浜中金融庁次長記者会見の概要

(平成12年9月28日(木)17時34分~17時54分)

【質疑応答】

問)

次長の方から何かありますか。

答)

特にございません。

問)

ゼネコンのハザマの債権放棄が合意したようですが、その合意した取引先、主要行の経営への影響とかについてどうご覧になっているか。

答)

昨日でございますか、今ご質問のハザマ組さんと主要取引銀行である第一勧銀さん、三菱信託さん、新生銀行さん、日本債券信用銀行との間の債権放棄の合意に至ったと、それを関係当事者の方から発表されたということは承知しているところでございますけれども、民間のそういうお取引ということでございますので、その1つ1つにどこまで私どもがコメントさせて頂くべきか、若干悩むところでございますが、今あえてその主要取引行への影響は無いのかというご質問でございますが、本件に係るタイムリーディスクロージャーといいますか、行われたそのうちの2行さんの場合、既に貸倒引当金を計上しており、平成13年3月期業績予想に影響はないというふうに発表されておられるということを私ども承知しているというふうなことでございます。これはそれぞれの銀行さんのお立場でご発表になられているということでございますので、そういう事実関係にあるということを申し上げておきます。では、監督当局としてどういう立場かというご質問があろうかと思いますが、毎々モニタリングというようなことを申し上げておりますが、私どももよく状況を把握すべくモニタリングをさせて頂いていると、そういうふうにお答え申し上げます。

問)

本日、泉州銀行に対して早期是正措置を発動されて、泉州側からの発表があったようですが、改めて当局からご説明頂けますでしょうか。

答)

泉州銀行さんにおかれては本日でございますが、ただ今ご質問頂いたように不良債権処理等に係るご発表をされたと、そこで私どもとして、そういう内容でございますので、早期是正措置ということに相なるということになるわけでございますけれども、泉州銀行さんのご発表をもう一度申し上げますと、「財務の健全性を早期に確保する観点から、大幅な不良債権処理を行うとともに、今後減資を行う一方で三和銀行さんに対し、増資引受要請を行う。」と、こういうふうに発表されておられまして、一方で三和銀行さんが、「泉州銀行の増資を全額引受、今後の連携を一層強化する。」というふうに発表されたわけでございます。私どもとしては、両行がリーテルマーケットで連携を強化していくと、こういう方針でいらっしゃる、そういう中からこういう取組みが出てきたということでございまして、泉州銀行の経営の安定と収益力の強化が図られていく前向きなものというふうに受け止めている次第でございます。そういう内容でございますので、今、早期是正措置云々等にご発言がありましたが、前から申し上げてますように、早期是正措置の発動そのものにつきましては、私どもの方からのコメントは差し控えさせて頂きますが、そういう内容で対応して頂いていると、既にご発表になられた内容は我が国の金融システムの安定化に則するような方向でのご努力を個別の銀行、この場合では2行ということですが、もうやって頂いているというこういう認識に立って本件について考えているというふうにご理解頂きたいと思います。

問)

第二地銀の新潟中央銀行の事業譲渡がほぼ固まったようですけれども、それに伴って、再生法施行以降、何件もの破綻処理が一段落するということですが、ここで改めて次長の所見をお伺いできますでしょうか。

答)

これも報道があったということは承知しております。新潟中央銀行の受け皿選定作業が大詰めを迎えているという、そういう報道であったわけでございます。新潟中央銀行の金融整理管財人の方々が、これまで大変ご努力を重ねられて、今日に至ったということでございますので、まず御礼と申しましょうか、ご尽力に敬意を表したいと思っておる次第でございますが、1つ1つの個別のことにつきましては、その金融整理管財人なり、また関係のところからしかるべく発表が行われるのを今少し待ちたいと、こういうふうに思っておりますので、これ以上具体的な案件についてのコメントは差し控えさせて頂きたいと、こういうふうに思いますけれども、その報道のように受け皿の選定、決定がされるという、そういうふうに幸い進みますれば、破綻した第二地銀の処理が一段落するということになるわけでございますので、今後も地域金融機関の皆様におかれては、今後のことを展望致しますと、ペイオフ解禁に向けた経営効率化の取組みに更にご努力頂きたいというふうに思っている次第でございます。

問)

早期是正措置の関連なんですが、今は発表を金融当局から何も言えないということになっているようですが、しばしば公表問題というのが議論に上がるんですけれども、それに対しては改めてもう一回どういうふうに考えていますか。

答)

早期是正措置でございますが、これは今までご説明していることの繰り返しになるということで大変恐縮ですが、早期是正措置の発動そのものを金融当局が発表するということになった場合に、預金者の皆さんなどに不測の動揺を生じさせかねないということもございますので、行政処分の目的が金融機関の自主的な経営改善努力を促すということでございますので、経営改善努力を著しく減殺させる可能性もあるというふうに考えますと、私ども公表をしてこなかったわけでございます。これまでの金融審議会、あるいは金融制度調査会での議論等を踏まえ、銀行法第56条では「業務の全部又は一部の停止命令」こういう場合には官報告示が定められている、義務付けられているわけでございますが、それ以外のケースは原則として非公表でやらせて頂きたいと、こういうことを申し上げているわけでございます。しかし、前々皆様方からご質問頂くなり、あるいは過去の例においても更に勉強したらどうかというような趣旨の各方面からのお話もございますので、引き続き金融審議会にこういう問題を適当な時点で取り上げて頂いて、ご議論は頂きたいというふうに思っておりますが、格別いつどうこうお願いするというスケジュールは立てておりません。金融審議会は皆さんご案内のとおり、第一部会では異業種の銀行業の参入等の問題、第二部会も近々に立ち上げて、個人情報保護等についてやらせて頂くということで、わざわざ遅らせているというつもりではございませんが、緊急課題に対応する中で、いずれ機会があれば、こういう問題についても再度ご検討頂くと、今はそういう位置づけであるということでご理解頂きたいと思います。

なお、泉州銀行さんは増資の規模とか減資の規模とか、自ら発表されておられますので、そういう意味でどのような財政状況にあるか、財務状況にあるか、そして更にそれを増資をすることによって、より良い状況に改善するということが見込まれているというふうに私どもは承知しております。

問)

今の第一部会、第二部会のテーマというのは、ほぼ年末に答申が出るような感じで進められていると思うのですけれども、そうすると年明け以降ですね、金融審に早期是正措置の問題をお諮りになるというお考えは今のところありますか。

答)

実はですね、今ご質問いただいたように、第一部会、第二部会は、なるべく年内にですね、しかるべく結論まで至ればありがたいということで審議をお願いしているところでありますけれども、金融審議会立ち上げの時に一度ご説明を申し上げたかと思いますが、来年の1月、中央省庁改革の一環で、審議会が再スタートするというようなことになっておりますので、来年のことは、また来年その時点で考えるというのが、まず第一点です。一方私どもとして、大変短い期間にいろんなことをお願いしているわけですございますけれども、短期だけではいけないだろうということで、ご記憶にあるかと思いますが、スタディグループを立ち上げてですね、もう少し息の長い方の作業も同時行うことによって、いわば半年という様なタイムスパンのそういう仕事以外のものについてもですね、十分意を配っていくべきてあると、こういうふうに思っております。第三にちょっと申し上げておこうかと思いますが、スタディグループにおいてはですね、大変基本的なことを実は議論をお願いしたい。金融庁発足したということでもございますので、たくさんのテーマがあろうかと思いますが、もう少し骨太のですね基本的なご議論をお願いしたい。皆さんもご承知の橋本元総理によるビッグバンというのが発表され、その後大変な努力、民間の方にも関係の方にもご努力頂きながら改革を進めてきたわけでございますが、来年に至りますと、いわば公約の年でございまして、幾つかの残されているものにつきましても、来年のしかるべき段階には実現をするということでございますので、大変いわばスタディグループにおいてですね、この骨太に基本的なことから議論して頂いて、次なるいわば金融のビジョン等に繋がるようなですね、私ども何をどういうふうに議論をしてくださいと言うよりは、まさにスタディしてくださいということで、スタディグループという名前を付けたことでございますので、テーマを限ってとかというよりは、非常に全般的に掘り下げた議論をしていただくという、その準備を開始しているということで、これがいずれの日か、部会という形をとるかどうかは、まだこれからのことでございますが、そういう場でまさに金融審議会で、お取り上げいただけることができるようにという、そういうふうな姿勢でやっていくということをご理解いただきたいと思います。

問)

先立って、アメリカの在日商工会議所の方からMMFの組み入れ債に、時価評価されない部分が非関税障壁になっているのではないかというようなことがあったようですが、それについてはどの様にお考えでしょうか。

答)

色々な方面からですね、色々なご意見をいただくというのは、あることでございますので、そういう議論もですね、私どもなりに勉強をさせていただくという、そんなふうな位置付けでございます。

問)

信用組合に公的資金の注入を申請できるようにしたわけですが、今のところ申請する動きが鈍いように思いますけれども、例えば自己資本比率4%までは自分で調達するという条件がネックになっているという話もありますけれども、この鈍い動きについてどのようにお考えですか。

答)

私ども8月末から9月の中旬までかけて、財務局を訪問して講演をさせていただくとか、あるいは意見交換会で地域の方・業界の皆さんからもお話を聞かせていただくと、そういうふうな機会を持ったわけでございます。そういう場におきましても、資本注入を是非考えて欲しいというご発言がございましたので、それぞれの個別の、例えば信用組合でございましたら信用組合の問題ということになりますので、あまり総論的にですね全体的な議論の中で議論をするというよりは、そういうお話が出ましたので、恐らくこれから個別にお話をお伺いするということになるのではないかなと予想しております。一方で、私ども7月から検査に入って第一陣が出て、そして更に第二陣が出てというふうに進めているところでございますので、私どもの検査の計数等も参考にして頂いて、資本注入の準備をされている信用組合さんもあるのではないかと、こんなふうに思いますが、資本注入というのは、まさに資本金、あるいはこの場合でいうと優先出資等のことでございますので、大変重要な事柄でございますから、恐らくそれぞれの組合の中においてもですね、熱心な議論が行われて、いずれかの段階で機関決定を得るべき重要な事柄でございますので、進めていただく中でですね、もし疑問点等がございましたら、私どもなりあるいは財務局において相談に応じたいと思っている次第でございます。国会の方面におきましても、もう少し事態が進む様にしたらどうかというご質問があったというふうにも思いますので、私どももそういうつもりで対応していきたいというふうに思っております。

(以上)

サイトマップ

ページの先頭に戻る