新経営陣なのですが、新会長は今度ということですけれども、社長についてはですね聞くところによると前経営陣が選ばれたという話を聞いておりまして、ということになれば国が過半数を取って主導権を握っていくという中で、なぜ公的資金を入れると決めた段階で、新経営陣を旧経営陣に選ばせたのか。元々の趣旨から言ってガバナンスを回復させて新しい銀行に再生させるということであればですね、そういう手続きを踏むのでではなくて、新たな経営陣を国が責任を持って選ぶべきではなかったかという意見もあると思うのですが、その辺についてはいかがでしょうか。

答)

やはり一番重要な事はガバナンスをしっかり効かせて、それで経営力というものを強化をして行くということだと思いますので、そういう意味では経営力を強化していく布陣というものをしっかりしいていかなければいけないのだろうと思いますし、またガバナンスの強化の観点からすれば、これからではありますけれども、社外の方々の力を活用するというようなことも今検討がなされているというふうに思いますので、大変申し訳ありませんが今の段階でどういうことになるかというのは、私の方でちょっと申し上げられる状況にないものですから、ガバナンスの強化については大臣も国会で答弁されているように、委員会等設置会社等いろいろなやり方もあると思いますので、そうした様々なやり方を検討しながら今のご質問のご疑問に答えられるような形でしっかりとした体制を作っていただきたいというふうに思います。

問)

国が新経営陣を最初から送り込むべきだという議論というのはなかったのでしょうか。

答)

これはやはり経営の自主性ということと、それから国がしっかりガバナンスを強化させるということのバランスをどう取るかという議論ではないかなというふうに思います。その観点の中で今のような形で、まだ明らかにされているわけではありませんけれども、様々な観点から体制作りについての検討が行われているというふうに思います。

問)

例えば今後どういう銀行になるか、ガバナンスがどうなっていくのか、ビジネスモデルがどうなってくのかというのは今後明らかになっていくのでしょうけれども、その結果若しくは内容によっては、大株主である国が考えてもいない方向に行ってしまうかもしれないということで行けば、例えばこの新しくなられた社長をですねまた国の主導で替えてしまうと、つまりプログラムを作るまでの暫定的なものであるという認識でよろしいのでしょうか。

答)

そういう仮定でなかなかお答えすることは難しいと思いますけれども、やはりこれだけの資本増強をし、公的資金を活用しながら再生をしていくわけでありますから、その再生についてのしっかりとした成果が出せるかどうかということを私共としては見ていくということは、これは大きな責任でありますので、そうした責任を果たしながらりそなの健全性の回復というものを早期に実現をしていきたいというふうに思います。

問)

暫定的ということではないのですね。

答)

その仮定についてコメントするのは今の時点では適切ではないと思います。

問)

社外役員とかはいつまでに決まるのですか。

答)

やはり早く新しい体制を確定をしないといけないと思いますので、出来る限り早く新経営陣を立ち上げてもらいたいと思います。

問)

今度の株主総会に間に合うような形になるのでしょうか。

答)

これは株主総会までには間に合わせる必要があるというふうに思いますけれども。

問)

6月の初めには少なくとも決まっていないと、通知は2週間かかりますから、少なくとも6月初めには決まっていなければいけない。

答)

具体的な日にちは何時かというのは今の段階ではなかなか申し上げられませんが、先程からお話をさせていただいているように、出来るだけ早く新経営陣の体制を作って、その中で今後の経営のあり方について明確にして行くということは、これは何よりも大切なことだというふうに思います。

(以上)

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