高木金融庁長官記者会見の概要

(平成15年3月31日(月)17時03分~17時15分)

【質疑応答】

問)

長官から何かございますか。

答)

特にないです。

問)

3月末ですが、株価が大幅に下げまして、8,000円を割って終わったのですけれど、さんざん金融機関や生保への影響というのが言われているのですが、改めてその辺と、それからせっかく市場対策というのをしたのですけれども、期末に300円も下げるのはどうかなという気がするのですが、その辺りどうお考えですか。

答)

銀行も生保もこれから決算作業をするわけですから、確たることは申し上げられないのですが、銀行も保険も、自己資本比率だとか、あるいはソルベンシーマージン比率だとか、そういった財務の健全性に関することで問題が生じることはないというふうに思っております。株価の上げ下げの話は、いろいろな要因がある中でマーケットが決める話ですから、いつも申し上げて恐縮なのですけれども、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。

問)

先週、地域金融のリレーションシップバンキングに関しまして、金融審の報告書とそれからアクションプログラムの公表があったと思うのですけれども、主要行と不良債権処理の進め方に格差を設けたということで、その点に懸念するところがあると思うのですか、その辺りいかがお考えか。それとこれだけ細かいことをなさるわけですが、そういうふうに感じているのですけれども、周知徹底ですね、各金融機関に対して、どのようになさるのかお願いします。

答)

このワーキンググループの報告と、それから金融庁のアクションプログラムについては、事務的にいろいろご説明はしていると思いますから、細かい話はやめますけれども、いずれにしても中小・地域金融機関は、地域に根ざした営業基盤といいますか、そういう営業基盤の下で、中小・零細企業を中心に金融業務をやっているという特性があると思うのですね。また、同時に企業の再生について申し上げますと、そのノウハウの蓄積といった点でも一方で限界があるというふうに思います。要はこの問題は、金融機能が健全に発揮されるようにするということが基本なのですね。中小・地域金融機関につきましては、今申し上げましたような特性だとか、あるいは実態を踏まえながら、その機能の抜本的な強化に取り組むということにしてあるわけですね。そういった取り組みの中で、その不良債権問題についても同時に解決していくということが適当ではないかと。これはワーキングの議論等を踏まえながらそういう判断をしたわけであります。こういった取り組みを15・16年度、これを集中改善期間と言っていますけれども、この期間に集中的に実施して、早く中小・地域金融機関の機能の強化を図るという基本的な枠組みで取り組んで行くということであります。それでこの周知徹底なのですが、各金融機関、それから各業界団体、それについては今日説明をしております。それから更に今後、意見交換会等々、説明会を開催するとか、そういったことで一層の周知徹底を図っていきたいというふうに思います。

問)

今日説明したというのは、それぞれの団体に通知か何かしたということですか。

答)

それぞれの団体に説明に行ったのだと思います。あと、各財務局を通じて各金融機関にも説明したのだというふうに思います。

問)

3月末までに、公的資金注入行に対する優先株の普通株転換というのを再生プログラムではまとめるということでなっていたと思うのですけれども、もう今日は3月末なのですが、どのような運びになっているのかお願いします。

答)

これは大臣もご説明したと思うのですが、年度内を目途に鋭意検討して来ているわけなのですが、今もまだその最後の詰めを検討しているので、出来るだけ早く公表出来るように取りまとめたいというふうに思っています。

問)

先週、伊藤副大臣の記者会見で会計ルールの変更について、副大臣は否定的な見解をお示しになったのですが、金融庁としての検討状況というのは、その後どうなっているのかお願いします。

答)

これは与党の対策を受けまして、27日に財団法人の財務会計基準機構、そこの企業会計基準委員会に与党の対策についてご説明といいますか、伝達をしております。まずはご承知のような仕組みですから、そこで幅広く検討されることが必要だと思うのですね。金融庁としてはその検討を十分注視していきたいというふうに思っています。

問)

与党の要請では、機構と、それから金融庁にも要請をということになっていたと思うのですが、金融庁としての検討というのはどのように進められるのですか。

答)

これは私も必ずしも承知していませんけれども、基本的に今の仕組みの下では、企業会計基準機構の方でまず検討いただく仕組みになっているわけですから、与党の対策を受けて、直ちに機構の方にその与党の対策をご説明し、伝達したということであります。

問)

政府税調の方で近く不良債権税制として3点セットについての話し合いが行われる予定ですが、金融庁としては去年の段階で要請しているわけですけれども、改めて現段階のスタンスというものを教えていただけますか。

答)

今お話がありましたように、昨年の税制改正で金融庁は要望したわけですね。それで与党の税制改正大綱で引き続き検討するとされたわけです。それからまた与党の方の対策において、早く検討しようということが打ち出されたわけで、速やかに与党はもちろんですけれども政府の方でも検討がなされるということを期待しています。もちろん我々としては改正要望も出しているわけですから、前向きにぜひご検討いただきたいというふうに思っております。

問)

その検討の段階でなぜ銀行にだけ、例えば過去の支払った分を返すのか等という、やや銀行優遇的だという批判が出ているのですが。

答)

そういう点も含めていろいろ検討がなされるのだと思います。ただご承知のように、金融機関については経済のインフラとしてそれが重要だということで、これまで70兆円の、交付国債であったり政府保証枠であったりしますけれども、そういう公的資金枠を使って対応して来たわけですね。繰延税金資産の話についてどういうご検討がなされるかは分かりませんけれども、いずれにしてもそういった今ご指摘の点も踏まえて広くご検討されると思いますが、金融庁としてはぜひ前向きに検討をお願いしたいというふうに思っています。

問)

70兆円の公的資金の枠があるという文脈が良く分からなかったのですけれども。

答)

金融機関だけというお話があったものですから、金融機関については経済のインフラとしてそういう枠も用意してこれまで対応して来たわけです。だからと言ってどうということを申し上げているわけではないのですけれども、そういったいろいろな点を踏まえて、ぜひ前向きにご検討いただきたいというふうに思いますね。

問)

企業会計基準委員会の検討は、これはいつ頃までに出してくれというようなことは金融庁として言ったのでしょうか。

答)

いずれにしても早急にご検討をお願いしたのだと思います。総務企画局長の方から伝達していますから。

問)

特別検査の再実施なのですけれども、金融庁は期末に向けて大体おやりになってきたと思うのですが、去年は4月12日だったと思うのですが、今の実施状況と結果の公表を、いつぐらいをお考えになっているのか教えてください。

答)

詳しくはまだ聞いていないのですが、まだ検査が続いております。ですからもう暫く検査でかかるというふうに聞いていますから、そこが締まって来ていつ頃というか、公表ももちろん出来るだけ早くと思いますけれども、検査が今そういう状況ですから、今いつ頃というのはちょっとご容赦いただきたいと思います。

問)

普通株転換のガイドラインですけれども、今週中ぐらいに出されるのでしょうか。

答)

いずれにしてもまだ検討中ですから、先程も申し上げましたけれども出来るだけ早く取りまとめたいというふうに思っています。

(以上)

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