伊藤金融担当副大臣記者会見の概要

(平成15年7月31日(木)17時01分~17時15分)

【質疑応答】

問)

昨日なんですけれども、大手金融グループの方からですね、弁明書という異例の書類が提出されました。これについて副大臣のご見解というものを伺いたいと思うのですけれども。

答)

この件については、具体的にまだ何か行政の処分を発出したということではありませんので、それをある種具体的に想定をした質問には、今の段階でお答えすることはできないのですけれども。一般論で言うと、行政の処分を行う際には、弁明の機会を付与することと行政手続法の中ではされているわけでありますから、こうした手続があるということは一般論として言えるのではないかというふうに思います。

ただし、弁明の有無、云々については、大変申し訳ありませんけれども、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。

問)

今週の初めに金融審議会の方から報告書が出まして、それを受けて自民党の合同部会では、特に公的資金の関係と繰延税金資産についてですね、かなり強い反対の意見が相次ぎました。長官、大臣は会見の中で公的資金についてはプロジェクトチームを作って、幅広く意見を総合的に検討していくというお答えなんですけれども、改めて副大臣の方にも今後の公的資金の予防投入、また、繰延税金資産の扱いについてですね、どのように検討していくお考えか伺いたいと思います。

答)

基本的には、長官、大臣が記者会見で言われたことと同じでありますが、私の場合は政治家でありますので、ある意味では今後のですね、金融の問題を考えていく場合に、この二つの問題はやはり重要な課題だというふうに思います。それに対して、政治が、与党が、また、私の場合は自民党に所属をしていますから、党がですね、どういうふうに考えていくのかということは極めて重要なことではないかというふうに思っております。両ワーキンググループについてもですね、ある意味では、様々な視点から専門家の先生が大変精力的なご議論をいただいて、そして、その論点というものを極めて明確にですね、していただいたんではないかというふうに思います。自己資本の問題について、その規制をどうするかということについては、一応中間の報告ということで今後も議論をしていくわけでありますけれども、資本の質を充実していくために監督行政としてどうしていくべきなのか、また、政治はそれをどのように考えていく必要があるのかと。これは政治の課題として残っているのだと思います。

また、公的資金の問題についても、この問題を行政としては、これからプロジェクトチームを設けて検討していくわけでありますが、この公的資金の問題についてもですね、いろいろな議論があったということが報告書の中に記載をされているわけでありますから、そうした議論を踏まえて、政治の中で様々な議論をしっかりとやっていく必要も併せてあるのではないかと、政治家として感じるところです。

問)

政治の方での議論というのは、秋以降本格化できるかどうかというのはお感じでしょうか。

答)

今、だんだん政治の季節になってきてますからね、だからこそ今後どういうような政局の展開になるかは分かりませんけれども、その時の一つの争点になるかもしれませんので、やはり、与党の立場として、各政党の立場として、こうした問題についてどのように考えていくのかということで議論を深めて、そして、方向性についてですね、考えていくということは必要だというふうに思います。

どちらにしましても、この二つの問題、大変重要な問題でありますから、行政としましても与党の方々とよく相談をして、そして進めていく必要があるというふうに思いますから、まだ、その方向性については結論が出ているわけではありませんので、十分に意見交換をしながら、今後の対応を考えていく必要があるというふうに思います。

問)

今のお話しでですね、自民党の方は具体的に、秋の総裁選までは議論を凍結して欲しいと。「凍結」という言葉を言っていたのですけれど。

答)

行政の側の話でしょ。

問)

ええ行政の側です。

答)

今、私がコメントしたのは政治としてどう考えるかです。

問)

政治としては議論を深めるけれども、行政としては凍結して欲しいと、プロジェクトチーム作るという立場の金融庁としては、まあ、ちょっとそれと反対のことを言われたわけですけれども、これについては。

答)

私は、長官・大臣が記者会見で言われているように、行政としては金融審議会の報告を受けてですね、そして、検討すべきことを様々な視点から考えていくということでありますから、しかし、実際にこれをどういうふうに取り扱って、そして考えていくのかということは、これは与党との議論の中で方向性が導き出されていくことだろうというふうに思います。今後、ある意味では自民党で言えば総裁選があるわけでありますし、その中で金融の問題も含めて今後の経済政策をどうしていくのかということは、大きな論点の一つになり得るかもしれませんし、政治の議論というのはおそらく様々な形でなされていくんだろうというふうに思いますから、実際政治家個人とすればやはり大変重要な問題であるだけにですね、行政の議論と並行して政治の現場でもしっかりとした検討をしていくことは大変重要だというふうに思います。

問)

あの、行政の立場としてということなんですけれども、PTはいつ頃できるでしょうか。

答)

まだ、どうするかというのはこれからです。

問)

では、もう一点。これもどちらかというと、行政の立場ということになりますけれども、繰延税金資産の問題について、報告書の中では勿論、参入規制の問題については両論併記で結論出てませんけど、要望みたいな形で、その要するに「何でこの額がこう書いてあるのかその理由」とか「その根拠を開示するよう努力して欲しい」というような要望が入っていますが、それについてはどうお考えですか。

答)

そうですね、金融審議会の報告を受けて、監督上どう対応していくかというのはこれからの検討事項であると思いますので、今、この時点で具体的なお話をさせていただく段階には至っておりません。

問)

その政治の話ですが、一応9月の上旬までに自民党はマニュフェストを一応出すということのようなので、政調で具体的に金融問題をやるということのようですが、公的資金の話はですねそういう中に、当然何か入ってくる可能性があるというふうにお考えなんですか。

答)

ここはちょっと分からないですね。今、私自身行政の方に入っておりますから、党のこうした問題を今まで一生懸命取組んでおられた議員の方々が何人もおられるわけでありますので、そうした議員の方々の議論と行動がですねマニュフェストというものをもし打ち出していくのであれば、どういう形で反映されていくのかということだと思います。

また、野党の方々がどういうマニュフェストを出していくかということも極めて重要でありますから、新聞で報じられているものを見る限り、まだそうしたことについて政策の対立軸であるとか、具体的な提案であるとか、そうしたものが出ている状況ではございませんから、今後の状況如何ということではないかというふうに思いますけれども。

問)

副大臣個人としては、大きな争点として議論を踏まえるべきだと、そういうものを盛り込むべきだと、そういうお考えなのですか。

答)

すべきかどうかは別にしてですね、やはり今後の政治家としてですよ。政治家として考えた場合に、金融問題をどう考えていくのかということを考えた場合の、やはり議論をしていかなければいけない点の、幾つかのものの一つ二つであるだろうと、だからこそ金融審議会の中でも、作業部会を作って議論してきたわけでありますし、また、金融再生プログラムにおいてもそうした議論の必要性というものを明らかにさせていただいて、そして金融審議会の専門家の先生方に御議論をいただいたということであります。

問)

金融審議会のペーパーではその何と言いますか、書き振りなんですけれども、税の話を手当てしておれば、りそなについてはそんなに損失にならなかったという書き方をしてありましてですね、それとかいろんな意味で記者会見でもですね、何となく、過去のものを清算したというか、一区切りをつけてですね、新しく出発するんだみたいなイメージなんですけれども、それをどういうふうにお受け取りなんですかね。そういう感じでいいんですか。時々その副大臣の前回のときもそうでしたけれども、やはり竹中さんになって、そういう感じの印象を受けんるんだけれども、そこはかなり今回の金融審議会の報告の中ではですね、はっきり出ているという、たとえば一斉注入はしないとかですね、言っていますし、まあ出ているというふうに解釈してよろしいんでしょうか。

答)

そこは金融審議会の議論でありますから。金融審議会の議論を今回の報告書の中でまとめられたということだと思うんですね。それを受けてこれから金融行政としてどうしていくかということを私どもは考えていかなければいけないし、繰り返しになりますけれども、政治も同じようにですね、こうした問題も含めて今後の金融システムの機能強化のために何をしなければいけないのかということを合わせて、並行して考えていかなければいけないというふうに思いますけれども。

問)

この金融の公的資金の問題がですね、この政局如何で争点になる可能性があると。

答)

いや、可能性があるということではなくて。

問)

なり得ると。

答)

いや、なり得るということではなくて、今後の金融システムの機能強化をしていくにあたって、やはり議論を深めていかなければいけない課題の一つ二つであろうと、そういうことですね。

問)

もう一歩踏み込んで、今度の総裁選とか総選挙の前に自民党としてやっぱりきっちりと鮮明にこういうことをやるんだと、そうした方がやっぱり国民に向かってフェアじゃないかという思いがおありなんですか。

答)

いや、これはですから先ほどからお話をさせていただいているように、総裁選については立候補される方がですね、考えるべきことでありますし、また、党のマニュフェストについてはですね、この金融の改革をしていかなければいけないと、金融問題というものを専門的に扱ってきて、今日まで議論をし行動されてきた先生方が何人もおられるわけでありますから、そうした先生方の議論の中で今後の党としてのマニュフェストの方向性というのは出てくるんだろうと思いますから。

問)

マニュフェストに入れる入れないを含めてということですかそれは、この公的資金とかの問題については。

答)

主語は今のご質問ですと、主語は党の方ですから。

(以上)

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