高木金融庁長官記者会見の概要

(平成16年3月15日(月)17時01分~17時09分)

【質疑応答】

問)

先週から金融機能強化特別措置法について国会で審議が始まりましたが、野党の方からは、モラルハザードについて色々と指摘もあるようですけれども、この辺について長官の現在の御所感をお願いいたします。

答)

現時点で野党の御主張を十分理解しているわけではございませんが、いずれにしてもモラルハザードの問題につきましては、新法におきまして、十分配慮いたしております。例えば、金融機関が申請をされる場合には、経営改革だとか、金融の円滑化への取組みをしっかり織り込んだ経営強化計画を御提出いただくと、それでそれにつきましては、法律の要件に基づいて厳正に審査するということにいたしております。また、そのケースに応じて、結果責任といった経営責任を明確化していただくといった枠組みも織り込んでおります。そういった枠組みの下で、我々といたしましては、御指摘のようなモラルハザードの問題を避けながら、地域における金融の強化だとか、円滑化を図っていきたいと、そういったことを通じて地域経済の活性化を図っていきたいという法案でございます。そういうことで現下の経済状況の下で大変重要な法案だと考えておりますので、ぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。

問)

保険の銀行窓販の全面解禁についてですが、与党が反対の姿勢を示しているようですが、今回見送られるのではないかという見方が強まっています。現時点での見通しについてお聞かせください。

答)

色々な場で色々な御意見が出されているということは十分承知をいたしております。金融庁といたしましては、この問題につきまして前から申し上げています通り、金融審議会で保険ワーキングを設けて、色々な方々に御参加をいただいて幅広く御議論をいただいているという状況でございます。最終的には金融審での御検討を踏まえながら、適切に対応していきたい、判断していきたいというふうに考えております。

問)

カネボウなのですが、産業再生機構の支援を仰ぐというのが決定して、これから金融支援の枠組みが検討されていくことになると思いますけれども、取引金融機関への影響、まだ決まっていない段階ではございますけれども、この辺についてどのようにお考えになっていらっしゃるのか…。

答)

これは今、お話がございましたように支援決定が3月10日に行われたというところでございますけれども、金融支援の要否だとか、内容等につきましては今後、検討がなされるという状況にございます。そういう状況でございますので、その影響といいますかそういったことにつきましては現時点で申し上げるのは困難だというふうに思います。

問)

事務次官の特殊法人等への天下りを減らす、役員の半分以下にする云々という方針を総理が仰いましたが、それについての御所感をお願いできますか。

答)

まず、そもそも特殊法人等への就職と言いますか、この問題につきましては、金融庁の所管外でございますから、コメントは適当ではないと思います。

ただし、いずれにしましても、閣議決定なり、総理の御発言なり、官房長官の御発言なりを踏まえてですね、各省庁は適切に対応することになるというふうに思います。

問)

日銀の福井総裁が就任して丸1年経ちますけれども、評価と言うか、この1年を振り返ってどのようにお感じになっていらっしゃるのか、難しいかとは思いますけれども何かあれば。

答)

私から中央銀行総裁について評価がましいことを申し上げるのは適切ではないと思います。

ただし、政府は政府、中央銀行は中央銀行としてのお立場もあり、その中で最大限の努力を色々されてきているというふうに私は認識しておりますけれども、評価がましいことは繰り返しになりますけれども、申し上げるべきではないと思います。

問)

郵便局の投信販売を巡って、大臣と麻生総務相が、郵政の検討が終わった後、秋以降に国会に出すというようなことで折り合ったという報道がされておりますが、それについての長官の理解と所感をお願いします。

答)

前回も申し上げましたけれども、郵政の問題につきましては、経済財政諮問会議で民営化について秋頃に基本方針を取りまとめるということで、今、幅広い観点から議論がなされているということであります。

それで、確か前の論点整理等にもあったと思うのですが、移行期の問題等についてもその中で議論されるというふうに理解をしております。そういうことで基本方針を踏まえて、それと整合性を取った形で法案を出していくということだというふうに理解をしております。

問)

結論が出れば、法案を出してもよいということで了承したと、そういう理解でよろしいのでしょうか。

答)

結論が出ればと言いますか、基本方針を踏まえて、それとの整合性を取った法案でなければいけないということだと思います。今の時点で基本方針が出ているわけではありませんから、いずれにしましても、民営化について、経済財政諮問会議で秋の基本方針に向けて幅広い議論がなされていくと、それで投信の窓販については、その基本方針を踏まえて、対応していくということだというふうに理解をしております。

(以上)

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