伊藤内閣府副大臣(金融・経済財政政策担当)記者会見の概要

(平成16年6月2日(水)15時16分~15時24分)

【質疑応答】

問)

副大臣の方から何か。

答)

御承知の通り「基本方針2004」の与党プロセスに入っているため、今日ちょっと限られた時間の会見になってしまうこと、まずお許しをいただきたいというふうに思います。

特にその他の点について私の方からお話させていただくことはございません。

問)

大手銀行の3月期決算についてですが、不良債権比率が5.2%まで低下しまして、半減目標の達成が視野に入ってきたかと思うのですが、その点の評価についてまずお聞かせ下さい。

答)

今お話がございましたように、不良債権比率が16年3月期で5.2%まで低下してきたと、「金融再生プログラム」を踏まえて主要行の各行が一生懸命努力をいただいて、私どもとすれば不良債権比率を半減するという目標を立てているわけですけれども、それに向かって御努力をいただき、順調に推移をしているのではないかというふうに思っております。

そういう意味からしますと、更に不良債権の問題の正常化に向けて取組みを強化していただいて、そして日本の構造改革を支える強固な金融システムを構築していただくために、更なる取組みを大いに期待をしているということであります。

問)

不良債権問題は峠を越えたとお考えでしょうか。

答)

今、目標に向かってですね、様々な取組みをしていただいているというふうに思います。

ただ、まだ、目標に到達しているわけではございませんので、それぞれの金融機関の方々が自らの御判断の中で色々な取組みにチャレンジをしていただいているわけでありますから、その取組みを緩めることなくしっかりと対応をしていただいて、そして一日も早くこの不良債権問題を終結をさせて、更にこれからは、日本の金融システムが世界から評価される、そういう金融システムになっていかなければいけないわけでありますので、ある意味では、より前向きなことに取組んでいただくと、そうしたことに対する経営改革、戦略的な経営運営というものに邁進していただきたいというふうに思います。

問)

個別の話になりますけれども、UFJが大幅赤字になりまして、残り一年で不良債権比率を3%台まで下げるということなのですが、かなり大口融資先の処理が必要になってくると思うのですが、期待されるところはどういうところがございますでしょうか。

答)

個別の問題について、経営のあり方、取組みについて私どもがコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。

一般論と致しますと、やはり大口与信の問題というのは、銀行の財務の健全性の観点からしますと非常に大きな問題でありますので、こうした問題にしっかり取組んでいただいて、経営上、やはり今非常に大きな壁にぶつかっているという企業につきましては、その再生に向けて一段と御努力をいただいて、しっかりとした成果を出していただきたいというふうに思います。

問)

同じくUFJなのですが、これまで検査、それから引当て積み増し等で、金融庁とUFJの間でかなり意見の食い違いがあったと言われておりますけれども、金融庁としてはこれまでUFJに対してどのように対応されてきたか、それから、今後どういうふうに検査・監督にあたっていかれるのか、その辺のお考えをお聞かせください。

答)

重ねてで恐縮ですけれども、ちょっと個別の問題についてコメントさせていただくのは差し控えさせていただきたいと思います。一般論として、主要行につきましては「金融再生プログラム」というものを、私どもとしては提示をさせていただいて、それに基づいて金融行政を展開させていただいてまいりました。これはルールに基づいて不良債権問題を解決をしていくという形の中で取り組みをさせていただいたところでありまして、先程もお話をさせていただいたように、不良債権比率というものは確実に低減をしてきている状況にあるのだろうというふうに思っております。また、その裏には各金融機関の方々のそれぞれ懸命にこの問題の解決に向けて御努力をいただいているわけでありますので、大臣もよく「金融機関の方々とは健全な緊張関係の中で」というようなお話をされておられますけれども、そうした大臣の御発言にありますように、私どもとしてもルールに基づいてしっかりとした厳正な検査・監督に務めていきたいと、そしてそのことによって金融機関の御努力もいただきながら日本の金融システムに対する信頼、あるいは私どもの金融行政に対する信認というものをより高めていきたいというふうに思います。

問)

先程もお話があった「骨太の方針」なのですけれども、詰めの段階だと思うのですが、副大臣として今回の「基本方針2004」をどのあたりをポイントに置いて評価されているのか、その辺をお聞かせ願いますでしょうか。

答)

これは集中調整期間を終えて、そして今度は重点強化期間という形で新たに構造改革を進めていくにあたっての経済・財政の基本方針をまとめていくという意味で非常に重要な基本方針になるのではないかというふうに思っております。特に今回の場合には今まで以上に与党の皆様方も早い段階からこの基本方針に対しては考え方をおまとめをいただいて、そして政府に対して申し出をいただいているところでございました。こうしたことを踏まえて原案を作成させていただいて、先週の金曜日、5月28日の日に原案を経済財政諮問会議で審議をさせていただいたところでございます。現在も与党プロセスに入らさせていただいて様々な貴重な御意見をいただいているところでございますので、そうしたことも踏まえて政府・与党として自信の持てる成案が得られるように私どもとしてもしっかり対応していきたいというふうに思っているところです。

問)

UFJの件で重ねて恐縮なのですけれども、一部報道で刑事告発も視野という報道がありました。これにつきまして銀行側は「我々は検査忌避との認識はない」というコメントをマーケットに向けて出しました。告発の一方の当事者としての金融庁として、風評を避けるという意味でも何かコメントがあってもいいのではないかと思いますが、前も同じようなことをお伺いしましたが、それについてどうお考えなのか、ちょっとお聞かせ願いますか。

答)

風評を避ける意味でもというお話がございましたけれども、やはり私どもは風評に対してより慎重に考えていかなければなりませんので、重ねてのお尋ねでありますけれども、まさに個別金融機関の検査の個別の事柄に関する事でありますので言及はできないということについては是非ご理解をいただきたいというふうに思います。

(以上)

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