五味金融庁長官記者会見の概要

(平成16年12月6日(月)17時03分~17時21分 場所:金融庁会見室)

【質疑応答】

問)

足利銀行が一時国有化されてちょうど一年を経過しまして、先日中間決算の発表もされました。現時点で足利銀行の経営再建状況について、金融庁としての評価と、今後の受け皿選定までのスケジュールについてお伺いできますか。

答)

中間決算は御承知のとおりですけれども、17年3月期の計画が実質業務純益438億円となっているところに対して中間期で進捗率55.4%、243億円を計上しているということですので、安定的な推移をしているというふうに見ています。

そして経営再建の評価でございますけれども、これについては経営に関する計画の履行状況が提出されておりますが、これによりますと計画の履行状況、即ち経営再建の道筋というのは、当面概ね順調であるというふうに考えています。即ち経営再建に三本の柱がございまして、「収益基盤の再構築」それから「徹底した資産健全化」そして「ローコストオペレーション体制の確立」と、三つの柱がございますが、それぞれについて具体的施策が着実に実施されていると考えています。例えば、小口金融機能を有するリテールセンターの設置、産業再生機構等を活用した企業再生支援、RCCへの不良債権売却、更には人員の削減、定例給与水準の引下げ、また、ファイナンス子会社3社の清算手続きの開始といったようなことが行われております。

受け皿の選定までのスケジュールというお話でございましたが、現時点において受け皿の選定について具体的な検討を行う段階にはありませんので、受け皿の選定時期等については確たることを申し上げるというのは困難だということでございます。

足利銀行においては、引続き企業価値の向上というのを目指して、経営に関する計画に沿った経営改革の促進や中小企業再生等に取組みを進めているというのが現状でございます。

問)

金融庁が刑事告発したUFJ銀行の元経営幹部が逮捕されたのですけれども、告発対象でない役員も逮捕されておりますけれども、この点につきまして一連の今回の検査忌避事件の教訓と言うか、そういうものを仰っていただけますか。

答)

一つは当局の検査では、この検査忌避行為に及んだ目的というのを貸出先の財務内容の実態の隠蔽、或いは検査官による資産の実態把握を妨げると、こういった目的であったというふうに認定をしております。要するにこれはトラブルに陥っているということなのです。トラブルに陥っているからそれを隠そうとしたと、こういう話なので、教訓の一つはトラブルに陥らないような経営をしなければいけないということだと思います。大臣も仰っていましたけれども、厳格な資産の査定というものを常日頃からきちんと行い、そしてその結果に対する財務上の手当て、或いは与信管理上の手当てというものをしていれば、こんなことをしないで済んだわけですので、これが一つ大事な点であろうと思います。

それからもう一つは、当局の検査というのは金融機関を利用する人達がその金融機関を本当に安心して利用して良いのかどうか、そういう金融機関なのかどうかということを検証する、そしてそうでないならば必要な措置を取っていくと、そういうことのために行われるわけでございますから、そうした検査というものを妨げる行為を行うというのは、即ち国民に対して「自分達は信用できないですよ」と自分自身を信用できないということを白状しているようなものでありまして、大変にこれは残念なことです。しかもこれは信用をほとんど唯一の資産とする金融機関がこれを行うということになれば、その結果、重大なことにつながっていくということです。そういう意味で、法令遵守をして、そして当局の検査というようなものに対してはきちんと対応するということが国民の信頼を得るという意味でも大変大事なのだということがもう一つの教訓であろうと思います。

総じて言えば、法令遵守の体制というのをきちんと確立をしておくこと。それから自分の経営状況というものについては、常に早目早目にその実態を把握しておくこと。これが大事であろうと思います。

それから告発をしていなかった方も逮捕をされたということに関連してでございますが、前副頭取ということだと思いますが、御承知のように当局が告発をするのは、検査忌避に対して言えば、検査忌避の悪質性、重大性等、幾つかの要素によって判断していきますけれども、その根拠はあくまで検査の過程で当局が把握し得た証拠に照らして判断をするということになるわけでございます。御承知のように当局の検査というのは、犯罪捜査のためにその権限が与えられているわけではないということが、例えば銀行検査であれば銀行法に明記されているわけですので、そうした制度の主旨の中で、しかし明らかになった証拠に照らして検査忌避を行ったと認定できる、そしてそれが告発に値するという判断も出来る方を被告発人ということで決定をしたということでございます。

問)

与党の税制協議会が色々動いていますけれども、金融庁が要望しておりました金融税制の一体課税の件なのですけれども、与党の方で一応重点項目の中に取り上げられておりますけれども、これについて現時点で手応えみたいなものとか、改めて要望みたいなものがございましたらお願いします。

答)

まずもって現時点で与党税制協議会で金融税制が重点七項目の一つに選ばれているということについては率直に感謝を申し上げたいと思います。金融庁の税制要望の一つは、国民の資産の運用というものができるだけ多様で効率的に行われるようにということから、「貯蓄から投資へ」という転換を促進するための税制措置等を御要望していますし、また不良債権処理が進展してやっと手にした金融の円滑ということへの環境、こうして整いつつある環境をより確かなものとするために金融と企業の再生を推進するという税制、こういったようなものを要望させていただいているということでございます。与党においてこうした点、真剣な御検討をいただいていると考えておりますが、いずれにしても現在終盤を迎えているということで、手応えというようなそういったことを申し上げるのは色々な意味で差し障りがあると思いますが、金融庁としてはこの要望がその主旨に沿って実現していただけるように最後まで努力をしたいと思っております。

問)

今日の中小企業金融の円滑化の会合の中で、地方の中小金融機関、信用金庫とか信用組合の代表の方々が地域金融機関に対する数値目標について中々厳しいという見方を示されていたと思うのですが、諮問会議では数値目標の是非を含めて検討して欲しいという要請があったと思うのですが、地域金融機関にそうした何らかの形での健全化の数値目標を作ることについて金融庁として今現時点の検討の方向性についてお知らせください。

答)

「金融重点強化プログラム(仮称)」に関連して、中間的な報告を経済財政諮問会議に申し上げたその場での御議論の中に数値目標という言葉が出て来たことから、今日の会合で不良債権処理の数値目標の設定というのは中小地域金融機関に対してはなじまないという御趣旨の御発言が複数の民間金融機関の方からあったということでございます。この点に関しての検討と言いますのは、平成14年10月に公表された「金融再生プログラム」の中で中小地域金融機関の不良債権処理については、主要行とは異なる特性を有するリレーションシップバンキングのあり方を多面的な尺度から検討した上でアクションプログラムを策定するということで、主要行とは違う考え方で違うプログラムを作ることが明らかにされ、その後これに基づいて金融審議会で御議論いただいてその報告を受けまして、地域金融機関については、主要行と同様のオフバランス化による不良債権処理を促進するという手法は取らないということ、そして集中改善期間である平成15・16両年度においては、中小企業の再生と地域経済の活性化を図ることで、同時に不良債権問題の解決を目指す、これが地域金融機関の不良債権問題への対応であると言われていて、これが現在進んでいるわけです。今後も健全な競争の下でこうした考え方を更に進化・拡充させていくというのが必要なことであるというのが現在の考え方でございます。そのためには、地域の個性に応じた改革を各地域、そして各地域金融機関が行っておられるわけですから、その取組みを促しながら前向きな経営努力についてはこれを評価していくということが重要だということでございまして、そうした意味で地域にとって本当に地域経済の改善・活性化と中小企業の再生といったことに資するやり方というのは何なのかという視点から、数値目標というのが本当に必要なのかどうか。仮に必要であるとしてどのような数値をどう使えば一番地域経済の発展とそれに基づく地域金融機関の健全化ということに結びついていくのかということを考える必要がある。そういった視点から数値というものについての検討をする必要があると考えています。

数値目標を導入するといった方針をもちろん決めたという事実はありませんし、数値の扱いそのものについても今申し上げた視点から幅広い検討をする必要があると考えています。

問)

UFJの問題なのですが、今回検査忌避で告発をし、それについて地検は逮捕に踏み切ったということだと思うのですが、金融庁の検査の中で検査忌避がなぜ行われたか、背景には不良債権を隠すために色々な不正な行為をやっていた可能性があると一般の方々はイメージしていると思うのですが、そのところが今回の逮捕の事実認定の中では、まだうやむやになっていると言うか、それは国民に対してもそうですし、投資家に対しても本来はこうあるべき決算の中身がこの不良債権の一連の動きの中で、不良債権処理の検査妨害とか、その背景にある色々な、例えば飛ばしといったようなものの中で、投資家も別の決算を、粉飾とは言わないにしても正確な決算を受けられなかったのではないかという疑問があるのですが、それについて今の一連の流れはある意味でうやむやになって終わってしまうのではないかと思うのですが、これについてはどう思われますか。

答)

検査の対象になったのは平成15年3月期決算と特別検査の対象が平成15年9月です。この両方の検査において、検査をした結果はその後の当局からの業務改善命令等に基づいて平成16年3月期の決算に適正に反映されていると認識しています。従いまして現状では検査の結果明らかになった、それがどんな意図に基づくことであったかということは私は申しませんが、少なくとも事実と異なると認定されたものについては、直後の決算期である平成16年度決算において当局としても十分入念にチェックをした上で出てまいりました決算、これはもちろん監査法人も見ているわけですが、そこに表れていると考えています。

問)

ということは、過去何年かに遡ってもそうした不正な不良債権隠しというものはなかったということでいいのでしょうか。

答)

不良債権が実態と異なる認識・計上されていたということについては、平成15年3月期と平成15年9月期については、今回の一連の過程で明らかにしているわけですが、それ以前の決算について検査によって明らかになった数値の違いというものは、やはり直後の決算期において反映されていることになります。具体的にいつからどの債務者の資産査定がどうであったのかということはここで申し上げるのは適当でないと思います。

(以上)

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