高木金融庁長官記者会見の概要

(平成14年12月16日(月)17時03分~17時14分)

【質疑応答】

問)

長官の方から何かございますか。

答)

特にございません。

問)

先週発表になりました商社の話、ニチメンと日商岩井の経営統合についてなのですけれども、これは銀行主導による金融再生プログラムを先取りした業界再編の先駆けというような見方をされていますので、こうした動きが今後加速すると予想されておりますが、どう評価されますでしょうか。

答)

今ご指摘の件については、個別企業の問題ですからコメントは差し控えたいと思いますが、一般論として、経営に問題のある企業が金融機関の協力も得ながら抜本的な経営の再建に取り組んでいくということは、望ましいことだというふうに考えております。

問)

生命保険契約者保護機構の問題についてですけれども、民間の資金枠の追加拠出について、金融庁と業界との調整が難航しているという報道があります。金融庁の方が業界に対して1,000億円の追加拠出を求めたという報道もありますが、この辺りの事実関係と、また今後の金融庁の対応について改めてお聞かせ下さい。

答)

具体的なスキームだとか数字について申し上げる段階にはないのですが、いずれにしても平成15年4月以降のセーフティーネットについては、生保業界は勿論ですが、関係方面と今一生懸命調整中であります。出来るだけ早くまとめたいということで、今最大限の努力をしているということであります。

問)

日銀の総裁人事の件ですが、後任人事についていろいろな名前が出て来ておりますが、政府・日銀一体として金融政策を進めるという観点から、どのような人材が望ましいとお考えでしょうか。

答)

そういう今お話のような観点は大変重要だと思いますが、いずれにしても日銀総裁の人事につきましては国会の同意の下で総理が任命される話ですから、私からはコメントを差し控えたいと思います。

問)

ちょっと早いのですが、定例会見としての長官会見は今回が最後となりますので、今年一年を振り返るというか、特に長官も大臣も交代されて、年後半というのはいろいろなことがあった一年だと思うのですけれども、今時点での今年について、また来年に向けてどのようなことを考えていらっしゃるのかをお願いします。

答)

7月に就任いたしまして今日まで、ペイオフ問題だとか金融機関の合併促進、この二つの法案を処理いたしましたし、それから証券市場の改革促進プログラムも公表して取り組んでおります。また、金融再生プログラムについても取り組んで来たわけです。まだ年末に向けて、その具体化について今一生懸命努力している最中でございますから、来年の事までなかなか考えが思い至りませんけれども、いずれにしても引き続き大臣・副大臣のご指導の下、適切な金融行政と言いますか金融の安定化に向けて努力して行きたいというふうに思っております。

問)

先週末にまとまった税制改正大綱ですが、証券税制の部分と不良債権に関わる税制の部分、おのおの評価をいただけますでしょうか。

答)

証券税制を中心に概ね満足のいくものだというふうに思っております。ただ、後の点の不良債権絡みの税制改正につきましては、13日にまとまった与党税制改正大綱においていろいろと書いてありますが、要は検討を続けるということになっているわけです。与党でも引き続き検討がされると思いますし、我々も引き続き努力したいというふうに思っております。

問)

生命保険のセーフティーネットについてですけれども、金額とか何かは別にして、長官として、セーフティーネットはどうあるべきかという全体像、考え方みたいなものを改めてお聞かせ下さい。

答)

生保のセーフティーネットですから、やはり保険契約者にとって安心感と言いますか、そういうものが持たれるような、あるいは保険に対する信頼と言いますか、そういうものがあるような、そういったセーフティーネットを15年4月以降もきちっと整備していく必要があるというふうに思っています。

問)

欠かせないということですか。

答)

そうですね。現状、生保のセーフティーネットは必要だというふうに思っています。

問)

そうすると、業界側が追加拠出を拒んだ場合というのは、要するに金融庁は必要であると思っている、ただ業界は変らないという場合は・・・。

答)

いずれにしても、先程も申し上げましたように、業界の方も含め、関係方面といろいろと調整中ですから、そういう意味で金融庁としては最大限の努力をしているということでありますから、もうしばらく様子を見ていただきたいというふうに思います。

問)

公的資金制度の新しいあり方と、地域金融機関のあり方についての、いわゆる議論というのが、20日の金融審議会で始まると思うのですけれども、19日、前日にも金融審の第二部会というのが予定されていますが、この19日の部会というのはどういうふうな位置付けになるのでしょうか。

答)

基本的に19日の第二部会、それから20日の総会も、後で確認しますが、いずれにしても20日の方は証券関係の検討の状況、第一部会でやったものについて、総会にご報告するということでセットされているのですね。19日の第二部会の方はもう一度後で確認しますけれども、金融再生プログラムの工程表についてご説明するということのようです。いずれにしても新しい公的資金とか、金融再生プログラムに織り込まれている検討について、年内に立ち上げと書いてあるものは、年内に立ち上げるということで作業をしていますけれども、今ご指摘の金融審の総会なり部会は、元々そのためにセットしたものではありませんから、その場で議論がなされるかということも含めて、今時点ではまだ決めていないという状況であります。いずれにしても年内に立ち上げというのはプログラムでそうなっていますから、そういうことで、今いろいろと詰めている最中なのですが。

問)

年内にもう一度総会を開くということもあるのでしょうか。

答)

そこも含めて、つまりここでというところまで、まだ今決めかねているのですね。今、鋭意検討しているところなのですが。

問)

今回の税制改正要望で、繰り戻し還付は認められませんでしたけれども、その話が今度、金融審で議論がスタートするのでしょうけれども、繰り延べ税金資産の算入限度額の話に何らかの影響を与えるのでしょうか。

答)

金融審の方の議論は金融再生プログラムに書いてありますように、年内に検討を立ち上げて、幅広い観点から検討を進めるということですね。税は税で、与党の税制大綱の方で検討を続けるということになっているので、そういう検討状況も当然参考にしながら議論はなされると思いますが、金融審の議論は金融審の議論、税の議論は税の議論だと思います。

(以上)

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