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平成19年3月16日
金融庁

クレディ・スイスの海外拠点による日本における銀行業の無免許営業に関する同行に対する要請について

I . 要請の内容

当庁は、クレディ・スイス(本店:チューリッヒ、スイス連邦)プライベートバンク部門(日本国外の拠点)の元行員による日本における営業活動について、下記IIで述べる違法な営業活動を確認した。銀行法第1条第1項の趣旨に則り、同行に対し、3月15日、以下の観点から法令等遵守態勢及び内部管理態勢の整備・強化等について要請した。

  • (1)プライベートバンク部門が、海外拠点から日本に行員を出張させ預金の受入れの勧誘を行うなど、法令違反となる営業活動を今後一切行わないこと。

  • (2)我が国の法令等を正確に理解した上で、我が国の法令等を遵守するために必要な関連規定・マニュアルを策定すること。

  • (3)役職員に対し、上記(2)で策定した関連規定・マニュアル等の理解と遵守を徹底させるための指導・教育を実施すること。

  • (4)行員の営業活動に係る管理態勢を改善すること。

  • (5)今後、プライベートバンク部門が我が国において銀行業を行う際には、銀行として求められる法令等遵守態勢や内部管理態勢の整備・強化について、グループをあげて取り組むこと。

II. 確認された事実

  • 1. 当庁は、クレディ・スイスのプライベートバンク部門が、日本人富裕層を対象に営業を行うための組織(「ジャパンデスク」と称している)を日本国外に複数設置し、所属の行員を日本に出張させるなどの活動を行い、その中に、預金の受入れの勧誘などの活動が含まれていたことを確認した。このような営業活動は、本邦銀行法第4条1項違反(銀行業の無免許営業)にあたると認められる。

  • 2. 具体的には、2003年、クレディ・スイス香港支店の元行員が日本に出張し、見込み顧客の事務所を訪れ、当該顧客に対し、香港支店における預金の受入れの勧誘を行い、当該事務所において預金口座開設書類に署名をもらうなどの口座開設のための手続きを行ったことが確認された。

    なお、この事例については、当該元行員が当該顧客の資金洗浄に係る刑事事件に関与したとして、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反で起訴されている。2006年3月の第一審判決では、当該元行員の預金の受入れに係る営業行為があった事実は確認されたが、資金洗浄への関与については無罪判決となっており、現在、検察官により控訴されている。

  • 3. このような違法な営業活動が行われた主な原因は、以下に述べるような法令等遵守態勢や内部管理態勢上の問題にあると認められる。すなわち、クレディ・スイスにおいて、日本でのプライベートバンク業務に係る具体的な規定・マニュアル等が策定されておらず、役職員に対する我が国法令の正確な理解やそれに基づく十分な指導・教育が行われていなかったこと。日本における行員の営業活動管理も適切に行われていなかったこと。

以上

お問い合わせ先

金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
監督局銀行第1課(内線3751)

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