五味金融庁長官記者会見の概要

(平成16年10月4日(月)17時03分~17時19分)

【質疑応答】

問)

2004年9月中間期末の日経平均株価が1万823円となりまして、3月末の1万1715円に比べまして7.6%下落しております。9月の月中平均も3月の水準を下回っていると見られます。多くの金融機関は株式の含み益がやや減少した模様ですけれども、銀行や生命保険会社の経営に与える影響をどういうふうに御覧になっていますか。

答)

保有する有価証券の価格の変動というのは、勿論一般的に銀行なり生命保険会社の財務に影響を及ぼし得るわけでございます。ただ、こうした銀行や生保会社においては市場リスクに関しては、そのリスク量の定量的な計測ですとか把握ですとか、こういったようなリスク管理を行っているわけでございます。要するにどのようなポートフォリオを形成するかというのはその時々の経済状況等を踏まえて、自らの経営判断で適宜の入れ替えなり何なりも行われているということでございますので、こうした価格の変動がどのような財務上の影響をもたらすかということは一概には言えないというものであろうというふうに思います。金融庁ではこうしたリスク管理の態勢については当然のことですが、検査において確認をしております。またオフサイトモニタリングで各金融機関から有価証券の保有額、或いは評価損益、更には市場関連取引全般についての定量的なリスク量等、こういった情報については定期的に報告も徴求をしております。こうした実態把握に加えまして株価や金利などの動向といったものも注視をしていると、こういう状況でございます。各金融機関、現在9月の中間期のそれぞれ取りまとめをしているところでございますので、そうした取りまとめの結果を注目していくという段階であろうというふうに思っています。

問)

シティ・バンクの在日支店が多数の法令違反や不適切な取引を行い、9月29日から丸の内支店等、4つのプライベートバンクの拠点が業務停止となり、個人向け外貨預金業務も同じ29日から1ヶ月間の業務停止となりました。一般にコンプライアンスに厳しいとされる米国の大手金融機関がこうした事態を引き起こしたことについて、長官自身どういうふうに御覧になっていますか。

答)

これは今、米国というお話がありましたけれども、米国であろうとなかろうと国内の金融機関であろうと、こうした内容の法令違反が行われるということは大変遺憾であるというふうに思っております。これは一体何であったのかというと、私は一言で言えば企業風土とガバナンスの問題であったというふうに考えています。この行政処分を行いました時の発表資料、処分の理由のところに幾つか書かれておりますが、特にその中で銀行本部による経営管理の問題という部分がございます。この部分の記述、概略を申しますと、「銀行本部が前年実績比大幅増の経営目標を在日支店のプライベートバンキング部門に課し、給与体系と人事評価をその営業実績と密接に関連をさせ、収益偏重、コンプライアンス軽視といった営業を推進していたということ、そうした中で銀行本部の経営陣は在日支店の業務運営に係る監督責任を適正に果たしていないという実態があったということ、更に支店業務の運営に係る在日支店及び銀行本部の経営陣の経営責任と責任態勢というものが著しく不明確な組織機構となっていた。」というようなことを指摘しております。突き詰めて言えば要するに、企業風土に問題があり、ガバナンスが効いていない、そういうことが原因であったということであろうと思います。従って業務改善命令においても法令遵守を重視する企業風土を醸成することであるとか、或いはニューヨークの銀行本部の経営関与のあり方を抜本的に見直すことを前提に在日支店の経営管理態勢を構築すること等、こういったようなことが業務改善命令の内容になっているわけでございます。繰り返し申しますが、これは米国の企業であるかないかということ以前の問題として、できていなければならない最低限のことができていなかったということで大変遺憾であるというふうに考えています。

問)

保険商品の銀行窓販解禁の問題について二点お聞きします。金融審の報告に沿って来年4月から解禁の幅を拡大するということになると、もうぼちぼちどのような拡大をするかということについて結論が出てこないといけない時期に差し掛かっているのですが、これの進捗状況についてお聞きしたいというのがまず一つ。それから第二点目は同じく金融審の報告では、「報告の後遅くとも3年後に全面解禁すべきである。」というふうに書かれているのですが、生保協会及び自民党からの反対論が依然非常に強いため、本当に3年後の全面解禁という方針に揺るぎがないのかどうか、関係者の間で見方が色々出てきているようなので、金融庁としての方針を改めてお聞きします。

答)

金融庁は金融審議会で頂きました方針を基本といたしまして、この保険商品の銀行窓販ということを考えてまいります。遅くとも3年というお話がございます。この点については当然のことですがそうしたスケジュールを念頭において現在どういった手順、段取り或いは必要な規制を考えていけばいいかということを検討中でございます。また一年目から解禁を始めるという点につきましてもそうした日程感に沿って現在検討をいたしております。

問)

4月からの解禁拡大をやるとすれば、当初の計画ですと10月頃に内閣府令の改正の公布が本当はないと銀行サイドでもシステムの構築とか、従業員教育の問題がありますから、でも10月になってしまっていると、長官はあくまで4月からの解禁拡大というのは可能だと、物理的に可能だと今考えていらっしゃるのでしょうか。

答)

現在そうした方向で検討を進めております。

問)

シティバンクの件なのですが、仰っている本部の問題とか、今回行政処分が出た理由があると思うのですが、これについて、シティバンクは一般の預金者に対して、どういう結果でどういう原因でこういうことになったのか、今後どういうふうにコンプライアンスの問題について正していくかという問題について、今のところ自ら公の場で説明するなり、今までの経緯について情報開示等を全くしておりません。紙1枚を出して終わらせている、こうした預金者に対する姿勢について説明責任があると思うのですが、どのように受け止めておられますか。

答)

これは経営の御判断で、何の説明もしないまま本当にやっていけると思っておられるのか私は存じませんが、どのような体制をどう構築していくのか等、会社としての方針が明確に決まらないうちは恐らく御説明は難しいのではないか、恐らく決まっていても対外的に御説明できるところまでに固まっていない場合には、中々難しいのかもしれません。私は会社の中のそうした様々な事情をここで申し上げる立場にありませんが、利用者の信認を確保する観点からは、適切な説明を行うということは当然必要でありましょうし、そうした説明がないまま信認を失っていく金融機関が存在する場合には、また更にその点については、監督当局としてウオッチをして適切な対応をする必要があると考えています。

問)

UFJの告発の問題なのですが、告発を検討すると言ってからある程度の時間が経過しているのですが、4つの観点から考慮されるということですが、素朴な疑問として現段階で何がこの告発の検討で引っ掛かっているのか、例えば悪意性という点で言えば行政処分の段階で相当悪意性を証明される形で説明があったと思うのですが、何を時間をかけているのかが今一つわかりにくい、それは恐らくマーケットとしても預金者としても、金融庁は告発を検討していると言ってから時間がかかっているというような素朴な疑問があると思うのですが、今の段階で説明できるものがあるのでしょうか。

答)

御説明ができるできないではなくて、しないということです。それは、どのような要因が告発の要否の検討にどのような影響を及ぼすかということを個々に取り上げること自体が無用の憶測を招く、これが様々な悪い影響をマーケットにももたらすであろうということがございますから、検討の内容についての御説明は控えさせていただくというのが今の立場ということでございます。

問)

国際BIS基準のことなのですが、パブリックコメントにかけられるのは今月だと思いますが、現在のスケジュール感についていかがでしょうか。

答)

今月中ぐらいを目途として改正告示についてのパブリックコメントを出すことができればと思って現在最終的な準備、山場にかかっていると言いますか、おおわらわで行っているところです。

問)

最近業績不振企業の大型増資に伴う株価の乱高下、例えば、三菱自動車の増資に伴って株価が乱高下して、既存の投資家がそれによって被害を被っているような事例も出ているのですが、最近の転換価格の修正条項付きの優先株ですとか、転換社債の発行が増えているのですが、これについてよく裏には外資系の証券会社とかヘッジファンドとかがいるようなのですが、最近の一連の動きについて監督官庁としてどう見ていらっしゃるのか教えていただきたいのですが。

答)

そうした有価証券の発行に関しましては、必要な情報開示等のルールは当然守っていただきますが、商品自体に違法性がない、或いは会計上不適切であると会計原則上断ずることができるものではない場合には、発行体の判断によって行われるものである、投資家の皆様は、ディスクロージャーによく注意をして自らの投資判断を行っていただきたいということに尽きると思います。

(以上)

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