伊藤内閣府副大臣(金融・経済財政政策担当)記者会見の概要

(平成16年7月14日(水)16時32分~16時55分)

【副大臣冒頭発言】

今回、参議院選挙が行われたわけでありますが、やはり国民の皆さま方の審判を真摯に受け止めて、私どもといたしましても、いずれにしても構造改革というものを着実に進めていかなければいけないと考えております。

その中でまず、経済財政諮問会議の今後のことについてお話をさせていただきたいと思っておりますが、諮問会議では大変重要な課題がいくつも与えられておりますので、そのことについて全力で取り組んでいきたいと思っております。具体的には、諮問会議の下半期の課題として7月下旬に平成17年度の予算の全体像を議論をして取りまとめていかなければいけないと思っております。また、郵政民営化の問題に関しましても、9月の最終報告に向けて諮問会議で精力的に議論を進めさせていただきたいと考えております。更には「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004」の実現に向けて8月の下旬から三位一体の改革、或いは社会保障制度改革等について集中審議を実施する予定でございまして、三位一体の改革については8月20日までに中央6団体に統一した案を取りまとめていただきたいとお願いさせていただいておりますけれども、その案を踏まえて議論を行い、全体像を秋に明らかにしていきたいと思っております。また社会保障制度につきましては、その一体的な見直しに向けて議論を行い、年内までにその論点の整理をしていきたいと考えているところであります。その他に特別会計改革や、或いは地域再生・規制改革等の議論も必要であると考えているところであります。また、年末の予算編成に向けて「平成17年度予算編成の基本方針」の策定、年末から17年初めにかけて「改革と展望」の作成、このほかに本年度中に「日本経済21世紀ビジョン」のとりまとめについて作業を進めさせていただきたいと考えているところでございます。

それから金融改革につきましては、「金融再生プログラム」の目標であります不良債権比率の半減、これは来年の3月期でございますけども、「金融再生プログラム」の諸施策を着実に実施することによってこの目標を達成し、そして金融システムの安定というものをしっかり図っていきたいと考えております。更に、その後のことにつきましては「重点強化プログラム」、これは仮称でありますけれども、活力ある市場を構築していく、またそれに伴い利用者の方々に対する保護というものをしっかりやっていく、そうした視点から新たなプログラムの策定について作業を一生懸命していきたい、と思っているところでございます。以上です。

【質疑応答】

問)

銀行の経営方針に関してですが、今日、UFJが東京三菱に対して正式に経営統合の申し入れを今日行う予定だと発表しておりますけれども、それについて所見をお願いいたします。

答)

今、お話がございましたように本日の午後に、UFJが住友信託銀行との協働事業化を中止して、そして三菱東京に対して経営統合の申し入れを行う旨の発表をなされたことは承知いたしておりますが、本件に関しましては個別の金融機関の経営判断に関わる事柄でありますので、私どもとしては具体的なコメントは差し控えさせていただきたいと思っております。

問)

こうした再編による経営基盤の強化というのは、一般論としてでも結構なのですけれども望ましい方向だとお考えでしょうか。

答)

一般論で申し上げますと、統合するから良い悪いということではなくて、やはり中身の問題だと思うのですね。統合や合併というものが経営の効率化につながり、そして事業戦略や、或いは財務戦略の効果が期待できて、収益力や、或いは信頼性というものが向上していくことに資するものであれば、これはマーケットからも評価されるものになるのではないかと思います。

問)

冒頭で「国民の審判を真摯に受け止める」というふうに仰られましたが、真摯に受け止めるというのは、具体的に言うと、今回の自民党に対する得票数の水準というのをどのように評価し、なぜそういう結果になったとお考えになっているかという点をお聞かせください。

答)

やはり私どもとしては、一生懸命構造改革を進めさせていただいているわけですけれども、その改革の中身について、より丁寧に国民の皆様方に理解をしていただけるようにしっかりと対応していかなければいけないと思っております。その改革については、やはり国民の皆様方から「しっかりやれ」という御判断ではなかったかなと私は思いますが、よりこの改革を加速をさせて、そして目に見える成果をしっかり出していくようにと、そういう国民の皆様方の御審判があったのではないかと、そのことを真摯に受け止めて経済財政諮問会議においては大変重要な構造改革に関わる課題について、議論をしていかなければいけないわけですので、そうして国民の皆様方に対する説明責任というのも踏まえて、しっかりとした対応をしていきたいと思っております。

問)

その中で今具体的な課題として挙げられた郵政民営化に関して、竹中大臣が72万票を取り、民営化に必ずしも賛成でないと仰っている候補が28万票だったという票の表れ方だったのですが、郵政民営化をどの程度選挙で議論されたかということもありますけれども、これについてどのような民意が表れたというふうに受け止めていらっしゃいますか。

答)

今、票の問題についてお話がございましたけれども、有権者の方々は色々な判断の中で投票されていらっしゃると思いますから、個別のことについての評価があったということではないのだろうと思います。しかし、小泉政権においては総理自らが、郵政の改革について構造改革の本丸であると、この改革をしっかりやっていきたいということは明確にされて、そしてこの参議院選挙にも臨んできたわけでありますので、そのことに対して、これからしっかりと最終的にどういう方向で取りまとめをしていくのか、郵政の改革をすることによって国民生活にどのような形で良い影響というものがあるのか、そうしたことをしっかり説明をさせていただきながら、取りまとめを与党の皆様方にも色々な意見交換をさせていただき、そしてより良い案をしっかり作っていかなければいけないと思っております。

問)

冒頭、副大臣のお話の御紹介でもあったように、今回のUFJの三菱東京への統合申し入れというのは、住友信託の件は撤回してということで、住友信託の話というのは、ついこの間、大ニュースとして取り上げられた話で、世の中からすると決算の修正の問題と言い、コロコロ変わるというのは非常に不思議でしょうがないという受け止め方があると思うのですが、副大臣は不思議でしょうがなくないかどうか、これは一体なぜこうコロコロ変わると思っていらっしゃるかということについてお聞かせください。

答)

ちょっと個別のことについて私どもがコメントすることは適切ではないというふうに思いますが、いずれにいたしましても、やはり今回のことについては、国内外、大変注目をされているものだというふうに思います。そういう意味からも経営にあたる方々には、その責任ある立場で対応していただき、しっかりとした経営判断をしていただきたいと思います。

問)

検査忌避の告発を判断する時の、4つの観点という中に金融行政の目的遂行上の観点というのがあったと思うのですけれども、今回の件は、金融行政の目的遂行上の観点から大きく考慮されるべき事項なのでしょうか。

答)

告発を行うかどうかについては、今御質問があったように4点ということを今までお話をさせていただいておりますけれども、それは例示としてお話をさせていただいておりまして、総合的な判断の中で勘案・検討していきたいということであります。これを総合的に判断していく中で、勘案する中で個別具体的な事実がどういう形で影響していくかということをお話をさせていただくと。これは不要な憶測を招く恐れがありますので、この点につきましてはコメントを差し控えさせていただきたいと思っております。いずれにいたしましても、私どもとしては総合的に勘案をしながら検討していきたいと思います。

問)

もし統合に向かうとすれば、例えば独禁法上の問題等、法律的な観点から見た場合の問題というのはないのでしょうか。

答)

この独禁法上の問題も含めて経営統合に向けての動きを踏まえつつ、私どもとしては法令に則り適切に対応していかなければいけないと思っております。

問)

金融庁側にはもう具体的に説明みたいなものというのはあったのですか。

答)

私どもとしては、具体的な事実について承知をいたしているわけではありませんので、報道がなされているということを承知をしているということであります。従って今後どういうふうになっていくのかということを今見守っている段階であります。

問)

先程の質問と重なるかもしれませんが、メガバンク、その規模の追求の時代は終わったという議論があります。今あるメガバンクがこれまで合併を繰り返して、必ずしも経営効率化していなかったり、収益性が上がっていなかったりと言われている中で、また新たなメガバンク同士の巨大銀行ができようとしているのですが、これについてはどうお考えですか。

答)

これは、経営の重要な判断でありますから、その判断について私どもが個別のコメントをするということは適切ではないと思います。統合・合併をすることが良い悪いということではなくて、先程お話をさせていただいたように、そのことによって経営の効率化が実現される、或いは事業戦略や財務戦略上の効果が生まれてくる、そのことによって収益構造が強化され、或いは金融サービスそのものが充実していき、信頼の向上につながっていくということであるならば、そうしたことが色々な方々から評価されることにつながっていくのではないかと思います。

問)

副大臣は先程、法令に則り対応していきたいと仰いましたが、住友信託とまだ正式な調印ではないとは言え、UFJは仮調印的なものを白紙化すると、住友信託はそれを破棄するつもりはないと言っていますが、監督当局として支援するということではないと思うのですが、法的に破棄することがどうかとか、UFJが住友信託との統合の計画を破棄をすると一方的に言っていることについてはどういうふうに捉えていらっしゃいますか。

答)

これは当事者同士でよくお話し合いをしていただくことだろうと思いますが、それぞれに色々な経営判断の中でお考えがあるのだと思いますので、その経営判断の中身について私どもがコメントをさせていただくことは控えさせていただきたいと思います。しかし、いずれにしても私どもは法律に基づいて金融行政を展開させていただいているわけでありますから、先程独禁法上の問題ということも御指摘がございましたけれども、そうしたものも踏まえて今回の経営統合に向けた動きというものが法令に基づいて適切なのかどうか、そのことについてはしっかり判断をして対応していきたいと思います。

問)

先程の規模の追及というところで、銀行側からしますと、この超低金利状態の時にアセットを増やして、今後の金利上昇の局面で収益を上げていこうという、そういう狙いも今回はあるのではないかと思うのですが、一方で、金利の上昇のスピードが速いと相当国債を持っているという面で、負の面もあると思いますが、その辺はどのようにお考えでしょうか。

答)

合併云々ということを離れて今後のことを考えた場合に、市場リスクの対応をしっかりやっていくということは、経営上大変重要なことではないかと思っております。特に、世界的な経済の流れが、超量的緩和の状況から徐々に転換するような流れが出てきておりますので、そうした中で市場リスクに対してより敏感に、より重点を置いて考えていくことは経営上大変重要なことでありますから、そうしたことも踏まえて今後の経営にあたって行くということは大切なことではないかと思います。

問)

今後、「重点強化プログラム」ということで、政策については、まさに年内に取りまとめていこうということなのですけれども、今回の統合についてもかなり金融庁が相当に追い込んだとか、一般的な批判もあると思いますが、そのようなことも踏まえて、金融監督庁から続いた金融行政のあり方について、改めて見直す時期に来ているのではないかと感じたりすることもあり得ますが、その辺は副大臣はどのようなお考えをお持ちでしょうか。

答)

まず、ぜひお断りをしておきたいのは、今回のことについて、これはUFJグループ自らの経営判断において決定をされてこられたものだと思いますので、私どもが何か圧力をかけたとか、何か追い込んだとかそういうことはないということについては、ぜひ御理解をいただきたいと思います。

その上で、「金融重点強化プログラム」を策定していくということを先程お話をさせていただいたわけですが、それに並行して、やはり金融監督庁発足以来もう6年が経過をし、また庁内の職員も約3倍近い形になってきました。これは私が就任させていただいた時にもお話をさせていただいたと思いますけれども、やはり金融行政が国民のための金融行政になっているのかどうか、本当に国民として、国民の側から見て必要な行政展開がされているのかどうか、そのことを常に真摯に見つめていくことは非常に重要なことだろうというふうに思います。これは改めて、五味長官等からもお話をさせていただくことになろうかと思いますが、そうしたことを踏まえて私どもとしては金融庁の仕事のあり方、或いは今の組織のあり方、制度のあり方も含めて、金融庁全体を総点検していく、そうした作業をしっかりやっていきたいと思います。金融庁総点検プログラムというようなことで表現するのがいいかどうか分かりませんが、これは金融庁の職員の方々全員に参加をしていただいて、そして今日までの金融庁のあり方について様々な角度から点検や意見を出していただいて、今後本当に更に国民のための金融行政を推進していけるような総点検を年内を目処にさせていただきたいと思っているところです。

問)

今の国民のための金融行政というのは具体的にどのような形をイメージされているのでしょうか。

答)

一つはですね、金融システムを利用する方々をしっかり守る行政というものがされているのかどうか。そして行政そのものが、先程もお話をさせていただいたように、本当に国民の立場から見て必要とされる行政というものをしっかりとやっているのかどうか、そうしたことをよく肝に銘じて行政の展開をしていかなければいけないと考えているところでございます。

政策面については、これは一連お話をさせていただいているように、金融システムを安定強化させるだけではなくて、より多様な金融商品をより多様なチャネルで提供できるような、そういう金融システムそのものの競争力や、或いは質の向上というものをやっていかなければなりません。それに併せてそうしたシステムというものを利用される方々の保護というものもしっかりとやっていかなければいけないわけであります。それに併せて私たちの仕事が、そうしたことをやっていくにあたって本当に相応しい仕事をしているのかどうか、仕事のやり方を含めてここで考えていく必要があるのだというふうに思うのです。先程もお話がございましたように、何か金融行政が裁量行政に戻ってしまって、ある意図の下に何かを誘導しているということではあってはならないわけであって、常に金融行政の目的というのは、預金者を守るための金融行政を展開していかなければいけないということでありますので、そうした本来の姿を良く踏まえてこれからの仕事のあり方をしっかり見つめていくという趣旨であります。

問)

今の姿に御不満というものを持っているということですか。

答)

そういうことではなくて、先程お話をさせていただいたように、金融監督庁発足から6年が経過しているわけです。それで体制面においても、人員が約3倍近くにもなってきている。今までの仕事のやり方が、これだけ大きな規模になっていく中で、本当に効率の良い仕事ができているのだろうか、意思の疎通がちゃんとできているのだろうか、今お話をした視点の中でしっかりとした職務の遂行ができるような形になっているのだろうか、そういう本当に仕事のやり方、身近な日常の作業にまで目を向けて、もう一度自分たちの目的を見つめながらしっかりと信頼のできるような金融行政確立のために皆で検討していこうと、こういう趣旨であります。

(以上)

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