高木金融庁長官記者会見の概要

(平成15年2月24日(月)16時04分~16時18分)

【質疑応答】

問)

長官の方から何かございますか。

答)

特にございません。

問)

生命保険の予定利率の問題についてですが、与党協議で、結局セーフティーネットの部分と予定利率の部分を切り離して、予定利率については先延ばしという方向性が打ち出されたのですが、これまで長官は「3月の法案提出期限を目処に何らかの判断を出したい」というふうに仰っていらっしゃったのですが、改めて、今日の段階でこの予定利率の問題をどういうふうにお考えになりますか。

答)

今お話があったように、3月の中旬というのは一つの目処であったわけですけれども、今お話があったように与党内での協議がそういう状況にありますから、引き続き与党ともよくご相談しながら、更に勉強して行きたいというふうに思っています。

問)

法案を出すべきかどうかというような判断は、今日の段階ではされていないということですか。

答)

法案は今の時点では、いわゆる生保のセーフティーネットの部分ですか、あのようなものを織り込んだ法案を3月中旬に出すという方向で今考えています。

問)

予定利率についてはそうすると・・・

答)

引き続き与党ともご相談しながら勉強したいというふうに思っています。

問)

今日、大阪の方でリレーションシップバンキングのあり方に関するワーキンググループの地方懇談会が行われているのですが、改めてそのWGで考えられているアクションプログラムについての検討状況、あるいはどういったものが考えられるのかというイメージなりをお持ちであれば教えていただきたいのですが。

答)

まだ、今年度末までに不良債権処理のアクションプログラムを作るということで、今いろいろWGで検討していただいているところであります。今までWGはもう既に4回開いていますが、それぞれ金融機関からのヒアリングとか、あるいは企業からのヒアリングといったことをやって来たわけですね。それで、更に地域金融の現状等について、中小企業等から、ユーザーから意見をいろいろ聞いてみようということで、確か今日、大阪で地方懇談会を2時から4時でやっていると思うのですが。また、26日には仙台の方でもやるという予定になっています。そういうふうに、今はまだその状況ですが、いずれにしても今後大車輪でいろいろご検討いただいて、とにかく金融再生プログラムの期限までにはアクションプログラムをきちっと作りたいというふうに思っています。

問)

日銀総裁人事が間もなく内定するような話になっているようですが、新しい日銀総裁に対して期待する金融政策等々についてコメントをいただけないでしょうか。

答)

いろいろ報道されていますけれども、私自身は承知していないです。日銀総裁に何が期待されるかということですけれども、それは当局として何かコメントする立場にはないと思いますけれども、いずれにしても経済の再生に向けて金融の安定化・強化とかデフレ克服といったことが最重要課題になっているわけですから、その最重要課題について政府・日銀一体として取り組んで行くということだと思うのですね。これまでの日銀もそういう努力をされていると思いますが、引き続き新総裁の下におかれてもそういう努力をされるということを期待したいと思います。

問)

だいぶ今までの正副総裁の人事と感じが違うなというふうな感じとか、印象はありますか。

答)

先程も申し上げたように、いろいろ報道は承知していますけれども、何かきちっと正規に承知しているわけではありませんから、いずれにしても日銀総裁、副総裁人事というのは総理がお決めになって、国会の同意をいただくということですから、私共の方からそれについてコメントする立場にはないというふうに思います。

問)

前回の会見で「中小企業金融」という言葉をお使いになって、「中小金融」ではなく「中小企業金融」という表現になっていたようなのですが、そこは何か意識されてお使いになったことはあるのですか。

答)

何の関係ですか。

問)

中小企業の貸出というかリレーションシップの会議だとか、そういう議論の時に長官の言葉で「中小企業金融」という言葉をお使いになったのですが。

答)

特に意識はないと思います。「中小金融」も金融機関側の話ではないですから、それは融資先の話としてお話している限りにおいては、「中小金融」も「中小企業金融」も同じ意味で申し上げているつもりです。

問)

生保の予定利率なのですが、この前あのような形で法案が先送りになったということは、どういった点に問題があって、金融庁としてはどの辺を今後考えていかなくてはいけないというふうに思っていらっしゃいますか。

答)

生保の予定利率の問題というのは大変重要な問題だと思うのですね。その問題についての議論が十分熟成していないということではないかというふうに理解していますけれども。

問)

熟成していないというのは与党内での議論が熟成していないのか、それとも国民の理解が深まっていないという意味なのでしょうか。

答)

まあいろんな意味で議論がもう少し深まる必要があるということだと思います。

問)

議論を深めるのであれば、ある程度今の金融庁の考え方みたいなものをオープンにされる必要があるのではないかと思うのですけれども、その点はいかがでしょうか。

答)

これまでも与党といろいろ議論して来ているのですけれども、その中でいろいろ行政の意見といいますか、そういうことも申し上げて来たのだと思いますけれども。

問)

与党の中に国民的合意がまだ不十分であるといったことを、今回、切り離す一つの理由として挙げられている向きがあるようですけれども、その点は国民的合意がなされていないということについてはいかがでしょうか。

答)

そういう点も含めて議論が熟成していないと、もう少し勉強を続ける必要があるなというふうに思っています。

問)

株式の持合の件なのですが、噂と言いますか、はっきりしないのですが、国際BIS基準の期限の延長という話があるようなのですが、それも含めてある程度少し1年とか2年とか仰っているようなのですが、そういった話はあるのですか。

答)

それは与党の中でそういうご議論がなされていると、そういうことだと思いますね。要は株式の保有制限が自己資本の範囲内という目標達成が、現状16年9月だったと思うのですね。その議論をする当時、確か新しいBIS規制の導入が平成16年だったのが、その後18年の年末までに延びたという事情もあると思うのですが、そういう諸々の点を踏まえながら、与党の方でいろいろご議論なされていると承知しています。

問)

今日の年度末金融の円滑化に関する意見交換会の冒頭挨拶で、大臣の方から貸し渋りの問題に重点を絞った検査も実施したらどうかといったお話があったと思うのですが、これはどういった趣旨のことなのでしょうか。

答)

これはいわゆる貸し渋り・貸し剥がし110番ですか、それを設けて今500件余りいろいろな話が来ているのです。そういうことをいろいろ分析しながら、今後の検査・監督に活かして行くということは、前から申し上げていることだと思うのですが、大臣もそのことをお話になったと思います。

問)

その範囲を超えたものではないということですか。

答)

前から申し上げていることだと思います。110番の内容を良く分析して、検査・監督に活かしていくということだと思います。

問)

年度末金融の意見交換会で懇談もあったと思うのですけれども、何か注目するような発言などはありましたでしょうか。

答)

ご承知のように時間ももう残り少なかったですから、それぞれ政府側からそれまでにお聞きになっていたような、各大臣なり副大臣がご発言されましたよね。それから各業界代表の方からもお話がありましたですね。概ねそういった話の延長と言いますか、沿った意見交換が少しなされたということであります。

問)

先週末、第三者割当増資の指針が発表になりましたけれども、この関係で独占禁止法の関連もあると思うのですが、金融庁だけでなく、例えば公正取引委員会との連携という点ではどのように考えていらっしゃいますか。

答)

あれはいわゆる「事務ガイドライン」ですから、行政が監督に当たっての事務手順と言いますか、着眼点を整理したものなのです。ですから行政は当然あれに則って監督して行くと。いわゆる独禁法との関係等については、それは当然公取の方は従前よりきちっとした監視をされていると思うのですね。我々の方からいろいろ申し上げる必要もないのではないかと思いますけれども、必要あれば当然、意見交換等あってもおかしくないとは思います。

問)

今日、公認会計士協会の奥山会長が、DCF法と繰り延べ資産の厳格化について伊藤副大臣にご報告されていたようですが、改めてそれぞれが銀行経営に与える影響についてお考えを聞かせて下さい。

答)

銀行経営に与える影響というのは分析しているわけでもないですし、まだ細かくは明日公表されるのですか、私も十分承知していませんから、いずれにしても公表されたら、それに則って公認会計士協会が監査を的確になされることは勿論ですけれども、銀行の方もそれを受けて的確に対応するということが期待されているのだと思います。

問)

経営的に追い込まれる銀行が出て来るというような考えはありませんか。

答)

今申し上げたように中身をまだよく詳細に承知していませんから、いずれにしてもそれを受けて、銀行は当然的確に対応するということになると思いますね。

問)

預金保険料なのですけれども、どちらにしても時間のある話なので結論は出さなければいけないと思うのですが、金融業界の中にも、やはり高いと言いますか、下げて欲しいといったような話は当然出て来る可能性がありまして、そこはどういうふうに考えておられますか。

答)

これは、まずは預金保険機構が業界と良く意見調整をして決めていく話だと思うのですね。ですからそういう意味で、これからそういった調整がなされて行くのだというふうに思います。現時点で、私は特に何も聞いていませんから。

(以上)

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