広報コーナー 第6号
 

平成13年1月6日(土)、「中央省庁再編に当たって」を述べられる柳澤金融担当大臣(左)、村井副大臣(右)。
 

<大臣訓示・副大臣挨拶>

 平成13年1月9日(火)、柳澤金融担当大臣、村井副大臣(金融庁担当)は当庁職員に対して、以下のような訓示・挨拶を行いました。
 
柳澤金融担当大臣訓示
 
 訓示のポイント
○金融監督については、市場の大変革の中で創造的な努力が必要である。
○金融・経済がどこかに不具合があれば、インフラや監督にどこか不備がないか等を反省する必要がある。
○何でも言い合える職場作りや信頼のある人間関係のネットワークが必要である。

 新年明けましておめでとうございます。皆様方、まず新年を健やかにお迎えになられたことを寿ぎたいと思います。去る1月6日、中央省庁の再編に伴う新しい金融庁は、ご承知の通り、これまでの金融庁に金融再生委員会という危機管理の対応を専門とする機能が統合され、私は、その金融庁担当の大臣に任命されました。改めて皆さんに、これまでも大変お世話になって参りましたが、よろしくお願いを申し上げたく冒頭申し上げる次第でございます。
 もう、ここで長々申し上げることもないわけですけれども、若干感じていることをこの際申し上げて、これから先の金融行政の運営にお互い協力をしていこうと感じております。
 金融は、もう言うまでもないことですけれども、預金者あるいは保険契約者、更には投資家というような、資金を提供する一群の人達がおります。それからまた、この金融資金を利用するサイドの人達、これが企業の産業資金であるとか、あるいは商業の資金であるとか、あるいは生活の資金であるとかいうようなその資金を需要する側の方々がおりまして、その間を金融機関、これは業態別にこれまでははっきり分かれていたのですけれども、銀行業務をなす者、更には保険業務をなす者、更には証券業務をなす者と、こういうような人達が参加をしまして金融資本のマーケットを構成しています。
 しかし、この金融市場というのは一般の産業の市場と違いまして、非常に情報等についても専門知識を十分持っている側と、ほとんど専門知識を持たない側が参加しているという意味では、非対称性が非常に際立っている独特のマーケットだということになっているわけです。従いまして、この監督ということが何より増して必要だということになって、金融には常に監督という公益のサイドからの関わりというものが生じております。この金融のマーケットが最近は非常に大きな変動をきたしているということでございまして、それに応じた監督というものが本当に的確に行い得るかどうかというようなことが、実は問題になっているということかと思うわけです。
 私は前回金融再生委員長の職を拝命した時に、アメリカ出張した際、アメリカの監督当局もこの辺りのことについては、殊の他緊張していました。新米の私に対しても、こんな大きないろいろなユニバーサルのサービスをする金融機関に対して、どうしたら的確な監督ができるだろうかというようなことを問いかけるというような場面も実はございました。従って私は、この金融監督ということについても、かなりの市場の大変革の中で我々には創造的な努力が必要なのではないかと考えるわけでございます。
 加えて我々金融庁は、監督だけではなくて、いわば企画・立案というか、金融制度の企画・立案の職務も割り当てられていることは申すまでもないわけでありまして、この金融制度、つまり今言った金融の市場のインフラであるところの制度をどうやったら一番効率的で公正で、そして皆がそれぞれ自分の需要というものが満たされるようなものにしていくかということについては、殊の他私は創造的な知恵がこれから必要になってくるだろうと考えているわけでございます。もし、この金融、経済そのものにとっても非常に重要な作用を担う分野でございますけれども、これがどこかに不具合がある、うまくいかないということだったら、それは一義的にはまずインフラでどこかおかしいところがないのか、あるいは監督ということもインフラに含めて言ってもいいわけですが、監督にどこか抜かりがあったのではないかと、まず我々は自分自身を反省しなければならないではないかということを考えているわけであります。
 そういうように非常に私どもの行政は難しいです、はっきり言って。ものすごく創造的な今までの前例ではなかなかそれを習っていればいいというようなところをはるかに越えたそういう分野だろうと思うわけでありまして、そういう意味合いで皆さん方の不断の研鑽というものを是非お願いしたいと、私もそうしたものを皆さんからいろいろ教えてもらって、間違いのない金融行政をしていきたいということを心から念じている次第でございます。
 そういうことで時代の変化というか、我々のマーケットの変革というものが急なだけに、まずここで第一に皆でそうしたこれまでの前人未到の分野に足を踏み入れていくのだという、ある種の緊張感をお願いしたいわけでありますけれども、同時に私どもはあんまり肩に力が入ってしまってしゃちほこ張ってはなかなか柔軟に頭を働かせていくということもできません。
 従って私は職場の雰囲気は本当に何でも言い合える、そういう信頼のある人間関係のネットワークとして是非そういう職場を作ってもらいたい。何でも言い合える、こういうような職場にしていただきたいというふうに思います。のみならず、場合によってはこれはそのマーケットに参加している人達にも胸襟を開いて、どこに問題があるんだというようなことについて十分な情報交換ができるような、そういう明るい金融庁にしていきたいと、こういうように考えておりますので、この点についても一層のご配慮を賜りたいと、このようにお願い申し上げる次第であります。
 最後に、言うまでもないことですけれども、何しろこれだけ大きな、しかもクリエイティブな仕事を重ねた職場でありながら、これは我々の一番の責任でありますけれども、十分なマンパワーを持ってないのではないかという心配を私自身いたしております。皆さんにかかるロード(load)というものが本当に他の役所と比較して、格段に厳しいものがあるのではないかと、このように考えているわけでございます。そういう意味で、これから我々は必要なマンパワーというものをいろいろ要路にお願いして、これを充実していくという努力はお約束を致しますけれども、しかしそれだけに甘えるというわけにもいかないものですから、皆さんにいろいろ大変ご苦労をおかけすると思います。私としても、明るい職場作りに努力して参りたいと考えますが、皆さんもできるだけ気持ちを明るく持って、そして健康に気を付けられて、今言った国民が我々に期待している重大な使命、これに全力を持って応えていこうではありませんか。
 このことを呼びかけさせて頂きまして、私の就任に当たっての皆様方への言葉、挨拶ということにさせて頂きます。よろしくお願いします。

 
村井副大臣挨拶
 
 挨拶のポイント
○ 副大臣として、堅固な金融システムを構築するために尽力していきたい。
○ インテグレィテッド・レギュレーター(Integrated Regulator)としての役割を十分に発揮する。
○ 金融庁の仕事や目標を国民にご理解いただく努力が必要である。

 私からも改めまして新年のお慶びを申し上げさせて頂きます。明けましておめでとうございます。村井仁でございます。1月6日の省庁再編に際しまして、新たに設けられました副大臣ポストでございますが、内閣府副大臣に任命されまして、また併せまして、森総理から金融を担当し、堅固な金融システムを構築するために柳澤大臣をお助けして力を尽くすようにというご懇篤な言葉を頂戴致しました。
 私も過去10か月に渡りまして、初代の金融再生総括政務次官として皆様のお世話になりました。そして、また再び昨年の12月、金融再生総括政務次官を仰せつかったわけでございます。金融を巡る行政機構は、いろいろな形でここ近年変化を遂げて参りましたが、1月6日からは、新しく金融担当大臣の下で、金融庁がインテグレィテッド・レギュレーター(Integrated Regulator)としての役割を十分に発揮する、そういう体制がいよいよスタートするわけであります。このような節目の時に、重責を頂戴いたしましたことは、非常に有り難いことであると同時に、緊張を覚える次第であります。
 ただ今、柳澤大臣からお話がありましたことと、いささか重なるかと思いますが、私は金融を巡る様々な問題というのは、なかなか国民のご理解を得にくい側面が多々あることを痛感しております。例えば、私が地元に帰りまして支援者の方と膝を交えて話を致しましても、一体どういうふうに説明したらいいだろうかと思うようなこともございます。しかし、どうしても私どもは、国民に、更にはその代表である国会の皆様に、また国民を別の側面から代表するマスメディアの皆さんに、私どもが一体何をやっているのか、何を目標にしているのかということをご理解頂く努力というのを怠るわけには参りません。非常に技術的な側面もあり、また一面で仕事の性格から申しまして、ある種の秘匿性を要する面もある困難な職務でもあります。いずれに致しましても、国民のサポートがなければ私どもの目的は達することができないわけでありまして、微力でございますけれども、皆様のお力も借りながら、柳澤大臣のご方針を貫徹することができるよう、精一杯の努力をする決意であります。
 非常に過酷な職務環境での御仕事であることも私も重々承知しております。年頭に当たりまして、また省庁再編のスタートに当たりまして、どうかご自愛の上、ご健闘頂きますことを、心からお願い申し上げるとともに、金融庁としての職務に全力を尽くすことを改めて柳澤大臣にお約束を申し上げたいと存じます。皆様のご努力を心からお願い申し上げまして私からのご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

 
<新旧長官挨拶>

 平成13年1月9日(月)、日野前金融庁長官及び、森新金融庁長官の挨拶の概要です。

日野前長官挨拶
挨拶のポイント
 金融庁において、私の42年間の公務員生活の最後を大過なく全うできたことは、金融庁の皆様のおかげであり感謝申し上げる。
 金融再生委員会廃止後にあたって、金融庁は、その業務を引き継ぐことになるが、その分野を手がけて来られた最も相応しい方を新しい長官に迎えることができたことで安心している。私に寄せられたご支援・指導・協力を同じく森長官にも注いでいただければ有り難い。
 本日より金融庁顧問となるが、少しでも社会や皆さんのお役に立てればと思う。この2年半毎週かかさず教会のミサに参列して「金融庁の発展」を祈って来た。これからも祈るので、皆さん頑張ってほしいと思う。

森新金融庁長官挨拶
挨拶のポイント
 金融再生委員会が全力を尽くして一定の成果を挙げることが出来たのは、その中身の大半の仕事をしていただいた金融庁の皆様のおかげであると考える。
 私は、3つ申し上げたい。
 
.「明確なルールに基づく公正かつ透明な行政」の考え方に基づく事務の遂行
.いろいろなレベルでの意思の疎通
.効率性・スピード感のある行政
  を職員の皆さんにお願いしたい。
 良い仕事は、良い家庭から生まれると思っている。健康に気をつけていただいて、大臣、副大臣のご指導の下、私と一緒に頑張っていただきたい。
日野前金融庁長官 森新金融庁長官

 
<中央省庁再編について>

 金融庁は、昨年7月1日に、全体の中央省庁再編に先行して、金融再生委員会に置かれていた金融監督庁と大蔵省金融企画局を統合して設立されましたが、本年1月6日の中央省庁再編に当たって、改めて内閣府の外局として設置されるとともに、金融再生委員会の廃止に伴い、同委員会が担っていた破綻処理等の事務を承継することとなりました。これにより、金融庁は、金融制度の企画立案から検査、監督、監視の実施機能までを一貫して担うとともに、銀行、保険及び証券等の分野を横断的に所管し、金融行政を一元的に遂行することになりました。
 また、今般の中央省庁再編に伴い、機構面では、内閣機能強化の観点から内閣府に新設された特命担当大臣が金融庁の所管事項について設置されるとともに、金融行政の重要性に鑑み、これまでの総務企画部、検査部及び監督部の3部体制が、総務企画局、検査局及び監督局の3局体制に強化されることになりました。
 なお、金融再生委員会が担ってきた破綻処理や資本増強に係る事務に関しては、監督局総務課に金融危機対応室及び監督企画官を新設し、業務執行体制を整備しました。
 さらに、資本増強・破綻処理に係る基本的問題及び個別案件のうち特に重要なものに関しては、従来金融再生委員として多大な貢献をされてきた方々の御意見を伺い、その意見を金融行政に適切に反映させるため金融庁顧問会議を設置しています。
 
 (参考1 金融行政機構の推移
 (参考2 金融庁の組織(平成13年1月6日現在)
 (参考3 金融庁の各局等の所掌事務
 (参考4 金融庁顧問会議名簿、金融庁顧問会議顧問名簿、金融庁顧問会議運営要領
 

金融行政機構の推移
(参考1)
 
 
 

金融庁の組織(平成13年1月6日時点)
(参考2)

金融庁の各局等の所掌事務
(参考3)

(参考4)
金 融 庁 顧 問 会 議 名 簿

国務大臣(金融担当大臣)
柳 澤 伯 夫(やなぎさわはくお)
        ※大臣不在時には副大臣が出席

金融庁顧問
片 田 哲 也(かただてつや)

金融庁顧問
中 地   宏(なかちひろし)

金融庁顧問
磯 部 朝 彦(いそべあさひこ)

金融庁顧問
清 水   湛(しみずあつし)

金融庁長官
森   昭 治(もりしょうじ)

 
金 融 庁 顧 問 会 議 顧 問 名 簿

片 田 哲 也(かただてつや)
  生年月日:昭和6年10月15日
  元金融再生委員会委員
  コマツ取締役会長

中 地   宏(なかちひろし)
  生年月日:昭和7年3月2日
  元金融再生委員会委員
  公認会計士(日本公認会計士協会会長)

磯 部 朝 彦(いそべあさひこ)
  生年月日:昭和8年1月1日
  元金融再生委員会委員
  日立総合計画研究所社長

清 水   湛(しみずあつし)
  生年月日:昭和9年9月24日
  元金融再生委員会委員
  元広島高等裁判所長官

金融庁顧問会議運営要領

 金融庁顧問会議(以下、「会議」という。)は、金融システムの安定のための資本増強・破綻処理に係る基本的問題及び個別案件のうち特に重要なものに関する審議を行い、その意見を金融庁の行政に適切に反映させるために設置するものとし、以下の要領により運営する。


.会議の日時
 
(1)  会議は、原則として第2・第4木曜日の10時に開催する。
(2)  ただし、資本増強・破綻処理の個別案件の事務処理を行うに当たり、特に必要がある場合には、臨時に開催する。


.会議の構成等
 
(1)  会議は、以下の者により構成する。
○金融庁顧問のうち金融担当大臣が指名する者
○金融担当大臣及び金融庁長官
(2)  副大臣は、金融担当大臣が不在の場合に金融担当大臣に代わって、会議に出席するものとする。
(3)  議長は、審議上必要な者に限り説明員として会議に出席させることができる。


.会議の議長
 
(1)  会議の議長は、会議において金融担当大臣が当たる。
(2)  議長代理は、副大臣が行うこととし、副大臣が会議に出席できない場合は、議長が金融庁顧問の中から予め指名した者が行う。


.会議の非公開
 会議は、非公開とする。


.議事録
 会議の議事録を作成し、会議から3年を経過した後に公表するものとする。ただし、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年五月十四日法律第四十二号)第五条に規定する不開示情報に該当する部分については、この限りでない。また、会議は、その時の金融・経済情勢を勘案し、当該公表の時期を見直すことができる。


.設置期間
 金融庁顧問会議の設置期間は、平成14年3月31日までとする。


.事務局
 事務局は、金融庁監督局総務課金融危機対応室において行う。


.その他
 この要領に定めるもののほか、会議に関し必要な事項は、議長が会議に諮って定める。

 
<平成13年度機構・定員及び予算案の概要について>

 平成12年12月24日(日)に閣議決定された平成13年度政府予算案における金融庁関連の機構・定員及び予算の概要は以下のとおりです。


.機構・定員

 機構面では、金融行政の専門性・先見性向上のため「研究開発室」等を新設することとし、定員面では、時限定員21人の恒久化を含め110人の増員を図り体制を整備することとしています。各部局別の体制整備の概要は以下のとおりです。
 

(1)

 総務企画局(18人の増員)
 
 金融行政の専門性、先見性の向上
 −研究・研修体制の充実・強化−
 デリバティブや証券化等の技術を利用した金融商品の出現、IT革命等による金融取引の多様化、業態の垣根を越えた金融コングロマリットの出現など金融を取り巻く環境は、近年、急激に高度化・複雑化しています。
 このような環境変化に的確に対応した金融行政を実施していくためには、金融行政の専門性、先見性の向上を図ることが不可欠であることから、研究・研修体制の充実・強化のため、「研究開発室」及び「研究官」の新設、既存の「開発研修室」の定員増を図ることとしています。金融庁では、平成13年度に認められた機構・定員を最大限に活用し、「研究と研修の連携を確保する仕組み」として、平成13年7月を目途に「金融研究研修センター」(総勢24人体制)を発足させ、研究研修業務の統合運営を開始する予定です。
(参考1)


 金融行政を総合的に担うための企画・調整機能等の強化
 
 企業会計・監査制度の充実強化
 企業会計、監査及びディスクロージャー制度の重要性の増大に対応して、関係制度の企画立案・調整機能を強化するため、4人の増員を図ることとしています。この結果、企業開示担当部門は現行の14人から18人へと機能強化が図られることとなります。


 情報公開に的確に対応した体制の整備
 行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年法律第42号)の施行(平成13年4月1日)を踏まえ、情報公開担当企画官を新設するなど情報公開に的確に対応した体制整備を図ることとしています。
 金融庁では、今般の体制整備を踏まえ、利用者利便の観点から中央合同庁舎第4号館1階に「情報公開請求窓口」を設置する予定です。


 金融制度の企画立案体制の強化
 金融技術・ITの発達や金融のグローバル化の進展など金融情勢の変化に的確に対応した制度整備・改善等のため、法令審査事務、市場調査事務、銀行関連の法制整備事務を強化することとし、時限定員の恒久化を含め5人の増員を図ることとしています。

(2)

 検査局(46人の増員)
 −効率的で実効性の高い検査体制の整備−
 検査局では、平成14年4月に予定されている、いわゆるペイオフの解禁やITの発達など金融環境の変化に的確に対応した効率的で実効性の高い検査体制を整備するため、46人の増員、2部門の増設を図ることとしています。
 この結果、主要行については年1回、地方銀行、証券会社、保険会社等については1.5年に1回、その他についても3年に1回程度の頻度で検査を実施できる体制が整備されるとともに、各業態について検査の深度の充実を図ることが可能となります。

(3)

 監督局(34人の増員)
 
 透明かつ公正な金融行政の徹底
 明確なルールに基づく透明かつ公正な金融行政の徹底という金融庁における行政運営の基本的考え方を踏まえ、法令解釈等の照会に対して書面による回答(いわゆるノー・アクションレター)を本格的に実施するための体制整備のため、5人の増員を図ることとしています。


 金融環境の変化等に対応した監督・モニタリング体制整備
 金融コングロマリット、インターネットバンキング、異業種参入による新たな形態の銀行等に対する監督・モニタリング体制を整備するとともに、我が国の金融システムに対する信認を確固たるものとするため、金融危機への対応体制を整備することとし、時限定員の恒久化を含め25人の増員を図ることとしています。

(4)

 証券取引等監視委員会(12人の増員)
 −急変する証券市場に対する監視体制の強化−
 証券取引等監視委員会では、インターネット取引の拡大など証券市場の急変を踏まえ、検査局による財務検査との連携を強化しつつ、これらに的確に対応した証券取引検査体制を整備するとともに、インターネットの急速な普及を踏まえ、インターネットを利用した風説の流布等に対する監視体制等を整備するため、平成4年委員会発足以来の大幅な増員を図ることとしています。

(参考)金融庁の平成13年度定員について
 
12年度末定員 13年度定削 13年度増員 局間定員振替 増員後定員
総務企画局 204    18(2) +5 225
検査局 319 ▲2  46 ▲3 360
監督局 131 ▲1  34(19) ▲1 144
監視委員会 112 ▲1  12 ▲1 122
合 計 766 ▲4  110(21)   851
 

(注1)13年度増員欄中( )は、時限定員の恒久化で内書き。
(注2)「局間定員振替」は、金融研究研修センター発足に伴う、各局から総務企画局への定員の振り替え。



.予算

 平成13年度予算案では、上記の増員に伴う経費のほか、機動的な検査の実施、検査監督手法の改善、海外当局との連携強化等を図るための経費を折り込んで、総額135億円(平成12年度予算に対し10.3%増)を計上することとしています。
(参考2)
 また、金融システムの安定化に万全を期するため、新たに設置される危機対応勘定を含め十分な公的資金枠(70兆円、うち政府保証枠55.2兆円)を確保することとしています。

(参考1)
金融研究研修センターの発足について


 金融庁では、平成13年度に研究研修体制の充実・強化のため「研究開発室」及び「研究官」の新設、「開発研修室」の機能強化が認められたことを踏まえ、「研究と研修を効果的に連携させる」仕組みとして、平成13年7月を目途に「金融研究研修センター」を発足させ、研究研修業務の統合運営を開始。
 

(参考2)
平成13年度金融庁予算概算決定
 

区   分

平成12年度
予算額
(A)

平成13年度
概算決定額
(B)

対前年度
比増△減額
(B−A)

対前年度
伸 率

  百万円 百万円 百万円
(項)金融庁 12,165 13,307 1,142 9.4
人件費 7,732 8,547 815 10.5
その他 4,434 4,760 327 7.4
  検査監督等実施経費 730 755 26 3.5
検査監督事務等電算化経費 879 1,020 140 15.9
検査監督手法等調査・研修経費 82 116 34 41.1
金融制度等調査等経費 25 250 225 905.4
審議会等運営経費 90 114 25 27.6
国際会議等出席経費 161 202 41 25.2
中央省庁等再編成経費 671 308 △ 363 △ 54.1
その他 1,796 1,996 200 11.1
(項)経済協力費
 
61 177 116 189.2
合  計 12,227 13,484 1,258 10.3
(注)各々の計数を百万円未満で四捨五入したため、計数が符合しない場合がある。

 
<金融審議会報告>

金融審議会第一部会報告「銀行業等における主要株主に関するルール整備及び新たなビジネス・モデルと規制緩和等について」


.昨今、事業会社等の異業種による銀行業への参入の動きが本格化するとともに、インターネット専業銀行が出現し、コンビニエンス・ストア等の店舗網にATMを設置し主に決済サービスの提供を行う業務形態を設立する動きが本格化するなど、新たな形態の銀行業が登場している。


.金融再生委員会・金融庁は、こうした新たな動きに対する現在の銀行法の下での免許審査・監督上の対応として、昨年8月3日、「異業種による銀行業参入等新たな形態の銀行業に対する免許審査・監督上の対応(運用上の指針)」を策定したところである。
 この際、現行法令では対応できない事項として、既存銀行の主要株主の変更の際に、銀行の健全性に支障をもたらすような不適格な株主を把握し、これを排除し得る権限を監督当局に付与すること、及び、銀行業の新たな動きに対応した規制の緩和等について、金融審議会等において検討を行うこととされた。


.金融審議会では、これらのテーマに関し、第一部会(部会長:蝋山昌一高岡短期大学長)において、昨年9月以降、ワーキング・グループ会合も含めて14回に及ぶ審議を重ねた。
 審議においては、最近の動きについて、21世紀に向けた金融の新たな展望の中で、顧客(消費者)への優れた金融サービスの提供、決済コストの低下によるeコマースの促進、さらには金融業の活性化にもつながるものであり、基本的に歓迎すべきであるとされた。
 同時に、銀行経営の健全性確保の観点から、バーゼル銀行監督委員会の「実効的な銀行監督のためのコア・プリンシプル」や主要各国の事例を踏まえ、このような新たな動きにマッチした適切なルールを整備することが必要であるとされた。これは、銀行業への新規参入のルールの透明化にも資するものであり、金融市場の活性化を促進する効果が期待され、さらに、銀行機能を悪用することを意図する不適格な者を排除することにより、銀行業への信認、ひいては金融システムの安定性の向上にも役立つものであるとされている。また、銀行の業務範囲や店舗等に関する規制についても、銀行経営の健全性の確保や顧客利便の向上、預金者保護等の観点を踏まえ、これからの新しい時代に適合したあり方を検討する必要があるとされた。


.以上のような点を踏まえ、昨年12月21日には第一部会報告(「銀行業等における主要株主に関するルール整備及び新たなビジネス・モデルと規制緩和等について」)がとりまとめられた。
 本報告を受け、法律改正を要する事項については、通常国会に銀行法等の改正法案を提出することを予定している。
 

銀行業等における主要株主に関するルール整備及び新たなビジネス・モデルと規制緩和等について−要約−


.全体的な展望
 昨今、「IT革命」の進展などを背景として、いわゆる異業種による銀行業への参入の動きや、インターネット専業銀行の出現など、これまでになかった新たな形態の銀行業が登場。このような最近の動きは、顧客(消費者)への優れた金融サービスの提供、決済コストの低下によるeコマースの促進、さらには金融業の活性化にもつながるものであり、基本的に歓迎すべきこと。
 同時に、銀行経営の健全性確保の観点から、このような動きにマッチした適切なルール整備も必要。その場合、単に事業会社を念頭においた「異業種」ということだけでなく、銀行の経営に影響力を及ぼし得る者が不当に影響力を行使することを防止するのが主要な課題。そのため、銀行監督のための「バーゼル・コア・プリンシプル」や主要各国の事例を踏まえ、銀行の主要株主の適格性をチェックする仕組みの構築が必要。これは既存銀行の株主にも適用される。
 一方、銀行業における新たなビジネス・モデルと規制緩和の検討に際しては、銀行業の他業禁止規定の趣旨を踏まえつつ、ワンストップ・サービスの提供等による顧客利便の向上、銀行業の収益源の多様化、さらには銀行の国際競争力の強化といった観点から今日的な見直しを行うことが適当。


.銀行等の主要株主に関するルール整備
 銀行経営の健全性の観点から、新規に免許を取得して銀行業を開始する場合にとどまらず、既存銀行の相当程度の株式を取得して銀行経営に関与しようとする株主について適切な行政によるチェックの仕組みを整えることが必要。このことは、銀行業への新規参入のルールの透明化にも資するものであり、更に、銀行機能を悪用することを意図する不適格な者を排除することにより、銀行業への信認向上にも役立つ。
 我が国における銀行の株主構造の実態も踏まえ、単体で5%超株式を保有する株主から行政によるチェックの対象とし、株式取得について当該株主に届出を義務付けることが適当。次に、企業会計の実質影響力基準による株主(法人のみならず個人等を含む単体又はグループの株主で20%以上の株式を保有する者。ただし、人的な関係や融資等の取引関係等を通じて重要な影響を与えることができる場合は15%以上等。)になろうとする者については「主要株主」と位置付け株式取得に関し認可制とすることが適当。なお、5%超保有の株主でも上記基準により銀行経営に実質的影響力ありと判断される場合には「主要株主」とする。
 主要株主の適格性の審査基準としては、主要株主の反社会性などの観点、財務面の健全性(株式取得に係る資金調達も含む)、経営方針(株式取得の意図も含む)等を重視すべき。銀行の取締役等についても、経営に影響力を有する者との観点から、主要株主と類似の適格性を有することが求められる。
 5%超保有の株主に対する報告徴求は、上述の実質的影響力の有無の確認等の目的に限定した書面によるチェックとし、検査は書面のみではその認定が困難な場合などに限って行い得る。そして、主要株主に対して求める定期的報告については、株主の負担軽減にも配慮しディスクロージャー資料を基本とする。特別な報告は、株主が子銀行等に対して不当な影響力行使を行うことなどにより、子銀行等の経営の健全性が損なわれる恐れがある場合等に限って当該個別事案に即した報告を徴求。検査についても、特別な報告の徴求と同様の趣旨の下に、特に必要な場合に限り必要な限度で検査を実施し得ることとするのが適当。
 以上の報告徴求や検査により不適格と認定された主要株主に対しては、株式保有に関する認可の取消しを行うなど所要の措置を講じる。
 銀行が主要株主に対して行う融資などの取引については、現行の諸規制を基本にしつつ、「機関銀行化」の弊害を防止する等の観点から、主要株主に対する信用供与等について適正な量的規制を設定するなどの追加的な措置を検討。
 銀行の経営が悪化した場合、英国ではコンフォート・レターという手法で一定の株主に対し予め支援の意思の確認を求めている。また、銀行の破綻はセーフティネットの存在により、預金者全体の負担や更には公的な負担に結びつく可能性がある。従って、50%超保有の主要株主の場合には、銀行持株会社に対する現行法上の規定を参照し、銀行経営の健全性確保のための措置を求めることが考えられる。それ以下の主要株主については、原則として、特段の措置は求めないが、銀行と実質的に一体となって経営が行われているような場合には、何らかの協力を求めることについて検討することが適当。ただし、その場合においても、異業種からの参入に対する障壁とならないよう留意する必要。
 保険会社については、営業免許制など規制体系、破綻の際のセーフティネットの存在と公的負担の可能性、主要株主に対する規制の国際的なルールとして保険監督者国際機構の「保険コア・プリンシプル」が存在することなどから、株式保有者に関するルールは、基本的には銀行と同様のものとすることが適当。


.銀行業等における新たなビジネス・モデルと規制緩和
 銀行及び銀行子会社の業務範囲については、今後とも、利用者ニーズの多様化や他業禁止の趣旨などを勘案しつつ、不断の見直しを行うことが適当。そして、財務力やリスク管理が十分な銀行については、業務範囲の弾力化を柔軟に図っていくという観点も必要。
 銀行の付随業務については、本業との機能的な親近性、顧客利便等の観点を考慮することが適当。その認定の過程などにおけるノー・アクション・レターの活用を検討。銀行等が本来業務を遂行する中で生じた余剰能力(エクセス・キャパシティ)は、他業禁止の趣旨等に留意しつつ、適切な範囲での活用を認める方向で検討。更に、銀行等の従属業務を行う子会社の収入依存度規制等の見直しを検討。
 金融取引に際しての電子的手段の活用は、銀行のビジネス・モデルの多様化に役立ち、消費者利便の向上にもつながる。その際、商品情報の提供などについて顧客保護にも十分留意。個人情報の第三者との共有に関しては、プライバシー保護等の観点から、適切に対応する必要。以上の業務範囲や顧客保護の観点から検討すべき論点における検討結果は、保険会社についても、ほぼ同様に妥当する。
 利用者利便の向上の観点から、顧客情報保護や安全性確保等に留意しつつ、ノンバンクCD等での預金の引出しを認めることが望ましい。また、銀行の支店の設置等は認可制であるが、情報化の進展や銀行業における経営の効率化の要請などの観点から、届出制に改めることが適当。資産の運用として貸出しに重点を置かない業務形態等を採る新たなビジネス・モデルの銀行のリスク管理については、金利リスク等それぞれの状況に応じたリスクを考慮すること等が適当。
 銀行の資金調達手段としての社債については、一定の要件を付した上で、発行手続きの改善の余地がないかについて検討することが考えられる。これについては、商法や証券取引法の規定との関係も整理する必要。

(以上)

 
<主な出来事>(12月)
     
1日(金) 企業会計審議会第二部会開催(第12回)
4日(月) 中小企業金融の円滑化に関する意見交換会開催
7日(木) 金融審議会第一部会開催(第32回)
8日(金) 企業会計審議会第一部会開催(第4回)
企業会計審議会固定資産部会開催(第4回)
「公認会計士試験(第1次試験)の試験場について」発表
「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律の一部を改正する法律及び貸金業の規制等に関する法律の一部を改正する法律」の施行に伴う総理府令案に対するパブリックコメントの結果公表
アイ・エヌ・エイひまわり生命保険株式会社に対する行政処分
11日(月) 事務ガイドライン改正(「証券会社、投資信託委託業者及び投資法人等並びに証券投資顧問業者等の監督等にあたっての留意事項について」)
12日(火) 金融審議会第一部会開催(第33回)
「保険商品の銀行等における窓口販売について」発表
15日(金) 自動車損害賠償責任保険審議会懇談会
金融審議会第一部会開催(第34回)
20日(水) 公認会計士審査会開催
21日(木) 金融審議会総会開催(金融審議会第一部会報告「銀行業等における主要株主に関するルール整備及び新たなビジネス・モデルと規制緩和等について」)
「韓国金融監督委員会との協力について」発表
「欧州委員会(域内市場総局・経済金融総局)とのハイレベル協議について」発表
「平成13年度機構・定員・予算について」発表
22日(金) 事務ガイドライン改正(貸金業関係)
25日(月) 金融の基本問題に関するスタディグループ開催(第2回)
事務ガイドライン改正(「金融監督等にあたっての留意事項について」等)
「疑わしい取引の届出手続きと届出にあたってのお願い」について発表
金融庁のシンボルマーク発表
28日(木) クレディ・スイス信託銀行に対する業務一部停止処分の解除
野村アセットマネジメント株式会社に対する行政処分