高木金融庁長官記者会見の概要

(平成15年1月20日(月)18時07分~18時18分)

【質疑応答】

問)

長官の方から何かございますか。

答)

特にございません。

問)

生命保険会社の予定利率の引下げについてなのですけれども、通常国会への提出も検討されていることと思いますけれども、現段階での方向性や検討状況についてお聞かせください。

答)

セーフティネットの関係で保険業法の改正を出すということは、これはもうその通りなのですが、予定利率の問題については前から申し上げていますように、いろいろ幅広く勉強しているということで、何か具体的な方向なり考え方をまとめたということは全くありません。

問)

近く再実施される予定になっている特別検査の見通しと準備状況についてお聞かせください。

答)

15年3月期に向けて特別検査を実施するということが再生プログラムに織り込まれています。そのために、人員の手当ても配置もいりますし、そういう事も含めて、いつ実施するか、そういう事も含めて今検討しているというところでございます。

問)

年が明けてからの会見で、竹中大臣が銀行の経営改革の評価基準として「3つのS」という基準を明らかにされましたけれども、これについて、どう監督行政に反映させようと考えていらっしゃいますでしょうか。

答)

その「3つのS」というのは、行政の基本的な姿勢と言いますか考え方と言いますか、そういう事だと思うのですね。それを今回、大臣が明確に整理をされたということだと思うのです。我々はその「3つのS」をきちっと整理していただいたわけで、明確に意識しながら、行政はいろんな事がありますけれども、その中に生かしながら適切な行政をしたいということであります。

問)

予定利率の引下げに関して、一部報道で解約を止めるために金融庁が業務停止命令をかけるというような報道もありますが、そのような事は検討されているのでしょうか。

答)

いや、まだ勉強しているところで、そういうふうに具体的にコメント出来るような状況にはなっていないのです。

問)

高利回りだった予定利率を、3%程度に引下げるということも決まってはいないのでしょうか。

答)

全く決まっていません。

問)

今申し上げた事、例えば2つとも選択肢の中には入っているのでしょうか。

答)

選択肢というか、まあ広く勉強はしていますけれども、そういう具体的なことについて考え方がまとまっているとか、お答え出来るとか、そういった状況にはないということです。

問)

金融庁の原案なるものが現実にはないということでしょうか。

答)

現実にはないです。

問)

今日、官邸の方に大臣と長官が行かれたと思いますが、どのようなお話だったのでしょうか。

答)

ご説明に行った趣旨は、一つは金融再生プログラムの進捗状況をご説明したと。それから、これはもう前からある程度定期的にやっていることですが、金融情勢全般についてご説明をしたということであります。

問)

官房長官や総理から何か新たな指示というのはあったのでしょうか。

答)

特段のご指示はいただいておりません。

問)

金融行政全般についてというところで、3月決算の予想とか、そういったような話はされておられないのですか。

答)

3月決算といいますか、まあ9月中間決算の状況とか、まあいろいろ今各金融機関が再生プログラムを受けていろんな努力をされていますけれども、そういった状況についてはご説明しました。

問)

次の日銀総裁について、金融庁長官として何か求める要件と言いますか、そういうのがあればお願いします。

答)

それはもう総理が国会の同意を得ながらお決めになる話ですから、私からコメントすることは差し控えさせていただきたいと思いますが。

問)

今年の特別検査と去年の特別検査とで、細かい点でも結構なのですが具体的にどう違ってくるかということを、分かっている範囲で教えて下さい。

答)

基準等についていろいろご説明することは、風評リスク等もあって今までも差し控えさせていただいていると思います。要は前回から時間も経っていますから、債務者側に状況変化等があれば、それに応じて変わっていくということだと思うのですが。

問)

今日、民間の調査会社の帝国データバンクからの発表で、2002年の上場企業の倒産が過去最大だったということなのですけれども、理由として特別検査の影響もあるということなのですが、そのことを踏まえて企業の倒産と今後の企業再生についてご感想を伺いたいのですが。

答)

そのことを承知していませんから的確なコメントは出来ないと思いますけれども、いずれにしても検査は債務者の実態を見ているわけです。ですからそのことによって倒産が増えるという問題ではないと思います。検査が実態を変えるわけではないということです。

問)

抽象的な話になるのですが、今後の日本の企業はどう向かっていくとお考えでしょうか。

答)

それは正に私の所掌を越えた問題ではないかと思いますね。不良債権になったものについて、積極的にそれを経済の構造改革とか経済の再生とかいろいろな観点から健全化と言いますか、それを早いテンポでやっていただくというのは我々の仕事だと思うのですが。産業再生機構等も今、検討中ですけれども、そういうものも併せ、そういう観点から早い対応がなされていくと思いますが、そういうものを越えた経済情勢一般ということになりますと、私の所掌の範囲内ではないので、コメントを差し控えさせていただきたいと思います。

問)

オフバランス化の要件というものが11月位に出されたと思うのですけれども、この中で債務者がリストラのためにGood CompanyとBad Companyに分かれて、このBad Company部分については3年以内の清算を目指してやるということであれば、銀行はそこに対する債務をオフバラ化したと見なされるというふうなものですよね。

答)

そこは前に発表した紙に書いてあった通りだと思うのですが、ちょっと明確に覚えていないので、いずれにしてもオフバラ化につながる措置をきちっと講じているかどうかということで判断していく話だと思うのです。

問)

私自身分からなかったのが、GoodとBadに分けて、Badの方が持っている債務というのは自動的にオフバラ化されると見なされるのか、あるいは銀行は銀行できちんと追加コストを計上して処理していかなければならないのかというところが、ちょっと分からなかったのですが。

答)

GoodとBadに分けて、それは分け方にもよると思うのですが、その法的手続きなり私的ガイドラインなりいろいろあると思いますが、そういうふうに計画をきちっと作って、それでその計画に従って処理が進むということであれば、その瞬間にオフバランス化になるかどうかはともかく、オフバランス化につながる措置が講じられたというふうに認識されるかどうかという問題なのです。

問)

3年ルールを満たしているかということを判断するときに、「そこの所は考慮されますよ」という・・・。

答)

そうですね、ですから法的な手続きに入っても、そのことによって必ずしもすぐにオフバランス化されるわけではないのです。けれども法的な手続きに入ると、当然それは再生なりきちっとした処理がなされるわけですから、最後の法的な手続きが完了するまではオフバランス化につながる措置でないということではなくて、法的な手続きに入ればオフバランス化につながる措置が講じられたというふうに認識するということと、まあ同じような議論だと思いますけれども。

問)

予定利率の引下げの件なのですが、これまで見送られてきた経緯として環境が悪いですとか機が熟してないということがあったと思うのですが、今の環境についてはどのようにお考えですか。

答)

別に環境がどうだということで見送ってきたわけでもないと思うのですが。それはやはり生保の中身についてもいろいろな議論がありますから、そういうものも含めて今引き続き勉強しているということです。

(以上)

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