高木金融庁長官記者会見の概要

(平成15年12月15日(月)17時01分~17時14分)

【質疑応答】

問)

まず、足利銀行の新しい経営陣の人選の状況についていかがでしょうか。

答)

足利銀行につきましては、これはもう当然のことなのですが、新しい経営陣の下で健全化に向けて経営改革を早くやるという必要があるわけでございまして、従いまして新しい頭取等につきまして、できるだけ早く選任したいというふうに思っております。

ただ基本的な選任にあたっての考え方と言いますか、これは金曜日ですか、大臣も申し上げた通りで、一応の整理をしながらしているわけですけれども、具体的な人選を今始めたばかりと言うと変ですけれども、検討を始めたところでございますので、今時点で具体的に人選の見通し等について申し上げられる段階にはないということでございます。

問)

大臣は先週の金曜日の会見で今週前半というふうに目途を述べられていたわけですけれども、その見通しについて現時点の変更はございませんでしょうか。

答)

大臣は、できるだけ早くというお気持ちをそういうことで表現されたのだと思うのですが、大臣も確かその時申し上げたと思うのですが、具体的にはこれから検討するということだったと思うのです。まだそういう状況なものですから、見通しがどうかということも明確に申し上げられる状況にはないということでございます。

問)

それに関してあと1点だけなのですけれども、金融に詳しい人、企業再生に詳しい人、地元経済に詳しい人、法律に詳しい人、というふうに大臣も長官もそういうふうに考え方を仰っておりましたが、新経営陣の人数ですね、これについてコンセプトは固まられたのでしょうか。

答)

いや、そこも含めてまだ検討しているところなのです。

問)

新しい公的資金制度ですね、いよいよ自民党も部会の方を通りまして、更なる具体化に向けて動かれていると思いますが、今後の法案取りまとめのスケジュール等についてまずお伺いしたいと思います。

答)

これはご承知のように、先週与党の部会で制度の大枠、それから政府保証枠を要求することにつきましてご了承いただいたという段階であります。今後、これは財政との絡みもございますので、財政当局とも相談しながら法案化の検討を進めて行くということになります。

これは予算と関連する法案でもございますから、例年予算関連法案として一応提出時期が政府として決められるわけですけれども、来年かどうか、いつになるかはまだ承知していませんが、そういう予算関連法案の提出期限等を踏まえながら法案化の作業をして行くということになってまいります。

問)

大枠についてなのですが、我々は自民党との調整の過程で漏れ知る立場にあるわけなのですけれども、正式にはアナウンスメントを我々受けていないわけですが、審査の基準ですね、6項目とかありますが、ただ一般に言われていることで、裁量性を強めてしまうのではないかと、定性的な物の考え方は基準として示されているけれどもそれが具体的な数値とかで決まっていないがために、いわゆる裁量性、恣意性と言うか、これを抑えるための追加的なルール作りと言いますか、同時にこれについての物の考え方についてお伺いしたいと思います。

答)

裁量性という単語も非常に幅が広いと思うのですね、どういうふうに考えるかということもあるかと思いますし、今のご質問ですと法案の他に何かルールができるか・・・。

問)

いえ、必ずしもあれなんです。法案そのものであるか、あるいは施行細則なのか。

答)

いずれにしてもご承知のように、新しい公的資金制度は公的資本参加を契機に経営改革を進めて健全な金融機能を発揮し得る金融機関だと、そういう金融機関を対象にしているわけですから、金融庁としてはしっかりした審査が重要なのだと思います。

先程も申し上げましたけれども、具体的な法案化の作業はこれからでございますが、その法案化を検討する中で、今申し上げたような審査基準等を含めて、しっかりとした制度化を図って行く必要があるというふうに思っております。ですからそういう中で、今お話のような点も含めて、よく検討して具体化を図っていきたいというふうに思っております。

問)

税制大綱の取りまとめもいよいよ大詰めになっておりますけれども、金融庁から要望されている不良債権処理の新税制3点セット、自己資本充実のための3点セットでもあるわけですけれども、これの見通し等についてのご所見をお伺いしたいと思います。

答)

これはもう連日、与党の方でご検討をなされていると思うのですが、ちょっと今、直近の状況がどうなっているのかということは、私まだよく聞いておりません。いずれにいたしましても今、与党で税制改正大綱の取りまとめに向けてその大詰めのご検討をいただいている状況だと思います。ですから我々としては今まで随分ご説明もしてまいりましたし、今の与党でのご検討をよく見守っていると言いますか、そういう状況であります。

問)

足利銀行の人事は、すべて決まってから一斉に公表いただけるご予定なのでしょうか、それとも五月雨式になるのでしょうか。

答)

そこはですね、まだ今、一所懸命いろいろ検討はしているわけですけれども、そういった点も含めて今、検討中だという、まあそこまで話は固まってないということでございます。

問)

就任のスケジュールはですね、選任が正式決定になってから即座にもう今の経営陣とチェンジするという形になるのでしょうか。

答)

チェンジするかどうかも含めてですね、人事を今検討しているわけですけれども、手続き的には内閣総理大臣が指名して、預金保険機構が選任手続きを取れば、そこでもう確定するということでございますから、その時間はそんなに掛からないというふうに思います。

問)

新しい経営陣についてなのですけれども、最終的には一時国有化の措置が終了すると、株を売却したり、営業譲渡をすることになると、その場合、国有化の期間、ガバナーとしておられた経営者はいったいどうなるのだと、その先、短期間を前提で就任されるのかですね、あるいはその後もやはり育て続けたいと、その辺の措置の終了とともに後はもう国の手を離れるのだから民民でやってくれということなのか、あるいは今度就任される方に引き続きやってくれる方を優先的にですね、受皿として探すおつもりなのか、その辺、ご所見をお伺いしたいのですが。

答)

出口はですね、まだ全く何も考えていませんから、国有化を終了するときに、新しい受皿、あるいは株主と言いますか、いろいろな形があると思うのですが、そういう中でその時の経営陣をどうするかというのは、その時に考えるべき、あるいは考えられる話だと思うのです。いずれにしても足利銀行につきましては、今の営業地域でですね、融資割合は50%前後占めているとか、非常に重要な機能を果たしていますから、一刻も早く営業譲渡、出来るだけ早くですね、法律に則って国有化を終了する必要があると思っていますが、その前に、一刻も早く経営改革にも取組んでいただいて、しっかりした経営、円滑な金融を図っていただく必要があるというふうに思っておりますから、出口と言うよりは、まずとにかくそういった地域金融の面で重要な役割を果たしていただくということにしっかり取組んでほしいというふうに思っております。

問)

新法に関してなんですけれども、新法で予算枠、保証枠は2兆円なんですけれども、今あの財務省原案とか政府案に向けて交渉なさっている最中だと思うのですけれども、規模に関しては、根拠、なぜこの2兆円なのか、この辺のことをどういうふうに考えたらいいのでしょうか。

答)

この金額でなければという一義的な、予算の政府保証の枠ですからあくまで枠でありますし、それほどぎりぎりして詰めて考えられる性格のものでもないとも思うのですが、今、組織再編特別措置法の政府保証枠が15年度で1兆円になっているわけですね、今回の新法は、それをより充実して拡大してやっていこうということでありますから、そういったことも総合的に勘案して2兆円程度かなと、そういう要求をすればいいのかなというふうに思っています。もちろんその需要にもよっていろいろ違ってきますから、要求段階でもしっかりとした要求をしたいと思ってますけれども、万が一、枠が足りないと言えば、通常一般的な、本件についてというより一般的な例で言うと、それはそれでまた補正をお願いするとかということもあると思うのですが、新しい制度として要求の段階で、よくいろいろ総合的に検討して2兆円あれば十分機能しうるのではないかということで2兆円の要求をしたいとうふうに思っております。

(以上)

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