浜中金融庁次長記者会見の概要

(平成12年12月7日(木)17時03分~17時23分)

【質疑応答】

問)

次長の方から何かありますか。

答)

特にございません。

問)

今日の金融審の第一部会のワーキング・グループの報告について記者会見があったんですけれども、その内容について幾つか質問させて頂きますが、5%以上の主要株主に対して報告徴求を求めるなどの厳しい内容になっていると思うのですが、逆にそれが異業種参入の障壁になるのではないかという懸念もあるんじゃないかと思われるのですが、この辺りで次長のお考えをお聞かせください。

答)

本日、今ご質問を頂きましたように、金融審議会の第一部会が開かれたわけでございます。議論の集約と申しましょうか、皆様もご承知かと思いますが、今までワーキング・グループで検討してきて頂きましたので、ここでワーキング・グループからの検討結果を第一部会にご報告頂くと、そしてこの第一部会で年内の部会報告取りまとめに向けての作業に入ったと、こういうところでございますので、今ご質問頂いた点はワーキングでも議論され、本日もまたご議論頂いたところということで、審議会の関係の皆様方のご努力によって、言わばコンセンサス・ビルディングができているところと、そういうことでお受け止め頂きたいと思います。私どもも問題意識を持って、お話申し上げ、ご説明申し上げてきたところ、そのような方向での意見の集約が行われつつあると。ただ、よくご承知かと思いますが、5%超の株主を主要株主としてはどうかと、そういう方々には届出をお願いすると、そして15%、あるいは連結財務諸表でいうところの実質的な基準の15%、簡単に言えば20%でよろしいわけですが、特別の緊密な関係がある場合には15%からというこの水準から、例えば株主になって頂く際に、認可を必要とすると、今ちょっとくどく細かくご説明申し上げましたが、そういう形で段階的な考え方に立ったらいいのではないかと、こういう趣旨でのお話が、言わばコンセンサスとして出来上がってきたところ、更に第一部会でこれから議論を掘り下げてやっていこうというふうに、今日の部会でのお話があったところでございますので、おそらく12月中に部会報告、そして総会をお願いするということになろうかと思いますが、そういう作業の入口であるということで、更に各方面から、またいろいろご意見があれば、それも拝聴し、そういうご議論もご紹介の上、取りまとめに至って頂きたいと、こういうふうなところでございます。

問)

まだ、途中段階ということで次長の考えは伺えないということでしょうか。

答)

大変大きな区切りと申しましょうか、ワーキング・グループでの議論をお願いし、第一部会に言わば報告があったと、そして第一部会でのご検討も頂くと、こういうことでございますので、進行形であることは事実でございますが、一方で一つの大きな区切りまで来たということも事実でございます。敢えてご質問頂いた点にお答え致しませんでしたのは、いろいろな形で株式市場で株をお買いになるという、そういう局面から新たに異業種の方々が資本を投下して新しい銀行を始めるとか、いろいろな形がございます。そして、銀行業に今いろいろ参入をお考え頂く方々にも去年から始まって、とりわけ今年の春から夏にかけて、ここら辺、議論をして頂いてきたと、例の異業種の銀行業への参入にあたっての運用指針の際も、こういう点について議論をしてきて頂きましたので、それなりに銀行業に参入する場合には、何らかこういう観点が必要であるということを皆さんにお判り頂けている段階かなと。従いまして逆に何らここでもって、私どもが今検討している、あるいは審議会に検討をお願いしていることが、異業種から銀行業への参入を妨げるというようなものでもないし、また今ご説明した中にございましたように、段階的だという点で、そこら辺につきましても我々なりの考えが滲み出ているというふうにご理解頂きたいと思うのですが、これは資本を投下する、あるいは銀行業に参入される方がどういうふうにお考えになるかの問題でございますから、私どもとしては、参入できなくなるようにするような意図では毛頭ないということだけをもう一度申し上げておきます。

問)

もう一つですね、今日の会見でもあったのですが、証券取引法の改正に関して前向きという感じがあったわけですけれども、その辺りについても次長のお考えをお聞かせください。

答)

主要株主等に係る問題につきまして、銀行業につきまして主としてご議論頂いたと、そして保険業につきましても関連している似たような側面とやや保険業のリスク・プールをするという保険の機能に着目して若干保険業と銀行業で似ている面、違う面があると、これは今更申し上げる必要もないと思います。皆さんよくご承知のことでございますが、やはり一方で主要株主ということで考えた場合に共通するところもあるかなと、一方保険につきましては相互会社であるということで当然そういう側面にもよく考えを巡らせなければいけない。そこで更に私どもが常々申し上げていることでございましょうか、私どもがインテグレイテッド・レギュレーターとして銀行、証券、保険にまたがる監督をさせて頂くということで、銀行、保険と話が進んで参りましたので、証券はどうなんだろうかというご指摘だと思います。この点につきましても証券業への参入が登録であるということで免許制と実は大分様相を異に致しておりますが、一方でまた証券会社の経営という面で主要株主との関わりがあるのも事実でございますので、しかもまた議論が今ご紹介申し上げてますように銀行業について大変長らく議論してきたと、保険につきましても議論が進んできたと、これから証券についても考えてみようということでございますので、おそらく第一部会中心にもう少し議論を深めて頂くということになろうかと思いますが、かなり似ている面と違う面があると、そういう面を私どもが、あるいはご説明して、議論が更に煮詰まっていくかどうか、従いまして法律改正とか、そういうことはこういう議論の次の段階ということでございますので、とりあえずはご説明は以上にさせて頂きたいと思います。

問)

新しい再生委員長に柳澤さんが再登板ということで、二度目の登板ということで、次長の柳澤さんに対する期待と、当局との間に2年ぐらいのブランクがあると思うんですけれども、この辺りの説明はどうされますかということをお伺いしたいのですが。

答)

閣僚のことにつきまして、下僚であります私どもが何らコメントをするのは適切でないというご指摘もあろうかと思いますが、敢えてご質問頂きましたのでお答え申し上げますと、ご質問の中にもございましたように柳澤委員長には平成10年12月から平成11年10月まで初代の金融再生委員長としてご活躍頂きました。当時は大変金融情勢が厳しい状況で平成10年10月に金融国会が終わり、金融再生法、早期健全化法が成立し、まさにその2法を執行する機関としての金融再生委員会が設けられ、その初代委員長として大変強いリーダーシップをご発揮頂き、そういうふうなことで私どもご指導頂いたということでございますので、私どもから致しますと、一度ご指導頂いた大変よく存じあげている方にご就任頂けたということでございます。今ご質問の中に1年2カ月という趣旨のご質問がございましたが、大臣もそのように仰られて早速勉強するぞと、こういうお話でございました。金融システム全体は、今も申し上げましたように当時と比べまして、おかげさまで格段に安定してきているということが言えるかと思います。そういう状況になってきたかと思いますが、今後のペイオフ等、あるいはビックバンがここまで進んだということを考えれば、引き続き気を緩めることなく金融行政をしっかりやっていくということが必要だというふうに、私どもも考えておりますが、大臣からもそれに近いようなお話を頂いているところでございますので、そういう状況の認識の下で、言わば私どもの抱えております多くの問題につきまして、大臣にご説明し、方向性を示して頂くということに、まさに今取りかかっているところでございまして、これからも言わばこの1年2カ月という間の動き等の詳細をご報告し、その方向性等をその場でまたお示し頂きたいと、こういうふうに思っている次第でございます。

問)

昨日の報道各社と柳澤委員長とのインタビューの中で、再生委員会が来年1月に廃止になった後、民間人を入れた意思決定機関、意志決定組織ですか、その設置を検討したいという説明があったようなのですけれども、それに関して大臣の方から特に具体的な、こうしたいとか、あるいは事務当局の方で何か具体案があれば教えて頂きたいのですが。

答)

私も報道で、大臣が今ご質問頂いたような発言をされておられるということを読まさせて頂きましたし、大臣がある意味ではそういう問題意識をお持ちだということを私どももこの時点で承知していると、こういう段階でございますが、今ご質問の中に具体的な何か指示というようなご質問でございますが、そう意味では具体的な指示を受けているということではございません。ただ若干ご説明させて頂こうかと思いますが、例えば柳澤委員長が再度の登板をされるという際、新聞でお書き頂いているので、読ませて頂く場合も、来年の1月6日からは金融担当大臣にご就任される予定であると、中央省庁の改革もございますので、我が大臣に限らず、そういう改革が、ほとんどの省庁ということになると思いますが、予定されておりますので、そういうふうな形でのご紹介が官房長官の閣僚名簿の発表の際にもあったところでございます。そう意味で1月6日以降、新しい体制ということでございますので、言わば今行われている行政が1月6日以降も円滑に行われていくということが大変重要でございますので、それを裏返して申し上げれば金融再生委員会廃止後の行政の体制についてどう考えていくか、何か工夫すべきことがあれば工夫すべきかと、こういうふうな趣旨、そういうふうな問題意識を大臣がお持ちでございますし、私どもも1月6日以降のことにつきまして、今いろいろな準備を進めていなければいけないと、こういうふうに思っている次第でございます。ただ、必ずしも否定的に聞こえるという意味でご説明申し上げる意図ではございませんが、今申し上げたことからお判り頂きますように、中央省庁の姿と申しましょうか、体制でございますけれども、これは中央省庁改革法によって、言わばその姿は決まっていると、そういうことで、言わば行政機構としては、更に行政改革をせよというような厳しい状況の中でなかなか難しいという面もある。それは、大臣自らも3条委員会とか何条委員会というそういう意味での行政組織は無理と思うが、再生委員の皆様方に、この間大変なご努力を頂いてきたというそういう意味合いでご発言頂いておられるかと思います。そういう意味でば行政改革の中で、新たな行政機構を作るという意味であれば、それはまた大変難しい。ただ、必ずしも否定的にと申しましょうか、今勉強中でございます、従いまして、勉強するにあたって我々のおかれている行政機構としての状況はどういうことかというと、そういうことも考えていかなければいけないと、こんなふうなことでございますが、何ら決まっているわけでもございませんし、具体的な指示があったわけではございませんが、1月6日以降行政が滞りなく円滑に行われるというのは、もとより私どもも考えていかなければいけないことと、こういうふうに受け止めている次第でございます。

問)

相沢さんから柳澤さんに変わって、喫緊の課題である予定利率に対してのスタンスが変わるのではないかというふうに思われるのですが、その予定利率についての見通しは如何でしょうか。

答)

予定利率の問題につきましては、相沢大臣から大変重要な問題であるので勉強する必要があるという指示もございました。何度かご説明申し上げたことがあろうかと思いますが、いわゆる逆ざやが生命保険会社の経営を大変厳しいものとしているという中で、例えば平成7年の保険業法の改正時の経緯とか、あるいは判例もあるわけでございますから、昭和21、22年頃の状況とか、あるいは昭和34年に判例が最高裁であったと、そこら辺を今勉強しているところでございます。従いまして、新大臣におかれて、この点を更に勉強するということで、私どもの今の状況はどうかということであれば、今申し上げたことの繰り返しになって恐縮ですが、平成7年の改正時の経緯とか、戦後間もない頃の当時の状況、裁判の内容、あるいは判決、こういうことにつきまして更に私達勉強しなければいけませんが、現時点での勉強状況等をご報告していきたいと、こんなふうに思っております。

(以上)

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