伊藤金融担当副大臣記者会見の概要

(平成15年7月2日(水)15時19分~15時35分)

【質疑応答】

問)

副大臣の方から何かございますか。

答)

先週ちょっと国会の関係で、定例の記者会見を1週間ずらしてしまいまして申し訳ございませんでした。では、よろしくお願いします。

問)

公的資金の新しい枠組みの、ワーキングで検討している枠組みの方なのですが、賛否両論いろいろ出ているという話ですけれども、今の進捗状況と、副大臣ご自身の新しい公的資金の枠組みについてのお考えをお聞かせいただけますでしょうか。

答)

この公的資金の問題についてワーキングチームを設置して、今、精力的にご議論をいただいておりますので、私としてもそのご議論を注視して行きたいというふうに思っております。したがって、今この段階で私がどうこう言う立場ではないというふうに思っておりますので、専門家の先生方が非常に活発に議論をしていただいておりますから、その様子を見守りたいというふうに思っております。

問)

スケジュール的には6月末までということで、少し延びているということですけれども、時期的にはどれぐらいでまとめられそうだとか、何かその辺はありますでしょうか。

答)

そうですね、ちょっとまだスケジュール的にいつまでということについては、具体的な期日がまだ見えているわけではありませんので、りそなの問題もあり、102条の対応がありましたから、そうしたことも踏まえて活発に委員の先生方がご議論をされていると、もう少しご議論を深めていきたいということもあるのだろうというふうに思いますので、ワーキングチームの作業を見守りたいというふうに思います。

問)

今日、生命保険会社の方で、一斉にと言いますか総代会が開かれているようですけれども、その中で今、法案審議中の予定利率の引下げについて、まあ必要ないし使う予定もないということを各社が言っているようですけれども、いろいろ国会でも出ている議論ですけれども、どの会社も使わない法案をあえて今、法案としてやろうとしているという、その辺についてどのようにお考えなのかお願いできますか。

答)

この法案というのは自治的な手続きの中で契約の変更をするということが可能となる枠組みを作ることによって、経営の新たな選択肢を設けるということであります。破綻の前の対応ができるような仕組みを作るということでありますから、私共とすればそうしたものを使わずに、各生命保険会社の方々が不断の経営努力をしていただいて、そして経営者の方々の信頼をより勝ち得るような経営努力というものをしっかりやっていただくということが非常に重要ではないかというふうに思っております。

繰り返しになりますけれども、そういう意味では、この法案はあくまでも一つの経営の選択肢を増やすというためのものでありますので、そうした私共として環境整備をするために、今、参議院でご審議をいただいておりますので、ご理解をいただけるようにしっかり国会の審議をさせていただきたいと、対応をして行きたいというふうに思っております。

問)

今日の株価なのですけれども、終値で313円ですかね、9,500円を突破しましたけれども、この株価の上昇をどう見られているかということと、長期金利の方がまた急騰しているようですけれども、その点についてどのように分析と言いますか、原因等をどのようにお考えなのか、その辺のお考えをお聞かせください。

答)

株価の問題については様々な要因がありますから、それをある種特定をしてコメントするということは適切ではないのではないかというふうに思っております。それから、長期金利の問題についても、これも様々な要因の中でそうした金利の上昇ということが見られているのだろうというふうに思いますので、これも何か特定して私の立場でお話をするのは適切ではないのではないかというふうに思います。

ただ私共とすれば、やはり今、構造改革のための様々な努力をいたしているわけでありますし、その中で金融もその構造改革の一翼を担う非常に大きな改革の柱でありますから、その改革を着実に実施をして、そして一つ一つの着実な成果が出るように、今後も一生懸命取り組んで行かなければいけないというふうに思っております。

問)

そうしますと今日の株価、ここのところかなり上昇していますけれども、それは構造改革の着実な成果の一つの現れだというふうに捉えていらっしゃいますか。

答)

先程も申し上げましたように、株価の日々の動向というのは様々な要因がありますから、それを特定してお話をするということはなかなか難しいことではないかというふうに思っております。私がお話したのは、やはり非常に重要なことは経済の構造の改革を通じて、経済自身の実力を高めて行くと、競争力を強化して行くと、生産性を向上させて行くと、ある意味では株価というのはそうした努力の成績表的な色彩もあるわけでありますので、そういう意味では企業や産業の様々な努力というものが高く評価していただけるように、私共としてそうした環境を整えるための政策というものを点検をし、そして効果がしっかり現れるように着実な行政としての展開をして行かなければいけないというふうに思っております。

問)

昨日の参議院の財政金融委員会で、大塚議員が高木長官が東京海上とある生命保険会社との統合・合併を迫ったのではないかと、脅迫・強要したのではないかとうかがえるような文書を提示しましたけれども、これについて竹中大臣は国会の中で調査をするということでしたけれども、今のところの進捗状況と副大臣の今回の件についての受け止め方、それをお願いできますでしょうか。

答)

昨日、長官に私もお会いをいたしまして、参議院で取り上げられたようなそうした法令に違反をしているとか、あるいは過剰な介入をしたとか、そうしたことではないというお話がございました。大臣から国会の場でもこの問題については調査をしっかりやるというお話でございますので、大臣の指示の下、私もその調査のメンバーの一人として、まあ1週間という非常に限られた時間でありますけれども、その中で今提示されている疑問についてしっかり調査をして行きたいというふうに思っております。

ただ、行政上いろいろなやり取りをしておりますので、その仔細なやり取りを細かく公表するということは、これはなかなか難しい面がある点については、ぜひご理解をいただきたいというふうに思いますが、重要なことは過剰な介入というのがあったのかどうか、また、強要や恫喝というようなことがあったのかなかったのか、この点をしっかり確認をすることが重要だと思いますので、それをこの1週間どのような形で確認をしていくのかと、その仔細についてはちょっとお許しをいただきたいというふうに思いますけれども、この時間の中で私共としてできる限りの対応をして、ご疑問に対して答えて行けるように調査をして行きたいというふうに思っております。

問)

調査の仔細な方法はご勘弁をというお話でしたが、大臣は国会では先方にも確認してというお話がありましたが、要するに当事者に確認するという基本線は、それはそれでよろしいですか。

答)

今回の場合には関係者がある種明確になっていますので、関係者の方々にご理解をいただいてですね、私共としてもその確認をしたいと、大臣もその点については昨日明確にお話になられていますので、確認をさせていただきたいというふうに思います。

そのやり方やスケジュールについては、仔細についてお話させていただくことについては、ご容赦いただきたいなというふうに思います。

問)

コンプライアンス室というのがこの前できましたが、これは今回の調査には関わるのでしょうか。

答)

そういう意味では連携をいたします。ですから大臣、副大臣そしてコンプライアンス室の責任者の方々とある意味ではチームを作って、その中で今後の調査の具体的なあり方等々を相談し、そして調査をさせていただいて、皆様方にご報告をさせていただきたいというふうに思っています。

問)

その関連でなのですが、この前は民主党の、野党の国会議員の人にそういう手紙なり情報が来て、金融庁の出来たてのコンプライアンス室にいろいろ目安箱みたいにくださいと言った方には来なかったと、それをどう受け止めているかという点が一つと、次から次へと介入疑惑みたいな話が出て来るのですけれども、これは金融行政への全幅の信頼感という見地からするとですね、やはり若干信頼よりも不信感みたいなものがですね・・・、お感じになりますか。

答)

第2点目からお話をさせていただくとすればですね、やはり今回の調査をしっかりやって、今ご指摘の金融行政に対する信頼に対して疑問が投げ掛けられているとすれば、そのことに対してしっかり払拭をしていくという対応をしていかなければいけないというふうに思います。ただ、今一番重要なのは、正確な事実関係が何なのかと、このことをまず確認することが重要でありますので、その事実関係の確認というものをですね、しっかりやっていきたいというふうに思っております。

それから第1点目については、何か昨日の大塚先生のお話では以前からそういうものを情報として持っておられたというようなニュアンスのお話をされていたのではないかと、ですからコンプライアンス室の問題とちょっと別の次元の話ではないかなというふうに思いますが、私共もコンプライアンス室を設けさせていただいたのは、金融行政に対する信頼というものをしっかりと確保していくためにも、こうしたコンプライアンスに対する私達の考え方、それを確保するための体制を整備するということで、担当室を設けさせていただいた訳でありますので、そうした体制の中で、国民の皆様方から信頼していただけるような金融行政をしっかり確立していくために努力していかなければいけないというふうに思っております。

コンプライアンスが全てではありませんから、日々の行政の努力の中でそうした不信が持たれないようにしっかりやっていかなければいけないというふうに思っております。

問)

関連ですけれども、東京海上との件で事実関係のペーパーというものがありまして、それについて先程関係者にお話を聞くということですが、あそこに書かれているのは長官お一人いますが、相手方の当時の副社長にもお話は聞かれるのですか。

答)

そこの具体的にどうするかということについては、今ここで明確にお話させていただくことは控えさせていただきたいと思いますが、ある種関係者が今回の場合には明確になっておりますから、そうした方々に対してご理解をいただきながら、何が事実だったのか、そのことを正確に把握するということが大変重要でありますから、事実を正確に把握するために私共としてできることを限られた時間ではありますけれども、しっかり対応していきたいというふうに思っております。

問)

昨日の午後の段階で、東京海上は会社として恫喝と受け取っていないというコメントを出しているわけです。そのやり取りについてそれを恫喝と受け取るかどうかというのは、言われた方の、当事者の主観に極めて左右される。これは常識だと思うのです。副社長がどう感じられたかということと、東京海上がどう感じられたかという意味ではですね、東京海上は既にそうではないと言っているわけです。ですから、さて何を調べるのだろうなという素朴な疑問としてあるのですが。もちろん国会で指摘されたので、公正な行政と言うのでしょうか、そういう立場でやられるのはごもっともだと思いますが、その辺はいかがですか。

答)

この点は国会でも取り上げられたことですし、今、前段の質問でやはり金融行政に対する信頼を巡っての問題でもありますから、大臣や私、それからコンプライアンス室の関係者の方々で、できれば私達がある意味では直接事実関係がどうだったのかと、そのことを正確に把握をしていくということが重要だというふうに思っておりますので、そのやり方或いはどういう対象でやるかということについては、これは仔細を明らかにすることはできませんけれども、そうした中で私共としての調査をさせていただいて、ご報告をさせていただきたいというふうに思っております。

問)

文書が本物かどうかということも報告されるのですか。

答)

その報告の仕方はこれから検討したいと思いますが、まず事実関係の把握だと思いますので、その中で昨日取り上げられた、ああいうやり取りがあったのかどうかと、更にその中身がどうだったのかと、そうしたことは確認をさせていただきたいというふうに思っております。

(以上)

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